◆指揮官交代と盆休み時期に重なった豪雨災害
京阪豪雨というべき京都府と大阪府にまたがる豪雨被害は本日も続いているのですが、8月14日からの豪雨に対し行われた災害派遣が終了しました。
京都府の山田知事は8月14日0715時、大久保駐屯地第4施設団長小野塚貴之陸将補へ京都府宇治市志津川東詰地区と下荘地区での行方不明者捜索と孤立者支援に関する災害派遣要請を出しました。小野塚団長は8月1日に着任したばかりで着任二週間のうちに管区に災害が発生したということです。
志津川東詰は上流に揚水発電所があるあたりと思われますが駐屯地から5kmの場所です。運悪く現在は盆休み期間であり、隊員の少なくない数が休暇申請を出していたのではないでしょうか、併せて施設団長は第10師団副師団長から大久保へ転任されたばかりという状況でした。
第4施設団は0715時の派遣要請を受け、捜索部隊を編成、1009時に東詰地区での捜索を人員30名と車両10両を以て開始、逐次派遣部隊は増強され人員80名と車両10両となりました。災害派遣部隊は第4施設団に続き、増強部隊として近畿を警備管区とする第3師団隷下部隊に対しても派遣が決定します。
1220時には同じ大久保駐屯地より駐屯する第3施設大隊の増強部隊派遣が開始され、人員110名と車両20両が展開しました。この時点で広域浸水と共に家屋一戸が流出し行方不明者が出ているという状況、特に河川増水による孤立地域が出ているという報道にはかなり驚きました。
1354時には航空輸送支援が開始されます。八尾駐屯地より第3飛行隊のUH-1一機とOH-6一機が下荘地区の孤立した老人福祉施設への救援物資の輸送支援を開始しました。豪雨災害が強調されますが、報道の勢いよく流れる市街地の濁流に対し、孤立は一部地域だった模様、1740時、この日の捜索活動を終了します。
15日からは第4施設団の人員70名及び車両30両、第3施設大隊の人員50名と車両10両を以て捜索活動を実施、捜索活動は0805から1700時にかけ実施され、16日にも第4施設団より人員60名と車両20両を以て捜索活動を開始、1116に行方不明者が発見され、京都府警へ身元確認を移管、1830時に京都府知事より撤収要請が出されました。
派遣部隊は第4施設団、第3施設大隊、第3飛行隊、派遣規模は延べで人員410名、車両90両、航空機2機。指揮官交代と長期休暇時期が重なる中での災害派遣となりましたが任務に対応しました。他方、本日も京阪神地区を中心にかなりの豪雨となっており、今後の天候なども心配されます。
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)