■富士教導団観閲行進開始
富士学校創設63周年記念富士駐屯地祭、記念式典の完了に続いて富士教導団の観閲行進が開始されました。

82式指揮通信車座上の富士教導団長を先頭に観閲行進が開始されました、232両も生産された指揮官用装甲車両で、元々は普通科部隊用小型装甲車の派生型として考えられていましたが、当時の石油危機に伴う財政難により小型装甲車については実現しませんでした。

教導団本部付隊、本部付隊に96式多目的誘導弾システムMPMSが装備されている。しかし96MPMSを本部付隊が運用すると同時に、連隊には対戦車中隊も編成されています。こちらの方には直接商運用のミサイルが配備されており、96MPMSは配備されていません。

96MPMSは射程が長い光ファイバー誘導ミサイルだが、普通科はここまで遠距離戦闘を想定しているのか、という疑問もある。96MPMSは10kmの射程を持つというけれども、これは戦車や火砲の責任交戦範囲だと思います、この射程を最大限活かすには難易度が高い。

普通科部隊の任務は近接戦闘、主に戦車の間合いのうち側にある500mまでの戦闘力に注力すべきだ、と思うのは10kmの射程を最大限活かすには、無人機化前進観測班による間接照準射撃が必要となる為で、これは近接戦闘という領分を越えてしまうものでしょう。

偵察教導隊の87式偵察警戒車、25mm機関砲で威力偵察を行う、装甲偵察車です。勿論、機関砲のみの装備で装甲は装輪装甲車の平均値を出るものではありませんので機関銃に耐えるのが限度、威力偵察を撃ちかけ、結果で相手が戦車だと反撃され致命的な損害を被る。

偵察は軽戦車の任務、実際には軽歩兵との接敵が限界、偵察よりも敵の有無を探る斥候が限界かとも思うものがあります。相手が戦車を持つ可能性があれば最低限、16式機動戦闘車が必要で、105mm砲を用い、相手が戦車であった場合でも状況次第では撃破が可能です。

偵察における軽戦車の位置づけは、軽戦車の限界という意味で年々変容しています。更にデータリンク能力の向上は第一線の戦車が把握した情報を後方の司令部から中隊本部まで共有できる基盤が構築されつつあり偵察ではなく戦車を先鋒とする運用も定着しつつある。

第一線情報収集は偵察よりも戦場監視と斥候に重点を置き、例えば軽装甲機動車を基本とし、伸縮式複合光学センサーを搭載し高い標高の位置から目標の有無を検知し、併せて軽装甲機動車から多数の小型無人機を運用する、という偵察任務へ、戦場は変容しつつある。

普通科教導連隊、89式装甲戦闘車を先頭に観閲行進へ。89式装甲戦闘車は迫力がありますが、第一線部隊で運用されているのは戦車師団である第7師団の第11普通科連隊が戦車部隊の支援に充てる最小限の3個中隊分のみ、しかし普通科で一番目立つ装備でもあります。

本部管理中隊、普通科連隊は施設大隊の支援を受けずとも施設作業小隊が最小限度の、通信大隊の支援が無くとも通信小隊が最小限度の、後方支援部隊が無くとも輸送小隊が、独立した任務能力を支援できる編成です。勿論最小限度、上級部隊による支援は不可欠です。

施設作業小隊、攻撃前進の先頭に立つ戦闘工兵としての任務は流石に能力不足だけれども、陣地構築や指揮所構築と最小限の戦闘工兵任務を担う部隊です。特に小型油圧ショベル一台が有るか無いかで対戦車班や迫撃砲小隊射撃陣地を掩蔽出来るか否かが決まってしまう。

発煙機3型、高機動車の車体後部から揮発油を大量に燃焼させ、広範囲に煙幕を張る。一見古典的ですが、煙幕を見通すセンサーは高価でそれほど普及していません。敵砲兵観測妨害や対戦車ミサイルの誘導を阻害するなど、煙幕は21世紀でも有効だといえるでしょう。

