北大路機関

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第13旅団創設13周年記念海田市駐屯地祭(2012.11.04) PowerShotG-12速報

2012-11-05 22:59:25 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆G-12撮影の第13旅団観閲行進!

 本日は前回に引き続き海田市駐屯地祭第13旅団創設記念行事の模様を紹介します。EOS-7Dの写真は整理中ですのでPowerShotG-12の写真にて。

Kimg_80130 第13旅団は旅団長川又弘道陸将補、副旅団長原圭二1佐、幕僚長櫻田博美1佐以下4100名を以て、山陽山陰地区の防衛警備及び災害派遣に当たる旅団で、1999年3月に第13師団より旅団への改編を実施、師団と混成団を基幹部隊としてきた陸上自衛隊では、この改編が初の旅団誕生となりました。

Kimg_8020 撮影機材G-12は、デジタル一眼レフの補完装備として最適の機材です。電源立ち上がりとズームの瞬発力にピントの調整時間は十年前のデジタル一眼レフにも劣るものですがレリーズを用いて三脚上から広角で撮影する機能をうまく活かせば、EOS-7DやEOS-50Dが明後日の方向を向いている瞬間の予備として重宝しますし、ライブビューア撮影能力ではEOS-7Dを凌ぐ能力がある。

Kimg_8034 それでは観閲行進の様子を。副旅団長原圭二1佐、幕僚長櫻田博美1佐が観閲行進の先頭を往く、車上から旅団長川又弘道陸将補へ敬礼です。車両は82式指揮通信車と73式小型トラック(現1t半)、背景の海田市の街並み、駐屯地は臨海部ですが、山の中腹へと広がる住宅街と背景の山々の情景が面白いですね。

Kimg_8041 観閲行進を行う第8普通科連隊、連隊長は渡邉茂和1佐、旅団管区でも日本海側にある山陰地方の米子駐屯地に駐屯し本部管理中隊と三個普通科中隊を基幹とする普通科連隊です。人員規模は650名程度とされ、旅団普通科連隊としては規模が大きいという印象です。

Kimg_8042 普通科連隊は、第13旅団は旅団司令部所在地の一個連隊が山陽地区に配備される唯一の連隊で、他の普通科連隊は二個とも山陰地区に配置されています。全国均一に配置される普通科部隊により災害派遣と防衛出動への即応性を確保しているのですが、山陰地区は特に対岸が北朝鮮、今回は展示されませんでしたが携帯無人偵察機等も装備している。

Kimg_8046 第17普通科連隊の観閲行進、連隊長は島瀬達也1佐、山陰地方の山口県山口市に置かれている山口駐屯地に駐屯、連隊は三個普通科中隊と本部管理中隊の編成。第8普通科連隊と第17普通科連隊は第三中隊が軽装甲機動車を運用し、第一中隊と第二中隊が高機動車を運用する編成のもよう。

Kimg_8061 第47普通科連隊の観閲行進、連隊長松村朝生1佐が82式指揮通信車の車上から敬礼しています。ところで、他の師団や旅団では徒歩行進でも連隊長は82式指揮通信車に乗車していることが多いように思うのですが、第13旅団では徒歩行進の場合指揮官も連隊旗も先頭を徒歩行進で式典会場を進む。

Kimg_80620 第46普通科連隊の高機動車、普通科部隊の車両観閲行進はこの第46普通科連隊が一手に行うという模様、この連隊は海田市駐屯地に駐屯している。第8普通科連隊と第17普通科連隊の式典参加部隊は73式大型トラック(3t半)で海田市に展開しているのかもしれませんね、しかし、車体に部隊表記のある8普連と17普連の高機動車が観たかった。

Kimg_8074 高機動車、配備開始が1992年頃、カンボジアPKOに部隊配備が間に合わなかったがその直後に配備となったこの車両で、陸上自衛隊は後方地域までの自動車化という限定的なものから最前線の戦闘加入直前までを自動車化し機動力を発揮できるようになりました、整備性や野戦機動性能と隊員の信頼は何処で聞いても中々のもの。

Kimg_8093 第三中隊の軽装甲機動車、一個小銃班を二両に分乗させて火力投射の分散と制圧面積拡大を期した装備、既に1500両以上が配備されています。各小銃班にはMINIMIや01式軽対戦車誘導弾が装備されているので、機銃装備車と対戦車車両とで混成すれば侮りがたい能力を発揮する、が、操縦要員を残すと降車戦闘要員が減り、全員降車すると車両が置き去り、という問題点は、ある。

