■自衛隊ヘリ墜落で住宅火災
自衛隊ヘリコプターが佐賀県神埼市の住宅街で墜落、住宅街で火災が発生しました。
AH-64D戦闘ヘリコプターが本日夕方、佐賀県神埼市千代田町嘉納の住宅街に墜落、炎上しました。防衛省によれば佐賀県神埼市で陸上自衛隊のヘリコプターが予防着陸を行ったとの情報があり、同じ頃、神埼市役所へ千代田町の大立寺幼稚園の近くでヘリコプターが墜落し炎上しているとの通報があり、予防着陸のヘリコプターが墜落した事が判明します。
墜落機は、目達原駐屯地の第3戦闘ヘリコプター隊所属機で、事故現場は目達原駐屯地から南方へ4kmに位置しています。AH-64Dは2名搭乗の戦闘ヘリコプターで、乗員は夕方1730時過ぎの防衛大臣発表で心肺停止状態、また墜落した住宅では四人が居て、炎上し児童一人が火傷を負い、病院で手当てを受けているとの事です。AH-64Dの墜落は初めて。
小野寺防衛大臣は“このような事故が起き、民家に墜落したということは申し訳なく、重く受け止めている。おわび申し上げる”として謝罪すると共に、同型機の飛行を安全が確認されるまで当面中止する事を発表しました。AH-64Dは陸上自衛隊へ13機が配備され、航空学校教材以外は全て目達原駐屯地の第3戦闘ヘリコプター隊へ集中配備されています。
目達原管制塔から今回の事故は目視で確認されており、東側から西側に飛行中に機首から落下した、防衛大臣記者会見にて発表されています。原因は調査中です。AH-64Dは整備を終えての点検飛行の際に墜落しており、部隊整備を意味するのか、メーカー定期整備を意味するのかは不明です。第一報では予防着陸を試みるとの通信が最後だった、とのこと。
自衛隊機の墜落により住宅が炎上するのは近年なく、原因の徹底究明が求められます。目達原飛行場からの目視情報や、墜落までに通信を行えたとので、墜落の徴候を上院が確認できたことを意味しますが、予防着陸を行えない高度での機体トラブルか、予防着陸不能の状態であったかが焦点の一つ。同型機の他に全ての陸上自衛隊機の整備状況を確認する。
AH-64D戦闘ヘリコプターは旧式老朽化が進むAH-1S対戦車ヘリコプターの後継機として2006年から配備が開始された最新鋭機で、ボーイング社が製造、自衛隊向けの機体は富士重工/スバルにおいてライセンス生産が行われています。当初は60機の調達が見込まれていましたが、ミサイル防衛等の新任務に防衛費が圧迫され、13機で生産終了となりました。
AH-1S対戦車ヘリコプターは96機が配備されましたが、後継のAH-64D戦闘ヘリコプターは13機のみ、毎年1機程度しか調達できない事で生産ライン維持費が肥大化、調達中止となっています。AH-1Sは毎年老朽化により数機が用途廃止されている中、同じ仕事量で団塊世代96名分の仕事を新人13名か担う形でAH-64Dは毎年負担が増大し続けていた。
負担という視点からは戦闘ヘリコプターを支援する観測ヘリコプターの問題があります。AH-64Dの支援にはOH-1観測ヘリコプターが当りますが、当初OH-1は250機が大量生産され老朽化したOH-6D観測ヘリコプター190機を置き換える計画でしたが、調達計画を縮小した事で一機当たりの製造費用が増大し、38機と予定を大幅に下回り製造終了した。
OH-1は高度な光学監視装置を搭載しており、AH-64Dに先行して目標情報を探る観測ヘリコプターです。AH-64Dは射程8kmのAGM-114対戦車ミサイルを主武装とし、8km先の目標情報を得るにはOH-1の支援が重要です。このただでさえ不足するOH-1は一昨年から不時着事案を受け、全機飛行停止中、AH-64Dは僚機が観測任務も同時に担う状況です。
中国による南西諸島への軍事脅威増大を受け、島嶼部防衛という陸上自衛隊の新任務では、戦闘ヘリコプターは対戦車ヘリコプターよりも長大な航続距離と戦闘行動半径を有する事から、水陸機動部隊の離島防衛任務にて、上空からの掩護を行う重責が、従来の対戦車攻撃任務に加えられていて、来月新編される水陸機動団は目達原に近い相浦に置かれます。
事故の原因はまだ情報収集中の段階ですが、思い出されるのは、アメリカ海軍横須賀基地所属のイージス艦が相次ぎ事故を発生させ、衝突事故や座礁事故が一年間で四度に及んだ際の事故原因は、過剰な勤務体制により負担が増大していた、と海軍作戦部長が発表し、唯一の解決策は横須賀配備のイージス艦を増強し、負担を軽減する事だ、とした発言が。
最新鋭の戦闘ヘリコプターが墜落した背景には、陸上自衛隊全般の航空部隊の忙しさがあるのではないか。水陸機動団画新編される中、対戦車ヘリコプターは年々数が減少する中で任務だけが増大している、正直なところ、機数は本当に足りているのか、事故の原因にAH-1Sが配備された当時と比較し負担は増大していないのか、犠牲者が出た事故です。徹底した原因究明を器材に留まらず、深層まで究明を望みたい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
