■防衛フォーラム
今回は海軍関係の話題なのですが潜水艦の話題が多い印象と手持ちの写真でも案外無関係ではない海軍の話題なども。
ポーランド次期潜水艦選定売り込みに韓国ハンファオーシャン社が最新案を提示しました。潜水艦売り込みにあたってハンファオーシャン社は5月21日、ポーランドの海岸都市グダニスクのグダニスク技術センターにてインダストリーデイを開催、韓国海軍向けに建造された島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦ポーランド仕様を提案したかたち。
島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦は水中排水量3800tと、おやしお型潜水艦の3500tよりも大型で、4200tの潜水艦そうりゅう型に迫る大型艦です。推進方式はディーゼルエレクトリック方式と燃料電池AIP併用方式、50日間の連続航行が可能で、特筆すべきは後部に玄武4-4型潜水艦発射弾道ミサイル用VLS8セルを有する点が特色です。
■防衛フォーラム
VLSが護衛艦むらさめ型と同じMk56でしたが今度日本で公開される際には変わっているという事か。
カナダ海軍はハリファクス級フリゲイトにESSMblock2を搭載完了しました。これはポイントディフェンスアップグレード改修として進められていましたESSM発展型シースパローミサイル搭載計画の官僚であり、カナダ海軍は6月までに搭載艦艇のESSMblock2発射試験を完了し、IOC初度作戦能力を付与したとのことです。
ポイントディフェンスアップグレード改修はESSMミサイルを運用する12か国が連携して実施する能力向上改修であり、ESSMミサイルは射程が50㎞と従来のシースパローミサイルの15㎞よりも射程が大幅に延伸しアクティヴホーミングシーカー搭載、この搭載によりハリファクス級は僚艦防空能力を付与されることとなりました。
■防衛フォーラム
もがみ型はどんどん増えるのですがこれCOVID-19の感染拡大の時点ではまだ一番艦が進水式を迎える前だったというと装備化の早さに驚く。
海上自衛隊は護衛艦もがみ型である令和4年度計画護衛艦の命名式と進水式を実施します。実施は6月24日月曜日で実施場所は建造が進められてまいりました三菱重工長崎造船所、式典には佐世保地方総監俵千城海将が執行者として参加します。行事実施発表は6月14日で、艦名については命名式と進水式終了と同時に公表するとのこと。
もがみ型護衛艦の9番艦に当たる護衛艦となっていて、令和4年度計画護衛艦として建造されるもう一隻の護衛艦、10番艦の起工は9番艦と同じく2023年7月6日となっていますが、進水式を迎えるには早いものの、ある程度上部構造物や船体の建造進捗は見られるため、恐らく数か月以内に進水式を迎えるものと考えられます。
もがみ型護衛艦は当初22隻が建造される計画でしたが、掃海艇や小型護衛艦と比較する場合に大幅な武装強化ステルス設計などが実現したものの、近い将来生じるであろう南西諸島での中国海軍への対応能力を考えた場合不十分であるとされ、建造を12隻に留め、武装を大幅に強化し艦隊防空能力を付与した拡大改良型が建造されます。
■防衛フォーラム
自衛隊のような掃海艇と云いますか機雷掃討艇は今後減ってゆくのか大型過ぎる母艦というのは逆に普及しないのか、さてさて。
ベルギー海軍向けMCM機雷戦艦トゥルネーが進水式を挙行しました。2024年7月2日、コンカルノー造船所において挙行された進水式では、名前の由来となったトゥルネー市のドゥラノワ市長とベルギーのデドンダー国防相臨席のもとで執り行われました。MCM機雷戦艦としては4隻目で、ベルギー海軍向け艦艇としては2番艦となっている。
MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが協同し開発している次世代の機雷戦艦で、両国が協同し12隻のMCM機雷戦艦を導入、この12隻は100基の水中無人機母艦となり、1隻で多数の水中無人機や18t級水上無人艇を運用し広範囲の機雷を掃討するもの。このため満載排水量は2800tと、従来の掃海艇よりも格段に大型となっています。
■防衛フォーラム
自衛隊ではHSS-2として親しまれていた。
インド海軍はシーキング輸送ヘリコプターの退役式典を実施しました。第350飛行隊はインド海軍における最後のシーキング輸送ヘリコプター部隊となっていましたが6月28日、退役式典を行いました。インド海軍におけるシーキング輸送ヘリコプターの歴史は比較的新しく、アメリカ海軍よりオースティン級ドック型揚陸艦を取得したさいのもの。
