北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

【京都幕間旅情】祇園祭二〇二三,鷹山は二〇二二年に196年ぶりの山鉾巡行に復活遂げた祇園祭後祭の華

2023-07-23 18:11:19 | 日記
■天を衝く鷹山を見上げて
 熱いのだけれどもこの界隈は少しだけ建物から流れ出てくる冷房で涼しさを感じたような気がする。いよいよ後祭り宵山は間もなくの日没とともに最盛期を迎えます。

 祇園祭後祭、注目の山鉾はこの鷹山です。しかしこの新しいPCは山鉾を矢麻帆子と変換するんだが有名人なのでしょうか。鷹山、別に隣にセクシー大下がノっているわけではないのですが、江戸時代に天明の大火に見舞われ休止していた山鉾なのです。

 暑い、というより熱い京都、ただ、後祭では前祭ほど宵山は混雑しません、四条通交通規制が行われないのと、あとは出店が出されないというところが重要なのでしょう。その分は街中のお店がテイクアウトを頑張り、出店には出ないような美味が勢ぞろい。

 宵山の本日にも真新しい山鉾を見ることができますが、あたらしいのもそのはずでして2022年に復活したという。休止期間は実に196年、あと少しで200年というくらいですので、忘れ去られず熱意があれば時間がかかるが復興を果たせるという一例だ。

 鷹山は一応天明の大火のあとにも再建は為されたのですが、文政年間に豪雨被害に見舞われ休止、休止しているうちに今度は幕末におきた蛤御門の変にて大火災により焼失、その後は明治大正昭和平成と休止されたまま、令和時代を迎えたというおはなしで。

 山鉾としては、しかし奉じていた人形三体だけ蛤御門の変では町衆が持ち出して退避に成功、復興の機会を待っていたという。時間はかかりました、なにしろ幕末からなんとか復興を考えていて、しかし機会がなかなか巡らず平成も終わり令和を迎えている。

 令和時代に入り先ず、唐櫃巡行に鷹と犬の木彫りとともに参加したのが2019年、山鉾巡幸に参加を果たしたのが2022年です。蒸し暑い京都は日が暮れても汗だくだくのねっとりしたつらく息苦しい時間帯が続きますが、話題としては爽快な山鉾なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-東洋亭,百年洋食の名物ハンバーグはランチタイム最後の砦

2023-07-23 07:00:07 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 2023年というのはヘリコプター搭載護衛艦はるな竣工50周年という海上自衛隊航空半世紀の記念すべき年度です。

 百年、百年前といえば大正時代で太正ロマンあふれる、はサクラ大戦のはなしか。いや、百年前といえば戦艦榛名現役の頃、そして戦艦長門が建造されていた時代だ。半分の50年前といえば護衛艦はるな竣工、海上自衛隊が洋上航空の時代を旧海軍から受け継いだ年だ。

 はるな竣工50年、つい最近まで、いや2009年ももう一昔か、そんな時代ではあるのですが、その護衛艦はるな母港であった舞鶴とを特急で結ぶ京都駅には、百年洋食、というお店があるもの、ランチが美味しい。百年養殖ではない、さすがにそんなに養殖はできない。

 ハンバーグ、ここ百年洋食の東洋亭は百年ハンバーグがランチタイムの名物で、そしてもう一つランチタイムには丸ごとトマトのサラダが前菜で出てきます。ううん、こういうのが前菜で出てきますと、ワインかスコッチをいただきたくなるけれど、平日は我慢なのだ。

 名物というだけあって、アルミに包まれたハンバーグを切り開いてわき上がる湯気とともにデミグラスソースに浮かぶハンバーグと大げさすぎない煮込みのビーフ、この開ける瞬間がたまらないのだけれども、フォークで口に運んだ瞬間もまた美味しさたまらない。

 ビーフシチューをふりかけたような、ビーフもやわらかく煮込まれているので、そして付け合わせの大きなポテトを最後にデミグラスソースの中に浸して、丁寧にいただきます。なんといいますか、このランチに間に合うように昼食の正午でも頑張ったのだよなあ。

 ライスかパンを選べるのですが、やはりどうしてもコメを選んでしまう。世界的にみれば日本の洋食は日本食に入り和食と洋食はともに日本食と分類されるのだという、それはおそらく洋食も和食も主食のコメに合うということを第一に考えたため、なのではないかな。

