北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

平成24年度自衛隊統合演習(指揮所演習)市ヶ谷を中心に2月25日~2月28日実施

2013-02-18 22:04:02 | 防衛・安全保障

◆統裁官は統合幕僚長

 防衛省によれば平成24年度自衛隊統合演習指揮所演習が2月25日より開始されるとのことです。

Img_7858 今回の演習は統裁官に統合幕僚長岩崎茂空将が当たります。自衛隊統合演習指揮所演習は陸海空自衛隊の行動を部隊指揮官の参加の下図上演習により演練し、自衛隊の統合運用能力の維持及び強化を行うことが目的です。実動演習のような派手さはありませんが、指揮所演習は指揮官の能力を高めるもの。

Img_1361 参加部隊は、陸上自衛隊が北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊と中央即応集団、通信団、中央輸送業務隊、補給統制本部。海上自衛隊からは自衛艦隊、横須賀地方隊、佐世保地方隊、呉地方隊、舞鶴地方隊、大湊地方隊、補給本部です。

Img_09_84 航空自衛隊からは航空総隊、航空支援集団、航空教育集団、航空システム通信隊、補給本部が参加します。加えて、統合幕僚総監部、陸上幕僚監部、海上幕僚監部、航空幕僚監部、情報本部が参加し、共同部隊として自衛隊情報保全隊と自衛隊指揮通信システム隊も参加すると発表されていました。

Img_3030 関連する演習としては防衛省自衛隊では今年度7月16日から7月20日にかけ、平成24年度自衛隊統合防災演習指揮所演習を実施、統合運用における指揮所活動に時期を置き、首都直下型地震を想定した自衛隊の震災対処能力の維持と向上を図る演習が行われています。

Img_2549 この自衛隊統合防災演習の模様は統合幕僚監部HPに紹介されていますが、日米調整所の設置等に加え、隷下部隊による実動訓練も行われており、その際の主要参加部隊は、今回の自衛隊統合演習指揮所演習と同じ部隊に政府などの関係機関が加えられたものですが、この時の参加規模は5000名となっていました。

Img_2231 また、自衛隊統合演習には今回行われる指揮所演習とともに実動演習として島嶼部防衛や弾道ミサイル対処と共に会場航空作戦や基地警備に統合輸送などが実施される演習があります。今回は実動演習を含めていませんが、市ヶ谷駐屯地を中心に各部隊所在地が訓練地となり、演習は2月28日まで行われます。

北大路機関:はるな

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ロシア軍Tu-95爆撃機二機、米領グアム上空へ接近!訓練展開の嘉手納基地F-15が対処

2013-02-17 10:04:21 | 防衛・安全保障

◆アンダーセン基地は戦略拠点

 米太平洋空軍によれば2月12日、ロシア軍爆撃機二機がグアムへ接近する事案があったとのこと。

Gimg_0167 本日は予定がありますので手早く作成です。さて、今回グアムへ接近したのはTu-95爆撃機二機で、我が国領空へも接近する事案があり、太平洋岸に沿って首都圏へ南下する経路は通称東京急行と呼ばれており、航空自衛隊が対領空侵犯措置任務で対処しています。そして先日のSu-27戦闘機二機の北海道領空侵犯と併せロシア軍の活性化が指摘されていたところ。Tu-95は戦略爆撃機ですので、その長大な航続距離を考えればグアムへの飛行は充分に可能なのですが、同時に冷戦後では極めて稀有な事例といえます。

Gimg_9744 グアムのアンダーセン基地には第36航空団が展開していますが戦闘機部隊は1994年までに編成をといており、2005年の第13空軍司令部転地により基地の司令機能としての位置づけは転換しています。特に固有の要撃部隊は常駐していませんが、今回は嘉手納基地より第18航空団に所属するF-15戦闘機が訓練へ展開していたため、緊急発進し対処しています。F-15の緊急発進により二機のTu-95は接近を諦め、ロシア本土へ変針した、との発表されています。

Gimg_9946 戦闘機部隊こそ常駐していないのですが、グアムのアンダーセン基地は3000m級滑走路日本を有して米軍にとって太平洋戦略上重要な拠点となっており、B-2爆撃機の運用能力を有するほか、B-52等の戦略爆撃機を集約し集中運用を行うことが可能な設備を有しているほか、脅威から距離を隔てている、これは特に沖縄や日本本土、朝鮮半島の基地と異なり、中国や北朝鮮の中距離弾道弾射程の外にあることが、その重要性を近年更に高めてきました。

Gimg_8539 中国の中距離弾道弾は短距離弾道弾に比較すれば数は少ないですが、沖縄を射程に収めており、このほか爆撃機からの巡航ミサイルの投射が在日米軍の基地に対し、少なくない脅威を及ぼし始めてきました。米太平洋空軍では嘉手納基地がミサイル攻撃などで機能不随となった場合の後方拠点という位置づけにあり、これは冷戦時代にソ連本土にもっとも近い航空自衛隊の防空拠点、千歳基地の後方拠点に松島基地が考えられていたのと似ているやもしれません。

Gimg_7461 また、グアムは日本国内で米軍が実施できない多国間訓練を実施する訓練拠点としての機能を有しています。嘉手納基地など日本の基地施設には大きなものがあるのですが、大規模な多国間合同訓練の実施はアメリカ政府が日本政府への配慮から実施していません。こうしてグアムは訓練拠点となり、航空自衛隊や韓国空軍はもちろん、東南アジアのアメリカとの友好国との間での防衛協力上の拠点というシンボル的な要素も持っている場所でもあり、ここにTu-95が接近する事案は冷戦後では非常に稀有といえるでしょう。

Gimg_8525 自衛隊もマリアナ諸島への訓練移転を計画していますが、今回のロシア機接近は、米軍の太平洋上の拠点に対しても長距離爆撃機の脅威は及ぶ実情の確認であり、同時に将来的に中国軍が長距離打撃能力、長距離弾道弾や爆撃機を充実させた際にはこのグアムへも脅威が及ぶことを端的に示しました。今回の事案は我が国の防衛に直接影響を及ぼすものではありませんが、間接的に非常に大きな問題提起となるやもしれません、即ち、グアムを後方拠点として嘉手納を維持するという米軍の運用基盤にも盤石ではない実情が示された訳です。

