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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【防衛情報】ジョージワシントン炉心換装工事完了と空母ジョンCステニスのRCOH,ヴィクラマディーチャとヴィクラント

2023-08-22 20:00:06 | 防衛・安全保障
■防衛フォーラム
 今回は海軍関連の話題ですがまずは横須賀の空母として馴染み阿多原子力空母の話題から。

 アメリカ海軍は5月29日、原子力空母ジョージワシントンの炉心換装工事を完了しました。ジョージワシントンは一時期神奈川県の横須賀基地へ前方展開していました、そして日本へ配備された最初の原子力空母として知られていますが、ニミッツ級原子力空母に定期的な長期工事とされている原子炉炉心交換工事により一時現役を離れていたもの。

 RCOH大規模オーバーホールと称される原子炉炉心交換工事は、もともと数年間を要する大規模工事ですが、ジョージワシントンではそのRCOHのさなかにCOVID-19新型コロナウィルス感染症のアメリカにおける感染拡大が重なり、工事が長期化、五月雨式の工事により艦内居住環境が悪化し多くの発狂者や自殺などの事案が続く不幸に見舞われます。

 ジョージワシントンは、しかしこの厳しいRCOHをようやく完了、今後は第一線運用に対応させるべく海上でのシステム運用試験や航空艤装関連試験、高速航行試験などを行う計画です。RCOHでは炉心に加え配管や空気供給系統と冷暖房装置、電気系統と推進装置や船体の改良などが実施、またこのほかメインマストの更新などもおこなわれています。
■マゲン級コルベット
 近距離用防空艦という珍しい種類の話題です。

 イスラエル海軍はマゲン級コルベットからのCドームミサイル防空システム発射試験を成功させました、これは2023年5月29日まで実験された評価試験の一環で、2022年11月に実施された発射実験に続くロケット弾や無人航空機に小型巡航ミサイルなどを目標とした実戦的試験を示します。マゲン級コルベットはサール6型コルベットともいう。

 Cドームミサイル防衛システムはイスラエル国防軍が都市防空用に配備しているアイアンドームミサイル防衛システムの海上配備型で、いわゆる弾道ミサイルや極超音速兵器に対する防空能力は持ち合わせていませんが、数十km以内から撃ち込まれる数十発のロケット弾によるゲリラ攻撃等に対し高い防空能力を発揮する近距離防空システムです。
■RCOH大規模オーバーホール
 もう一つの空母RCOH大規模オーバーホールのおはなし。

 アメリカ海軍は空母ジョンCステニスのRCOH大規模オーバーホール実施状況について発表しました、最新の工事状況として計画されているマイルストーンの35%を2023年5月末までに完了しているとのことです。この概況は同じくRCOHを完了させ現役任務に復帰した原子力空母ジョージワシントンの現役復帰に合わせて発表されたものです。

 RCOH大規模オーバーホールは原子炉炉心交換工事を伴うもので、ニミッツ級原子力空母はおおむね25年間に一回実施しています、これにより事実上50年間の運用が可能となります。ただ、現役期間の一割をRCOHを行う為の入渠により占めることとなり、この後継と成るジェラルドフォード級は交換不要の原子炉を搭載する設計となっています。
■デゼーヴェンプロヴィンシェン級
 デゼーヴェンプロヴィンシェン級をどうしてもデーゼンヴェンプロヴィンシュタイン級とよんでしまう。

 オランダ海軍は新たにMk.41VLSの8セル型を8セット導入します。この導入計画は6月にアメリカ国務省より有償軍事供与の承認を受けています。今回導入するのはMk.41VLSのベースラインⅦ、8セットの輸出費用は1億1000万ドルと推定されてて、VLS垂直発射装置本体に加え整備支援や技術支援、予備部品と請負業者費用なども含む。

 新しいVLS、オランダ海軍では現用のデゼーヴェンプロヴィンシェン級ミサイルフリゲイト4隻全てへのVLS増設と、デーゼンヴェンプロヴィンシュタインと呼んでしまうこの艦はCOVID-19下の2021年にイギリスの空母クイーンエリザベスを中心とした空母戦闘群の一員として海上自衛隊横須賀基地を親善訪問したことで記憶に新しいでしょう。

 デゼーヴェンプロヴィンシェン級は艦隊防空艦でMk.41VLSは40セルをすでに搭載していますが、オランダ海軍2022年防衛レビューによりトマホーク巡航ミサイルの搭載が発表されており、8セルはこうしたミサイルの拡張用として用いられると考えられます。また海軍は2030年以降、FuAD将来防空艦を計画しており、こちらへも搭載されます。
■イタリア海軍将来潜水艦
 ドイツ製潜水艦のライセンス生産の話題だ。

