■防衛フォーラム
今回は空軍関連の話題を纏めてみました。
ポーランド空軍は初の早期警戒機としてサーブ340AEWを選定しました。サーブ社によればポーランドからサーブ340AEW早期警戒機2機の発注があり、その受注額は6億スウェーデンクローネで技術サポートや地上設備と教育支援や予備部品などを含んだ総合費用としています。サーブ社の発表では2025年までに2機を納入するとのこと。
サーブ340AEW早期警戒機はスウェーデン空軍ではS-100Bアーガス早期警戒機として採用、カヌー型のエリアイPS-890-AESAレーダーを搭載し左右120度の全体で240度にわたり300㎞から400㎞以遠の航空機や船舶などを監視可能としています。比較的安価であり、既に9か国で採用され、ポーランドは10か国目のユーザーとなりました。
PS-890-AESAレーダーは非回転式であり、240度までのみを観測するために死角が生じることは難点とされています。他方、この選定はロシアウクライナ戦争を受け防衛力近代化を急ぐポーランド軍には、建国以来初の早期警戒機を導入することとなり、F-16戦闘機やFA-50戦闘機、そして今後はF-35を導入する同国の空軍近代化が進みます。
■防衛フォーラム
B-2戦略爆撃機の話題なんですがB-2は見た事が無いのですよね。
アメリカ空軍はB-2戦略爆撃機レーダー更新へレイセオン社と契約を締結しました。契約金額は1億7505万ドルで、AN/APQ-181マルチモードレーダーシステムへの換装などが主軸となっています。AN/APQ-181はAESA方式のレーダーでありGPS及び航法装置との連動、またリンク16との連接機能などを改修の対象にしているとのこと。
B-2戦略爆撃機はアメリカンスピリットの愛称とともに冷戦末期に設計されたステルス爆撃機ですが、あまりに高価過ぎ量産数が限られるとともに維持費も高く、後継機B-21レイダーが開発されています。しかしB-21の戦力化までまだ一定の期間があることからB-2爆撃機についても近代化改修が継続的に進んでいることを意味しています。
■防衛フォーラム
グアムミサイル防衛について。
アメリカ国防総省はグアムの防衛施設ミサイル防衛射撃試験を2024年末に行う方針を示しました。計画は議会上院の承認待ちで、方針は8月9日にアラバマ州ハインツビルにて開かれたアメリカミサイル防衛庁主催の宇宙ミサイル防衛シンポジウムにおいて示されています。国防総省は2024会計年度に80億ドルのミサイル防衛費用を充てています。
グアムの防衛施設ミサイル防衛射撃試験は2024年にグアムに設置される指揮統制システムと海軍のイージス駆逐艦を連接することで行う方針といい、弾道ミサイルと巡航ミサイル及び極超音速ミサイルに対抗するもので、海軍のイージス艦との連接を進めつつ今後進む陸軍のミサイル防衛システム強化を待って総合的なミサイル防衛を行うとのこと。
グアムはアンダーセン基地やアプラ軍港など、西太平洋地域におけるアメリカ軍戦略拠点であり、座に地米軍基地や在韓米軍基地には難しい核関連装備の拠点としても機能します。この為に北朝鮮弾道ミサイルや中国とロシアの弾道ミサイルや巡航ミサイル、極超音速兵器にも狙われる懸念が高く、ミサイル防衛能力強化が大車輪で進められています。
■防衛フォーラム
F-35運用国が間もなくもう一つ増える。
ベルギー空軍向けF-35A戦闘機初号機が最終組み立ての段階へ進みました。ベルギー空軍は旧式化したF-16戦闘機の後継機としてF-35戦闘機を選定、計画では34機を導入します。今回の最終組み立てはアメリカ本土テキサス州フォートワースにあるロッキードマーティン社のF-35工場で、各種センサーを搭載する四個の機体モジュールが接合された。
F-35の最終組み立ては機体部分を組み立て、エンジンの搭載やコックミットの挿入などが行われ、電子戦システムなど主要機材を装着するとともに第五世代戦闘機の重要な要素であるステルスコーティングが行われます。ベルギー空軍向けF-35A初号機はAY-01の名称で呼ばれており、2023年後半にも初号機はロールアウトを迎える見込みという。