 アイスティーかアイスコーヒーもランチにはセットになっているものですから、こう暑いときは、いや外が熱いときにはすうっと冷たいアイスティーでゆったりとすごしたい。ここは京都駅でも近鉄京都駅の真下、昔の近鉄名店街で、そろそろラッシュ時がはじまる。

 東洋亭、本店は北大路駅のお隣北山駅にあるのですが、京都市内にはいくつか支店がありまして、はるなさん、間に合ったあ、と駆け込むことが多いのは実はここ京都駅店だったりするのです。こういうのも、ここはランチタイムが1700時まで、昼ごはん最後の砦なのだ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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核シェアリング論争(1):核シェアリングが核廃絶の通過点,日本維新の会馬場代表ロイターインタビューで語る

2023-07-22 20:23:46 | 国際・政治
■核シェアリングを提唱!
 核武装に関する議論が公然と野党第一党を狙う政党の代表から聞かれるようになったというのは、時代も変わったなあというところなのでしょうね。

 ロイター通信のロイターインタビューにおきまして“野党第一党を伺う勢いの日本維新の会・馬場伸幸代表はロイターとのインタビューで、党として政策提言した「核共有(核シェアリング)」の議論を進めるべきとの考えを改めて示した。”という、かなり驚くべき内容が示されていました。翌日の朝刊トップ独占か、と思うとそうでもなく逆に驚いたが。

 核兵器、この驚くべき内容がロイター通信により掲載されたのは2023年6月29日5:43 午後となっていまして、“核共有は拡大抑止を強化する安全保障政策の1つだが、岸田文雄首相が目指す核廃絶につながる”という独自の視点で政策論を展開しています。もっとも日本維新の会は2022年にもニュークリアシェアリングを政府に提案したとしています。

 ニュークリアシェアリング、“馬場氏はロイターに対し、核拡散防止条約(NPT)で保有を認められた5大国が他国と核を共有できるようにすれば、「新しく核を作らせないという道に進むと思う」と説明”したとのことでした。もっとも、核兵器を使える国を一つでも多くしてゆく態勢が核廃絶に進むのかについては個人的に賛同できないところが有ります。

 この上で“「核シェアリングを議論することが、核廃絶へ向けた1つの通過点になる」と指摘。「できれば、日米韓で(議論を)やったほうがいい」”とロイターインタビューは続いています。ニュークリアシェアリングについて誤解があるなあ、と感じる。もっとも馬場代表は核シェアリングと表現、ニュークリアシェアリングではないのかもしれない。

 ニュークリアシェアリングと米英ポラリス交換協定を誤解しているのではないか、と。ただ、ポラリス交換協定を日本とアメリカで結ぶ場合は、予算面だけで技術的や開発能力は別としても日本自身が核開発を行う構図が必要となり、恐らく日本世論として受け入れる余地はないでしょう。なにより国内で核実験場を誘致してくれそうな自治体がありません。

 ポラリス交換協定、日本維新の会が提唱しているシェアリング、核抑止力として機能する核兵器の共有はニュークリアシェアリングではなく、大陸間弾道弾の運搬技術を整備しない代わりにアメリカに依存する、という方式を用いることから、戦略ミサイル原潜の搭載核兵器のアメリカ製装備への依存を交換と言い換えたこの方式が当てはまるでしょう。

 冷戦時代のNATO以外ではニュークリアシェアリングという言葉は存在しませんので、NATOのニュークリアシェアリングを連想して日本維新の会では構想したのでしょう日本型の核抑止について。もともとニュークリアシェアリングは策源地攻撃に核弾頭を用いるのではなく、自国内での使用に限定して提供された核兵器を使用するという前提です。

 西ドイツを例に挙げるとわかりやすいのですが、フルダギャップなど、一カ所の重要な地形をソ連軍の戦車軍団に突破された場合、パリやロッテルダダムなど、アメリカから増援部隊を受け入れる為に重要な港湾都市まで一気にソ連軍に占領されてしまう可能性がありました、すると通常の機甲師団で阻止できない場合、究極の選択が必要になるわけです。

