北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【G3X撮影速報】舞鶴鎮守府120周年記念マリンフェア,夜景撮影と第2師団(2021-10-30)

2021-11-13 20:20:15 | 詳報 陸海空自衛隊関連行事
■舞鶴港,第2師団は突然に
 撮影というものはいつ被写体と巡り合うかというのは歩む歩数の分だけ大きいのかもしれませんね。

 舞鶴基地に停泊する日米艦艇たち。舞鶴基地一般公開を撮影しましたが撮影の目的は翌日の防災訓練を撮影することが目的でしたので、土曜日の一般公開は、今日は良い日だあ、という面もちでして、おそらく終始にんまりしていたようにも思うのですが、さてさて。

 ひゅうが、チャフィー。アメリカ海軍の艦艇は大型、これは世界の認識であるのですけれどもDDGは防空駆逐艦、対して護衛艦ひゅうが区分もDDHのヘリコプター搭載護衛艦、DDを冠していますので艦隊駆逐艦となっています。日米ですと日本の方が大きいのです。

 夜景撮影。舞鶴基地一般公開を散策しましたが元々は金剛院と松尾寺を巡ってみようという気軽な趣での土曜日の舞鶴散歩のつもりでしたけれども、自衛隊撮影の機運に火がついた、とでも申しましょうか、地酒と地魚をホテルに買い込み一杯のつもりが夜の撮影へ。

 北吸岸壁の護衛艦夜景撮影をしよう、こう思い立ちました次第です。アメリカ海軍のイージス艦は横須賀基地では日常風景かもしれないが、舞鶴ではなかなか入港の機会も限られています、カメラもEOS-7Dmark2にG3XとM-3があり、撮影機材としては充実です。

 新日本海フェリー埠頭、しかし、今日はフェリーが入港するとはいえトラックが多いものなのだなあ、こう何気なく振り返りますと、トラックは民間のものよりも3-1/2tトラックが多い、驚きました、自衛隊のトラックが並んでいますよ、どこの師団だろう、気に成る。

 第2師団。旭川の第2師団の車両でした、第2後方支援連隊に第2施設大隊、そして留萌の第26普通科連隊も居て、第2師団は最北の名寄第3普通科連隊に遠軽の第25普通科連隊と留萌の第26普通科連隊、一桁台と連番の二十番台ですから連隊と駐屯地が覚えやすい。

 北方機動演習、2002年までは我が国安全保障における最大の脅威は北方ソ連、ソ連崩壊後はロシア、その北海道北部への侵攻であったことから、名古屋の第10師団、東北の第6師団、広島の第13師団、北熊本の第8師団を、有事の際に北海道へ送る想定だったのです。

 第1戦車群、既に廃止されていますが、冷戦時代の北方機動は有事の際に古い61式戦車を本州から輸送するよりは、人員だけでも緊急展開させ、恵庭の第1戦車群とともに連隊戦闘団を編成する、という目的で編成されており、北方重視の時代の象徴だといえました。

 協同転地演習。2002年より北方機動演習という名は改められました背景には、北方への脅威と同等に西方へ中国の軍事的脅威が増大しており、これに備えるには逆に強力な装備を持つ北部方面隊を南下させる訓練もまた必要である、とまさに南北が転換したのですね。

 第2師団の舞鶴港、おそらくあいばの演習場にて訓練を行ったのでしょうが、あそこは戦車射撃もスラローム射撃に対応していませんし射撃は2000mまで、北海道の演習場になれていますと市街戦訓練施設をのぞいて手狭でしょう、敢えて内地に慣れに、と意義は深い。

 京都府警のパトカーと何故かワゴン車も来ていまして、無線で舞鶴署と会話しているのですが、舞鶴署が何故か中部方面総監部と連絡しているようで、隷下師団には舞鶴港から北海道に向かう部隊はない、とやり取り、それはそうだろう、ここは第3師団管区なのです。

 機動戦闘車や戦車のような、特殊大型車両を含まない部隊ですので、道路管理者に通知の必要はなかった、これが逆に所轄の警察に、何処の自衛隊なのだろう、という混乱を出してしまったとしましたら、これはこれでお役所的といいますか、不思議な印象でした。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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台湾海峡の危機-国連平和維持活動の必要性,第五世代PKOの原点回帰と国連航空軍の構想

2021-11-13 14:41:29 | 防衛・安全保障
■いまこそPKOは原点回帰を
 台湾海峡についてこのところの国際報道を見ればロイターにAFPにCNNとBBCにABCとNHK,危機感を感じるものばかりで緊張緩和のものがありません。