Gimg_8793 アメリカの太平洋地域における兵力配置は冷戦時代、ソ連を睨んだ配置から質的向上と拠点への集約を掲げた2000年代の米軍再編により、少なくとも基地数は集約されているのですが、この中でもフィリピンのピナトゥボ火山噴火に伴い在比米軍が全面撤退し、常時戦闘航空団を展開させていたクラーク空軍基地の閉鎖を行い、現代の中国脅威の増大に対し、中国南方からの抑止力が大きく制約されている状況にあります。将来的にこの防衛上の空白を通過し、グアムへの脅威が及ぶことも考えられる。

Gimg_9992 もちろん、米軍の底力は常駐基地を有さずとも必要に応じ大兵力を戦略展開させる後方支援能力の大きさにあり、必要ならば急速に防衛強化は可能なのですが、これまでグアムは脅威から距離を有している、という認識があったため、将来的にこの位置づけは不動ではない、これが今回のTu-95接近の重要な意味合いでしょう。更には、台湾海峡や朝鮮半島での緊張を支える後方拠点日本、それを更に支えるグアムという位置関係は、日本が戦後防衛について積極的に投射できない、旧軍のように予防的に海外へ部隊を前進させることが出来ない現状では極力維持されるべきで、グアムの防衛について、例えばミサイル防衛における集団的自衛権行使など、日米の協力も考えておく必要はあるやもしれません。

北大路機関:はるな

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舞鶴地方隊舞鶴展示訓練2011詳報④ 観閲式、舞鶴地方総監佐々木孝宣海将へ敬礼

2013-02-16 23:18:43 | 海上自衛隊 催事

◆日本海を往く舞鶴展示訓練観閲式

 舞鶴基地を出港し、西舞鶴やその他の港より参加した部隊の陣形が整いました。いよいよ観閲式です。 

Mimg_6991 舞鶴地方総監の乗艦したミサイル護衛艦あたご、を中心に三隻の観閲部隊がこちらへと徐々に近づいてきます。護衛艦三隻、イージス艦を中心に汎用護衛艦が挟みます。前回の舞鶴展示訓練ではヘリコプター搭載護衛艦はるな艦上からの情景が、今回はイージス艦ちょうかい艦上からみることとなりました。

Mimg_6592 はまゆき、護衛艦はまゆき、が観閲部隊の先頭を往きます。はつゆき型護衛艦5番艦として就役、第二護衛隊群や第三護衛隊群を経て舞鶴地方隊、護衛艦隊を経て南方から日本海と任務の場を駆け抜け、惜しまれながら2012年3月14日に除籍されました一隻です。

Mimg_6596 三隻の観閲部隊、展示訓練を初めて撮影したのは2005年の伊勢湾展示訓練、北大路機関がWeblog北大路機関へと転換する前の話ですが、もっと多くの観閲部隊、伊勢湾に並んでいました。ただ、東日本大震災の年ながら、こうした観閲式を迎えられたのは日本の底力というか、絆、というか、考えさせられたのですが。

Mimg_6600_2 護衛艦はまゆき、1983年就役、基準排水量2950t、満載排水量4200t、全長130m、全幅13.6m、速力30ノットを発揮し乗員は210名、ハープーン艦対艦ミサイル、アスロック対潜ロケット、シースパロー艦対空ミサイルを搭載し、ガスタービン推進方式を採用、哨戒ヘリコプター一機を搭載しています。

Mimg_6603 対水上対潜対空の各種兵装に均衡を求めヘリコプターを搭載する汎用護衛艦、護衛艦隊の新しい主力としてこの護衛艦はつゆき型は12隻が量産され、量産型外洋艦として護衛艦隊の能力を大きく充実、従来のヘリコプター搭載護衛艦二隻に集中するヘリコプター部隊をヘリコプター搭載護衛艦一隻とミサイル護衛艦二隻に汎用護衛艦五隻を以て編成する護衛隊群へと近代化を果たした功労艦と言えるでしょう。

Mimg_6609 ミサイル護衛艦あたご、イージスシステムを搭載する艦隊防空艦あたご型の一番艦として2007年に就役しました。イージスシステムとともにヘリコプター運用能力を有し、汎用性を高めたイージス艦です。艦長は大野敏弘1佐、ステルス性を考慮した傾斜マストがスマートな印象を与える。

Mimg_6606 イージス艦あたご、といいますとハワイ派遣訓練から帰国途上の2008年2月19日に漁船との衝突事案を起こしたことで知られます、ただ、当時のテレビや新聞は海上自衛隊側の非を一方的に報じ、2011年5月の刑事裁判では漁船側に回避義務があるとの地裁判決が下され、過熱報道とともに報道に無責任を感じさせることがあった事例を思い出しました。

Mimg_6607 舞鶴地方総監佐々木孝宣海将が受閲部隊を観閲しています。近年、運用担当官と訓練担当官に海上自衛隊組織が改編され、運用担当官である地方隊からは多くの部隊が自衛艦隊へ編入されましたが、管区における警備及び災害派遣の重責を担っております。

Mimg_6618 あたご、は基準排水量7700t、満載排水量は10000tで、海上自衛隊の護衛艦として初めて満載排水量で10000tを越えた護衛艦です。イージス艦として艦隊防空に当たってきましたが、こんごう型に続き、あたご型にも弾道ミサイル防衛任務が付与されることとなり、対応改修が行われるようです。

Mimg_6637 護衛艦あまぎり、1989年に就役した護衛艦あさぎり型の四番艦で、長く横須賀を母港としていましたが2002年に舞鶴基地へと転籍しました。あさぎり型は、はつゆき型に続く汎用護衛艦で、防御能力強化へ、はつゆき型後期艦が上部構造物をアルミ合金から鋼製としたところ復元性に影響が出たため、大型化し、航空機格納庫の容積を始め余裕をもたせた設計です。