 戦術核兵器を西ドイツ国内のどこかで使用しなければNATO全体が敗北しかねない、という状況に陥ったと仮定します。仮定といっても実際にオペレーションリサーチにより恐らく使用する場所をかなり絞り込んでいたようでしが、ここにNATOが核攻撃を行う場合、恐らく少なくない西ドイツ国民が核攻撃の巻き添えを強いられるのです。

 NATOが西ドイツに核攻撃を行えば西ドイツ国民とNATOの関係が悪化する、だからこそNATOはニュークリアシェアリングとして西ドイツ軍と核兵器を共有させる構図をとりまして使いたいときに使わせるのではなくNATOが核兵器を西ドイツ国内で使用する必要が有るとした場合にドイツ人の生命を左右する問題はドイツ人に、という構図なのだ。

 ニュークリアシェアリングは、ソ連軍がボンやベルリンを核攻撃した際に報復にモスクワを攻撃させるための核兵器を供与する、というものではありません。他方で自衛隊の防衛力を見ますと、北海道が全域執られて東北地方から東京に侵攻されるような戦略機動は、ロシア軍には不可能ではないか、と思うのです。中国も九州全域を押えて東京、は遠い。

 東京を核攻撃させない為の抑止力としてニュークリアシェアリング、というならばモスクワと北京に平壌を射程に収める核兵器が必要となりまして、これはもうニュークリアシェアリングの領域を超えているように思うのです。それならば日本維新の会としては小手先議論ではなく、日本の核武装を真剣に考える、と改めて公約してははどうかと、思うのですね。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】祇園祭二〇二三,函谷鉾を四条通にて見上げつつ思い返す先週の前祭り宵山の物凄い混雑

2023-07-22 14:11:21 | 日記
■函谷鉾佇む祭りの四条通
 函谷鉾が京都の中心部である四条通に鎮座している様子は近代都市と歴史都市の分水嶺に栄える京都は夏の風物詩とおもう。

 宵山が、凄かった。いや今夜も宵山でしょうと言われるかもしれませんが、前祭宵山、三連休の日曜日に宵山に行ってみたのですが、いやもう、ある程度は予想していたのですがその先週の宵山は、凄かったというか、昔はあんなに混雑しませんでしたよね。

 舞鶴展示訓練の前日であった昨年は、COVID-19に引っかかると折角の展示訓練が大変な事になるので、ちょっとだけ撫でる程度の祇園祭でした、祇園祭は2019年以来というけれども舞鶴展示訓練は2014年以来、ちょっと優先度を考えると祇園祭は、ねえ、と。

 昔は宵山、夕方に9系統バスでそろそろ交通規制が始まるかなという頃合いに四条通に入りまして、なにしろ嵐山の方は未だ明るいですから東山の峰々をビルの谷間に山鉾を撮影して、そして路地に一つ一つ撮影へ、とカメラを片手に散策していたものでした。

 四条烏丸の交差点を横断するのに10分近く掛かった、それ程混雑していた。先週の宵山はそんな感じです、普段なら10分あれば四条通から五条通りまで行けてしまう程の時間ですが、要するにそれだけ人口密度が凄くて危険な程に歩ける訳が無かったという。

 カメラバッグから望遠レンズを取り出して付け替える、なんてことができる訳ではなく、いや人に触れてレンズに他人の脂分がついてしまうような人口密度でしたので、狭い路地を抜けて迂回に迂回を、迂回路も混雑していたけれども、なんとか長刀鉾は撮った。

 山鉾巡行の当日は、行きたかったけれども正直なところお仕事が立て込んでいて、ちょっと勿体ない事をしたとは思う。けれども祇園祭は期間が長いものですから、行ける時にちょっと散策する、こういう愉しみ方が町衆に支えられた祭事故の巡り方なのかもしれない。

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ウクライナ情勢-ドニエプル川ロシア軍を阻むロシア軍流失地雷とケルチ海峡大橋代替交通手段の揚陸艦

2023-07-22 07:00:21 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 自衛隊の地雷対策をもう少し進めなければなりませんが今回のロシア軍の一件は自業自得と思う。