Kimg_8105 軽装甲機動車をアップにしてみた。ところで、海田市駐屯地を正門から式典会場まで進みますと通路両側がモータープールになっているのですが、軽装甲機動車は第一中隊と第二中隊のものがかなりありました、もしかするとかなり普通科中隊の装甲化が進んでいるのでしょうか。

Kimg_8143 第13偵察隊、出雲駐屯地の部隊です。軽装甲機動車を先頭に偵察オートバイ、25mm機関砲を搭載した87式偵察警戒車と、そして85式地上レーダ装置が車載され観閲行進に参加しているのが分かります。第13旅団は師団から旅団へ改編されていますが、改編後に立て続けに北朝鮮不審船事案や弾道ミサイル事案が発生、沿岸監視装備の強化と充足率の向上を行っているとのこと。

Kimg_8180 87式偵察警戒車、25mm機関砲が勇ましい。自衛隊では敵の有無を探すのを斥候といい、偵察とは実際に戦闘を交えて反応を図り敵勢力の規模を推測する、という。ただ、87式はレーダ装置を追加搭載し、戦場監視にも対応する。贅沢をいえば暗視装置が微光増倍暗視装置のみなので、熱線暗視装置が欲しいところ。

Img_8190 第13特科隊、指揮官青木誠1佐以下の観閲行進、FH-70榴弾砲を運用する三個特科中隊を基幹として運用、三個特科中隊、という事はFH-70は12門か15門しか装備していない、という事でしょうか、もちろん情報小隊が対砲レーダ装置と対迫レーダ装置一式を揃え能力は大きいのですが、聞けば2008年頃までもう一個中隊あったようなのですが、コンパクト化とはいえ、ちょっとこれは頼りない。

Kimg_8215 FH-70榴弾砲は、海田市駐屯地から宮島まで到達する射程を有しているとのこと、帰りに時間があれば厳島神社へ、とおもったのですが、そんなに遠いのなら、と断念し広島城観光に切り替えました。ところで、後継装備として開発が始まった火力戦闘車、日本の道路事情に合った小回りが利き、自動装填装置により高い火力投射が可能な装備となるわけで、これは完成が楽しみ。

Kimg_8255 第13高射特科中隊の観閲行進、日本原駐屯地の部隊で5km以内の目標を軽快対処する93式近距離地対空誘導弾、10km以内の航空脅威を排除する81式短距離地対空誘導弾、それに探知距離が100km程度という対空レーダ装置P-14,ていうう目標に備える79式対空レーダ装置P-9が観閲行進として進む。

Img_8267 第13施設中隊の観閲行進、施設中隊は海田市駐屯地駐屯の部隊、旅団管内には中部方面隊直轄の方面施設部隊である第4施設団より出雲駐屯地に第304施設隊、三軒屋駐屯地に第305施設隊が駐屯しているのですが、南海トラフ地震の危険が指摘される中、旅団施設が一個中隊というのも、どうも、なあ。

Kimg_8281 観閲行進に出た車両は限られていましたが、モータープールの隣を通りががりついでに眺めたところ、81式自走架橋柱、道路障害作業車、83式地雷敷設装置、グレーダ、バケットローダ、資材運搬車、掩体掘削装置、トラッククレーン、ドーザ、ダンプ等が配備、模擬戦には75式装甲ドーザが参加していましたが、方面施設装備だったもよう、規模が限定される戦闘工兵装備に特化してほしいもの。

Kimg_8315 第13通信中隊、こちらも海田市駐屯地に駐屯する部隊、通信中隊の任務は各連隊長と旅団長との通信確保を行うと共に写真とビデオの撮影も任務となっています。訓練展示模擬戦では最後の突撃成功と丘の上で連隊旗を振る隊員の傍らにもカメラを持った隊員が、なにやら硫黄島の擂鉢山とカメラマンの話を少し思い出した。

Kimg_83260 第13後方支援隊、指揮官は日高昇1佐、第一整備中隊が部隊整備として火器車両整備小隊と通信電子整備小隊、施設整備小隊と工作回収小隊を以て編成、部隊を直接支援する第二整備中隊に補給中隊と輸送隊に衛生隊を以て編成されています。隊本部は海田市駐屯地に置かれていますが、第二整備小隊は前方展開です。

