■プーチン大統領緊急声明
2022年2月のロシア軍ウクライナ侵攻以来何が有っても驚く事はないと覚悟を決めてきましたが、今回は流石に。写真は富士総合火力演習のそれっぽいもので代用です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1f/1c/b5060e5ed1f6519f456d266df1351d8b.jpg)
ロシアの民間軍事会社ワグネルが反乱を起こしロストフにあるロシア南方軍管区司令部を占拠しました。これは事実上のクーデター事件であり、ロシアのプーチン大統領は日本時間1600時過ぎに臨時のテレビ演説を行い、ワグネルの行動は反逆であると強い意志を表明しました。そのうえでプーチン大統領は厳しい措置をとると警告しています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/93/975747eeaa35ff895a6b6dfda4820def.jpg)
プーチン大統領は、ロシアを守るためにできることを全て行うと発言、ワグネル創設者で経営者であるエフゲニープリゴジン氏が、ロストフ市内の全ロシア軍拠点をワグネル部隊が占拠したと主張している南部ロストフの情勢安定に向け、決定的な行動を執ると発言しています。なお決定的な行動、というものがなにを示すのかは明らかにされていない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/23/1367b7401bf1b5f22c623a9aa81fb290.jpg)
ロシア南方軍管区司令部は隷下に第8軍、第1陸軍軍団、第2親衛陸軍軍団、第47ミサイル旅団や第238砲兵旅団、第49軍、第7親衛空挺師団、黒海艦隊、カスピ艦隊、第4空軍などを隷下に置く重要司令部で、ロシアの軍管区司令部が占拠されたという事例は1940年の独ソ戦を除けば事例がありません、そして少なくない規模の戦闘が発生している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/59/f0f44f223835eaf973b4a35789d83cc5.jpg)
ロストフ市内ではワグネル占拠前に市街地防衛へ戦車部隊が展開する様子などがSNS画像として示されています、市域の防衛に当たるために展開したことになるのですが、こののちにロストフ市内が占拠されたということは少なくとも戦車部隊が撃破されたことを示し、またワグネルはモスクワへ移動を開始している兆候など未確認情報としてあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/08/5a/045a41b7f6b9ad1e5bab02852c7e7664.jpg)
ワグネルとロシア国防省の不仲はこの戦争が始まって以来常に指摘されており、特にロシア国防省は“7月1日までにワグネル構成員はロシア国防省との個人契約を結ぶように”との通知を示しており、これは事実上のワグネルの解散通告にあたるものを出していました。この最後通牒に対してワグネル経営者プリゴジン氏は激しく反発していましたが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/8e/a012b0fbba9517bcebdeb73152de00ba.jpg)
ロシア国防省に対して6月16日付でワグネルとロシア国防省の新しい契約書を通知した、プリゴジン氏はロシア国防省からの最後通牒を受けロシア国防省にワグネル構成員の引き抜き行為をやめて新しい契約を結ぶよう要求したことを6月19日に発表しています。他方、ワグネルとしては多大な犠牲を払いロシアへ貢献している自負があるのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/68/973c1d9d60d3e260efe38162f33c42ab.jpg)
FSBロシア連邦保安局は、ワグネルの武装蜂起前に、ワグネルが軍事クーデターを計画しているとしてサンクトペテルブルクにあるワグネル本社を捜索しており、また現時点でもワグネル本社はFSB保安部隊、基本的に冷戦時代のKGB軍にあたる軍の反乱に備える重武装機械化歩兵部隊があるのですが、これらの部隊が本社社屋を包囲封鎖している。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/4b/3d2451c0a5d9f1d7abfff7d4570d3664.jpg)
プリゴジン氏が軍事行動に踏み切った理由について。プリゴジン氏自身が、ロシア軍によりワグネルが攻撃を受けており、特に正規軍からの組織的な攻撃はワグネル部隊に向けられることは複数あり、バフムト近郊では攻撃を加えたロシア陸軍第47旅団長を逆にワグネルによる指揮所攻撃を加え捕虜にした事例もありましたが、反乱には至っていない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/16/198b14c2fa395df4fab97411653b52d7.jpg)
プリゴジン氏本人へのロシア軍からの攻撃が加えられた、というものが今回の武装蜂起の背景となっているようで、未確認情報ではロシア南部のヴォロネジについても戦闘が発生しているとのSNS情報があり、ファクトチェックが急がれています。なお、BBC報道でリペツク州アルタモノフ知事はヴォロネジ州とのM4高速道路を封鎖したと発表した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/48/54c7fe3c35bca3df67e618992f83c931.jpg)
ヴォロネジはロストフよりもはるかにモスクワに近く、ウクライナのハリコフからみても北方、有名な第二次世界大戦中のクルスク戦車戦が戦われたクルスクの東方に位置しており、ロストフとヴォロネジの中間地点にあるパブロフスクでも戦闘が発生しているとのSNS情報があり、情報が錯そう。忘れてはならないのはロストフの戦略的な意味だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/2a/58975b6b6d94edd8389ea45f566817c6.jpg)
ロストフ、ここを占領されているままではウクライナへ侵攻したロシア軍は完全に補給路を断たれた状態となり、ワグネル部隊が投稿しなければウクライナ占領中のロシア軍は補給を断たれ干上がる、その影響度合いはクリミア大橋破壊などとは比較になりません。言い換えれば2022年2月のロシア軍ウクライナ侵攻開始以来の世界への衝撃といえます。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7c/ad/938fc21d800ac21b088c51e280a35531.jpg)