Mimg_6648 あさぎり型は基準排水量3500t、満載排水量5900t、8隻が建造され、護衛艦隊が必要としていた汎用護衛艦20隻を、はつゆき型12隻あさぎり型8隻を以て充足することが出来ました。こういうことから考えますと、海上自衛隊護衛艦史において本型8隻の整備はかなり重要な意味を持っているといえるでしょう。

Mimg_6627 観閲式を終えて遠ざかる三隻を撮影します。はつゆき型は12隻を1977年度予算から1982年度予算までの6年間で建造、あさぎり型は8隻を1983年度予算から1986年度予算までの4年間で建造しました、かなりの早い建造度合でしたが、一斉に耐用年数へ近づいていることも確か。

Mimg_6651 あたご型、あたご、現在就役している海上自衛隊のイージス艦では最新型に当たり、現在の中期防衛力整備計画にミサイル護衛艦はたかぜ型2隻をイージス艦で置き換える計画でしたが、財政難により見送られ、延命改修を受けました、当面はターターシステム搭載艦とイージス艦が共存することとなるのでしょう。

Mimg_6677 エンジン音と喇叭の響きが聞こえるほどの距離にて、観閲式を終えて艦隊は一斉に転舵します、今に始まったことではないのですが、実任務の増大と共に観閲部隊が三隻、というのは少々さびしい印象を受けるのは当方だけでしょうか、観閲式、その後は一斉回頭とともに訓練展示へと舞鶴展示訓練は進みますが、その様子は次回に紹介することとしましょう、舞鶴展示訓練はいよいよ展示訓練へと進みます。

北大路機関:はるな

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第4師団創設58周年 福岡駐屯地創設62周年記念行事詳報① 福岡駐屯地開門と記念式典

2013-02-15 23:05:08 | 陸上自衛隊 駐屯地祭

◆九州の精鋭 第4師団祭

 今回から第四師団創設記念行事の詳報を紹介してゆくこととしましょう、九州は福岡に師団司令部を置く精鋭です。

Fimg_5096 福岡駐屯地祭へは、前日の航空自衛隊奈良基地幹部候補生学校創設記念行事に続いて空路九州へ展開、陸上自衛隊幹部候補生学校ほど近い久留米にて一泊し、足を運びました。師団行事旅団行事強化年として個人的に位置付けていた一環でもあるのですが。

Fimg_5016 九州の陸上自衛隊行事を撮影するのは、この福岡駐屯地祭が初めてとなりました、政令指定都市の師団司令部で、朝鮮半島にもっとも近い師団司令部、最寄の西鉄雑餉隈駅から、司令部最寄のJR駅を越えて、福岡駐屯地前まで進出、福岡駐屯地祭の開門前に到着することが出来ました。

Fimg_5021 第四師団は2012年を以て師団創設58周年を迎え、福岡駐屯地も創設62周年を迎えました。開門時間は0900時、初めての駐屯地ですので、どういった位置で撮影ができるのか、訓練展示の最適撮影位置は、一般開放される範囲は、いろいろ気になるところ。

Fimg_5024 駐屯地に入りますと、早速装備品展示が行われていましたが、此処で時間を使ってしまいますと撮影位置の良い場所を確保できなくなってしまう、しかし、発煙弾発射装置形状からこの87式偵察警戒車は初期のもの、部隊マークも当然ながら第4偵察隊で、おお、と少し心動くものがあります。

Fimg_5037 心動くものはもう少し、96式多目的誘導弾システムで射程約10kmといわれる光ファイバー誘導方式のミサイルシステム、第4対舟艇対戦車隊に装備されているもので、警備管区に五島列島や対馬を含める第4師団には重要な装備です、高い装備で多数の車両はあるので、広くは配備されていないもの。

Fimg_6432 師団創設記念行事前に行われたのが太鼓演奏、各駐屯地の太古が持ち寄られて実施、演舞というべきかも。音楽演奏の一環として実施されるのですが、福岡駐屯地祭では行事の前に力強い太鼓の響きが行事への気合いを入れているようで、これはこれでいいですね。

Fimg_5070 福岡駐屯地は、駐屯地が高層住宅に囲まれたグラウンドで実施、撮影位置は一般開放される椅子区画があったのですが、警戒線よりも1mほど後ろでしたので線のトラロープが障害となり撮れない事が予想されたので、座る環境を諦め、撮影位置に開放されていた立ち席の最前列付近に布陣です。

Fimg_5084 この撮影位置は、観閲行進を撮影する際に真正面の構図は取れないのですが、訓練展示は恐らく真横から状況を撮影できるはず、そう考えているうちに式典参加部隊の入場が始まりました、第3師団や第10師団よりも参加部隊が多数並んでいるように見えますね。

Fimg_5101 指揮官入場が始まります。前回の陸上自衛隊行事詳報は北海道札幌市にある真駒内駐屯地第11旅団創設記念行事でしたが、今回は九州福岡の第4師団創設記念行事、旅団と師団では部隊規模、特に普通科連隊の編制が大きく違いますし、戦車重視の北海道と機動力重視の九州、ここも違う。

Fimg_5103 九州の師団行事は北海道の旅団と、こういうところが違う、という三項のような詳報を書き上げてゆきたいところですが、併せて戦車や火砲は今後十年で大きく近代化されることでしょうから、在りし日の福岡駐屯地祭、ということで記憶に残ればいいかな、とも。

Fimg_5119 整列した部隊の前に連隊旗が進んでゆきます。連隊旗は昔の旧帝国陸軍から続く伝統的なものですが、大隊旗や隊旗と比べて国旗といいますか、日章旗に近い柄となっています。これをみますと、特科連隊が特科隊へ、後方支援連隊が後方支援隊へ、と連隊旗を返納した際に、部隊のOBの方の話を聞くとやはり連隊旗のほうがよかった、とも聞くところ。

Fimg_5123 実際、第3特科連隊のOBの方でいろいろと親しくなった方、知り合って翌々年に第3特科連隊が特科隊となり、所属していた今津第5大隊は営舎ごと廃止され、相当残念がっていました。普通科連隊も旭川第9普通科連隊など伝統ある連隊で廃止された部隊がありますが、再建することはできないのか、そんなことを連隊旗を見るたびに思います。

