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ウクライナ情勢-ロシア占領下のクリミア半島ベルベク飛行場をATACMS攻撃

2024-05-21 07:01:45 | 防衛・安全保障
■防衛情報-ウクライナ戦争
 いまやクリミア半島はATACMSによる狩場となっている印象があるのですね。

 ウクライナ軍は14日から15日にかけクリミア半島をATACMSで叩いたとのこと。これはISWアメリカ戦争研究所ウクライナ戦況報告5月15日付発表として示したもので、ATACMSは陸軍戦術ミサイルシステム、MLRS多連装ロケットシステムやHIMARS高機動ロケットシステムにより投射可能で、長射程型がウクライナへ供与開始されています。

 クリミア半島のベルベク飛行場が攻撃されたとのことで、ISWはウクライナジャーナリストであるブトゥソフ氏の報じた内容を紹介、これによればMiG-31戦闘機と2基の防空レーダーシステムを破壊しSu-27戦闘機3機を損傷させたとしています。なおこの攻撃についてロシア国防省は逆にATACMSを10発撃墜に成功したと主張しました。■

 ロシア軍はハリコフ侵攻により大きな損害を被った、ISWアメリカ戦争研究所5月16日付戦況報告がその概況をまとめました。これはウクライナ軍軍事顧問であるマショヴィッツ氏の発言によるもので、16日の段階でレニングラード軍管区の第17自動車化狙撃連隊と第18自動車化狙撃連隊がリプシで大損害を受けているとしています。

 ヴォフチャンスク近郊では第2自動車化狙撃師団の第1戦車連隊と第1親衛戦車軍の第47戦車師団が攻撃を行っているものの進捗状況に問題が生じていて、ISWはこの背景の可能性として、ロシア軍は攻撃準備が整う前の定数われの状態で進発を開始した可能性を指摘しています。このため作戦達成には兵力不足の可能性があるとしました。■

 ウクライナは最優先事項として地対空ミサイルを必要としている、イギリス王立サービス研究所の14日報告をISWアメリカ戦争研究所が16日付報告として紹介しました。これによれば、ロシア軍無人機はハリコフ州だけでなく州都ハリコフ市上空にまで到達しており、ロシア軍の砲兵や無人機、航空攻撃に自由をあたえているとのこと。

 ロシア軍はハリコフ州北部に滑空爆弾による攻撃を加えており、これらの打撃力がロシア軍に前進を許していると分析、これをウクライナ軍が阻止するためには欧米諸国から供給される地対空ミサイルが必要としています。なお、これとは別に電力インフラ支援へポーランドとルーマニア、スロバキアがウクライナへ電力供給を開始しました。


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