■防衛フォーラム
今回は空軍関連の話題を集めましたが先ずは量産機が初飛行したもののその先は順風満帆ではないというアメリカの高等練習機の話題からです。

アメリカ空軍の次期練習機T-7Aレッドホークが更なる遅延の危機にさらされています、5月18日のGAOアメリカ会計検査院報告書によれば、機体安全性の問題と試験飛行の遅延が深刻であり、この問題は現在運用中のT-38練習機の既に初飛行が1959年と運用開始70年が見え始めている状況から更に運用の酷使と危険な老朽化の放置にも繋がります。

GAOアメリカ会計検査院報告書ではT-7A練習機を製造開発しているボーイングとアメリカ空軍の間でのT-7A練習機を巡る緊張関係が存在しているとしており、また空軍とボーイングの緊張関係が、問題解決への前進を阻むとともに両者の関係を希薄化させているとしています。その緊張の背景にはボーイングの10億ドルを超える損失がある模様です。

T-7A練習機は、この報告書以前の時点で脱出用射出座席の設計に不具合はあり、清算決定が2025年に遅延しています。元々デジタル設計により極めて短期間に設計成功したというT-7Aは、2017年のロールアウトから既に6年を経ており、現時点で初度運用能力獲得は早くとも2027年としていますが、報告書はこの期限さえ楽観的だと批判しています。
■JAS-39戦闘機操縦訓練
トランシェ1ならばユーロファイターが供与されても最早驚きません。

スウェーデン政府はJAS-39戦闘機を用いたウクライナ空軍戦闘機訓練の検討を発表しました、この検討は6月1日のヨンソン国防相発言によるもので、検討に先んじてSVTスウェーデン公共放送においてウクライナ空軍操縦士のJAS-39戦闘機操縦訓練に関する報道が為されていました、ただ、ヨンソン国防相は現段階でJAS-39は供与しないとしている。

JAS-39戦闘機はスウェーデンのサーブ社が開発した戦闘機で、近年こそNATO加盟交渉を開始しましたが、一貫した重武装中立政策を執ってきたスウェーデンでは、有事の際に2機3機と分散運用と野外整備を念頭として設計した特色があり、ウクライナ政府が繰り返しスウェーデン政府へJAS-39の技術情報提供を要請した、とも報じられています。
■AARGM-ERミサイル
防空制圧の話題を。

オランダ空軍はF-35戦闘機用ミサイルとしてAARGM-ERミサイルを選定しました。AARGM-ERとは高度対レーダー誘導ミサイル射程延伸型の略称でAGM-88-HARM対レーダーミサイルの改良型、防空レーダーや野外レーダー、地対空ミサイルなどのレーダー照射を逆探知しレーダー装置そのものを破壊、防空制圧任務を行う為のミサイルです。

AARGM-ERミサイルはノースロップグラマンが開発を担当しており、EA-18G電子攻撃機などに搭載されています。F-35戦闘機はステルス性が高いこともあり、防空制圧任務には通常のJDAMなど誘導爆弾を用いることも可能ですが、今回決定のAARGM-ERミサイルは射程が長く積極的な防空制圧任務へF-35を投入することが可能となるでしょう。
■HARDROC
空対空ミサイルからステルス化で見えなくするのではなくトロフィーアクティヴ防護装置が戦車を守るように戦闘機や輸送機も積極的にミサイルを迎撃する時代が来るのでしょうか。

アメリカ空軍はHARDROC高速空中指向性エネルギー兵器の360度評価試験を実施しました。これは2022年8月より継続的に実施されてきた試験で、ビジネスジェット機を転用した技術実証機へ低出力レーザー発射装置を側面部分に搭載、飛行中におけるビームディレクタの飛行特性の影響やセンサーとの適合性などが試験されてきたものです。

HARDROC高速空中指向性エネルギー兵器はステルス機以外の航空機が空対空ミサイルによる攻撃を受けた際の生存性を確保するゲームチェンジャー的な装備であり、空対空ミサイルそのもの若しくはレーダーセンサーなどをレーザーにより破壊する新世代の装備で、F-15E戦闘爆撃機などの戦闘機が将来戦場において必須となる能力を期しています。
■E-767のMCU改修
E-7Aなど世界は早期警戒管制機の小型化を模索しているようですが長射程空対空ミサイルに狙われる代位線は兎も角大都市など後方地域を自爆用無人機から守る為には長時間滞空できる機体とE-2Dのような小型機とを使い分ける必要があるようおもう。

