■夕刻からの仙台観光
昨年十月に東北方面隊創設記念行事に展開した旨は既報の通りであるが今回は趣向を変えてグルメ特集としたい。
仙台には陸上自衛隊仙台駐屯地や霞目飛行場があり、特に飛行場において実施される方面総監部創設記念行事は、その広大さからいって恐らく陸上自衛隊五方面隊中最大の規模を有しているのではなかろうか。また、写真の203㍉自走榴弾砲や多連装ロケットシステムMLRS、88式地対艦ミサイルといった方面特科火力装備などを見ることが出来、更に師団改編を行っていない第九師団が参加することで今では珍しくなった装備なども見ることが出来る。
その記念行事であるが、ご他聞に漏れず高速バスにて即日展開同日撤収という超強行軍を敢行した。したがって、観光らしきものは出来ないのだが、次回展開の際には伊達政宗所縁の場所などをまわることができれば、と思う次第である。なんとなれ、払暁とともに仙台駅に到達するも、シャトルバス運行開始まで相当の時間があり、ここはひとつ、と仙台駐屯地から運行されるシャトルバスを目指し、地下鉄線に乗り換えた。
方面隊記念行事の凄い点は、隷下駐屯地から部隊が集結するということで、物産展が物凄いというのが印象である。UH-1J多用途ヘリをラベルとしたご当地霞目焼酎のみならず、青森から福島まで(一部管区外のものもあったように記憶する)様々な物産が勢ぞろいであった。
ただ、関門海峡から四国・近畿を含み東海地方までを担当区とする中部方面隊の物産展の方がやや規模が大きいようにも感じた。
夜の仙台駅。いきなりで少々飛ばしすぎに思われる方もいらっしゃるかもしれないが、駐屯地祭の方は当時の記事を参照いただければ幸いである。
駐屯地祭終了後、いつもお世話になっているMさんに仙台駅まで自動車で送っていただいた。しかし、相当時間があるものの、さりとて観光する時間もない、とくればやはりグルメしかないであろう。
考える前に行動、グルメに関しては猪突猛進が推奨される、といったのは誰であったろうか。とりあえず、入るのはラーメンである。仙台駅にはカウンター方式で大型の荷物も一日500円で預けられるサービスがあり、これは恐らく蔵王スキー場のスキー客向けサービスと思われるが、ここで機材を預け、身軽になったところで一番近いラーメン屋に入った。なんとこれ、冷やしラーメンである。麺は冷やされれば引き締まり弾力が出るというが、この時期の冷麺というのは中々珍しく、また美味しかった。
実は翌週に世界経済論研究の発表があったのだが、ほぼ準備が出来てはいるものの、産業の分業化(これを突き詰めれば今日の多国籍企業と企業内国際分業、M&Aに結びつく)について経済史の資料が欲しかったこともありジュンク堂へ。岩波書店の書籍が専門区画で充実しており、予定外ではあったがロールズの研究書も同時に買った。近傍にある東北大学学生の勤勉さが伝わってくるようであった。写真は喫茶コーナーでの写真。手前にあるのは最新装備であるフォトビューア。
さて、書籍も調達、土産物も買い、最後は仙台、牛タンであろう。バスターミナル方向へ仙台駅近傍の店に入ったのだが、牛タンにテールスープ、とろろ、麦御飯がついていた。価格は残念ながら失念。米国産牛タンがBSEの関係で、特にその風評被害により実質的に入荷不能となって久しい時期であったが厚みのある牛タンの歯ごたえはビールに本当に合うもので、噛締めるとともに食感と肉汁の旨みが口一杯に広がる。
店員さんのお話では、何でも、大量に余剰となった輸入牛タンを食用に回すことを考えたのが仙台の人たちで、出店にあたり特別な仕込みもいらないことから広範に普及したということである。加えて本場の牛タンとは米国産牛タンの事を指し、一頭あたりから数人前しかとれない実情から国産牛タンというのはナンセンス、とのことであった。
なんとなれ、駐屯地祭は晴天に恵まれ、夕刻よりは仙台の味覚を堪能し、必要な書籍も調達することが出来た小生は意気揚々と帰路についた。仙台、出来ればゆっくり観光をしたい街並である。
HARUNA
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