 台湾海峡の情勢が緊迫の度合いを増しています。台湾防空識別圏への中国軍機侵入は“常軌を逸した”としか表現できない程の規模であり、アメリカ本土やアラスカ州へのロシア機の年間接近件数の十倍にあたる規模の防空識別圏侵入が、僅か“24時間”で発生する、こう説明しますと、常軌を逸した規模であるとの表現が過大でないと理解できるでしょう。

 中国政府の主張は台湾の独立を阻止する、という名目ですが、もともと中華民国の交戦団体であった中国共産党が独立した際に、交戦団体の国際法上の立場を入れ替えた構図ではあるのですけれども、仮に台湾が現状の維持を行ったとしても、現状では中国軍による台湾島侵攻は、現実脅威として最早机上の空論を超えた緊迫度があります。戦争は避けたい。

 戦争は避けたい。日本から考えた場合は、台湾有事とは東南アジアから日本に至る工業サプライチェーンの遮断を意味します、東南アジアからは豪州南方を経由し日本に向かう事も可能ですが、これは京都から大阪に行く際に舞鶴と福知山を経由し移動するに等しく、湖西線と北陸本線に小浜線と舞鶴線に山陰線と福知山線、これほどの遠回りは死活的です。

 第五世代型国連平和維持活動PKOの必要性というものを感じます。これは台湾海峡情勢を俯瞰してのものですが、中華人民共和国の国連加盟と同時に行われた中華民国台湾政府の国連脱退を受け、台湾という国連に加盟しない主権国家、この存続がこの数年間の中国軍事圧力増大により危機に曝されています。一日で50機以上が防空識別圏に侵入さえする。

 台湾有事を回避するには、PKO部隊による兵力引き離しを行うほかないのですが、2002年の東ティモールPKO以降のPKO任務は国連憲章七章措置という、安全保障理事会決議を通じて行う、国連軍としての性質を帯びたPKO任務となっています。しかし、もともとPKOというものは米ソ超大国の影響を受けない総会決議に基づく措置となっていました。

 冷戦構造と共に超大国の影響、圧力を受けないよう安全保障理事会の全会一致を待っていては必要な措置を執る事が出来ない、という視点から先ず中東問題において兵力引き離しを実施していました。台湾問題でPKOを組織するならば、安全保障理事会では確実に中国が拒否権を行使します、しかし、国連総会での多数決ならば、まだ、可能性が残るのです。

 中国の主張が台湾の独立阻止にあるならば、武力統一以外にも選択肢はあります。しかし、現状の様な軍事圧力が増大したままであれば、台湾としては国際社会に訴える他なく、これが逆に大陸中国の視点からは台湾独立の動きと誤解する背景となります、影法師に踊らされている構図なのかもしれませんが、踊っている巨大な軍事力だけは現実に他ならない。

 国連。現在のところ、この地域での大規模な軍事衝突を回避するには国連以外に正当性のある機関は存在しません。実際、東西冷戦時代に米ソの軍事衝突に繋がり得る危機を軟着陸させる場となったのは、一つの舞台が国連でした。そして米ソがそうであったように、米中も共に国連加盟国であり、共に安全保障理事会における常任理事国に名を連ねている。

 拒否権をアメリカも中国も有する為に安全保障理事会の国際法上拘束力を有する安保理決議により、台湾海峡有事を防ぐ事は難しいかもしれません。しかし、冷戦時代であれば、総会決議により派遣する“国連平和維持軍”による“停戦監視”であれば、機能し得るのですね。これは問題の先延べと批判する事も出来ますが、戦争回避には一つの選択肢です。

 国連航空軍。小説のような響きではありますが、第五世代PKOは改めて現在の安保理決議に基づく第四世代型PKOから国連総会決議に依拠した決議に戻すとともに、その任務は当面“台湾有事を阻止する”ことを通じての北東アジア地域の“平和維持”という視点に留める、こうした施策が考えられるでしょう。総会では“戦争は何も生まない”を強調する。

 台湾有事を阻止するには地上での兵力監視を行っても意味がありません、金門島など中国国境付近に兵力引き離し監視団を派遣する選択肢もあるかもしれませんが、金門島を所管する台湾には受け入れ余地があるでしょうけれども、厦門にPKO部隊駐留を中国政府が受け入れるとは考えられません、なにしろ報道機関さえ行動が制限される国なのですからね。

 航空部隊による警戒監視、この方法以外に選択肢はありません。一方で総会決議により実施する以上、PKOの原点である“大国排除原則”を徹底し、航空自衛隊、オーストラリア空軍、カナダ空軍、ブラジル空軍、インド空軍、スウェーデン空軍、韓国空軍、安保理常任理事国以外の空軍を台湾、若しくは沖縄県南部に展開させる選択肢が、妥当でしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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