揚陸艦トレントンを受領しインド海軍においてジャラシュワと改名した2007年に、シーキング輸送ヘリコプターを導入しUH-3Hとして運用を開始し、2011年のリビア騒擾ではインド海軍が自国民救出にシーキングを運用しています。ただ、インド海軍歩兵部隊が海軍とは別にシーキングMk42Cを運用しており、こちらの運用は継続されます。
■防衛フォーラム
巡洋艦は過去のものになるのか。
アメリカ海軍から巡洋艦ピッツバーグとカウペンスの今夏除籍が発表、巡洋艦が全廃されようとしています、海軍は巡洋艦近代化改修プログラムを進めていますが、ピッツバーグとカウペンスは近代化改修費用の増大を受け連邦議会から予算打ち切りを宣言されたために陳腐化が進み、2024年夏、6月と8月に退役が発表されています。
タイコンデロガ級巡洋艦は2027年までにすべて退役しますが、2024年秋までに2隻を残して退役するとのことで、ピッツバーグとカウペンスについては超過した近代化改修費用が2隻あわせて10億ドルと、アーレイバーク級新造費に迫る超過となりました。秋にはアンティータム、レイテガルフが退役し、2隻のみが2027年まで運用されます。
■防衛フォーラム
ホバート級イージス艦と並ぶ大型艦だ。
オーストラリア海軍向けハンター級フリゲイトの起工式が挙行されました。船体を構成する最初の鋼材を切断するスチールカット式は南オーストラリア州オズボーンにあるオズボーン海軍造船所のBAEシステムズオーストラリア社が実施したもので、左舷プロペラシャフトブレーキシステムの構造材がスチールカット式にて切断されました。
ハンター級フリゲイトの一番艦は2032年に海軍に引き渡され、2034年に作戦運用体制にはいる計画です。ハンター級フリゲイトはSEA-5000計画として2009年のラッド政権時代から開始されたアンザック級フリゲイトの後継艦で、その大きさや任務は二転三転し、一時はホバート級ミサイル駆逐艦の派生型となる構想もありましたが。
ハンター級フリゲイトは満載排水量8800t、Mk41VLSを32セル有しているほか、127mm艦砲や30mm機関砲と20mmCIWS近接防護牡蠣、対艦ミサイル発射筒に加えてMH-60R哨戒ヘリコプターを1機搭載する計画です。ただ、当初は9隻を量産する計画でしたが、これを6隻に削減し、浮いた費用でたすうの中型フリゲイトを整備する計画だ。
■防衛フォーラム
従来型のドック型揚陸艦では無く経験の無い所に依頼している故の問題も。
アメリカ海兵隊用輸送揚陸艇の建造は非常に厳しい状況にあるもよう。フォースデザイン2030としてアメリカ海兵隊は上陸作戦の主導という運用から島嶼部防衛に大きくその能力を転換しつつありますが、この為には強襲揚陸艦のような自己完結能力を持つ揚陸艦よりも、多数の車両や装備を輸送する今までにない両用戦艦が必要となります。
しかし、アメリカ会計検査院が6月17日に発表した報告書によれば、現状では輸送揚陸艦の建造は計画よりもすでに2年間遅れているとともに建造費も物価高騰や工員不足の影響を受けることで当初見積もりの3倍にまで高騰している状況です。既に輸送される側の海兵沿岸連隊は続々と編成されていますが、開閉を運ぶ肝心のフネがないのです。
現在は民間フェリーで代用していますが輸送揚陸艦は現在の計画では66mから130m、喫水は3.7m、50名の海兵隊員と650tの貨物化車両を輸送可能で車両甲板は8000平方メートル、ヘリコプターの発着甲板を有していて3500浬の航行能力と14ノットの速力を発揮し、30mm機関砲や機関銃を自衛用に搭載、耐用年数を20年と見積もっています。
■防衛フォーラム
海兵隊のMV-22とはことなる海軍のCMV-22の配備という話題だ。
アメリカ海軍はCMV-22オスプレイの岩国基地配備計画を発表しました。これは7月11日付NHK報道によるもので、現在すでに日本には沖縄県の海兵隊普天間航空基地へ海兵隊仕様のMV-22オスプレイが、また東京都のアメリカ空軍横田基地へ空軍仕様のCV-22オスプレイが配備されていますが、岩国へは海軍仕様のCMV-22が配備される。
CMV-22オスプレイは2021年12月に初度作戦能力付与の認定が行われたもので、2022年からは原子力空母カールビンソンに展開するパタクセントリバーの第2空母航空団へ配備されています。海兵隊向けのMV-22と比較した場合、CMV-22は燃料搭載量が50%増大しており、これにより6000ポンドの貨物を1150マイル先まで輸送可能という。