Kimg_8353 第二整備中隊、普通科直接支援小隊は三個小隊あり米子と山口と海田市に駐屯、普通科部隊も装甲車を中心に車両が増え、後方支援部隊の直接支援体制が採られている。写真は96式装輪装甲車で戦車直接支援小隊に配備、戦車部隊に随伴し整備支援を行うためには装甲車が必要ということ。

Kimg_8383 第二整備中隊は三個普通科直接支援小隊に、日本原駐屯地に前進配備される特科直接支援小隊と高射直接支援小隊に戦車直接支援小隊、そして出雲駐屯地には偵察直接支援小隊が展開している。写真は補給中隊と輸送隊、一見地味なものだけれども、これを軽視すると肝心な装備が動かなくなってしまう。

Kimg_83930 衛生隊、救急車と野外手術システムを運用している。ところでこの救急車だけれども、容積は小さくなることは百も承知で第一千九後に対応する軽装甲機動車救急車型を配意できないものか、助手席部分を後部とつなげば担架を一床か緊急時に二床と救急設備を搭載し、銃弾や砲弾片が舞う第一線救護に対応できると思うのですけれど。

Kimg_8402 旅団司令部付隊の化学防護小隊、化学防護車と除染車が観閲行進に参加、化学科部隊は色々な部隊を見てゆきますと近年では特殊武器防護隊や化学防護隊として師団司令部付隊から独立した部隊等がかなり多くなっているのですが、第13旅団では小隊編成として旅団司令部付隊に所属しています。

Kimg_8420 第47普通科連隊、海田市に駐屯する普通科連隊ですが2008年に大津の第2教育団を拡大改編し編成された中部方面混成団へ編入され、今に至ります。即応予備自衛官主体の部隊ですので、教育訓練部隊に移管したほうが訓練効率を高められ、第一線部隊の現役充足率を高められる、という構図です。

Kimg_8445 第13戦車中隊の観閲行進、74式戦車の戦車中隊です。一個中隊ではあるのですが、戦車があるという事実があれば脅威対象が我が国に対し着上陸を行う際、戦車に対抗できる装備が必要となります。対戦車ミサイルが能力を高めているのですが、電線があふれる市街地や竹林に森林地帯を踏破する戦車は開けた土地でなければ対戦車ミサイルは役に立ちません、そういう意味で戦車の必要性が理解できるというもの。

Kimg_84440 観閲行進の最後は何処の部隊でも基本的に戦車部隊が担います、合院を響かせる戦車は勇壮そのもの。戦車中隊には96式装輪装甲車と74式戦車が観閲行進に参加、96式装輪装甲車は増加装甲を車体に装着し、銃座部分に防護盾を追加、戦闘能力を高めた96式装輪装甲車2型です。

Kimg_8484 74式戦車は射撃統制装置に弾道コンピュータを採用し、油圧式車体傾斜装置と105mm砲を搭載し、地形を最大限活用する第二世代戦車として導入、防御力と機動力は完全に時代遅れとなり、射撃統制装置も旧式化していますが、待ち伏せ運用と普通科部隊との協力により戦車脅威を押し返すための物凄い努力が続けられている。耐用年数の関係上、遠からず10式戦車にオッ変えられる、はず。

Kimg_8462 96式装輪装甲車2型、73式装甲車の後継として装備化が開始され、73式は350両が生産されたのですが、96式もようやく350両程度生産された、可能ならば普通科連隊の本部管理中隊に装甲輸送小隊を編成して必要に応じ二個小隊か詰め込んで一個中隊分くらいは装甲化できる装甲車が予算化されてほしいところ、砲弾片から普通科隊員を守るには装甲車が必要なのだ。

Kimg_8502 祝賀飛行が観閲飛行に引き続き実施されます。飛行するのは防府分屯地の第13飛行隊、UH-1J多用途ヘリコプターにOH-6D観測ヘリコプター、タイミングが合うと戦車部隊の上空に祝賀飛行が重なる、のだが、まあ。このほかC-1輸送機とT-7練習機編隊が祝賀飛行に参加しました。こののち、訓練展示模擬戦と装備品展示が行われました。

北大路機関:はるな

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