航空自衛隊はE-767早期警戒管制機のMCU改修を完了しました、MCUとはミッションコンピューティングアップグレードの略称で、改修は10年前の2013年に決定していて、この改修にはAN/UPX-40 -ESM電子測定支援システム、AN/APX-119 IFF- NGIFF次世代型敵味方識別装置、KIV-77 暗号電子計算機などの追加搭載が含まれています。

E-767早期警戒管制機のMCU改修はアメリカ空軍が進めるE-3早期警戒管制機の能力向上に相当し、4機のE-767改修費用は9億5000万ドルに上ります。他方で、E-3早期警戒機の原型機であるボーイング707と比較しE-767の原型機であるボーイング767は機内容積が二倍となり空間的余裕がある一方、能力向上は別の配線設計が必要となる。

E-3早期警戒管制機とともにインド太平洋地域では重要な作戦能力と位置付けている同盟国日本のE-767ですが、一方でアメリカはE-3の後継に小型のE-7A早期警戒機を、NATOもE-3の後継にグローバルアイ早期警戒機と小型機を指向しており、この背景には早期警戒機を狙う対レーダーミサイルの著しい射程延伸という脅威増大があるようです。
■NGAD第六世代戦闘機
メーカー任せは良くないということね。

アメリカ空軍はNGAD第六世代戦闘機についてF-35以上の技術パテント確保を目指す方針とのこと。これはアメリカ空軍のフランクケンドール長官による5月22日の発言によるもので、その背景にはロッキードマーティンを中心に開発したF-35戦闘機の技術情報の多くが同社の手中にあり、予備部品や維持費など多くが同社の主管にはいるため。

技術パテント情報について、具体的には戦闘機の設計に関する情報を国防総省が管理し製造メーカーに下請けさせる方式を想定していて、これにより現在問題となっている予備部品確保の過剰確保や過小確保による稼働率への悪影響、不透明な維持費などの問題があり、NGADでは国防総省が情報の当事者となり完全な効率化を目指しているとのこと。
■CMMA次期哨戒機
CMMA次期哨戒機はP-8のような総合哨戒機よりも使い勝手がよさそうだと思ってしまいます。

カナダ空軍CMMA次期哨戒機についてボンバルディア社とジェネラルダイナミクス社が協力の方針を示しました。CMMAは洋上哨戒と対潜哨戒を担う航空機で、CP-140オライオン哨戒機の後継とともにCH-148コヨーテ対潜ヘリコプターの部分的な補完を担う機種を目指します。この為の母機としてボンバルディア社製民間機が充てられるという。

ボンバルディアグローバル6500型リージョナルジェット、現在の計画ではこの機種を基にISRセンサーと対潜センサー、及び主翼にハープーン対艦ミサイル4発などの運用能力を付与させるという。グローバル6500は旅客機型では旅客定員16名、航続距離は12223㎞、ロールスロイスPearl-15エンジンの採用により最高速力はマッハ0.9に達します。
■Su-34M の納入
半導体の経済制裁が密輸により開戦前の水準迄戻っているともいう。

ロシア空軍はUAC統一航空産業社からSu-34M戦闘爆撃機を新規受領しました。Su-34Mは並列複座型のカモノハシのような形状をした戦闘機であり、1990年にソ連空軍が原型機を初飛行させソ連崩壊後も開発を継続、改良型となるSu-34M が2014年にロシア空軍向けの戦闘機として完成した、今回の納入は2021年契約分であるとのこと。

Su-34M の納入は6月1日までに完了したとのこと。ロシア空軍ではロシアウクライナ戦争におけるロシア空軍の地上目標攻撃能力の低さという問題に直面し、しかし一方でウクライナ侵攻に伴う日欧米豪など各国からの経済制裁により電子部品輸入が中断しているという状況下にあり、今回の納入はこうした状況でも生産継続を示したかたちです。
■M-346FA軽戦闘機
練習機だと思っていましたM-346の軽戦闘機への発展という話題を。

ナイジェリア空軍はレオナルドM-346FA軽戦闘機の導入を正式決定しました。導入数は24機で空軍が運用する旧式のアルファジェット軽攻撃機を更新する計画という。またアルファジェットが高等練習機を原型とする軽攻撃機であるようにM-346FAもその原型は高等練習機、超音速機ではないものの幅広く採用されているイタリアの練習機です。

M-346FAはもともとロシアとイタリアの共同開発機でロシア製のものはヤコブレフYak-130として知られ、本来M-346は練習機専用型、軽攻撃機型はYak-130という区分が為されていましたが、2000年に共同開発計画は解消、ただM-346の練習機専用機は販路を拡大したものの軽戦闘機型の販売は振るわず、軽戦闘機型が完成したのも2017年でした。