海軍は空母航空団に前方展開させることで、F-35C戦闘機など戦闘行動半径の増大している作戦機の行動に随伴する能力を付与し、またE-2D早期警戒機などとの連携と共にアメリカ海軍の全世界規模での作戦能力を支えるものになるという。岩国基地には横須賀の空母艦載機となる空母航空団が前方展開しており、その所属機となります。
■防衛フォーラム
日本の潜水艦にもいちおう注目という。
カナダ海軍はCPSP計画として潜水艦12隻体制を目指す計画とのこと。CPSP計画とかカナダ紹介潜水艦プロジェクトであり、ほとんど稼働状態に無いイギリスから導入したアップホルダー級潜水艦4隻が装備されていますが、一番艦アップホルダーは1990年にイギリスで竣工し1993年に退役しカナダに売却されたものの再就役に11年を要した。
CPSP計画では稼働率維持に苦労し岸壁の女王とまでいわれたアップホルダー級を2030年代に近代化改修するとともに異なる潜水艦を2024年内にRFI情報提供依頼書を発行する計画で、カナダ海軍は太平洋と大西洋に加えて北極海の防衛を行うためには12隻の潜水艦が必要であるとし、各方面に稼働潜水艦1隻を確保するべく、検討中とのこと。
■防衛フォーラム
オーストラリアに通常動力型を提示して急きょキャンセルされ政治問題化した事は記憶に新しい。
フランス海軍はバラクーダ級原潜トゥールーヴィルの公試を開始しました。シュフラン級攻撃型原潜とも呼ばれるフランス海軍最新型の攻撃型原潜でトゥールーヴィルは三番艦、一番艦シュフランは2022年に竣工しており、二番艦のデュゲイトルーアンは2024年4月に竣工したばかり、フランス海軍は2030年までに6隻を建造する計画です。
バラクーダ級攻撃型原潜は水中排水量5300t、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜が通常動力型潜水艦設計を原子力推進としたために水中排水量は2600tと小型でしたが、ルトリオンファン級戦略ミサイル原潜に採用されたポンプジェット推進装置を採用し、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜よりも大幅に近代化した潜水艦となっています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
今回は海軍関係の話題なのですが潜水艦の話題が多い印象と手持ちの写真でも案外無関係ではない海軍の話題なども。
ポーランド次期潜水艦選定売り込みに韓国ハンファオーシャン社が最新案を提示しました。潜水艦売り込みにあたってハンファオーシャン社は5月21日、ポーランドの海岸都市グダニスクのグダニスク技術センターにてインダストリーデイを開催、韓国海軍向けに建造された島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦ポーランド仕様を提案したかたち。
島山安昌浩級ことKSS-Ⅲ型潜水艦は水中排水量3800tと、おやしお型潜水艦の3500tよりも大型で、4200tの潜水艦そうりゅう型に迫る大型艦です。推進方式はディーゼルエレクトリック方式と燃料電池AIP併用方式、50日間の連続航行が可能で、特筆すべきは後部に玄武4-4型潜水艦発射弾道ミサイル用VLS8セルを有する点が特色です。
■防衛フォーラム
VLSが護衛艦むらさめ型と同じMk56でしたが今度日本で公開される際には変わっているという事か。
カナダ海軍はハリファクス級フリゲイトにESSMblock2を搭載完了しました。これはポイントディフェンスアップグレード改修として進められていましたESSM発展型シースパローミサイル搭載計画の官僚であり、カナダ海軍は6月までに搭載艦艇のESSMblock2発射試験を完了し、IOC初度作戦能力を付与したとのことです。
ポイントディフェンスアップグレード改修はESSMミサイルを運用する12か国が連携して実施する能力向上改修であり、ESSMミサイルは射程が50㎞と従来のシースパローミサイルの15㎞よりも射程が大幅に延伸しアクティヴホーミングシーカー搭載、この搭載によりハリファクス級は僚艦防空能力を付与されることとなりました。
■防衛フォーラム
もがみ型はどんどん増えるのですがこれCOVID-19の感染拡大の時点ではまだ一番艦が進水式を迎える前だったというと装備化の早さに驚く。
海上自衛隊は護衛艦もがみ型である令和4年度計画護衛艦の命名式と進水式を実施します。実施は6月24日月曜日で実施場所は建造が進められてまいりました三菱重工長崎造船所、式典には佐世保地方総監俵千城海将が執行者として参加します。行事実施発表は6月14日で、艦名については命名式と進水式終了と同時に公表するとのこと。