普通科教導連隊第1中隊の89式装甲戦闘車、戦車に随伴できる装甲車両として要求され、戦車を支援する35mm機関砲と、万一の際に敵戦車へ対抗し得る強力な79式対舟艇対戦車誘導弾を備え正面40mm装甲を備えた優れた装備だけれども68両で生産終了となった。

89式装甲戦闘車は戦車と協同する装甲車両ですが、陸上自衛隊が90式戦車を導入した事により、1500馬力という桁外れのエンジンを搭載する90式戦車の機動力は素晴らしいものですが従来の73式装甲車では90式戦車に随伴する事は非常に難しくなってしまいました。

戦車に随伴する、という運用は勿論最高速度で戦車に随伴する事も必要で90式戦車は70km/hを発揮しますが、73式装甲車は55km/hしか発揮しません、何故ならば73式装甲車は74式戦車の54km/hと協同する事を念頭として最高速度が設計上要求された為です。

高出力のエンジンを搭載する第三世代戦車は泥濘や泥炭湿地帯と草原や森林地帯等を馬力にものを言わせ遮二無二突破する事が出来ます。従って、馬力にものを言わせる戦車と協同するには、相応の装甲車が必要となる訳で、装甲車の世界にも世代交代を強いたかたち。

機甲部隊とは元々が装甲機動部隊ですので、装甲車も障害に直面するたびに人員を下車展開させ制圧戦闘を行っていては肝心の機動力を発揮出来ません。また、当然、周辺国も陸軍の趨勢として近接戦闘部隊に装甲車両を配備していますので、対処能力が求められる。

89式装甲戦闘車は35mm機関砲を搭載し、2000m以遠の敵装甲車両を撃破出来る能力を付与しつつ、銃眼を側面に配置しました。これは車内から隊員が装備する89式小銃を射撃できるもので、乗車しつつ銃撃を加える事で速度を落とさず攻撃前進を行う事が出来ます。

もともとは350両ほど生産して、重装備部隊を集中している北海道の北部方面隊の第7師団と第2師団に当時の第5師団と第11師団へ一個連隊づつ配備する計画だったのですが、冷戦終結で不要な装備とされて生産を大幅縮小されているという残念な歴史があるのです。

しかし、冷戦時代に戦車は70両生産していました、これを冷戦後戦車の量産は20両前後まで縮小しています。三菱重工の生産に余裕が称した訳で、その分、装甲戦闘車を毎年50両から60両生産して、全国の部隊に戦車部隊を現行並みに縮小してでも配備すべきだった。

装甲戦闘車は冷戦後、その必要性が高まりました。歩兵の交戦距離を2500mまで延伸したもの、戦車の交戦距離5000mまでは対応が難しいが、地域紛争やゲリラコマンドー浸透対処には必須の装備で必要性の面で冷戦後、戦車以上に高くなった事を忘れるべきではない。

89式装甲戦闘車、従来型の着上陸を受けた場合でも対戦車戦闘はミサイルに頼り限定的だけれども、敵歩兵戦闘車制圧等には不可欠な車両で、現在では古くなり少々排気煙がくたびれているが、戦車を大幅に減らした今、改良型を今からでも量産すべきと思うのです。

普通科教導連隊第2中隊の軽装甲機動車はこの航続、2000年より大量調達が開始された陸上自衛隊自慢の軽装甲車両で全国の普通科部隊はじめ様々な部隊に配備されています。自衛隊行事に行けばほぼ並べられているのが軽装甲機動車で、特撮やアニメーションでも定番となった。

89式装甲戦闘車の少数配備と対照的に陸上自衛隊と航空自衛隊で2000両が調達されており、本州の普通科部隊には基本的に一個中隊が充足されています。搭載できるものは意外な程多く、MINIMI機銃、12.7mm重機関銃、01式軽対戦車誘導弾、84mm無反動砲、JGVS-V7熱線暗視装置等を装備可能です。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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富士学校創設63周年記念富士駐屯地祭、記念式典の完了に続いて富士教導団の観閲行進が開始されました。