AY-01のロールアウトとともにベルギー空軍操縦要員のF-35飛行訓練も開始される計画で、先ず2025年にもアリゾナ州のルーク空軍基地において飛行試験を実施、そして2025年内にフロレンヌ空軍基地へ配備され、最終的にクライネフローゲル空軍基地を加えた二か所での運用を計画していて、他方、退役するF-16は海外供与などが期待されています。
■防衛フォーラム
MQ-9の生存性を高める試み。
アメリカ空軍はMQ-9リーパー無人機へALQ-167電子戦装置を搭載し飛行試験を実施しました。これは既に4月よりネバダ州クリーチ空軍基地において開始されていたものが最近公開されたもので、更に前に地上試験も行われていたとされています。昨今黒海上空などでMQ-9リーパー無人機が妨害行動を受けている最中の発表となりました。
ALQ-167電子戦装置はポッド方式を採用していて、アメリカ空軍では既にF-16戦闘機での運用が開始されています。この数か月間、ロシアウクライナ戦争の最前線ではロシア軍電子妨害装置の威力が発揮されており、対策が施されていない無人機の運用が困難となっています。MQ-9は軍用開戦と衛星管制を受ける航空機ですが早晩脅威に曝され得ます。
■防衛フォーラム
アルメニアからナゴルノカラバフを剥ぎ取った国の話題だ。
アゼルバイジャン空軍はソ連製Su-25攻撃機の改修をトルコで行う方針です。この方針はトルコのイスタンブールで開催されたIDEF国際防衛産業展において示され、TAIトルコ航空宇宙産業がSu-25攻撃機を改良することを発表、アゼルバイジャンのアギルグルバノフ国防副大臣とトルコのハルクグルグン大統領府武器輸出担当官が立ち会った。
Su-25攻撃機はアメリカ空軍のA-10攻撃機と並んで世界でも数少ない対地攻撃専用機であり、アゼルバイジャン空軍はクルダミール空軍基地へ配備しています。他方、この近代化改修には従来ロシアが参加していましたが、ロシアウクライナ戦争の影響によりこれらが難しくなり、F-16近代化改修などで技術を有するTAIへ協力を要請したかたちです。
■防衛フォーラム
C-130の方が良いと思うのですが。
インド空軍は検討中のMTA中型輸送機計画へエアバス社よりA-400M輸送機の提案を受けました。インド空軍が想定しているのは36か月以内に機体をインド空軍へ納入可能であるとともに18tから30tまでの輸送能力を持つ機体で、現在の有力候補はアメリカのロッキードマーティンC-130J輸送機、ブラジルのエンブラエルKC-390輸送機です。
MTA中型輸送機計画が構想するのは現在使用するアントノフAn-32輸送機が老朽化していることによる、ただアントノフAn-32は小型輸送機であり貨物輸送能力は最大6.7t、兵員50名か空挺兵42名を輸送します。このため求める輸送能力は18tから30tと幅が大きく、エアバスA-400Mは今回応募した候補機中で最大規模の機体となっています。
■防衛フォーラム
海兵隊もMQ-9を使う。
アメリカ海兵隊はMQ-9リーパー無人機の運用を開始しました。アメリカ海兵隊発表によれば、8月2日、ハワイのカネオヘベイ海兵航空基地において第3無人航空隊のMQ-9無人機初度作戦能力獲得に関する記念行事が挙行され、アメリカ海兵隊は世界の水陸両用作戦部隊の中でも最も有力な無人航空機部隊を整備している点を強調しました。
フォースデザイン2030に基づき、アメリカ海兵隊は従来の水陸両用戦部隊から、インド太平洋地域における中国軍脅威に対抗する新しい装備体系への劇的な改編を進めており、戦車などの重装備を全廃するとともに航空部隊も縮小、たいして洋上の中国海軍部隊に対抗可能である無人航空機部隊とミサイル部隊を大幅に増強する改編を進めています。
MQ-9リーパー無人機は20時間以上の警戒監視能力を有するとともに、スティンガーやサイドワインダー空対空ミサイル、JDAM精密誘導爆弾やヘルファイアミサイルなどを搭載し限定的な空対空戦闘や有用な空対地戦闘能力を有していて、また敵戦闘機からのミサイル攻撃を想定し、IRフレアーなど機体自衛装置の搭載改修が進められています。
■防衛フォーラム
今度こそ戦闘機導入となるか。
フィリピン空軍はスウェーデンよりJAS-39グリペン戦闘機を導入する方針で、8月14日にケソン市で開かれたアニカトゥーンボーグ在比スウェーデン大使とフィリピンのジルベルトテオドロ国防大臣との会談においてスウェーデン政府がJAS-39戦闘機を供与する方針を正式に伝えました。フィリピンは次期戦闘機として12機の航空機を求めている。