Fimg_5125 そんなことを毎度のように思いつつ、福岡駐屯地祭参加部隊は続々と整列を完了させてゆきます。お天気も良かったのですが、背景を福岡空港の発着旅客機が見えてゆくので、ここは伊丹空港近くの千僧駐屯地か、と錯誤することも。それにしても繰り返すけれど、撮影に絶好のいい天気が嬉しい。

Fimg_5126 指揮官へ部隊旗の敬礼動作、きびきびとして統一動作は見ていて気持ちのいいものがあります。もう少し真横から撮れたならば、と思ったのですが、今回の福岡駐屯地祭撮影は当方一人、この瞬間だけとなりから一枚、と撮影位置を移動することはさすがにできません。

Fimg_5146 式典参加部隊指揮官である第4師団副師団長福田築陸将補の会場入場です。副師団長は師団長が公務などで師団司令部を離れている際には師団長の代理を果たし、また公務が多い師団長に代わり福岡駐屯地司令を務めています。この福田副師団長はイラク派遣経験もある指揮官とのこと。

Fimg_5150 福田陸将補は、ここ福岡県出身、第20普通科連隊長として第四次イラク復興業務支援群長としてイラク派遣を果たし、帰国後は即応部隊である中央即応集団幕僚長、その後防衛大学校教授を経てここ第四師団副師団長へ着任、東日本大震災派遣を支え、現在は自衛隊体育学校長に着任されています。それでは、式典の模様などは次回お伝えしましょう。

北大路機関:はるな

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平成二十四年度二月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2013.02.16・17)

2013-02-14 21:58:02 | 北大路機関 広報

◆自衛隊関連行事

 寒い寒い最中ではありますが、インフルエンザと風疹の流行に脅かされる今日この頃、如何お過ごしでしょうか。

Gimg_1950 今週末の自衛隊基地一般公開は土曜日に沖縄県の宮古島分屯基地でおこなわれます。宮古島分屯基地は第53警戒隊のレーダーサイトで、隊本部とレーダーを運用する監視小隊に南西方面航空混成団との情報を伝送する通信電子小隊に基地教務小隊が展開、先の北朝鮮ミサイル事案に際してはミサイル部隊が展開、防衛拠点としての任務を担いました。

Simg_0587 週末恒例の海上自衛隊基地一般公開は、佐世保基地が16日と17日に護衛艦じんつう一般公開、舞鶴基地は北吸桟橋一般公開中止で第23航空隊の航空基地のみ17日に一般公開、呉基地一般公開は17日実施で公開艦は護衛艦あぶくま、一般公開の時間などは各じ確認ください。

◆駐屯地祭・基地祭・航空祭

注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関

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尖閣諸島防衛への一視点⑩ 理想の汎用護衛艦船体規模は“はつゆき型”か“むらさめ型”か

