北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

令和五年度七月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.07.01-2023.07.02)

2023-06-30 20:00:47 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 明日から七月となります、線状降水帯が西日本に広く架かっていましてそろそろ梅雨明けのはずですが注意が必要です。こうしたなかで行事予定の紹介だ。

 7月2日、舞鶴基地七月の一般公開、今週末は舞鶴基地が一般公開されます。COVID-19感染拡大前には毎週末土曜日日曜日が一般公開の日でしたので、今週は何もないから舞鶴に行こう、と気軽に艦艇広報とともに松尾寺や金剛寺を拝観、という不思議な週末を楽しめたところが今では一か月に一回となってしまいました、しかし、開けてくれる。

 舞鶴基地一般公開、基本的に北吸岸壁という海上自衛隊基地で最も長い岸壁が開放されるだけなのですが、運が良ければヘリコプター搭載護衛艦ひゅうが、その前に補給艦ましゅう、と大型艦を見上げて大きいなあ、と率直に感慨深くみてみたり、イージス艦みょうこう、イージス艦あたご、と二隻並んでいることもあったりで、迫力は中々のもので。

 北吸岸壁見学は先ず舞鶴地方隊HPから見学申請用紙を印刷してここに所要事項を書き込み当日受付で示すという方式です。前までは代表者が連絡先と氏名などを受付で書き込んでいましたが、いまは印刷して持ってゆけば現地で書き込む手間を省けるという。最終受付は1415時ですので、ゆっくり見学したい方には早めの行動が必要かもしれません。

 艦艇一般公開は行われませんが、舞鶴基地に一般公開のもう一つの特色は横須賀サマーフェスタなどの一般公開と比べ混雑しない、という事でしょうか。これは公開される頻度が高いという点も反映しているのでしょう。他方で売店も解放されますので護衛艦の識別帽などほかではなかなか入手できないものを日常の愛用品に購入することも可能です。

 舞鶴では民間が軍港めぐり遊覧船を運航しています。こちらは舞鶴市役所の裏手、赤レンガ博物館近くから運行していて、海上自衛隊OBの方の解説付きで、印象なのですが横須賀軍港めぐり遊覧船よりも小型の遊覧船を使っている関係で、結構護衛艦の近くまで寄って行ってくれます。だから広角レンズでも入りきらない、ということもあるのですが。

 基地見学とともに新日本海フェリーターミナルのある前島埠頭からも護衛艦を見ることができまして、しかもここは釣りの名所、案外大物が釣れたりもしますので賑わっているところ。舞鶴線の終電が早いので留意する必要はあるのですが、ここは夜景撮影の名所です。なお、県外ナンバーの方が多い日は水の濁りなどで釣れない日だ、と聞きました。

 紫陽花がきれいな季節なので、京都では三千院の紫陽花園がちょうどよい見ごろを迎えています、文庫山など護衛艦と紫陽花という写真を撮影できる風景を探してみるのもいいかもしれません。横須賀軍港めぐり遊覧船など、自衛隊一般公開は舞鶴基地だけなのですが、基地の街、このいとなみは今週末の平常通りですので散策をお勧めしたいところ。

 さて、少々心配なのですが線状降水帯が九州北部から山陰地方に沿って伸びています、この前、西日本豪雨のようなことにならなければよいが。いまではロシアウクライナ戦争の勃発でロシア海軍艦艇を日本で見ることが次何時になるのか、という時代になってしまいましたが、COVID-19感染拡大前には定期的に日本を親善訪問、舞鶴にも来ていました。

 東舞鶴駅前でロシアの水兵さんとビールで乾杯したり、ストリチナヤ呑んだり、平和な時代だったなあ、と記憶するのですが最後にウダロイ級大型対潜艦が二隻揃って入港した日が、西日本豪雨の始まりの日だったのですよね、この日は幸い自動車で移動していましたが、舞鶴線終日運休が決定、珍しいのでホームで電光掲示板を撮影させてもらいました。