JAS-39戦闘機についてフィリピンが本格的に導入を検討したのは2016年頃であり同年9月にサーブ社もマニラへ事務所を開設する方針を示しています。このころアメリカはF-16V戦闘機の売り込みを強化していましたが、サーブ社は同社で実績のあるリース方式も含めたフィリピンへの配備を提案、2022年にスウェーデン議会も輸出を承認しました。
FA-50戦闘機、韓国製戦闘機12機が現在のフィリピン空軍の戦闘機部隊となっていますが年々厳しさを増す南シナ海情勢を前に軽戦闘機として設計されているFA-50戦闘機では不十分という認識があり、一方フィリピンは南沙諸島問題が激化した1992年頃から戦闘機導入を模索しており、予算難を乗り越え30年を経て具現化の可能性が出てきました。
■防衛フォーラム
イーグルも息が長いもので。
カタール空軍はF-15QA戦闘爆撃機の導入計画を完了しました。これはF-15QAカタールアドバンスドイーグル36機の導入計画においてすでに納入された31機に加えて最後の5機がこのほどカタール空軍へ納入されたこととなります。今回の導入計画は内1機が納入前にアメリカ空軍が飛行中2021年に墜落し、1機を補填に生産しています。
F-15QAカタールアドバンスドイーグルはカタール空軍が旧式化したフランス製ミラージュ2000戦闘機の後継機として選定されたもので、フランス政府が強く推したラファール戦闘機に打ち勝って採用された経緯があり、カタールではF-15QAカタールアドバンスドイーグルをアバビル、メッカのカーパ神殿を守った伝説の鳥たちの名を冠しました。
アバビルの名の通り、イーグルシリーズでは最も先進的な装備を持ち、搭載する各種装備は、拡張型ハードポイント、AN/APG-82(V)1AESAレーダーやF110-GE-129エンジン、JHMCS統合型ヘルメットマウントディスプレイに19インチというLAD大型ディスプレイ改良型グラスコックピット、MAWSミサイル警報装置などが採用されています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は空軍関連の話題を纏めてみました。
ポーランド空軍は初の早期警戒機としてサーブ340AEWを選定しました。サーブ社によればポーランドからサーブ340AEW早期警戒機2機の発注があり、その受注額は6億スウェーデンクローネで技術サポートや地上設備と教育支援や予備部品などを含んだ総合費用としています。サーブ社の発表では2025年までに2機を納入するとのこと。
サーブ340AEW早期警戒機はスウェーデン空軍ではS-100Bアーガス早期警戒機として採用、カヌー型のエリアイPS-890-AESAレーダーを搭載し左右120度の全体で240度にわたり300㎞から400㎞以遠の航空機や船舶などを監視可能としています。比較的安価であり、既に9か国で採用され、ポーランドは10か国目のユーザーとなりました。
PS-890-AESAレーダーは非回転式であり、240度までのみを観測するために死角が生じることは難点とされています。他方、この選定はロシアウクライナ戦争を受け防衛力近代化を急ぐポーランド軍には、建国以来初の早期警戒機を導入することとなり、F-16戦闘機やFA-50戦闘機、そして今後はF-35を導入する同国の空軍近代化が進みます。
■防衛フォーラム
B-2戦略爆撃機の話題なんですがB-2は見た事が無いのですよね。
アメリカ空軍はB-2戦略爆撃機レーダー更新へレイセオン社と契約を締結しました。契約金額は1億7505万ドルで、AN/APQ-181マルチモードレーダーシステムへの換装などが主軸となっています。AN/APQ-181はAESA方式のレーダーでありGPS及び航法装置との連動、またリンク16との連接機能などを改修の対象にしているとのこと。
B-2戦略爆撃機はアメリカンスピリットの愛称とともに冷戦末期に設計されたステルス爆撃機ですが、あまりに高価過ぎ量産数が限られるとともに維持費も高く、後継機B-21レイダーが開発されています。しかしB-21の戦力化までまだ一定の期間があることからB-2爆撃機についても近代化改修が継続的に進んでいることを意味しています。
■防衛フォーラム
グアムミサイル防衛について。