2013-02-13 22:48:54 | 防衛・安全保障

◆前回の特集に続いて“護衛艦”の話題
 前回の特集ですが、護衛艦は大型であるべきか中型であるべきか、という主旨に対し多用途支援艦やミサイル艇の話題を提示し、少々焦点がぼけてしまいました。
Simg_3058 哨戒任務ですが、海上保安庁の巡視船に対応させるべき、という視点、お寄せいただいたのですけれども、現行法では例えば外国艦艇、駆逐艦などに巡視船で臨検することはできません。そもそも海上保安庁は法執行機関ですので、甲斐奥艦船に対処する任務は軍事機構が法執行機関の機能を標的としているのですし、その任務ではありません。また、巡視船では潜水艦の浸透に対応することも出来ません。米沿岸警備隊のように海軍の一部という扱いを明確とし、巡視船にソナーや軍艦に準じた法的権限を付与すれば、とも考えることはできるのですが、予算面を中心に難しいでしょう。
Simg_3080 こうしたなかで、海上自衛隊、相手方方向から接近することを想定したばあいの護衛艦の位置づけです。汎用護衛艦は中型を重視するべきなのか、大型を重視するべきなのか、という論題の中型は、4000tが中型、6000tを大型、という考えです。正直3000tを越えれば大型水上戦闘艦、という区分もあるそうd寿司、4000tの水上戦闘艦は世界では大型水上戦闘艦に分類され、6000t以上の大型水上戦闘艦となりますと欧州では少数派で、中国海軍でも11隻と、全体にしめる割合は決して多くはありません。
Simg_0852 今回の論題は、海上自衛隊では大型護衛艦途中型護衛艦という区分は存在しないのですが便宜的に、満載排水量4000~5000tの中型艦、海上自衛隊にとっての中型艦という意味ですが、こちらを量産するのか、それとも6000~7000tの護衛艦をこれを大型護衛艦という区分で考えまして、充分な数は揃えられなくとも最大限の能力を盛り込んだ艦へ特化するべきか、というところです。中型艦といっても、諸外国で考えられるような2000t台の、3000t以下のフリゲイトを、という視点の下で考えているのでは無い、という事をご理解ください。
Simg_6331 今年はイージス艦こんごう型就役から20年、新しく感じるイージス艦も古くなってきました。海上自衛隊の護衛艦はどんどん旧式化しているのですが、これをどう代替するのか、艦隊規模を維持するうえで避けて通れない重要な問題です。そこで、イージス艦やヘリコプター搭載護衛艦、特に過去の記事にあるように北大路機関としてはヘリコプター搭載護衛艦を護衛隊群護衛隊全てに充当させる、という提案を行っていますので、建造費を縮減できる可能性は汎用護衛艦のみ、ということ、ここから考えてゆくこととしました。
Simg_5243 4000t級はつゆき型の艦体規模であっても、海上自衛隊では大きくはないと感じるかもしれませんがそれは隣に米海軍が8000tのアーレイバーク級をならべているからでして、火器管制装置の射撃指揮装置2型所謂FCS-2の処理能力を高める、もしくはFCS-3から派生される簡略型のOPS-50は搭載できますし、大型哨戒ヘリコプターも搭載できます。この大きさ、中国海軍の最新量産型である江凱Ⅱ型が3963t、アメリカが51隻量産したOHペリー級が3638~4100t、イギリスの外洋型汎用フリゲイト23型が4200t、世界的には充分大型、というところ。
Simg_4223 そもそも汎用護衛艦とは、について。海上自衛隊は、護衛艦をヘリコプター搭載護衛艦、ミサイル護衛艦、汎用護衛艦と分けてきました。ヘリコプター搭載護衛艦は海上自衛隊が最も重視した対潜掃討の中枢艦としてヘリコプター巡洋艦的な運用が求められ大型化しましたし、ミサイル護衛艦はターターシステムやイージスシステムの搭載を行うべく大型護衛艦となっています。大型護衛艦を支えるのが対潜対空対水上に突出はしないものの想定するあらゆる任務への対応が求められる汎用護衛艦が求められることとなり、海上自衛隊では、4000tから4200tの護衛艦はつゆき型12隻、4800tの護衛艦あさぎり型8隻、6200tの護衛艦むらさめ型9隻、6300tの護衛艦たかなみ型、7000tの護衛艦あきづき型が建造中を含め4隻、年々大型化してきました。
Simg_5904 4000t級の水上戦闘艦であっても、海上自衛隊が想定するソマリア沖などでの長距離任務や南西諸島での任務を行うに十分な航続距離を確保し、ステルス性を考慮した船体に、SH-60KやMCH-101を一機程度収容し、もしくはSH-60Kと無人機を搭載できる格納庫、OPS-50等の多機能レーダ装置、中央部に艦対艦ミサイル、32セル程度のVLSを前甲板に配置し、アスロック対潜誘導弾やESSM艦対空ミサイルを搭載、20mmCIWSかRAMのようなミサイル防護装備を搭載し、76mm砲を搭載することはできるでしょう。
Simg_0564 しかし、汎用護衛艦はどんどん大型化します。ターターシステムを搭載し艦隊防空に当たるミサイル護衛艦はたかぜ型は5900tですので、満載排水量では、むらさめ型が大型となっています。そして、あきづき型の満載排水量7000tは、ヘリコプター搭載護衛艦しらね型の7200tに迫るものとなっていまして、その分高性能化し、大型艦は航続距離も大きくなっているのですが、建造費も大きくなっている。実のところ、海上自衛隊は汎用護衛艦を多数必要としていまして、特に1980年代から1990年代にかけ大量建造された、はつゆき型の除籍が進んでいるほか、あさぎり型は延命予算が認められているのですが、機関部などの運用上事故が生じない範囲内の延命が行われており、近代化改修が行われているわけではありません。
Simg_9300 ここで建造費が大きな護衛艦に特化すれば、その分建造数が予算の壁に阻まれ、必要な数の護衛艦を維持するためには最新鋭の大型護衛艦と最古参の旧式護衛艦が護衛隊毎の任務遂行能力についてその均衡を崩しつつ混在することとなります。もちろん、数の維持をおこなうことは達成できるでしょうが各艦の能力にバラつきが生じることは避けられず、かつて、四個護衛隊群について、広報の1群・訓練の2群・書類の3群・ダメ押し4群、といわれ、旧式艦の多い4群と3群が皮肉られていたことが分かります。
Simg_4731 90年代に護衛艦定数が防衛大綱改訂により60隻から50隻と下方修正された際、護衛艦隊の数は維持され、地方隊の護衛艦が削られましたので、それまでは沿岸警備用の小型護衛艦、もちろん小型とはいいつつ満載排水量で、あぶくま型護衛艦などは沿岸警備用で2800tありましたし、その他の護衛艦についても2000t前後あったのですが小型護衛艦を新造せず、護衛艦隊用の大型護衛艦を分けて建造していたのを、護衛艦隊で旧式化した護衛艦を充当し、質的向上で量的不足を補おうとしました。
Simg_7045 護衛艦ですが、建造からの運用期間と新造艦の建造度合は、即ち、あさぎり型をいつまで使うのか、というところに焦点を合わせて考えるべきでしょう。現在の大型護衛艦は、現在の防衛費の規模から建造できる護衛艦がミサイル護衛艦やヘリコプター搭載護衛艦を併せ五年間の中期防あたり4隻程度、という実情を併せて考えてみましょう。あきづき型、それに続いて建造される対潜掃討艦も満載排水量では7000t規模となる大型艦の指針が示されているのですが、現行の防衛費から、せめてGDP比率で1%台、NATOは加盟国にGDP比率2%の国防費を求めていることを考えれば1%はどうにかなりそうなものの、それを確保できる見通しが無い中では、この大型艦よりは、4000t台でも数を確保しなければならないのでは、と。
Simg_2312 ただ、護衛艦の建造費に無視できない要素となったのが搭載する電装品の費用です。仮に中型の護衛艦であってもレーダーやソナーに射撃指揮装置と誘導弾一式を搭載すれば安価とはなりません。電装品などは護衛艦隊護衛隊群で右脳する以上中途半端なものでは必要な任務を達成できないからです。ただ、中型であれば、船体の建造費、搭載機関の出力、それら維持費、小さくなります。これは、安くはなるのだけれども、排水量が半分になっても水上戦闘艦は建造費が半分とはならない、ということ。
Simg_3065 大型艦に特化すれば、その分建造費が割高となり、一隻当たりの運用期間が長くなります。台湾海軍などは近代化に近代化を重ね第二次大戦中の駆逐艦を無理やり21世紀まで、60年ちかく現役としていましたが、そこまで行かずとも延命に延命を重ね、40年以上護衛艦を使わなければならなくなるかもしれません、そうしなければ数を維持できなくなることを示します。しかし、40年間仮に現役期間を延長するとした場合、例えば護衛艦あきづき型のFCS-3は高性能ですが、就役から40年後の2050年代まで第一線で通用するとは考えにくく、搭載器材、レーダーや射撃指揮装置の全面更新を行わなければならなくなるでしょう。ヘリコプター搭載護衛艦であれば艦載機を置き換えるだけでかなり近代化が出来ますが、汎用護衛艦ではそうはいかず、そのための近代化改修費用も大きくなることを考えてゆかねばなりません。
Simg_5021 電装品と射撃指揮装置が建造費に占める割合が大きくなる、と記したばかりですから、当たり前ですが40年間運用する際に一回全面的な能力刷新を行う場合、近代化改修で二年近く、はるな型、たかつき型の近代化改修は二年近く要していましたが第一線から離れると共に、かなりの費用を投じても現役期間はそこまでおおきくなるわけではなく、費用対効果では25年程度で置き換えるのと40年間の現役期間で電装品を一新するのと、どちらが高いのかを比較検討してみる必要はあるやもしれないでしょう。すなわち、汎用護衛艦の大きさは、一定期間内で新型に置き換わる4000tはつゆき型か、今日視点では考えにくいほどかなり長期間運用する6000tむらさめ型か、どちらが理想なのかということ。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