82式指揮通信車座上の富士教導団長を先頭に観閲行進が開始されました、232両も生産された指揮官用装甲車両で、元々は普通科部隊用小型装甲車の派生型として考えられていましたが、当時の石油危機に伴う財政難により小型装甲車については実現しませんでした。

教導団本部付隊、本部付隊に96式多目的誘導弾システムMPMSが装備されている。しかし96MPMSを本部付隊が運用すると同時に、連隊には対戦車中隊も編成されています。こちらの方には直接商運用のミサイルが配備されており、96MPMSは配備されていません。

96MPMSは射程が長い光ファイバー誘導ミサイルだが、普通科はここまで遠距離戦闘を想定しているのか、という疑問もある。96MPMSは10kmの射程を持つというけれども、これは戦車や火砲の責任交戦範囲だと思います、この射程を最大限活かすには難易度が高い。

普通科部隊の任務は近接戦闘、主に戦車の間合いのうち側にある500mまでの戦闘力に注力すべきだ、と思うのは10kmの射程を最大限活かすには、無人機化前進観測班による間接照準射撃が必要となる為で、これは近接戦闘という領分を越えてしまうものでしょう。

偵察教導隊の87式偵察警戒車、25mm機関砲で威力偵察を行う、装甲偵察車です。勿論、機関砲のみの装備で装甲は装輪装甲車の平均値を出るものではありませんので機関銃に耐えるのが限度、威力偵察を撃ちかけ、結果で相手が戦車だと反撃され致命的な損害を被る。

偵察は軽戦車の任務、実際には軽歩兵との接敵が限界、偵察よりも敵の有無を探る斥候が限界かとも思うものがあります。相手が戦車を持つ可能性があれば最低限、16式機動戦闘車が必要で、105mm砲を用い、相手が戦車であった場合でも状況次第では撃破が可能です。

偵察における軽戦車の位置づけは、軽戦車の限界という意味で年々変容しています。更にデータリンク能力の向上は第一線の戦車が把握した情報を後方の司令部から中隊本部まで共有できる基盤が構築されつつあり偵察ではなく戦車を先鋒とする運用も定着しつつある。

第一線情報収集は偵察よりも戦場監視と斥候に重点を置き、例えば軽装甲機動車を基本とし、伸縮式複合光学センサーを搭載し高い標高の位置から目標の有無を検知し、併せて軽装甲機動車から多数の小型無人機を運用する、という偵察任務へ、戦場は変容しつつある。

普通科教導連隊、89式装甲戦闘車を先頭に観閲行進へ。89式装甲戦闘車は迫力がありますが、第一線部隊で運用されているのは戦車師団である第7師団の第11普通科連隊が戦車部隊の支援に充てる最小限の3個中隊分のみ、しかし普通科で一番目立つ装備でもあります。

本部管理中隊、普通科連隊は施設大隊の支援を受けずとも施設作業小隊が最小限度の、通信大隊の支援が無くとも通信小隊が最小限度の、後方支援部隊が無くとも輸送小隊が、独立した任務能力を支援できる編成です。勿論最小限度、上級部隊による支援は不可欠です。

施設作業小隊、攻撃前進の先頭に立つ戦闘工兵としての任務は流石に能力不足だけれども、陣地構築や指揮所構築と最小限の戦闘工兵任務を担う部隊です。特に小型油圧ショベル一台が有るか無いかで対戦車班や迫撃砲小隊射撃陣地を掩蔽出来るか否かが決まってしまう。

発煙機3型、高機動車の車体後部から揮発油を大量に燃焼させ、広範囲に煙幕を張る。一見古典的ですが、煙幕を見通すセンサーは高価でそれほど普及していません。敵砲兵観測妨害や対戦車ミサイルの誘導を阻害するなど、煙幕は21世紀でも有効だといえるでしょう。

