北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【日曜特集】駒門駐屯地創設55周年記念行事(4)訓練展示模擬戦は状況終了(2015-04-05)

2021-11-28 20:07:22 | 陸上自衛隊 駐屯地祭
■前進する戦車の迫力!
 戦車部隊が次々と攻撃前進に移行しまして訓練展示は静から動へ一挙に転じています。

 10式戦車が躍動感を伴い機動打撃を展開するお気に入りの情景です。戦車が迫ってくる情景というものは撮影できそうで難しい、目の前で停車している構図は工夫次第でなんとかなるものですが、こう、躍動感、動いているぞ、という構図は、やはり難しいのですよ。

 10式戦車の機動打撃とともに意外に長い砲塔と奥の90式戦車が面白い。基本的に双方とも第三世代戦車、つまり、打撃力と機動力と防御力という戦車の三要素を最大限確保しています。しかし10式戦車は極めて軽量であり、これを第四世代戦車とする考え方もあります。

 74式戦車も前進を開始し第一線を形成した90式戦車を超越してすすむ。74式戦車は戦後第二世代戦車といい、この時代は打撃力と機動力と防御力のうち、機動力と防御力をどちらか犠牲にする設計が主流でした。当時は軽量強靱なエンジンや装甲技術がなかったため。

 74式戦車がこちらに向かい後方には戦車に火砲に装甲車が並ぶ。チーフテンは防御力を特に重視した結果機動力が極端に下がり、AMX-30やレオパルド1は防御力は機関砲防御程度に抑え機動力を重視している。74式戦車とT-62は車内を局限まで抑えて両立を目指した。

 74式戦車に望遠の焦点を合わせると迫り来る迫力と後方の90式戦車が。第三世代戦車は、イギリスが複合装甲というチタンとセラミック、対戦車ミサイルの放つ高熱と徹甲弾の叩きつける衝撃に強い素材を重ね圧延均一鋼板換算でもの凄い厚さを再現したことで始まる。

 74式戦車が2両重なり砲塔を敵に向けつつこちらへと邁進してきました。第三世代戦車は複合装甲とともに軽量な1500hp級エンジンが開発されることで、多少装甲が厚くそして重くとも、遮二無二機動力を発揮できるエンジン技術が開発、バランスのよい戦車ができた。

 74式戦車が射撃姿勢を維持しつつこちらへ向かう迫力の構図が進む。74式戦車は第二世代戦車が1960年代初頭から開発されましたので後塵を拝する構図ですが、車内容積を絞り砲塔形状を工夫し油圧式懸架装置の採用により地形防御を採る、高い防御力を有しています。

 74式戦車の精悍な角度が今まさに行進間射撃するような迫力を醸し出す。この74式戦車と対照的なのはM-60戦車で、これは機動力をそれなりにとりつつ、車高は高いですが使いやすい車内を追求し完成しました。課題はありましたが均衡はあり、これがM-1戦車に続く。

 74式戦車に続き戦果拡張に必要な施設科部隊の自走架橋柱が前へ。施設科部隊を随伴させるということはウェットギャップなどを渡河するという想定なのでしょう、駐屯部隊全員参加で有り合わせの訓練展示部隊ですが、それでも想像は大きく膨らんで往くものですね。

 74式戦車が81式自走架橋柱を伴いこちらへ進む迫力ある構図とともに。81式自走架橋柱は戦車などの応急橋梁を架橋する優秀装備ですが、見ての通り防弾装甲は皆無で油圧式の架橋柱は砲弾片に非常に弱い。偵察隊は先行し、相当敵情を注意深くみているのでしょう。

 11式装軌車回収車も12.7mm重機関銃を構えつつ機動打撃に展開する。後方支援連隊の装備です。ここまで来ますと総攻撃というよりも一家総出という印象ですが、戦車回収車まで攻撃前進する展示というものも、ないにはないですが相当に希有で貴重な情景でしょう。

 90式戦車も戦闘加入を準備したところでようやく状況は終了となった。状況終了の喇叭が響きますと、さてさて、疲れたなあ、と当方の周囲でも帰り支度が始まる。自衛隊行事を撮影するという際には、この切り替えというものが、実は大事なのかもしれませんね。

 満開の桜花と共に90式戦車。実のところ撮影位置をどこからとするのか、相当迷ったのですが、少しメイン会場から出口に近い位置でしたので、こうした戦車と見学席という不思議な構図を撮影することができました。国民に見守られる戦車、税金をしっかり活用する。

 90式戦車、最新の10式戦車も良い戦車だとは思うのですが、国内インフラの整備進捗を見ますと、44tに無理して軽量化するよりも戦車定数900両の時代に、さっさと90式戦車の数を揃えていれば、とも思うのですよね。近代化改修により90式は充分現用に耐えます。

 即応機動旅団とか即応機動師団とか総合近代化師団に地域配備師団、名前だけは世界に誇る文字の羅列ですが、専守防衛を堅持するのであれば戦車と軽量安価な装甲車を揃えていれば、専守防衛として相手に上陸させる気を起こさせない、という本分は担えたとおもう。

 本土決戦主義、こう当方のような考え方を批判というか揶揄する向きもあるようですが、海上防衛力で対中対ロの必勝を期すという、わたしたちを本土決戦主義と批判するたちこそ、実際には中ロ開戦主義という、実は危険な主張なのではないか、抑止力視座から思う。