 ドニエプル川ウクライナ軍渡河に対しロシア軍は意図せぬ地雷原に苦戦している、7月9日付ISWアメリカ戦争研究所が戦況報告として発表しています。ウクライナ軍の渡河作戦は小規模ではあるものの、車両の渡河も行われており、たいして決して大兵力ではないウクライナ軍をロシア軍が撃退できない背景には自業自得的な地雷の問題が。

 カホフカダム破壊によりロシア軍はこの地域に広大な洪水を引き起こしていますが、この洪水はロシア軍自身が敷設した地雷原をも押し流し、特に押し流された地雷の位置が不明となることからロシア軍自身が地雷被害を受け、前進できない状況に陥っているという。また洪水により放棄したロシア軍陣地へ地雷が流れ込む状況も無視できない。

 ロシア軍は洪水による浸水地域へ水が引いたことを受け再度陣地展開しようとしたところでの地雷被害や、またウクライナ軍が無傷で確保した支流にかかるアントノフスキー橋へ向かう途上に流出地雷原の被害を受けるなど、ドニエプル川の東岸の低い地域での地雷に悩まされ、特に敢えて濃い密度で敷設した地雷原が裏目に出ているようです。
■臨時情報-ウクライナ情勢
 黒海艦隊の揚陸艦はミサイル攻撃により喪失が有り余裕はないはずなのですが元々の数が多いという事か。この点わが国は、と考えてしまう。

 ロシア軍はケルチ海峡大橋の渋滞解消へ戦車揚陸艦2隻をフェリーとして派遣している、ロシア運輸省の要請に基づくもので、ロシア海軍のマキシムルイクロフ司令官は11日に発表しました。ケルチ海峡大橋はウクライナ空軍によるストームシャドウ巡航ミサイル攻撃を受け修理が行われており、交通は損害を受けなかった部分に限定されている。

 戦車揚陸艦は軍需輸送に加え民需輸送としても利用されているとのこと。ロシア軍は重要橋梁への防空火器配備を強化していますが、ステルス性に配慮された形状を採用するストームシャドウミサイルは、防空システムを突破する事例が多いもよう。戦車揚陸艦は車両輸送能力はありますが同じ大きさのフェリーよりも車両輸送力は限定されます。

 ただ、ストームシャドウミサイルは弾頭威力の限界から橋梁そのものを倒壊させる威力はありません。ケルチ海峡大橋は路面を貫徹し橋脚部分を破壊していますが、倒壊していないために修理可能となっており、ウクライナ軍はクリミア大橋を破壊した際のような高威力の装備、無人艇か特殊部隊攻撃、これらを用いなければ状況はかわりません。

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令和五年度七月期 陸海空自衛隊主要行事実施詳報(2023.07.22-2023.07.23)

2023-07-21 20:09:34 | 北大路機関 広報
■自衛隊関連行事
 京都では祇園祭がいよいよ後祭り宵山の宵々々山が始り後祭り山鉾巡行と花傘巡行に還幸祭へと進んでいるところですが、金曜日という事で自衛隊関連行事の紹介を。

 今週末の自衛隊関連行事では夏祭りから航空基地祭に護衛艦一般公開から真夏の駐屯地祭までいろいろと開催されますが、注目は最北の自衛隊関連行事といえる稚内分屯基地開庁69周年記念行事、でしょう。23日日曜日に開催されます。第18警戒隊のレーダーサイトなのですが、ここは陸海空自衛隊の施設が集中する珍しい行事となっています。

 稚内分屯基地開庁69周年記念行事、部隊ポスターには第3即応機動連隊の装甲車や訓練展示と思われる様子、更にF-15戦闘機の編隊が映されていまして、また山頂見学へシャトルバスが運行されるという。ロシアの軍事的脅威顕在化という現状にかんがみれば、この行事は道民への安心安全とともにロシアへのメッセージなのかもしれませんね。

 幌別駐屯地創設70周年記念行事、第13施設群創設39周年記念祭、23日日曜日に実施されます。北部方面隊隷下の直轄施設部隊である第3施設団、その隷下部隊である第13施設群が駐屯しています、幌別ってどこだっけと思われた方、クマ牧場と温泉で有名な登別で、施設群は一時施設隊に縮小されていましたが再編され今日に至る部隊の一つ。