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北朝鮮核実験 三度目の核実験を12日1157時頃実施、気象庁地震波を確認

2013-02-12 23:43:42 | 国際・政治

◆核爆発は7~8キロトン程度、小型化が焦点

 気象庁によれば、本日1157時頃、北緯41.29度・統計129.08度地点の浅い震源において核実験と思われる地震波を観測しました。

Nimg_1851 防衛省では、この核実験に合わせ全国の基地から放射線観測任務へT-4練習機を緊急発進させました。T-4へは機上集じん装置2型が搭載されており、高度40000ft以下を亜音速で飛行するとともに大気中の放射性浮遊じんを捕集し、放射性降下物の高高度における飛来を探知する任務に用いるものですが、現在のところ放射性物質の日本飛来は確認されていません。このほか、核実験に合わせ生じる希ガスの測定に米空軍などは横田基地へ情報収集機を展開させているとのこと。

Nimg_1393 今回気象庁が確認した地震波はアメリカ地質研究所においても確認されており、マグニチュード5.2の地震が深さ1kmと浅い地点で発生しています。通常の地震と異なり最初に最大波が観測された特性が核実験の地震波の特色とのことで、今回それが確認されました。前回二回の核実験のうち二回目の核実験による地震波はマグニチュード5.0であり、4キロトン程度の核爆発だったようですが、マグニチュード0.2の増大により7キロトン乃至87キロトン程度の核爆発と考えられます。

Eimg_6596 北朝鮮の核実験に際しての最大の課題は核弾頭をどこまで小型出来るかという視点にあり、具体的には北朝鮮が開発している弾道ミサイルへ搭載可能な規模までの小型化が出きるか、というものです。北朝鮮は昨年12月に実施した長距離ミサイル実験を通じ、射程10000km程度とアメリカ西海岸とカナダ東部までを射程へ収めるミサイル技術を獲得したと考えられ、米本土への核攻撃の運搬手段として弾道ミサイルを使用する場合、相応の小型化が求められることから、多くの識者により今回の実験において小型化が求められたと分析されました。

Gimg_7407 核兵器は、併せてプルトニウム型原爆であるのか、ウラン型原爆であるのかも一つの焦点となっており、仮に従来技術開発を行ったプルトニウム型原爆ではなく、北朝鮮のウラン鉱山から産出される天然ウランを原料とするウラン型原爆を製造する技術を用いた場合、今まで以上に自給自足により核兵器を製造できることとなるため、アメリカや日本をはじめ周辺国は重大な懸念を以て今回の核実験事前抑止へ注力してきましたが、その阻止は成功しませんでした。

Gimg_2570 北朝鮮が核開発を続ける背景には、現在の北朝鮮による独裁体制に対し、韓国を通じアメリカ側が非常に懸念を抱いた政策、具体的には政権の民主化を推し進める政策を提示していることから、将来的には北朝鮮国内へ米韓連合軍が侵攻する懸念があり、北朝鮮の財政状況では米韓連合軍を通常兵器により防衛するに十分な軍事力を整備できないことから、核兵器を頂点とする大量破壊兵器を整備し、アメリカ側に対し打撃を与えうる能力を以て対等な立場を構築することが悲願とされています。

Img_0697f ただ、核開発を核不拡散条約が定めた核兵器国以外の国が兵器として行うことで核保有国が増大する実情は現在の核不拡散を念頭とした世界秩序への重大な懸念となり、より具体的には核不拡散秩序の破綻と核拡散への引き金と成りかねず、死活的自衛権の行使手段として核兵器使用は国際法の判断が及ばない状況があるとの1994年核兵器使用合法性事件国際司法裁判所勧告的意見もあるため、死活的自衛権が大国間の地域紛争において確認されれば、容易に使用される可能性が指摘されていることを忘れてはなりません。

Gimg_0922 核兵器が仮に中小国へも拡散し、一度でも戦術核を含め核兵器が実戦にて使用されたならば、核兵器は基本的に用いないという核抑止の秩序を支える均衡をも破たんさせ、段階的に世界は破滅へと進むのではないか、この危惧を元に核不拡散条約の交渉が進められ、その後は核不拡散条約において名目的に明示された核兵器国の軍縮義務条項も、規範としての機能があるとの認識を中国を含めた核兵器国の発言もあり、一応は数を減らす秩序に北朝鮮の核実験は逆行するものとして批判されるべきでしょう。

北大路機関:はるな

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平成24年度機雷戦訓練(八代海)平成25年2月18日(月)~2月23日(土)実施

2013-02-11 22:40:59 | 防衛・安全保障

◆防衛上最大の静かな脅威“機雷”への備え

 防衛省によれば来週18日から23日にかけ、平成24年度機雷戦訓練が実施されるとのこと。

Bimg_7132 平成24年度機雷戦訓練は、九州の八代海において実施され、今回の訓練は掃海隊群司令德丸伸一司令以下、掃海母艦1隻と掃海母艦3隻、加えて掃海艇13隻の艦艇13隻の併せて17隻が実施されるとのことで、今回の機雷戦訓練に合わせ、八代海近海での港湾施設には参加艦艇が入港することとなるでしょう。