普通科教導連隊第1中隊の89式装甲戦闘車、戦車に随伴できる装甲車両として要求され、戦車を支援する35mm機関砲と、万一の際に敵戦車へ対抗し得る強力な79式対舟艇対戦車誘導弾を備え正面40mm装甲を備えた優れた装備だけれども68両で生産終了となった。

89式装甲戦闘車は戦車と協同する装甲車両ですが、陸上自衛隊が90式戦車を導入した事により、1500馬力という桁外れのエンジンを搭載する90式戦車の機動力は素晴らしいものですが従来の73式装甲車では90式戦車に随伴する事は非常に難しくなってしまいました。

戦車に随伴する、という運用は勿論最高速度で戦車に随伴する事も必要で90式戦車は70km/hを発揮しますが、73式装甲車は55km/hしか発揮しません、何故ならば73式装甲車は74式戦車の54km/hと協同する事を念頭として最高速度が設計上要求された為です。

高出力のエンジンを搭載する第三世代戦車は泥濘や泥炭湿地帯と草原や森林地帯等を馬力にものを言わせ遮二無二突破する事が出来ます。従って、馬力にものを言わせる戦車と協同するには、相応の装甲車が必要となる訳で、装甲車の世界にも世代交代を強いたかたち。

機甲部隊とは元々が装甲機動部隊ですので、装甲車も障害に直面するたびに人員を下車展開させ制圧戦闘を行っていては肝心の機動力を発揮出来ません。また、当然、周辺国も陸軍の趨勢として近接戦闘部隊に装甲車両を配備していますので、対処能力が求められる。

89式装甲戦闘車は35mm機関砲を搭載し、2000m以遠の敵装甲車両を撃破出来る能力を付与しつつ、銃眼を側面に配置しました。これは車内から隊員が装備する89式小銃を射撃できるもので、乗車しつつ銃撃を加える事で速度を落とさず攻撃前進を行う事が出来ます。

もともとは350両ほど生産して、重装備部隊を集中している北海道の北部方面隊の第7師団と第2師団に当時の第5師団と第11師団へ一個連隊づつ配備する計画だったのですが、冷戦終結で不要な装備とされて生産を大幅縮小されているという残念な歴史があるのです。

しかし、冷戦時代に戦車は70両生産していました、これを冷戦後戦車の量産は20両前後まで縮小しています。三菱重工の生産に余裕が称した訳で、その分、装甲戦闘車を毎年50両から60両生産して、全国の部隊に戦車部隊を現行並みに縮小してでも配備すべきだった。

装甲戦闘車は冷戦後、その必要性が高まりました。歩兵の交戦距離を2500mまで延伸したもの、戦車の交戦距離5000mまでは対応が難しいが、地域紛争やゲリラコマンドー浸透対処には必須の装備で必要性の面で冷戦後、戦車以上に高くなった事を忘れるべきではない。

89式装甲戦闘車、従来型の着上陸を受けた場合でも対戦車戦闘はミサイルに頼り限定的だけれども、敵歩兵戦闘車制圧等には不可欠な車両で、現在では古くなり少々排気煙がくたびれているが、戦車を大幅に減らした今、改良型を今からでも量産すべきと思うのです。

普通科教導連隊第2中隊の軽装甲機動車はこの航続、2000年より大量調達が開始された陸上自衛隊自慢の軽装甲車両で全国の普通科部隊はじめ様々な部隊に配備されています。自衛隊行事に行けばほぼ並べられているのが軽装甲機動車で、特撮やアニメーションでも定番となった。

89式装甲戦闘車の少数配備と対照的に陸上自衛隊と航空自衛隊で2000両が調達されており、本州の普通科部隊には基本的に一個中隊が充足されています。搭載できるものは意外な程多く、MINIMI機銃、12.7mm重機関銃、01式軽対戦車誘導弾、84mm無反動砲、JGVS-V7熱線暗視装置等を装備可能です。
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