 夏祭りについて、北千歳駐屯地“北部隊”夏祭り、23日日曜日に行われます。そして前日には仙台駐屯地夏祭り、22日土曜日に予定されています。この夏まつりというものは文字通りお祭りで、記念行事ではありません、観閲行進や訓練展示、装備品展示なども行われないのですが、なにかお祭り気分を味わいたいよね、という方は楽しい行事でしょう。

 館山航空基地ヘリコプターフェスティバル2023、23日日曜日に執り行われます、立山ではなく千葉県の館山、房総半島の南端です。東日本の海上自衛隊哨戒ヘリコプター部隊総元締めである第21航空群司令部が置かれ航空基地には第21航空隊が第211飛行隊と第212飛行隊を展開、前回小松島の部隊を間違えて表記した第23航空隊もここ。

 第21航空群隷下には第21航空隊と舞鶴航空基地の第23航空隊、そして大湊航空基地の第25航空隊が置かれています。覚えにくかったのですがOBの方が、第1護衛隊群の艦載機を扱うから21空で呉の第4護衛隊群には小松島の第24航空隊、舞鶴は第3護衛隊群と第23航空隊、佐世保の第22航空群と第22航空隊はずばり第2護衛隊群、と。

 たてやま海街フェスタ2023、千葉県館山市では航空基地ヘリコプターフェスティバルに併せてお祭りが23日土曜日と24日日曜日に実施され土曜日には水中処分母船一般公開も行われます。房総半島南端は、交通では少々難しい立地に在りますが東京駅から房総特急、どうしても暴走特急に変換されるんだ、特急わかしお号が運行され便利です。

 おおすみ鹿児島志布志港一般公開、22日土曜日に行われます。一般公開の時間は1300時から1630時までとなっていまして、最終受付は1600時、ただ行列ができている場合は乗艦締め切りが1600時ですので、早めに並びませんと乗れない可能性もあります。場所は外港地区の第一突堤C岸壁、就役から間もなく25年の輸送艦を是非みてみましょう。

 ラファール戦闘機、さて一般公開されるものではないのですが26日から29日まで宮崎県の新田原基地にて日仏合同訓練が行われ、フランス空軍のラファール戦闘機が初来日します。いや、ミラージュ2000なども来日した事はありませんので、戦前のニューポール戦闘機以来でしょうか、貴重なフランス空軍戦闘機の来日も追記しておきましょう。

■駐屯地祭・基地祭・航空祭

・7月23日:稚内分屯基地開庁69周年記念行事、23日日曜日
・7月23日:幌別駐屯地創設70周年記念行事
・7月23日:北千歳駐屯地“北部隊”夏祭り
・7月22日:仙台駐屯地夏祭り
・7月22日・7月23日:たてやま海街フェスタ2023
・7月23日:立山航空基地ヘリコプターフェスティバル2023
・7月22日:おおすみ鹿児島志布志港一般公開

■注意:本情報は私的に情報収集したものであり、北大路機関が実施を保証するものではなく、同時に全行事を網羅したものではない、更に実施や雨天中止情報などについては付記した各基地・駐屯地広報の方に自己責任において確認願いたい。情報には正確を期するが、以上に掲載された情報は天候、及び災害等各種情勢変化により変更される可能性がある。北大路機関
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ウクライナ情勢-ロシア軍砲兵部隊消耗強いられる状況とロシア黒海艦隊フリゲイトの新迷彩

2023-07-21 07:00:39 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ウクライナ軍の反撃は予定よりも時間を要している状況ですが戦場では対砲兵戦が続いています。このなかでも陣地変換能力の高いFH-70が意外な活躍を続けていると聞き本邦でももう少し評価が有ればと思うところ。

 ロシア軍砲兵部隊について損耗が意外な水準に達している可能性が指摘されています。これは衛星画像やSNS画像などからフェイク画像を省き被害を確認している民間団体Oryxによる砲兵部隊の被害確認とともに、もう一つロシア軍の最近の戦闘ヘリコプター多用が機動力を発揮しているのではなく、本来機能すべき砲兵部隊の代替であるため、と。