もがみ型護衛艦の9番艦に当たる護衛艦となっていて、令和4年度計画護衛艦として建造されるもう一隻の護衛艦、10番艦の起工は9番艦と同じく2023年7月6日となっていますが、進水式を迎えるには早いものの、ある程度上部構造物や船体の建造進捗は見られるため、恐らく数か月以内に進水式を迎えるものと考えられます。
もがみ型護衛艦は当初22隻が建造される計画でしたが、掃海艇や小型護衛艦と比較する場合に大幅な武装強化ステルス設計などが実現したものの、近い将来生じるであろう南西諸島での中国海軍への対応能力を考えた場合不十分であるとされ、建造を12隻に留め、武装を大幅に強化し艦隊防空能力を付与した拡大改良型が建造されます。
■防衛フォーラム
自衛隊のような掃海艇と云いますか機雷掃討艇は今後減ってゆくのか大型過ぎる母艦というのは逆に普及しないのか、さてさて。
ベルギー海軍向けMCM機雷戦艦トゥルネーが進水式を挙行しました。2024年7月2日、コンカルノー造船所において挙行された進水式では、名前の由来となったトゥルネー市のドゥラノワ市長とベルギーのデドンダー国防相臨席のもとで執り行われました。MCM機雷戦艦としては4隻目で、ベルギー海軍向け艦艇としては2番艦となっている。
MCM機雷戦艦はオランダとベルギーが協同し開発している次世代の機雷戦艦で、両国が協同し12隻のMCM機雷戦艦を導入、この12隻は100基の水中無人機母艦となり、1隻で多数の水中無人機や18t級水上無人艇を運用し広範囲の機雷を掃討するもの。このため満載排水量は2800tと、従来の掃海艇よりも格段に大型となっています。
■防衛フォーラム
自衛隊ではHSS-2として親しまれていた。
インド海軍はシーキング輸送ヘリコプターの退役式典を実施しました。第350飛行隊はインド海軍における最後のシーキング輸送ヘリコプター部隊となっていましたが6月28日、退役式典を行いました。インド海軍におけるシーキング輸送ヘリコプターの歴史は比較的新しく、アメリカ海軍よりオースティン級ドック型揚陸艦を取得したさいのもの。
揚陸艦トレントンを受領しインド海軍においてジャラシュワと改名した2007年に、シーキング輸送ヘリコプターを導入しUH-3Hとして運用を開始し、2011年のリビア騒擾ではインド海軍が自国民救出にシーキングを運用しています。ただ、インド海軍歩兵部隊が海軍とは別にシーキングMk42Cを運用しており、こちらの運用は継続されます。
■防衛フォーラム
巡洋艦は過去のものになるのか。
アメリカ海軍から巡洋艦ピッツバーグとカウペンスの今夏除籍が発表、巡洋艦が全廃されようとしています、海軍は巡洋艦近代化改修プログラムを進めていますが、ピッツバーグとカウペンスは近代化改修費用の増大を受け連邦議会から予算打ち切りを宣言されたために陳腐化が進み、2024年夏、6月と8月に退役が発表されています。
タイコンデロガ級巡洋艦は2027年までにすべて退役しますが、2024年秋までに2隻を残して退役するとのことで、ピッツバーグとカウペンスについては超過した近代化改修費用が2隻あわせて10億ドルと、アーレイバーク級新造費に迫る超過となりました。秋にはアンティータム、レイテガルフが退役し、2隻のみが2027年まで運用されます。
■防衛フォーラム
ホバート級イージス艦と並ぶ大型艦だ。
オーストラリア海軍向けハンター級フリゲイトの起工式が挙行されました。船体を構成する最初の鋼材を切断するスチールカット式は南オーストラリア州オズボーンにあるオズボーン海軍造船所のBAEシステムズオーストラリア社が実施したもので、左舷プロペラシャフトブレーキシステムの構造材がスチールカット式にて切断されました。
ハンター級フリゲイトの一番艦は2032年に海軍に引き渡され、2034年に作戦運用体制にはいる計画です。ハンター級フリゲイトはSEA-5000計画として2009年のラッド政権時代から開始されたアンザック級フリゲイトの後継艦で、その大きさや任務は二転三転し、一時はホバート級ミサイル駆逐艦の派生型となる構想もありましたが。
ハンター級フリゲイトは満載排水量8800t、Mk41VLSを32セル有しているほか、127mm艦砲や30mm機関砲と20mmCIWS近接防護牡蠣、対艦ミサイル発射筒に加えてMH-60R哨戒ヘリコプターを1機搭載する計画です。ただ、当初は9隻を量産する計画でしたが、これを6隻に削減し、浮いた費用でたすうの中型フリゲイトを整備する計画だ。