アメリカ国防総省はグアムの防衛施設ミサイル防衛射撃試験を2024年末に行う方針を示しました。計画は議会上院の承認待ちで、方針は8月9日にアラバマ州ハインツビルにて開かれたアメリカミサイル防衛庁主催の宇宙ミサイル防衛シンポジウムにおいて示されています。国防総省は2024会計年度に80億ドルのミサイル防衛費用を充てています。
グアムの防衛施設ミサイル防衛射撃試験は2024年にグアムに設置される指揮統制システムと海軍のイージス駆逐艦を連接することで行う方針といい、弾道ミサイルと巡航ミサイル及び極超音速ミサイルに対抗するもので、海軍のイージス艦との連接を進めつつ今後進む陸軍のミサイル防衛システム強化を待って総合的なミサイル防衛を行うとのこと。
グアムはアンダーセン基地やアプラ軍港など、西太平洋地域におけるアメリカ軍戦略拠点であり、座に地米軍基地や在韓米軍基地には難しい核関連装備の拠点としても機能します。この為に北朝鮮弾道ミサイルや中国とロシアの弾道ミサイルや巡航ミサイル、極超音速兵器にも狙われる懸念が高く、ミサイル防衛能力強化が大車輪で進められています。
■防衛フォーラム
F-35運用国が間もなくもう一つ増える。
ベルギー空軍向けF-35A戦闘機初号機が最終組み立ての段階へ進みました。ベルギー空軍は旧式化したF-16戦闘機の後継機としてF-35戦闘機を選定、計画では34機を導入します。今回の最終組み立てはアメリカ本土テキサス州フォートワースにあるロッキードマーティン社のF-35工場で、各種センサーを搭載する四個の機体モジュールが接合された。
F-35の最終組み立ては機体部分を組み立て、エンジンの搭載やコックミットの挿入などが行われ、電子戦システムなど主要機材を装着するとともに第五世代戦闘機の重要な要素であるステルスコーティングが行われます。ベルギー空軍向けF-35A初号機はAY-01の名称で呼ばれており、2023年後半にも初号機はロールアウトを迎える見込みという。
AY-01のロールアウトとともにベルギー空軍操縦要員のF-35飛行訓練も開始される計画で、先ず2025年にもアリゾナ州のルーク空軍基地において飛行試験を実施、そして2025年内にフロレンヌ空軍基地へ配備され、最終的にクライネフローゲル空軍基地を加えた二か所での運用を計画していて、他方、退役するF-16は海外供与などが期待されています。
■防衛フォーラム
MQ-9の生存性を高める試み。
アメリカ空軍はMQ-9リーパー無人機へALQ-167電子戦装置を搭載し飛行試験を実施しました。これは既に4月よりネバダ州クリーチ空軍基地において開始されていたものが最近公開されたもので、更に前に地上試験も行われていたとされています。昨今黒海上空などでMQ-9リーパー無人機が妨害行動を受けている最中の発表となりました。
ALQ-167電子戦装置はポッド方式を採用していて、アメリカ空軍では既にF-16戦闘機での運用が開始されています。この数か月間、ロシアウクライナ戦争の最前線ではロシア軍電子妨害装置の威力が発揮されており、対策が施されていない無人機の運用が困難となっています。MQ-9は軍用開戦と衛星管制を受ける航空機ですが早晩脅威に曝され得ます。
■防衛フォーラム
アルメニアからナゴルノカラバフを剥ぎ取った国の話題だ。
アゼルバイジャン空軍はソ連製Su-25攻撃機の改修をトルコで行う方針です。この方針はトルコのイスタンブールで開催されたIDEF国際防衛産業展において示され、TAIトルコ航空宇宙産業がSu-25攻撃機を改良することを発表、アゼルバイジャンのアギルグルバノフ国防副大臣とトルコのハルクグルグン大統領府武器輸出担当官が立ち会った。
Su-25攻撃機はアメリカ空軍のA-10攻撃機と並んで世界でも数少ない対地攻撃専用機であり、アゼルバイジャン空軍はクルダミール空軍基地へ配備しています。他方、この近代化改修には従来ロシアが参加していましたが、ロシアウクライナ戦争の影響によりこれらが難しくなり、F-16近代化改修などで技術を有するTAIへ協力を要請したかたちです。
■防衛フォーラム
C-130の方が良いと思うのですが。
インド空軍は検討中のMTA中型輸送機計画へエアバス社よりA-400M輸送機の提案を受けました。インド空軍が想定しているのは36か月以内に機体をインド空軍へ納入可能であるとともに18tから30tまでの輸送能力を持つ機体で、現在の有力候補はアメリカのロッキードマーティンC-130J輸送機、ブラジルのエンブラエルKC-390輸送機です。