M-346FAはハードポイント7カ所に3tまでの兵装を搭載可能、グリフォンM346レーダーを搭載し空対空戦闘能力を有しています。ナイジェリア空軍はこれと並行して中国からJF-17戦闘機の導入が決定、こちらは超音速飛行能力と視程外空対空ミサイルや空対艦ミサイルなどの運用能力を有しており、M-346にはその要員養成能力も期待されています。
■ポーランド空軍FA-50
FA-50軽戦闘機の話題を書くたびに一度くらい日韓共同訓練で小松基地あたりに来てくれないかなあと思う。

ポーランド空軍が導入を予定するFA-50軽戦闘機初号機がロールアウト式を迎えました。ソウル近郊のKAI韓国航空宇宙産業社において、6月7日、記念すべきロールアウト式となりました。ポーランド空軍は48機のFA-50軽戦闘機を導入する計画で、初期型が年内に12機が納入、こちらはサイドワインダーミサイルなどを運用する軽戦闘機です。

FA-50軽戦闘機の後期型はAMRAAM空対空ミサイル運用能力を獲得し視程外交戦能力を有しています。式典に参加したポーランドのマリウスブワシュチャク副首相兼国防相は、ポーランドにおけるソ連製MiG-29戦闘機の運用終了を宣言し、今後はF-16戦闘機とFA-50軽戦闘機、将来的には交渉中であるF-35戦闘機の運用を開始すると発表しました。
■8500万ドル相当のF-35部品
8500万ドル相当のF-35部品というともうF-35が更に一機かえてしまいそうだ。

アメリカ政府GAO会計検査院によればロッキードマーティン社は過去5年間で8500万ドル相当のF-35部品を紛失した可能性があります。ロッキードマーティン社はF-35戦闘機の予備部品を予備部品プールに備蓄していますが、同社には予備部品の備蓄状況を追跡するプログラムが組まれていないため、その行方を把握していない可能性を指摘した。

8500万ドルの予備部品は個数にして100万個、一つ当たりの部品費用は高くはありませんが、総数の金額となにより行方不明となっている部品数があまりにも膨大であり、管理プログラムなしで追跡不能となっている現状では、世界中の倉庫に備蓄される100万個一つ一つを手作業で確認する非現実的な手段しか発見できず、事実上喪失した状況なのです。
今回は空軍関連の話題を集めましたが先ずは量産機が初飛行したもののその先は順風満帆ではないというアメリカの高等練習機の話題からです。

アメリカ空軍の次期練習機T-7Aレッドホークが更なる遅延の危機にさらされています、5月18日のGAOアメリカ会計検査院報告書によれば、機体安全性の問題と試験飛行の遅延が深刻であり、この問題は現在運用中のT-38練習機の既に初飛行が1959年と運用開始70年が見え始めている状況から更に運用の酷使と危険な老朽化の放置にも繋がります。

GAOアメリカ会計検査院報告書ではT-7A練習機を製造開発しているボーイングとアメリカ空軍の間でのT-7A練習機を巡る緊張関係が存在しているとしており、また空軍とボーイングの緊張関係が、問題解決への前進を阻むとともに両者の関係を希薄化させているとしています。その緊張の背景にはボーイングの10億ドルを超える損失がある模様です。

T-7A練習機は、この報告書以前の時点で脱出用射出座席の設計に不具合はあり、清算決定が2025年に遅延しています。元々デジタル設計により極めて短期間に設計成功したというT-7Aは、2017年のロールアウトから既に6年を経ており、現時点で初度運用能力獲得は早くとも2027年としていますが、報告書はこの期限さえ楽観的だと批判しています。
■JAS-39戦闘機操縦訓練
トランシェ1ならばユーロファイターが供与されても最早驚きません。

スウェーデン政府はJAS-39戦闘機を用いたウクライナ空軍戦闘機訓練の検討を発表しました、この検討は6月1日のヨンソン国防相発言によるもので、検討に先んじてSVTスウェーデン公共放送においてウクライナ空軍操縦士のJAS-39戦闘機操縦訓練に関する報道が為されていました、ただ、ヨンソン国防相は現段階でJAS-39は供与しないとしている。

JAS-39戦闘機はスウェーデンのサーブ社が開発した戦闘機で、近年こそNATO加盟交渉を開始しましたが、一貫した重武装中立政策を執ってきたスウェーデンでは、有事の際に2機3機と分散運用と野外整備を念頭として設計した特色があり、ウクライナ政府が繰り返しスウェーデン政府へJAS-39の技術情報提供を要請した、とも報じられています。
■AARGM-ERミサイル
防空制圧の話題を。