 イタリア海軍は将来潜水艦U-212-NFSの3番艦建造計画の議会承認を受けました。これは2023年6月6日の2番艦起工式に合わせてのもので、U-212-NFS型潜水艦でこれまでに認可されているものは2021年2月に2隻が13億5000万ユーロで結ばれた建造契約、1番艦は2027年と2番艦は2029年に就役する計画で、4番艦までが検討されている。

 U-212-NFSはその原型が212A型潜水艦、サルバトーレトダロ級潜水艦として2006年に1番艦が竣工し2017年までに4隻が建造された212A型潜水艦の改良型で、建造を担当するフィンカンティエリ社はイタリア海軍向け潜水艦としては2017年以来の潜水艦建造となります。212A型潜水艦そのものはAIP潜水艦で燃料電池を搭載する高性能潜水艦です。
■NSMミサイル
 NSMミサイルは西側の標準ミサイルになりつつある。

 スペイン海軍はハープーンミサイル後継のNSMミサイルを2027年から運用開始する。スペイン海軍では水上打撃力の基幹として長らくハープーン艦対艦ミサイルを運用しているが、ミサイル本体の射程やステルス性などの性能限界を受け後継ミサイルを検討、ノルウェーのコングスベルク社が開発したNSMミサイルを新対艦ミサイルに選定しました。

 NSMミサイルは海軍打撃誘導弾の略称、既存艦への搭載回収ではなく2027年に竣工予定の新型艦F-110型フリゲイトの搭載ミサイルとして配備開始となる見込みで、F-110型フリゲイトはスペインのナバンティアが建造を担当しています。ただスペイン海軍はハープーンの保有数を明示しておらず、全体でどの程度のNSMを導入するかも未発表です。
■ピッツバーグの起工式
 サンアントニオ級は縁が薄く中々見る事ができません。

 アメリカ海軍はサンアントニオ級ドック型揚陸艦ピッツバーグの起工式を行いました。ピッツバーグはもともと1984年に竣工したロスアンゼルス級攻撃型原潜の艦名となっていましたが、攻撃型原潜ピッツバーグは2019年に退役しており、ドック型揚陸艦ピッツバーグはペンシルベニア州ピッツバーグの名を冠した5代目の海軍艦艇となりました。

 サンアントニオ級ドック型揚陸艦、正確な艦種はドック型輸送揚陸艦で先日のYYよこすかのりものフェスタ当日に横須賀へ入港していたことでも話題となりました、満載排水量は25883tでヘリコプター搭載護衛艦いずも型に迫る排水量、ただ全通飛行甲板は採用していません。ピッツバーグは15番艦、そしてフライトⅡ型では2番艦に当たります。
■ヴィクラマディーチャとヴィクラント
 インド海軍空母は先日あたらしい艦載機としてフランスのラファール戦闘機を採用したばかりですね。

 インド海軍はアラビア海上で空母2隻による共同作戦デモンストレーションを実施しました。空母ヴィクラマディーチャと空母ヴィクラントが参加してのデモンストレーションはインド海軍の洋上航空作戦能力の水準を示威することにあるとのことで、更に陸上から離れた地域における航空作戦能力の集中投射能力も重ねてしめしたかたちです。

 ヴィクラマディーチャとヴィクラント、二隻の航空母艦に搭載されている航空機はMiG-29K戦闘機やMH-60R艦載ヘリコプター、カモフ対潜ヘリコプターとシーキング対潜ヘリコプターにチェタック軽ヘリコプター、インド国産のALHヘリコプターなど開発国だけでも多国籍といえる多種多様な航空機35機以上が洋上に展開したとのことです。

 ヴィクラントはインド国内において初めて建造した空母で2009年に起工式を迎えたのちに2022年に竣工したインド海軍最新鋭の空母で満載排水量は40662t、当初計画では326億ルピーでの建造が計画されていましたが、鋼材を輸入に依存し且つインフラ等未整備から最終的に2000億ルピーまで高騰したことで二番艦計画が宙に浮かんだ空母です。
■アポロ無人水上艇
 機雷掃海は近年大きな変容を迎えようとしていまして小型掃海艇多数雲ようでゃ広範囲の掃海任務が厳しいという従来からの指摘が漸く技術の実を結びつつある。

 イギリス海軍はタレス社製アポロ無人水上艇による機雷探知試験を完了させました。MASTT海軍海洋自律システム試験室と呼ばれるイギリス国防省の部局を中心にフランス海軍も参加し、ワイマス湾において実施されていた試験では、遠隔操作による機雷探知が行われ、将来的には自律航行による機雷探知や機雷掃討までを構想しているとのこと。