MTA中型輸送機計画が構想するのは現在使用するアントノフAn-32輸送機が老朽化していることによる、ただアントノフAn-32は小型輸送機であり貨物輸送能力は最大6.7t、兵員50名か空挺兵42名を輸送します。このため求める輸送能力は18tから30tと幅が大きく、エアバスA-400Mは今回応募した候補機中で最大規模の機体となっています。
■防衛フォーラム
海兵隊もMQ-9を使う。
アメリカ海兵隊はMQ-9リーパー無人機の運用を開始しました。アメリカ海兵隊発表によれば、8月2日、ハワイのカネオヘベイ海兵航空基地において第3無人航空隊のMQ-9無人機初度作戦能力獲得に関する記念行事が挙行され、アメリカ海兵隊は世界の水陸両用作戦部隊の中でも最も有力な無人航空機部隊を整備している点を強調しました。
フォースデザイン2030に基づき、アメリカ海兵隊は従来の水陸両用戦部隊から、インド太平洋地域における中国軍脅威に対抗する新しい装備体系への劇的な改編を進めており、戦車などの重装備を全廃するとともに航空部隊も縮小、たいして洋上の中国海軍部隊に対抗可能である無人航空機部隊とミサイル部隊を大幅に増強する改編を進めています。
MQ-9リーパー無人機は20時間以上の警戒監視能力を有するとともに、スティンガーやサイドワインダー空対空ミサイル、JDAM精密誘導爆弾やヘルファイアミサイルなどを搭載し限定的な空対空戦闘や有用な空対地戦闘能力を有していて、また敵戦闘機からのミサイル攻撃を想定し、IRフレアーなど機体自衛装置の搭載改修が進められています。
■防衛フォーラム
今度こそ戦闘機導入となるか。
フィリピン空軍はスウェーデンよりJAS-39グリペン戦闘機を導入する方針で、8月14日にケソン市で開かれたアニカトゥーンボーグ在比スウェーデン大使とフィリピンのジルベルトテオドロ国防大臣との会談においてスウェーデン政府がJAS-39戦闘機を供与する方針を正式に伝えました。フィリピンは次期戦闘機として12機の航空機を求めている。
JAS-39戦闘機についてフィリピンが本格的に導入を検討したのは2016年頃であり同年9月にサーブ社もマニラへ事務所を開設する方針を示しています。このころアメリカはF-16V戦闘機の売り込みを強化していましたが、サーブ社は同社で実績のあるリース方式も含めたフィリピンへの配備を提案、2022年にスウェーデン議会も輸出を承認しました。
FA-50戦闘機、韓国製戦闘機12機が現在のフィリピン空軍の戦闘機部隊となっていますが年々厳しさを増す南シナ海情勢を前に軽戦闘機として設計されているFA-50戦闘機では不十分という認識があり、一方フィリピンは南沙諸島問題が激化した1992年頃から戦闘機導入を模索しており、予算難を乗り越え30年を経て具現化の可能性が出てきました。
■防衛フォーラム
イーグルも息が長いもので。
カタール空軍はF-15QA戦闘爆撃機の導入計画を完了しました。これはF-15QAカタールアドバンスドイーグル36機の導入計画においてすでに納入された31機に加えて最後の5機がこのほどカタール空軍へ納入されたこととなります。今回の導入計画は内1機が納入前にアメリカ空軍が飛行中2021年に墜落し、1機を補填に生産しています。
F-15QAカタールアドバンスドイーグルはカタール空軍が旧式化したフランス製ミラージュ2000戦闘機の後継機として選定されたもので、フランス政府が強く推したラファール戦闘機に打ち勝って採用された経緯があり、カタールではF-15QAカタールアドバンスドイーグルをアバビル、メッカのカーパ神殿を守った伝説の鳥たちの名を冠しました。
アバビルの名の通り、イーグルシリーズでは最も先進的な装備を持ち、搭載する各種装備は、拡張型ハードポイント、AN/APG-82(V)1AESAレーダーやF110-GE-129エンジン、JHMCS統合型ヘルメットマウントディスプレイに19インチというLAD大型ディスプレイ改良型グラスコックピット、MAWSミサイル警報装置などが採用されています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)