■防衛フォーラム
従来型のドック型揚陸艦では無く経験の無い所に依頼している故の問題も。
アメリカ海兵隊用輸送揚陸艇の建造は非常に厳しい状況にあるもよう。フォースデザイン2030としてアメリカ海兵隊は上陸作戦の主導という運用から島嶼部防衛に大きくその能力を転換しつつありますが、この為には強襲揚陸艦のような自己完結能力を持つ揚陸艦よりも、多数の車両や装備を輸送する今までにない両用戦艦が必要となります。
しかし、アメリカ会計検査院が6月17日に発表した報告書によれば、現状では輸送揚陸艦の建造は計画よりもすでに2年間遅れているとともに建造費も物価高騰や工員不足の影響を受けることで当初見積もりの3倍にまで高騰している状況です。既に輸送される側の海兵沿岸連隊は続々と編成されていますが、開閉を運ぶ肝心のフネがないのです。
現在は民間フェリーで代用していますが輸送揚陸艦は現在の計画では66mから130m、喫水は3.7m、50名の海兵隊員と650tの貨物化車両を輸送可能で車両甲板は8000平方メートル、ヘリコプターの発着甲板を有していて3500浬の航行能力と14ノットの速力を発揮し、30mm機関砲や機関銃を自衛用に搭載、耐用年数を20年と見積もっています。
■防衛フォーラム
海兵隊のMV-22とはことなる海軍のCMV-22の配備という話題だ。
アメリカ海軍はCMV-22オスプレイの岩国基地配備計画を発表しました。これは7月11日付NHK報道によるもので、現在すでに日本には沖縄県の海兵隊普天間航空基地へ海兵隊仕様のMV-22オスプレイが、また東京都のアメリカ空軍横田基地へ空軍仕様のCV-22オスプレイが配備されていますが、岩国へは海軍仕様のCMV-22が配備される。
CMV-22オスプレイは2021年12月に初度作戦能力付与の認定が行われたもので、2022年からは原子力空母カールビンソンに展開するパタクセントリバーの第2空母航空団へ配備されています。海兵隊向けのMV-22と比較した場合、CMV-22は燃料搭載量が50%増大しており、これにより6000ポンドの貨物を1150マイル先まで輸送可能という。
海軍は空母航空団に前方展開させることで、F-35C戦闘機など戦闘行動半径の増大している作戦機の行動に随伴する能力を付与し、またE-2D早期警戒機などとの連携と共にアメリカ海軍の全世界規模での作戦能力を支えるものになるという。岩国基地には横須賀の空母艦載機となる空母航空団が前方展開しており、その所属機となります。
■防衛フォーラム
日本の潜水艦にもいちおう注目という。
カナダ海軍はCPSP計画として潜水艦12隻体制を目指す計画とのこと。CPSP計画とかカナダ紹介潜水艦プロジェクトであり、ほとんど稼働状態に無いイギリスから導入したアップホルダー級潜水艦4隻が装備されていますが、一番艦アップホルダーは1990年にイギリスで竣工し1993年に退役しカナダに売却されたものの再就役に11年を要した。
CPSP計画では稼働率維持に苦労し岸壁の女王とまでいわれたアップホルダー級を2030年代に近代化改修するとともに異なる潜水艦を2024年内にRFI情報提供依頼書を発行する計画で、カナダ海軍は太平洋と大西洋に加えて北極海の防衛を行うためには12隻の潜水艦が必要であるとし、各方面に稼働潜水艦1隻を確保するべく、検討中とのこと。
■防衛フォーラム
オーストラリアに通常動力型を提示して急きょキャンセルされ政治問題化した事は記憶に新しい。
フランス海軍はバラクーダ級原潜トゥールーヴィルの公試を開始しました。シュフラン級攻撃型原潜とも呼ばれるフランス海軍最新型の攻撃型原潜でトゥールーヴィルは三番艦、一番艦シュフランは2022年に竣工しており、二番艦のデュゲイトルーアンは2024年4月に竣工したばかり、フランス海軍は2030年までに6隻を建造する計画です。
バラクーダ級攻撃型原潜は水中排水量5300t、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜が通常動力型潜水艦設計を原子力推進としたために水中排水量は2600tと小型でしたが、ルトリオンファン級戦略ミサイル原潜に採用されたポンプジェット推進装置を採用し、前型にあたるリュビ級攻撃型原潜よりも大幅に近代化した潜水艦となっています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ まや
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)