Img_7364 今回の訓練では、訓練機雷を使用しての機雷敷設訓練、掃海訓練、潜水訓練の実施が計画されており、掃海母艦による機雷の機雷敷設訓練、加えて想定機雷敷設海域での訓練機雷の捜索と処理訓練、機雷処理を行う水中処分隊員の潜水訓練などが行われるようです。

Vimg_7999 機雷は自動車貨物船などの船舶の改造敷設艦や潜水艦等の秘匿性の高い敷設手段により機雷網を港湾近くなどに展開させることが出来るのですが、いったん敷設されますと被害が出るまで、戦時下での警戒が行われているような例外的状況を除き発見することはできません、実はここに機雷の恐ろしさがある。

Kuramaimg_8545 敷設は速やかに行える一方で、敷設された機雷の数が分からない限り相手に機雷の存在を前提とした警戒体制をとることを強いられることから船舶の交通を水上戦闘艦を含め大きく制約できることもあり費用対効果は大きく別名最も戦闘効率の高い脅威が機雷攻撃とも言われるほど。

Mimg_6976 海上自衛隊はその前身となった海上警備隊の任務に第二次大戦中の敷設された機雷による被害への対処という実任務の比率も多き聞かったことから、このため、海上自衛隊は機雷対処任務という、駆逐艦や潜水艦に航空部隊と海外では花形とされる任務に対し、掃海部隊への重視を怠りませんでした。海上自衛隊はこの能力の高さを維持するべく、今回も八代海で訓練を行います。

北大路機関:はるな

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ソマリア沖海賊対処任務 船団護衛へ派遣護衛艦まきなみ、ゆうぎり、明日大湊基地へ帰国

2013-02-10 22:27:19 | 防衛・安全保障

◆第2護衛隊海賊対処部隊帰国へ

 防衛省によれば、明日2月11日、海賊対処法に基づきソマリア沖海賊対処任務へ派遣されていた護衛艦が帰国予定です。

Simg_6306 今回新たな派遣部隊と交代し帰国するのは指揮官の第2護衛隊司令丸澤伸二1佐以下司令部要員30名、第二護衛隊隷下で編制された官庁大鋸寿宣2佐指揮下の護衛艦まきなみ、艦長加治勇1佐指揮下の護衛艦ゆうぎり、の二隻で、明日青森県の大湊基地へ入港、帰国記念行事が行われるとのこと。

Simg_1444 帰国する第二護衛隊ですが、現在ソマリア沖においては第二護衛隊の海賊対処任務を引き継ぎ、第三護衛隊を中心に編成されたは護衛艦すずなみ、護衛艦きりさめ、が今現在もソマリア沖のアデン湾において海賊対処任務における海上護衛にあたっています。

北大路機関:はるな

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防衛産業、我が国防衛力を構成する重要要素の将来展望⑭ 国際共同開発と多国間国際分業