 西日本豪雨があんな大変なことに、災害は起こるかもしれないと認識はしていたものの、十年単位で語り継がれるような豪雨災害になるとは想像せず、実際この日のロシア艦撮影を電車で撮影に行っていたら数日間小浜線と舞鶴線が運休になり、一週間近く舞鶴足止めになったところでした。もっとも翌日のロシア艦一般公開は行われたのだけれども。

 線状降水帯、豪雨災害というのは始まりがわかりにくい、夕立ひとつにおびえるのはナンセンスですが五月雨とおもっていたならば災害の序章であった、という、地震と津波のように突然発生するものなのだけれども、危機が徐々に、しかし確実に進行する、それが普段の大雨と違いが明確ではない、だから油断していると手遅れになる、という印象で。

 気象庁は災害級の豪雨を警告しています。昨日の時点で北陸本線が敦賀付近で雨量規制が入りサンダーバードが午後からすべて運休に、そして小浜線も止まっていた。JR西日本HPを確認しますと明日の運行について舞鶴基地周辺だけでも北陸線と小浜線では始発から0900時頃にかけ運転見合わせの可能性があります。お出かけの際はご留意ください。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・7月2日:舞鶴基地北吸岸壁一般公開

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-イリューシン22M空中指揮機ワグネル"六月の十五時間事件"で撃墜

2023-06-30 07:00:43 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 防衛省はスターリンク衛星の運用契約を結ぶようですがこの種の宇宙空間での戦闘での優位を喪失した場合の備えとなる航空機は考える必要があると思う。

 ロシア航空宇宙軍はワグネル反乱による六月の十五時間事件において貴重なイリューシン22M空中指揮機を喪失しました。イリューシン22M空中指揮機はロシア軍に12機が配備されている航空機で、これまで損失を避ける為にロシアウクライナ戦争開戦後は慎重にウクライナ軍地対空ミサイル等を避けロシア内陸部において作戦を支えてきた航空機です。

 イリューシン22M空中指揮機はその名の通り空中指揮統制を行い、また無線中継任務にも用いられ、ウクライナ軍はスターリンク衛星によりデータ通信体制を確立していますが、スターリンク衛星の恩恵に与れないロシア軍には貴重な航空機でしたが、運悪くワグネルの車列付近を飛行していた為、敵対機と見做され防空砲兵装備により撃墜されてしまう。

 ロシア軍作戦全般への影響ですが、先ず戦死者に5名前後の佐官が含まれており、イリューシン22M空中指揮機を使いこなす事が出来る要員がいっきに多数失われたことの衝撃が大きいでしょう。イリューシン22M空中指揮機そのものはまだ11機残っていますが、稼働率という側面で観れば完全に飛行できていた一機の喪失という衝撃は小さくありません。
■ルガンスク野戦飛行場
 冷戦時代に自衛隊もソ連軍の”アンブル”空中機動部隊を警戒していましたがこうした脅威となる敵野戦飛行場への対応策は検討しておくべき課題です。

 衛星写真などの解析によればロシア軍は22日までにウクライナからの占領地でルガンスク周辺の国境近くに新しい野戦飛行場を造成している様子が確認されました。建設されているのは滑走路部分で、少なくとも現在整地されている部分だけで補給部隊の車両などが整えば連隊規模のヘリコプター部隊が展開するには十分な規模であると推測できます。

 ロシア軍は南部地域の防衛線でヘリコプター部隊による大きな戦果を挙げており、特に野砲の射程で劣るロシア軍は機動力の高い戦闘ヘリコプターや武装ヘリコプターを集中させることで大きな戦果を挙げていますが、一方で既設飛行場はイギリスから供与の射程250㎞のストームシャドウミサイルによる攻撃に晒される懸念があり、新設が必要です。

 ジェルジンスクの前線ではMi-24戦闘ヘリコプターによるロンド攻撃が行われています、これはメリーゴーランド状に航空部隊を待機させ絶え間ない攻撃を加えるというもので、ロンド攻撃はロシア軍は2014年のシリア内戦介入後に多用している攻撃の一つ、現状で有力な防空砲兵の前線支援を受けないウクライナ軍には厳しい状況となっています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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