 アポロ無人水上艇による機雷探知試験では、レーダーに加えレーザーセンサーと電子光学カメラや熱線暗視装置などを併用し機雷を捜索しました。レーダーについては機雷を探知するには浮流機雷などを近距離で発見する能力があり得るのかもしれませんが、自動航行の周辺警戒が主用でしょう。これはMMCM英仏教導機雷対策に基づく計画です。
■オハイオ級戦略ミサイル原潜
 オハイオ級戦略ミサイル原潜について後継のコロンビア旧がミサイル搭載数を削減した事へ大丈夫なのかなと素朴な疑問を感じますが。

 アメリカ海軍はオハイオ級戦略ミサイル原潜の延命計画を前倒しで実施する検討を進めています、これは5月に発表されたもので、前倒し期間としては2025年度計画が構想されているという。延命計画、アメリカではオハイオ級戦略ミサイル原潜の後継艦としてコロンビア級戦略ミサイル原潜の建造計画が進められていますが、国際情勢が変化した。

 戦略ミサイル原潜について、海軍では常時10隻を作戦運用に充てる計画であり、コロンビア級戦略ミサイル原潜の整備期間によってはオハイオ級戦略ミサイル原潜の延命が無ければ必要な警戒態勢を維持できないことが指摘されたかたち。もともとこの延命計画は2029年までに開始される計画でしたが優先度が高まり、前倒しとなった構図といえます。
■インドネシア掃海艇
 インドネシアは旧東ドイツ製鋼製掃海艇をコルベットとして大量運用していました。

 インドネシア海軍は新掃海艇プラウファニとプラウファニルドの2隻を受領しました、建造はドイツのアベキングラスムッセン造船所で、竣工式は5月26日に挙行されています。プラウファニ級掃海艇は機雷掃討能力をもつドイツ海軍のフランケンタール級掃海艇の輸出仕様で、フランケンタール級はトルコ海軍やアラブ首長国連邦海軍でも運用中だ。

 フランケンタール級掃海艇の調達について、インドネシア国防省は2016年にドイツと2億1500万ドルの契約を締結、契約締結後に値引き交渉を行い2億0400万ドルに値引いたことで知られます、満載排水量は662tであり全長は62mで船体は非磁性鋼、1992年から12隻が建造、インドネシアは旧東ドイツ製艦船を多数導入したことで知られている。



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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-北大路大宮,オレンジジュースにアイスが浮かんでいるのをクリームソーダと呼んでいいかな

2023-08-22 07:01:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 真夏は気温では舞鶴がフェーン現象で凄い事になるけれども湿気がこもる不快度指数では単純な温度で比べられずしかも逃げ場がない所に大量の観光客が世界中から来る京都は、凄いよ。

 暑くなったり、涼しいというよりも寒いようになったり、いやでも暑いのが熱いに変わるのももう少しなのだろう、春の桜前線は素早かったのにその桜前線を呼び込んだ熱気は寒さに代わったり、その次は五月に真夏日のような日が続き五月中に岐阜では猛暑日という。

 京都の夏は、凄いぞ。脅すわけではないのですが盆地であるので熱がこもりやすいですし、その盆地に100万都市が熱に焦らされているのですから、そこに中途半端に鴨川と大堰川と木津川が湿気を呼び込み風は来ない、しかも寺社仏閣は熱を貯めるし冷房は少ない。

 クリームソーダ、熱い時はアイスコーヒーというのも嬉しいけれども、度を越した暑さとなれば、これはもう緊急事態なのですよと美味しいものを頂きたくなります、するとまあ、平日の明るいうちには少々背徳感があるのが、クリームソーダーを頂くときでないかな。

 オレンジジュースに+40円でクリームソーダにできるという、そんなお店を大徳寺の門前町というべき大宮通で見つけました、クリームソーダが出来上がるまで、暑い日には御冷やのお水が先ず美味しい、素早く飲んで氷さえがりがりやってしまいそうな熱気が外に。

 アイスクリームが乗っているのは良いのだけれども、そういえばオレンジジュースって炭酸でもないのに、ソーダを名乗るものなのだろうか、フランスのオランジーナのような炭酸オレンジジュースかと思えば、色は昔っぽいオレンジジュース、だけれど飲むと驚く。

 炭酸入りのオレンジジュースだ、ファンタなのかな。そして沈めない様に気を付けてアイスクリームを口に運ぶと、そう乳成分が空気を含んだクリームとして程よく溶けてゆき、そうこれなんだよなあ、暑い日は、と考える。やっぱりこういうの、美味しいものだね。

 タイムさん、という大宮通沿いのお店、ここはランチタイムを外すと急に静かになるのだけれども、街中華に元駄菓子屋のイタリアンにBARに寿司屋と昔ながらの定食屋さんに御総菜屋さんや街の電気屋さんと銭湯に御寺と喫茶店とが並ぶ、京都散歩の穴場なのだ。

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