自衛隊ヘリコプターが佐賀県神埼市の住宅街で墜落、住宅街で火災が発生しました。
AH-64D戦闘ヘリコプターが本日夕方、佐賀県神埼市千代田町嘉納の住宅街に墜落、炎上しました。防衛省によれば佐賀県神埼市で陸上自衛隊のヘリコプターが予防着陸を行ったとの情報があり、同じ頃、神埼市役所へ千代田町の大立寺幼稚園の近くでヘリコプターが墜落し炎上しているとの通報があり、予防着陸のヘリコプターが墜落した事が判明します。
墜落機は、目達原駐屯地の第3戦闘ヘリコプター隊所属機で、事故現場は目達原駐屯地から南方へ4kmに位置しています。AH-64Dは2名搭乗の戦闘ヘリコプターで、乗員は夕方1730時過ぎの防衛大臣発表で心肺停止状態、また墜落した住宅では四人が居て、炎上し児童一人が火傷を負い、病院で手当てを受けているとの事です。AH-64Dの墜落は初めて。
小野寺防衛大臣は“このような事故が起き、民家に墜落したということは申し訳なく、重く受け止めている。おわび申し上げる”として謝罪すると共に、同型機の飛行を安全が確認されるまで当面中止する事を発表しました。AH-64Dは陸上自衛隊へ13機が配備され、航空学校教材以外は全て目達原駐屯地の第3戦闘ヘリコプター隊へ集中配備されています。
目達原管制塔から今回の事故は目視で確認されており、東側から西側に飛行中に機首から落下した、防衛大臣記者会見にて発表されています。原因は調査中です。AH-64Dは整備を終えての点検飛行の際に墜落しており、部隊整備を意味するのか、メーカー定期整備を意味するのかは不明です。第一報では予防着陸を試みるとの通信が最後だった、とのこと。
自衛隊機の墜落により住宅が炎上するのは近年なく、原因の徹底究明が求められます。目達原飛行場からの目視情報や、墜落までに通信を行えたとので、墜落の徴候を上院が確認できたことを意味しますが、予防着陸を行えない高度での機体トラブルか、予防着陸不能の状態であったかが焦点の一つ。同型機の他に全ての陸上自衛隊機の整備状況を確認する。
AH-64D戦闘ヘリコプターは旧式老朽化が進むAH-1S対戦車ヘリコプターの後継機として2006年から配備が開始された最新鋭機で、ボーイング社が製造、自衛隊向けの機体は富士重工/スバルにおいてライセンス生産が行われています。当初は60機の調達が見込まれていましたが、ミサイル防衛等の新任務に防衛費が圧迫され、13機で生産終了となりました。
AH-1S対戦車ヘリコプターは96機が配備されましたが、後継のAH-64D戦闘ヘリコプターは13機のみ、毎年1機程度しか調達できない事で生産ライン維持費が肥大化、調達中止となっています。AH-1Sは毎年老朽化により数機が用途廃止されている中、同じ仕事量で団塊世代96名分の仕事を新人13名か担う形でAH-64Dは毎年負担が増大し続けていた。
負担という視点からは戦闘ヘリコプターを支援する観測ヘリコプターの問題があります。AH-64Dの支援にはOH-1観測ヘリコプターが当りますが、当初OH-1は250機が大量生産され老朽化したOH-6D観測ヘリコプター190機を置き換える計画でしたが、調達計画を縮小した事で一機当たりの製造費用が増大し、38機と予定を大幅に下回り製造終了した。
OH-1は高度な光学監視装置を搭載しており、AH-64Dに先行して目標情報を探る観測ヘリコプターです。AH-64Dは射程8kmのAGM-114対戦車ミサイルを主武装とし、8km先の目標情報を得るにはOH-1の支援が重要です。このただでさえ不足するOH-1は一昨年から不時着事案を受け、全機飛行停止中、AH-64Dは僚機が観測任務も同時に担う状況です。
中国による南西諸島への軍事脅威増大を受け、島嶼部防衛という陸上自衛隊の新任務では、戦闘ヘリコプターは対戦車ヘリコプターよりも長大な航続距離と戦闘行動半径を有する事から、水陸機動部隊の離島防衛任務にて、上空からの掩護を行う重責が、従来の対戦車攻撃任務に加えられていて、来月新編される水陸機動団は目達原に近い相浦に置かれます。
事故の原因はまだ情報収集中の段階ですが、思い出されるのは、アメリカ海軍横須賀基地所属のイージス艦が相次ぎ事故を発生させ、衝突事故や座礁事故が一年間で四度に及んだ際の事故原因は、過剰な勤務体制により負担が増大していた、と海軍作戦部長が発表し、唯一の解決策は横須賀配備のイージス艦を増強し、負担を軽減する事だ、とした発言が。
最新鋭の戦闘ヘリコプターが墜落した背景には、陸上自衛隊全般の航空部隊の忙しさがあるのではないか。水陸機動団画新編される中、対戦車ヘリコプターは年々数が減少する中で任務だけが増大している、正直なところ、機数は本当に足りているのか、事故の原因にAH-1Sが配備された当時と比較し負担は増大していないのか、犠牲者が出た事故です。徹底した原因究明を器材に留まらず、深層まで究明を望みたい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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