 ウクライナ軍は6月20日までにロシア軍のKa-52戦闘ヘリコプター6機の撃墜を発表しています、いわゆるホーカムヘリコプターの改良型であるアリゲーターヘリコプターは高度なレーダーセンサーを搭載するものの、センサーが胴体部分に装備されているため、ローターマスト上に搭載しているMi-28などよりも機体を晒す必要があり危険だともいう。
■フリゲイトに新迷彩
 アドミラルグリゴロヴィッチ級フリゲイトは日本にかつて親善訪問していたウダロイ級よりはかなり小型ですが新型です。

 ロシア黒海艦隊はアドミラルグリゴロヴィッチ級フリゲイトに対し新しい迷彩塗装を施しています、船体の前部と後部を黒く塗りつぶし中央部の塗装をそのままにしている様子がセヴァストポリ軍港の衛星写真により確認、アドミラルグリゴロヴィッチ級フリゲイトは昨年のミサイル巡洋艦モスクワ撃沈後、黒海艦隊に残る重要な大型水上戦闘艦だ。

 迷彩塗装について、意図は不明ですがウクライナ海軍は水上艦攻撃へ無人水上艇を多用しており、これらの装備はカメラにより目標の画像情報を得て識別の上で攻撃、攻撃には体当たりを多用し爆薬を内蔵していることから至近距離での爆発でも艦艇を損傷させます。迷彩は無人水上艇のカメラに艦艇の識別を難しくさせる意味があるのかもしれません。
■レオパルド1地雷掃討車
 やはり地雷は手ごわい。

 ドイツ連邦軍はウクライナへレオパルド1地雷掃討車両2両を緊急供与します。この緊急供与は6月11日の戦闘によりフィンランドから供与されたレオパルド2R地雷原処理車のほぼすべてをミサイル攻撃により撃破されており、補填と考えられます。この戦闘では、開けた地形での地雷処理の難しさを改めて指摘される貴重な戦訓を残しています。

 地雷原を突破するには爆導索等を用いる方法や大型の燃料気化爆弾で一気に誘爆させる方法も考えられますが、例えば遠隔操作可能な旧式戦車を大量投入し、地雷原とともに攻撃を加える対戦車ミサイル陣地をあぶりだし、砲兵により陣地を無力化した後に遠隔操作戦車のわだちを進むという選択肢なども真剣に考えなければならないでしょう。

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防衛増税の前にすべき施策【3】政治は自衛隊にどのような任務を課すのか?ブラックボックス化からの脱却

2023-07-20 20:02:23 | 国際・政治
■五兆円-何が幾つ不足か
 防衛費をGDP1%からGDP2%にする、この一言は軽そうに見えますが毎年防衛費を五兆円以上積み増すということにほかなりません。

 情報開示について、せめてほかの先進国並みに、そうNATO加盟国程度には防衛装備品の定数、つまり調達しなければならない数量を示してはどうか。具体的には、自衛隊全体でミサイルは何発必要なのか、装甲車は必要な数量を満たすにはどれだけ調達するのか、その調達は適正であるのか、既存の装備品を無駄に廃棄していないのか、などなど。

 護衛艦部隊であれば定数がわかりやすいのです、それは護衛艦隊の編成が明らかにされていますし、定数割れしているかどうかは既知の一般公開などで一目瞭然です。もっともミサイル備蓄について充分であるのか、VLSの中身などはわかりませんが、少なくとも政府は“トマホークミサイル400発導入”など、透明性を確保する取り組みをしている。

 戦車と火砲については300両と300門、こうした数値が防衛大綱として数年前には示されていました、すると、耐用年数を25年間とした場合は年間12両と12門が必要であるはずですので、年間調達数が一けた台というのは明らかに不足している、こう理解することは出来たのです。しかし、300両で部隊定数を満たすのかは情報が開示されない。

 師団旅団の概要、こうした部隊編成情報は非開示ですので、300両の戦車で本当に有事の際に対応できるのか、そもそも有事の際に専守防衛である日本はどこまで犠牲を考えなければならないのか、政権が崩壊しなければ勝利なのかという防衛戦略の概要も示されていません。そして想定する戦闘における自衛隊の損耗も大まかな数字さえ非開示だ。

 現在の保有数だけは航空機や火砲について、毎年の財務省国家保有資産目録や退役数と調達数というかたちで防衛予算にて示されますので把握できるのですが、足りているのか足りていないのかは、何しろ肝心の部隊編成が示されませんので、まあ何とかなるのだろう、と好意的にとらえるか、日本の防衛は全く駄目、と悲観的にとらえるか、となる。