オランダ空軍はF-35戦闘機用ミサイルとしてAARGM-ERミサイルを選定しました。AARGM-ERとは高度対レーダー誘導ミサイル射程延伸型の略称でAGM-88-HARM対レーダーミサイルの改良型、防空レーダーや野外レーダー、地対空ミサイルなどのレーダー照射を逆探知しレーダー装置そのものを破壊、防空制圧任務を行う為のミサイルです。

AARGM-ERミサイルはノースロップグラマンが開発を担当しており、EA-18G電子攻撃機などに搭載されています。F-35戦闘機はステルス性が高いこともあり、防空制圧任務には通常のJDAMなど誘導爆弾を用いることも可能ですが、今回決定のAARGM-ERミサイルは射程が長く積極的な防空制圧任務へF-35を投入することが可能となるでしょう。
■HARDROC
空対空ミサイルからステルス化で見えなくするのではなくトロフィーアクティヴ防護装置が戦車を守るように戦闘機や輸送機も積極的にミサイルを迎撃する時代が来るのでしょうか。

アメリカ空軍はHARDROC高速空中指向性エネルギー兵器の360度評価試験を実施しました。これは2022年8月より継続的に実施されてきた試験で、ビジネスジェット機を転用した技術実証機へ低出力レーザー発射装置を側面部分に搭載、飛行中におけるビームディレクタの飛行特性の影響やセンサーとの適合性などが試験されてきたものです。

HARDROC高速空中指向性エネルギー兵器はステルス機以外の航空機が空対空ミサイルによる攻撃を受けた際の生存性を確保するゲームチェンジャー的な装備であり、空対空ミサイルそのもの若しくはレーダーセンサーなどをレーザーにより破壊する新世代の装備で、F-15E戦闘爆撃機などの戦闘機が将来戦場において必須となる能力を期しています。
■E-767のMCU改修
E-7Aなど世界は早期警戒管制機の小型化を模索しているようですが長射程空対空ミサイルに狙われる代位線は兎も角大都市など後方地域を自爆用無人機から守る為には長時間滞空できる機体とE-2Dのような小型機とを使い分ける必要があるようおもう。

航空自衛隊はE-767早期警戒管制機のMCU改修を完了しました、MCUとはミッションコンピューティングアップグレードの略称で、改修は10年前の2013年に決定していて、この改修にはAN/UPX-40 -ESM電子測定支援システム、AN/APX-119 IFF- NGIFF次世代型敵味方識別装置、KIV-77 暗号電子計算機などの追加搭載が含まれています。

E-767早期警戒管制機のMCU改修はアメリカ空軍が進めるE-3早期警戒管制機の能力向上に相当し、4機のE-767改修費用は9億5000万ドルに上ります。他方で、E-3早期警戒機の原型機であるボーイング707と比較しE-767の原型機であるボーイング767は機内容積が二倍となり空間的余裕がある一方、能力向上は別の配線設計が必要となる。

E-3早期警戒管制機とともにインド太平洋地域では重要な作戦能力と位置付けている同盟国日本のE-767ですが、一方でアメリカはE-3の後継に小型のE-7A早期警戒機を、NATOもE-3の後継にグローバルアイ早期警戒機と小型機を指向しており、この背景には早期警戒機を狙う対レーダーミサイルの著しい射程延伸という脅威増大があるようです。
■NGAD第六世代戦闘機
メーカー任せは良くないということね。

アメリカ空軍はNGAD第六世代戦闘機についてF-35以上の技術パテント確保を目指す方針とのこと。これはアメリカ空軍のフランクケンドール長官による5月22日の発言によるもので、その背景にはロッキードマーティンを中心に開発したF-35戦闘機の技術情報の多くが同社の手中にあり、予備部品や維持費など多くが同社の主管にはいるため。

技術パテント情報について、具体的には戦闘機の設計に関する情報を国防総省が管理し製造メーカーに下請けさせる方式を想定していて、これにより現在問題となっている予備部品確保の過剰確保や過小確保による稼働率への悪影響、不透明な維持費などの問題があり、NGADでは国防総省が情報の当事者となり完全な効率化を目指しているとのこと。
■CMMA次期哨戒機
CMMA次期哨戒機はP-8のような総合哨戒機よりも使い勝手がよさそうだと思ってしまいます。

カナダ空軍CMMA次期哨戒機についてボンバルディア社とジェネラルダイナミクス社が協力の方針を示しました。CMMAは洋上哨戒と対潜哨戒を担う航空機で、CP-140オライオン哨戒機の後継とともにCH-148コヨーテ対潜ヘリコプターの部分的な補完を担う機種を目指します。この為の母機としてボンバルディア社製民間機が充てられるという。

