■臨時情報-イラン周辺情勢
安保法適用要件ではないのか。いま日本は能登半島地震や政治とカネの問題に耳目が集中していますが紅海航路封鎖危機とこの数日間の中東情勢変化により危機が醸成されています。
イラン周辺情勢がここ数日間で急激に緊迫の度合いを増しています、それはイラン革命防衛隊が周辺国を次々に攻撃しており、口実はいずれも武装勢力やイスラエル秘密組織攻撃を掲げていますが、同様にイラン革命防衛隊が武器支援を行うイエメン武装勢力フーシ派により紅海海上の船舶攻撃が行われ続け、緊張がアラビア海とインド洋に拡大しかねない。
イラク北部を攻撃。CNNが1月16日に報じたところによればイラン革命防衛隊は15日にイラク北部アルビルを弾道ミサイルで攻撃しました。革命防衛隊の主張によれば、アルビルにはイスラエル情報機関モサドの秘密基地があり、イラン反体制派テロ組織の拠点もあるとしています。ただ、この地域はクルド族自治区で少なくとも民間人4名が死亡した。
アルビル攻撃に弾道弾が仕様されたとしていますが、弾道弾の命中精度は距離や機種にもよりますが決してピンポイント攻撃が出来るものではなく、イラン側が主張する秘密基地が在ったとして、飛行場規模や軍港規模のものではないかぎり弾道ミサイルでは命中させられません、そして衛星写真を見る限り弾道ミサイルの制度で狙える標的もありません。
パキスタンを攻撃。CNNが1月17日に報じたところによれば、今度はイラン軍がパキスタン南西部を攻撃しました。イラン側の主張ではイラン国内の南西部バルチスタン州にある武装勢力ジャイシュアルアドルの基地2箇所を攻撃、CNNはイランのタスニム通信が報じた内容を引用しています。イランからの攻撃をパキスタン政府は厳しく抗議している。
イランへパキスタン軍が報復攻撃を実施した、ロイター通信が1月18日に報じたところによれば、パキスタン外務省の発表としてパキスタン軍はイランのシスタンバルチェスタン州へ軍事攻撃を加え複数のテロリストを無力化したと発表しました。パキスタン外務省はパキスタン政府にこれ以上の状況拡大に関する関心は無い、と発言し沈静化を望んでいる。
パキスタン軍の攻撃は、イラン軍に向けられたものではなく、イラン軍がパキスタン領内へ攻撃を行った事への報復措置ではあるもののイラン軍がパキスタンに行ったようにパキスタンがイラン領内の武装勢力を攻撃する事で双方の直接衝突を避ける狙いがあるとも解釈できますが、16日のイラクへの攻撃を含め、イランの行動が先が読めないという問題が。
紅海での船舶攻撃が現在拡大しており、2023年12月25日にロイター通信などが報じたように、インド洋のインドから200浬海域においてリベリア船籍の日本タンカーが国籍不明無人機の攻撃を受けた事案があり、インド政府が衝撃を受けました。イランは関与を否定していますが、過去イランが船舶攻撃を認める事例も多くはない為、懸念が生じています。
日本タンカー攻撃事案は、インド洋のインド近海まで飛翔させる航続距離の大きな無人機は、イエメンから飛翔したとは考えにくく、イラン政府が関与を否定したとしてもどうしてもイラン領内から、イラン政府とは独立している革命防衛隊等が関与したと解釈せざるを得ない状況があり、現在の紅海シーレーンへの脅威が一挙に広範囲化する懸念がある。
欧州アジア航路は多くの船舶が現在紅海を避けスエズ運河を通らず喜望峰経由航路に変針している、これはスエズ運河通行料が国家財政の基幹であるエジプト政府へも衝撃を与えていますが、更にアラビア海やインド洋北部を避けねばならない場合、オーストラリア経由航路を執らざるを得なくなる可能性もあります。スエズ運河とともにもう一つの問題が。
パナマ運河の水位低下がもう一つの問題です、閘門方式を用いるパナマ運河は現在雨量不足から水位低下による閘門使用制限という問題が生じていて、スエズ運河に代えてパナマ運河から欧州とアジアを結ぶという選択肢も難しくなっています。すでにフーシ派船舶攻撃開始以降、30ftコンテナ欧州アジア輸送料は2.3倍に高騰、更に上昇の懸念があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