2013-02-09 22:22:33 | 国際・政治

◆多国間“国際”分業F-35と“欧州”戦闘機EF-2000
 F-35の関係で我が国国内に最終組み立て工場を配置するという現時点での指針が武器輸出三原則に抵触するのではないか、という指摘がありました。
Img_2861 次期戦闘機に関してはF-35もEF-2000も個人的に撮影した使える写真が無いため写真の件は、まあ。さて、要望がありました、そこで今回は国際共同開発の双頭というべき、F-35とEF-2000について、国際共同開発に際しての問題点を少し提示してみましょう。割と当然のことであるけれども認識されていないのは国際共同開発とは、異なる国が参画して行われるもので、安全保障環境は国ごとに異なるという前提があり、安全保障環境の変化がその装備品に求める優先順位、それは即ち予算面での優先度の変化にも置き換わる、ということ。
Img_1196 さて、多国間国際分業の後に日本に集約され、最終組み立てが行われるF-35がイスラエルに輸出、紛争当事国であるイスラエルへの輸出というもの。F-35はイスラエルが優先顧客として日本がF-35を導入決定する以前に採用を決定しており、日本国内での完成機製造を行う現在の指針では、日本からイスラエルへF-35が輸出される、F-35はアメリカ製の機体で日本製という枠ではなく日本の通関を通りイスラエルに供給される、これが紛争当事国や共産圏と国連決議武器輸出禁止国への武器輸出を禁じた我が国の引き輸出三原則に反する、という危惧があったわけです。
Dimg_0002 多国間国際分業で生産されるF-35、結論から先に示すならば、F-35はアメリカ製の機体であり、アメリカを経由して各国に有償軍事供与と行う、という構図となりますので、日本側が最終組み立てをおこったとしても主体はアメリカにあり、日本から一旦アメリカに引き渡されたのちに各国、欧州やイスラエルなどに供給される、という構図になりますので、この点では問題はない、という事は出来るでしょう。もっとも、この方法を使うならば日米共同開発を今後行う装備品についてもアメリカを経由すれば輸出できるのではないか、とも言われそうですけれども。
Gimg_2674 ただ、F-35は将来的に台湾への輸出が考えられます。台湾空軍は現在F-16を運用していますが、F-16も台湾が導入を希望した当初は中国とのアメリカの関係を重視する観点から政治的に導入することが出来ず、独自戦闘機開発計画やフランス製戦闘機輸入を行い、これらの施策を経てアメリカはF-16戦闘機の輸出を議会が認めることとなりましたので、F-35についても日本が最終組み立てを行った機体が台湾へ輸出される可能性は充分あるのです。こうした視点から、理論武装と言いますか、今から考えておくべき物事はあるでしょう。
Simg_2642 実はこれが国際共同開発の一つの問題点ではないか、といえるもので、防衛装備品の輸出に対して第三国から圧力がかけられる事例は、かつて台湾へ潜水艦を輸出したオランダに対する中国からの圧力が代表事例として思い出されるのですが、スウェーデンのビゲン戦闘機輸出に際しての人権抑圧国家排除条件や、対イスラエル装備品輸出におけるフランスの国内政策など事例はかなり多く、異国開発とは異なり、多国間の様々な事情が関わるという、国際共同開発にはこうした問題があるという事を忘れてはなりません。
Nimg_8436 将来的に可能性がある、という日本組立F-35台湾輸出は、恐らく日中関係と米中関係を複雑に絡めた非常に大きな国際問題となるでしょうが、短期的な政治関係を背景に輸出に影響が、特に決定が二転三転と覆るようでは国際協同開発を行うことはできません。開発費が安くなるよう分担されるという利点があるのですから、利点だけを求めるというのは少々一人よがりすぎる考えに違いありません。こうした観点から、我が国としては装備品の国際共同開発とどのように向かい合うのかを考える必要があるでしょう。
Fimg_8783 EF-2000についてですが、次期戦闘機選定に際して提示されたF-35とEF-2000,それにF/A-18Eの中で、もっとも有力視されたのがF-35とEF-2000でした。しかし、EF-2000が完全な国内生産の要件を提示したのに対し、F-35は当初有償軍事供与のみとなるだろうとの下馬評を覆し、最終組み立てを日本国内で行うことが認められました。防衛産業への貢献度としては、完成機を海外にも供するF-35は、日本向けのものだけを組み立てるEF-2000と比較すれば貢献度が大きく、実は日本の防衛産業は武器輸出三原則の拡大運用という制約から大きく転換する瞬間ではないか、とも考えるところ。
Pimg_7860 我が国では戦闘機生産基盤が国内にあり、加えてその生産基盤は最新鋭の戦闘機をライセンス生産するに十分な技術を有し、加えてその技術基盤は開発能力の面でも一定水準の開発能力を持つものである、といううことが前者はF-15ライセンス生産が、後者はF-2支援戦闘機の日米共同開発の過程を以て強調することが出来た、こういうことが言えるかもしれません。 F-2生産終了と共に日本の戦闘機生産基盤が喪失する可能性があったのですが、アメリカ側からの日本のF-35計画への参入を行う意義が日本国内の戦闘機生産基盤に配慮しなければ実現し得ないという一点を重視し妥協を導いた、という背景に、アメリカがF-35について日本側の一切の関与を認めなければEF-2000を航空自衛隊が採用する可能性に現実味があり、それならば、と妥協を導き出したという構図です。
Img_5243 それではEF-2000が何故選ばれなかったのか、という点、これも将来の情報が開示されるまでは時間がまだまだ大きく、推測に頼らざるを得ないところとなるのでしょうけれども、EF-2000の最大のリスクについて少々考えてみましょう。実のところ、EF-2000は悪い航空機ではありません、予算さえ十分投入して運用基盤を整えれば、将来脅威にも対処し得ます。EF-2000はF-35とともに共同開発の航空機なのですけれども、運用主体が欧州の、冷戦構造が終結し安定している欧州機であるため、というものが一つのリスクとして考えられるやもしれません。
Img_9026 EF-2000の名誉のために追記するならば、EF-2000は完全なライセンス生産が提示されていたのですから、近代化プログラムへも関与する余地が残っていましたので、2005年頃まで、正確にはEF-2000後継機の討議がなされていた時代においてはEF-2000は日本にとり有力な選択肢と言えました、何故ならばEF-2000段階近代化改修に際し三菱重工とBAEの協同による技術提携が行われ、その次の段階として次世代戦闘機の日欧共同開発があり得たためで、EF-2000の運用基盤はNATOを中心としているため日本で高い稼働率を得るための後方支援基盤を一から整備しなければならりません。
Oimg_1789 このように難点はありましたがその次の世代戦闘機を開発できる、という見通しがあった際には有力な選択肢ではったのです。しかし、2005年頃を最後に、そして加えて欧州通貨危機の後は特に、EF-2000後継機としての次世代機開発の話は聞こえなくなり、EF-2000はトランシェ3の開発に資金が不足する状況に陥ります。とりあえず暫定型をトランシェ3Aとして供給を開始するのですが、開発期間の長期化とともに初期型のトランシェ1を3A規格に近代化する費用が増大、イギリス空軍などは早期退役方針を定めました。
Img_9797 EF-2000はユーロファイター、欧州共通戦闘機であり、東西冷戦構造が終結すると共に中東欧諸国がロシアと西欧との巨大な緩衝地帯となる国際情勢の変化と共に、欧州正面への第五世代機の脅威が大きく減退、特にロシアの新世代機T-50が欧州への航空強襲にもちいられる可能性も低く第五世代脅威を圧倒する能力よりは、対抗する能力を有し、その第五世代航空機の航空基地へ打撃を与える能力を保持すれば対応することが出来る、という範疇に収まったことが、トランシェ3の開発への優先度、後継機開発の切迫性を押し下げたのでしょう。
Img_2188 欧州情勢が極東情勢ほど緊迫していない。ユーロファイターは即ち第五世代脅威が切迫していないユーロのファイターであり、第五世代戦闘機をロシアと中国が開発を進め、緩衝地帯が台湾海峡や東シナ海に日本海を除いて有さないというオリエントのオリエンタルファイターでは無い、ということが航空自衛隊にユーロファイターが不向きである理由の一つといえまして、欧州と極東地域の安全保障情勢に此処までの温度差がある中では、導入する意義が薄い、ということ、欧州共同開発でも欧州と温度差がある極東地域の脅威には将来対処し得る伸び白が大きくなく、埋められる熱意にも温度差があるというわけです。
Img_9177h 第五世代戦闘機は開発費がかなり大きくなっていますが、これにより膨大な開発費を一国で負担することが難しくなり、膨大な開発費を国際共同開発により分担する、という潮流が確立しかけた頃がありました、しかし、開発に際して要求性能に関する各国の思惑の違いや、開発費分担金に応じた設計関与を求める主張などにより、結果として仕様が定まりにくく、開発期間が長期化し、性能が曖昧模糊とした要求に依拠するものとなる問題は以前から指摘されていましたが、このほかに上記の通り問題点がある、という事を提示してみました次第です。

北大路機関:はるな

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