ボンバルディアグローバル6500型リージョナルジェット、現在の計画ではこの機種を基にISRセンサーと対潜センサー、及び主翼にハープーン対艦ミサイル4発などの運用能力を付与させるという。グローバル6500は旅客機型では旅客定員16名、航続距離は12223㎞、ロールスロイスPearl-15エンジンの採用により最高速力はマッハ0.9に達します。
■Su-34M の納入
半導体の経済制裁が密輸により開戦前の水準迄戻っているともいう。

ロシア空軍はUAC統一航空産業社からSu-34M戦闘爆撃機を新規受領しました。Su-34Mは並列複座型のカモノハシのような形状をした戦闘機であり、1990年にソ連空軍が原型機を初飛行させソ連崩壊後も開発を継続、改良型となるSu-34M が2014年にロシア空軍向けの戦闘機として完成した、今回の納入は2021年契約分であるとのこと。

Su-34M の納入は6月1日までに完了したとのこと。ロシア空軍ではロシアウクライナ戦争におけるロシア空軍の地上目標攻撃能力の低さという問題に直面し、しかし一方でウクライナ侵攻に伴う日欧米豪など各国からの経済制裁により電子部品輸入が中断しているという状況下にあり、今回の納入はこうした状況でも生産継続を示したかたちです。
■M-346FA軽戦闘機
練習機だと思っていましたM-346の軽戦闘機への発展という話題を。

ナイジェリア空軍はレオナルドM-346FA軽戦闘機の導入を正式決定しました。導入数は24機で空軍が運用する旧式のアルファジェット軽攻撃機を更新する計画という。またアルファジェットが高等練習機を原型とする軽攻撃機であるようにM-346FAもその原型は高等練習機、超音速機ではないものの幅広く採用されているイタリアの練習機です。

M-346FAはもともとロシアとイタリアの共同開発機でロシア製のものはヤコブレフYak-130として知られ、本来M-346は練習機専用型、軽攻撃機型はYak-130という区分が為されていましたが、2000年に共同開発計画は解消、ただM-346の練習機専用機は販路を拡大したものの軽戦闘機型の販売は振るわず、軽戦闘機型が完成したのも2017年でした。

M-346FAはハードポイント7カ所に3tまでの兵装を搭載可能、グリフォンM346レーダーを搭載し空対空戦闘能力を有しています。ナイジェリア空軍はこれと並行して中国からJF-17戦闘機の導入が決定、こちらは超音速飛行能力と視程外空対空ミサイルや空対艦ミサイルなどの運用能力を有しており、M-346にはその要員養成能力も期待されています。
■ポーランド空軍FA-50
FA-50軽戦闘機の話題を書くたびに一度くらい日韓共同訓練で小松基地あたりに来てくれないかなあと思う。

ポーランド空軍が導入を予定するFA-50軽戦闘機初号機がロールアウト式を迎えました。ソウル近郊のKAI韓国航空宇宙産業社において、6月7日、記念すべきロールアウト式となりました。ポーランド空軍は48機のFA-50軽戦闘機を導入する計画で、初期型が年内に12機が納入、こちらはサイドワインダーミサイルなどを運用する軽戦闘機です。

FA-50軽戦闘機の後期型はAMRAAM空対空ミサイル運用能力を獲得し視程外交戦能力を有しています。式典に参加したポーランドのマリウスブワシュチャク副首相兼国防相は、ポーランドにおけるソ連製MiG-29戦闘機の運用終了を宣言し、今後はF-16戦闘機とFA-50軽戦闘機、将来的には交渉中であるF-35戦闘機の運用を開始すると発表しました。
■8500万ドル相当のF-35部品
8500万ドル相当のF-35部品というともうF-35が更に一機かえてしまいそうだ。

アメリカ政府GAO会計検査院によればロッキードマーティン社は過去5年間で8500万ドル相当のF-35部品を紛失した可能性があります。ロッキードマーティン社はF-35戦闘機の予備部品を予備部品プールに備蓄していますが、同社には予備部品の備蓄状況を追跡するプログラムが組まれていないため、その行方を把握していない可能性を指摘した。

8500万ドルの予備部品は個数にして100万個、一つ当たりの部品費用は高くはありませんが、総数の金額となにより行方不明となっている部品数があまりにも膨大であり、管理プログラムなしで追跡不能となっている現状では、世界中の倉庫に備蓄される100万個一つ一つを手作業で確認する非現実的な手段しか発見できず、事実上喪失した状況なのです。