安保法適用要件ではないのか。いま日本は能登半島地震や政治とカネの問題に耳目が集中していますが紅海航路封鎖危機とこの数日間の中東情勢変化により危機が醸成されています。
イラン周辺情勢がここ数日間で急激に緊迫の度合いを増しています、それはイラン革命防衛隊が周辺国を次々に攻撃しており、口実はいずれも武装勢力やイスラエル秘密組織攻撃を掲げていますが、同様にイラン革命防衛隊が武器支援を行うイエメン武装勢力フーシ派により紅海海上の船舶攻撃が行われ続け、緊張がアラビア海とインド洋に拡大しかねない。
イラク北部を攻撃。CNNが1月16日に報じたところによればイラン革命防衛隊は15日にイラク北部アルビルを弾道ミサイルで攻撃しました。革命防衛隊の主張によれば、アルビルにはイスラエル情報機関モサドの秘密基地があり、イラン反体制派テロ組織の拠点もあるとしています。ただ、この地域はクルド族自治区で少なくとも民間人4名が死亡した。
アルビル攻撃に弾道弾が仕様されたとしていますが、弾道弾の命中精度は距離や機種にもよりますが決してピンポイント攻撃が出来るものではなく、イラン側が主張する秘密基地が在ったとして、飛行場規模や軍港規模のものではないかぎり弾道ミサイルでは命中させられません、そして衛星写真を見る限り弾道ミサイルの制度で狙える標的もありません。
パキスタンを攻撃。CNNが1月17日に報じたところによれば、今度はイラン軍がパキスタン南西部を攻撃しました。イラン側の主張ではイラン国内の南西部バルチスタン州にある武装勢力ジャイシュアルアドルの基地2箇所を攻撃、CNNはイランのタスニム通信が報じた内容を引用しています。イランからの攻撃をパキスタン政府は厳しく抗議している。
イランへパキスタン軍が報復攻撃を実施した、ロイター通信が1月18日に報じたところによれば、パキスタン外務省の発表としてパキスタン軍はイランのシスタンバルチェスタン州へ軍事攻撃を加え複数のテロリストを無力化したと発表しました。パキスタン外務省はパキスタン政府にこれ以上の状況拡大に関する関心は無い、と発言し沈静化を望んでいる。
パキスタン軍の攻撃は、イラン軍に向けられたものではなく、イラン軍がパキスタン領内へ攻撃を行った事への報復措置ではあるもののイラン軍がパキスタンに行ったようにパキスタンがイラン領内の武装勢力を攻撃する事で双方の直接衝突を避ける狙いがあるとも解釈できますが、16日のイラクへの攻撃を含め、イランの行動が先が読めないという問題が。
紅海での船舶攻撃が現在拡大しており、2023年12月25日にロイター通信などが報じたように、インド洋のインドから200浬海域においてリベリア船籍の日本タンカーが国籍不明無人機の攻撃を受けた事案があり、インド政府が衝撃を受けました。イランは関与を否定していますが、過去イランが船舶攻撃を認める事例も多くはない為、懸念が生じています。
日本タンカー攻撃事案は、インド洋のインド近海まで飛翔させる航続距離の大きな無人機は、イエメンから飛翔したとは考えにくく、イラン政府が関与を否定したとしてもどうしてもイラン領内から、イラン政府とは独立している革命防衛隊等が関与したと解釈せざるを得ない状況があり、現在の紅海シーレーンへの脅威が一挙に広範囲化する懸念がある。
欧州アジア航路は多くの船舶が現在紅海を避けスエズ運河を通らず喜望峰経由航路に変針している、これはスエズ運河通行料が国家財政の基幹であるエジプト政府へも衝撃を与えていますが、更にアラビア海やインド洋北部を避けねばならない場合、オーストラリア経由航路を執らざるを得なくなる可能性もあります。スエズ運河とともにもう一つの問題が。
パナマ運河の水位低下がもう一つの問題です、閘門方式を用いるパナマ運河は現在雨量不足から水位低下による閘門使用制限という問題が生じていて、スエズ運河に代えてパナマ運河から欧州とアジアを結ぶという選択肢も難しくなっています。すでにフーシ派船舶攻撃開始以降、30ftコンテナ欧州アジア輸送料は2.3倍に高騰、更に上昇の懸念があるのです。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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