 96式装輪装甲車も、戦車と連携するならば機動力に富んでいて一定程度の防御力を有し、なにより安価で良い装備だ、と思うのですよね。万一の際には戦車が盾となってくれる。しかし、装甲車単体で運用するならば、もっと重装甲で、必然的に高い装甲車が必要だ。

 74式戦車。もう間もなく自衛隊装備としては役目を終える装備なのですけれども、非常に優秀な乗員と訓練体系を構築している優秀な集団です、74式戦車の要員を装甲戦闘車の乗員に転用できるよう装甲戦闘車の数を揃えれば、戦車と連携する真の装甲機動部隊が育つ。

 状況終了、とともに装備品展示の見学へと移行します。国際教の装備として軽装甲機動車と96式装輪装甲車が並ぶ。ともに優秀な装備ですが、政府と国民とマスコミが一体となって国内防衛産業叩きを行い、小松製作所は新規開発撤退表明、後継装備は高価な海外製に。

 防衛産業というものは防衛力の一要素であると思う、これを象徴するのが展示車両となっている61式戦車以来、連綿と受け継がれる装備体系ね。戦車を国産できない国は悲惨な状態になっている国が多い、しかし、恵まれている日本ほど恩恵の意義を理解していない。

 78式戦車回収車に90式戦車回収車に11式装軌車回収車、自衛隊の戦車回収車三世代が勢ぞろいとなりました。どれも微妙に違うのが面白いですね。90式戦車回収車を91式戦車回収車と呼び間違えてしまいます方が居ますので少々注意を、91式は戦車橋、別の装備です。

 90式戦車回収車とよく呼間違える91式戦車回収車は、おそらく91式戦車橋を勘違いしているのでしょうか、91式戦車なにがし、と覚え間違えるのでしょう。そして91式戦車橋は東千歳くらいでしか毎回出てこない装備で、車体は74式戦車だという、紛らわしいです。

 73式装甲車。この後継車両が89式装甲戦闘車後継車両と車体部分を共通化させる共通戦術車輛として試験が進んでいます。実際のところ、防御力は89式装甲戦闘車の車体でも現用装軌式車両としては最小限度のものですが、国産できすならば採用すべき、数も大量にね。

 74式戦車改といいますか、G型が展示されていました。熱戦暗視装置を追加し弾道コンピュータを新型化、そして履帯も脱落防止転輪としたものですが、1両改造するのに1億円を要し5両を試験改造したところで90式戦車の量産が優先され事業は終了しました。こんなかたちで会場を巡り、こちらも状況終了です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都発幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-大洗,ガールズ&パンツァー逸見エリカさんの店

2021-11-28 18:27:01 | グルメ
■大洗地方総監部聖地巡礼
 観艦式はじめ太平洋を護衛艦で行き来していますとシーレーン防衛の重要性を感じ入るところですが、同時に太平洋は魚介類という資源も湛えています。

 ガールズ&パンツァーとあわせて大洗地方総監部という表現がある模様です。もっとも方面総監部や海上自衛隊の総監部が置かれた事は一度も無く、要するにガールズ&パンツァーの声優さんがゲーム艦隊これくしょん声優として参加しているという表現のようなのですが。

 大洗。フェリーが北海道とを結ぶ茨城県の港町でありそして海水浴の街として知られるが、最近ではガールズ&パンツァーの街といった方が分りやすいのかもしれない。そんな中で推しはと聞かれますと、声優の生天目さんが声を充てている逸見エリカさんを推したい。

 逸見エリカさん。大洗は面白い街でしてガールズ&パンツァーというのは、現代日本とよく似た並行世界、茶道や弓道に並んで戦車道というものがあり淑女の嗜みとしまして戦車に載る事が普通の世界、競技用に改造の戦車で模擬戦に挑むという世界観ですがここでは。

 かま家、大洗町は主人公の高校の母港がある街、ここでガールズ&パンツァーに併せて町内の様々な旅館や飲食店などがキャラクターの看板を掲げているのですね。そういうことで逸見エリカさんの看板を探しましたらば、ここが小粋な御寿司屋さんだった、とううこと。

 海鮮丼を注文しましたが、握りも注文出来ます、いや夜が鮟鱇料理なども愉しめるのですが、何故か夜に行きますと臨時休業や貸切やら仕出し中なのだったりでお昼に何度か楽しめただけです。しかし、流石は大洗、鹿島灘の海の幸は美味しい、気軽にいただけますし。

 大洗の散策、海水浴の街なのですが閑散期は静かです、しかしこういう意味で観光慣れしていますので、はるか遠方上方の一見さんでも歓迎する文化が在るのですね、よそ者が歩いていても受け入れられる価値観と、そしてそれでいて観光地観光地していないという。

 ガールズ&パンツァー、しかし何故当地が舞台となったのかと云いますと、2011年東日本大震災により大洗が受けた被害を見たアニメーション制作会社の方々が、何か助けられないか、と作品の舞台にしたという、舞台巡りを“聖地巡礼”といい、観光客が増える。

 東日本大震災は福島第一原発事故や津波を真正面から受けた宮城県と岩手県の被害が大きく、復興予算も大量に注ぎ込まれましたが、逆に茨城県と千葉県にも激甚被害があった、という。津波も実は大洗駅前まで来ている。そしてこの日も、ご飯中にやや大きな地震が。

 観光というものは、出会いと思う、実はわたしもガールズ&パンツァーを見たからこそ、実は作品の制作が富士総合火力演習で配られた朝雲新聞号外の広告で公開されたときにここまで当るとは思わなかったのですが、ふと大洗へ行こう、実際何度も行ったのも事実です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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