■くらま-浦賀水道にて
前回は反撃能力の視座とともに2012年の写真を回顧した際の複雑な視点を思い出しましたが防衛力整備というのは常にそういうものかのかもしれない。
ヘリコプター搭載護衛艦、この2012年観艦式は御縁あってヘリコプター搭載護衛艦をいちばんよく見る事が出来る位置から撮影する事が出来ました。わたしの観艦式、観閲艦が護衛艦くらま、の頃に始まりましてそのあとはなかなか、という北大路機関らしい話です。
22DDH、現在の護衛艦いずも型の建造とともに、いずれ自衛隊はF-35B戦闘機を導入する事になるのだろう、こう考えていましたが驚いたのは、それが意外なほど早かった、ということでしょう。実際のところ海上自衛隊の空母建造構想は海上警備隊まで遡るのだから。
海上警備隊時代に、アメリカからボーグ級護衛空母の貸与を希望し、また新たに旧海軍の阿賀野型軽巡洋艦の船体設計をもととした対潜中枢艦を建造し、貸与された艦隊駆逐艦とともに対潜掃討部隊を、という研究が、一応日米間での情報交換までは行われていました。
阿賀野型、なんて、と思われるかもしれません。海上自衛隊の空母建造計画というものを、様々な文献、創刊間もない頃の世界の艦船、誌上にもそうしたものが記されているものですし、当時は驚いたものですが、海上自衛隊と旧海軍は不可分の連続性が見えるのです。
白露型駆逐艦と護衛艦はるかぜ型、搭載機器やレーダーや水測機器などは当然一新されるのですが船体設計の一部は応用されているといい、一方で旧海軍は三門艦砲を搭載する場合、前甲板に1門と後甲板に2門、という設計が踏襲されていましたが、護衛艦では逆に。
エセックス級空母の中古艦や全通飛行甲板型護衛艦にハリアーが開発されるとDDV航空機搭載護衛艦、というものなどが定期的に読売新聞や朝日新聞のような全国紙でも関係者の話として検討の話題が示されるようになり、いつかは、と考えられた戦闘機の搭載です。
F-35Bの搭載、結局ハリアーの場合は能力に限界があり、導入に関わる費用対効果、そして自衛隊の任務を考えた場合には、無理に導入する必然性よりも、イージス艦やターターシステム艦の改良を優先し、ハリアーは後回しとなった、こうした実情があるようでした。
ハリアーは改良によりAGP-65レーダーを搭載することでAMRAAM空対空ミサイルの運用能力を持ち、対して超音速飛行能力の無いハリアーの会敵能力などの限界があり、艦隊防空に限るならばある程度の能力を発揮できるというオペレーションリサーチは側聞する。
バックファイア超音速爆撃機、この背景にはソ連が冷戦時代にTu-22Mバックファイア超音速爆撃機の整備を開始し、これは戦略兵器制限条約を受け、その枠外に置くために空中給油受油装置を持たず、航続距離が限定されている、という点はあっても充分脅威という。
護衛艦隊が警戒していたのはバックファイアからの超音速対艦ミサイル飽和攻撃が、日本のシーレーンを航行するタンカー等に向けられた場合の脅威であり、一方、検討されていた当時のハリアーにはサイドワインダーミサイルまでしか搭載できない限界がありました。
イージス艦が、選ばれる事になりましたが、サイドワインダーミサイルだけでもバックファイアがミサイル発射位置に進出する事を妨害する事はできるのではないか、という検討が有る一方、簡単ではない、なにしろ相手は超音速機、早期警戒管制機の連携が必須とも。
空中巡洋艦構想、なんていうP-3C哨戒機にフェニックス空対空ミサイルを搭載することで長距離戦闘機として戦闘機を伴わない爆撃機だけを迎撃する案もあったのですが、こうした検討も実現する事は無く、しかし2020年代にF-35B搭載が、実現する事となります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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前回は反撃能力の視座とともに2012年の写真を回顧した際の複雑な視点を思い出しましたが防衛力整備というのは常にそういうものかのかもしれない。
ヘリコプター搭載護衛艦、この2012年観艦式は御縁あってヘリコプター搭載護衛艦をいちばんよく見る事が出来る位置から撮影する事が出来ました。わたしの観艦式、観閲艦が護衛艦くらま、の頃に始まりましてそのあとはなかなか、という北大路機関らしい話です。
22DDH、現在の護衛艦いずも型の建造とともに、いずれ自衛隊はF-35B戦闘機を導入する事になるのだろう、こう考えていましたが驚いたのは、それが意外なほど早かった、ということでしょう。実際のところ海上自衛隊の空母建造構想は海上警備隊まで遡るのだから。
海上警備隊時代に、アメリカからボーグ級護衛空母の貸与を希望し、また新たに旧海軍の阿賀野型軽巡洋艦の船体設計をもととした対潜中枢艦を建造し、貸与された艦隊駆逐艦とともに対潜掃討部隊を、という研究が、一応日米間での情報交換までは行われていました。
阿賀野型、なんて、と思われるかもしれません。海上自衛隊の空母建造計画というものを、様々な文献、創刊間もない頃の世界の艦船、誌上にもそうしたものが記されているものですし、当時は驚いたものですが、海上自衛隊と旧海軍は不可分の連続性が見えるのです。
白露型駆逐艦と護衛艦はるかぜ型、搭載機器やレーダーや水測機器などは当然一新されるのですが船体設計の一部は応用されているといい、一方で旧海軍は三門艦砲を搭載する場合、前甲板に1門と後甲板に2門、という設計が踏襲されていましたが、護衛艦では逆に。
エセックス級空母の中古艦や全通飛行甲板型護衛艦にハリアーが開発されるとDDV航空機搭載護衛艦、というものなどが定期的に読売新聞や朝日新聞のような全国紙でも関係者の話として検討の話題が示されるようになり、いつかは、と考えられた戦闘機の搭載です。
F-35Bの搭載、結局ハリアーの場合は能力に限界があり、導入に関わる費用対効果、そして自衛隊の任務を考えた場合には、無理に導入する必然性よりも、イージス艦やターターシステム艦の改良を優先し、ハリアーは後回しとなった、こうした実情があるようでした。
ハリアーは改良によりAGP-65レーダーを搭載することでAMRAAM空対空ミサイルの運用能力を持ち、対して超音速飛行能力の無いハリアーの会敵能力などの限界があり、艦隊防空に限るならばある程度の能力を発揮できるというオペレーションリサーチは側聞する。
バックファイア超音速爆撃機、この背景にはソ連が冷戦時代にTu-22Mバックファイア超音速爆撃機の整備を開始し、これは戦略兵器制限条約を受け、その枠外に置くために空中給油受油装置を持たず、航続距離が限定されている、という点はあっても充分脅威という。
護衛艦隊が警戒していたのはバックファイアからの超音速対艦ミサイル飽和攻撃が、日本のシーレーンを航行するタンカー等に向けられた場合の脅威であり、一方、検討されていた当時のハリアーにはサイドワインダーミサイルまでしか搭載できない限界がありました。
イージス艦が、選ばれる事になりましたが、サイドワインダーミサイルだけでもバックファイアがミサイル発射位置に進出する事を妨害する事はできるのではないか、という検討が有る一方、簡単ではない、なにしろ相手は超音速機、早期警戒管制機の連携が必須とも。
空中巡洋艦構想、なんていうP-3C哨戒機にフェニックス空対空ミサイルを搭載することで長距離戦闘機として戦闘機を伴わない爆撃機だけを迎撃する案もあったのですが、こうした検討も実現する事は無く、しかし2020年代にF-35B搭載が、実現する事となります。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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