ヴォロネジでの戦闘の意味するのは、そしてなによりもヴォロネジがモスクワまで350㎞という事実だ。ワグネルの要求は示されていません、可能性としてショイグ国防相の更迭をプーチン大統領に突き付け、ウクライナ侵攻作戦を合理的な作戦に切り替えるよう要求している可能性もありますが、これから24時間は何が起こるか、わからないのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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2022年2月のロシア軍ウクライナ侵攻以来何が有っても驚く事はないと覚悟を決めてきましたが、今回は流石に。写真は富士総合火力演習のそれっぽいもので代用です。
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ロシアの民間軍事会社ワグネルが反乱を起こしロストフにあるロシア南方軍管区司令部を占拠しました。これは事実上のクーデター事件であり、ロシアのプーチン大統領は日本時間1600時過ぎに臨時のテレビ演説を行い、ワグネルの行動は反逆であると強い意志を表明しました。そのうえでプーチン大統領は厳しい措置をとると警告しています。
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プーチン大統領は、ロシアを守るためにできることを全て行うと発言、ワグネル創設者で経営者であるエフゲニープリゴジン氏が、ロストフ市内の全ロシア軍拠点をワグネル部隊が占拠したと主張している南部ロストフの情勢安定に向け、決定的な行動を執ると発言しています。なお決定的な行動、というものがなにを示すのかは明らかにされていない。
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ロシア南方軍管区司令部は隷下に第8軍、第1陸軍軍団、第2親衛陸軍軍団、第47ミサイル旅団や第238砲兵旅団、第49軍、第7親衛空挺師団、黒海艦隊、カスピ艦隊、第4空軍などを隷下に置く重要司令部で、ロシアの軍管区司令部が占拠されたという事例は1940年の独ソ戦を除けば事例がありません、そして少なくない規模の戦闘が発生している。
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ロストフ市内ではワグネル占拠前に市街地防衛へ戦車部隊が展開する様子などがSNS画像として示されています、市域の防衛に当たるために展開したことになるのですが、こののちにロストフ市内が占拠されたということは少なくとも戦車部隊が撃破されたことを示し、またワグネルはモスクワへ移動を開始している兆候など未確認情報としてあります。
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ワグネルとロシア国防省の不仲はこの戦争が始まって以来常に指摘されており、特にロシア国防省は“7月1日までにワグネル構成員はロシア国防省との個人契約を結ぶように”との通知を示しており、これは事実上のワグネルの解散通告にあたるものを出していました。この最後通牒に対してワグネル経営者プリゴジン氏は激しく反発していましたが。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/8e/a012b0fbba9517bcebdeb73152de00ba.jpg)
ロシア国防省に対して6月16日付でワグネルとロシア国防省の新しい契約書を通知した、プリゴジン氏はロシア国防省からの最後通牒を受けロシア国防省にワグネル構成員の引き抜き行為をやめて新しい契約を結ぶよう要求したことを6月19日に発表しています。他方、ワグネルとしては多大な犠牲を払いロシアへ貢献している自負があるのでしょう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/68/973c1d9d60d3e260efe38162f33c42ab.jpg)
FSBロシア連邦保安局は、ワグネルの武装蜂起前に、ワグネルが軍事クーデターを計画しているとしてサンクトペテルブルクにあるワグネル本社を捜索しており、また現時点でもワグネル本社はFSB保安部隊、基本的に冷戦時代のKGB軍にあたる軍の反乱に備える重武装機械化歩兵部隊があるのですが、これらの部隊が本社社屋を包囲封鎖している。
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プリゴジン氏が軍事行動に踏み切った理由について。プリゴジン氏自身が、ロシア軍によりワグネルが攻撃を受けており、特に正規軍からの組織的な攻撃はワグネル部隊に向けられることは複数あり、バフムト近郊では攻撃を加えたロシア陸軍第47旅団長を逆にワグネルによる指揮所攻撃を加え捕虜にした事例もありましたが、反乱には至っていない。
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プリゴジン氏本人へのロシア軍からの攻撃が加えられた、というものが今回の武装蜂起の背景となっているようで、未確認情報ではロシア南部のヴォロネジについても戦闘が発生しているとのSNS情報があり、ファクトチェックが急がれています。なお、BBC報道でリペツク州アルタモノフ知事はヴォロネジ州とのM4高速道路を封鎖したと発表した。
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ヴォロネジはロストフよりもはるかにモスクワに近く、ウクライナのハリコフからみても北方、有名な第二次世界大戦中のクルスク戦車戦が戦われたクルスクの東方に位置しており、ロストフとヴォロネジの中間地点にあるパブロフスクでも戦闘が発生しているとのSNS情報があり、情報が錯そう。忘れてはならないのはロストフの戦略的な意味だ。
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ロストフ、ここを占領されているままではウクライナへ侵攻したロシア軍は完全に補給路を断たれた状態となり、ワグネル部隊が投稿しなければウクライナ占領中のロシア軍は補給を断たれ干上がる、その影響度合いはクリミア大橋破壊などとは比較になりません。言い換えれば2022年2月のロシア軍ウクライナ侵攻開始以来の世界への衝撃といえます。
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ヴォロネジでの戦闘の意味するのは、そしてなによりもヴォロネジがモスクワまで350㎞という事実だ。ワグネルの要求は示されていません、可能性としてショイグ国防相の更迭をプーチン大統領に突き付け、ウクライナ侵攻作戦を合理的な作戦に切り替えるよう要求している可能性もありますが、これから24時間は何が起こるか、わからないのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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