 防衛白書に記されているではないか、こうした反論もあるかもしれません。確かに防衛白書では、国土の防衛などをイラストで解説しています。しかし、防衛白書に記されたような他地域からの増援などは現実的に可能なのか、何よりもあのイラスト一枚では中世の宗教画のように、流石に曖昧過ぎないか、そもそもイラストでは戦車は8両だけだ。

 手の内を晒すことになる。部隊編成の秘匿についてはこう指摘する声があります、傾向と対策が分れば相手に対処法を考えさせるという。しかし、NATOもロシア軍も基本的に部隊編成は開示しています、手の内というのは充足率や稼働率の問題であり、編成そのものは予算にかかわる問題ですので民主主義国家で隠すには無理があるのではないか。

 日本の場合は、政治が市民との対話に際して永らく防衛に関する話題を禁忌としてきた風潮があり、また防衛についても特別職国家公務員の職域所掌という認識であり、国民が防衛議論に参加するのは防衛力を持つのか持たないのかという、日本の平和憲法を維持するのか放棄するのかという議論で止まり、細部に進まなかった現実はあるのですが。

 しかし、使えそうに見える装備品の廃棄、90式戦車やMLRSに88式地対艦誘導弾にUH-60JとOH-6DやFH-70榴弾砲にVADS機関砲、使い道があるかもしれない73式装甲車や75式装甲ドーザと78式戦車回収車、倉庫に残しておけば車体だけや砲塔だけを利用できそうな75式自走榴弾砲や74式戦車、こうしたものを耐用年数で区切り次々廃棄しつつ予算が足りぬというのは国民として納得できるのか。

 防衛費が足りない、すると何が足りないのかという議論とともに、政治は自衛隊にどのような国土防衛戦を想定しているのか、もちろん反撃能力やシーレーン防衛は憲法との微妙な問題もあるのでしょうが、それとて全く開示できないというのではなく、平和的生存権などとの整合性を付けたうえで、政治はなぜ足りないのかを明示すべきと考えます。

 ブラックボックス化した防衛政策、防衛費の問題とともに、巨額の予算で何をするのかという事をもう少し丁寧にすべきで、金額がGDP2%だ、という金額ありきだけでは議論にはなりません、札束を積んで土嚢の代わりとするのではなく、その金額でどのような防衛力を構築するかを国民と政治が共有して初めて税金が空費か活用か、が決まるのだ。

 防衛力は21年間にわたるミサイル防衛と、予算据え置きのままの増え続ける新任務により既に中身は破綻していることは確かです。故に建て直さなければなりません、しかし、2022年度税収は過去最高金額に上ったという報道の一方で、防衛増税だ更なる国民の負担を、と、こう政治が求めるならば、曖昧ではなく理解できる説明が必要となるのです。

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ウクライナ情勢-占領地ウクライナ国民ロシア移送の蛮行とモスクワ市内旧ソ連外国人季節労働者の軍強制志願

2023-07-20 07:00:53 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 北海道が一歩間違えればこうなっていたと考えると寒気がします。戦争反対し降伏すれば平和になると日本で考える方もいますが占領者が強制的に郷土を棄てさせ軍に志願させ戦わせる事もあるのだ。

 ウクライナでのロシア占領地でのウクライナ国民ロシア領内移送が拡大しているとのこと。これは7月12日付ISWアメリカ戦争研究所の分析によるもので、ロシア軍占領地では多数の病院がロシア軍に占拠され、占領地の受民は医療を受けられない状況が常態化しています。この為占領地では高度医療が必要な場合はロシアへ搬送している状況だ。

 ウクライナ国民でもロシア占領下ではロシアへの移動にはロシア当局が発効したパスポートとロシア市民としての住民登録が必要であり、高度医療を行うという名目とともにウクライナ国民のロシア化が進められている状況です。民間防衛を担うウクライナ抵抗センターはウクライナ国民の強制ロシア化であるとしてこの状況を強く非難しています。
■ロシア軍志願兵数ノルマ
 モスクワ市民はやはり特権階級でありモスクワ市民以外の人命はロシアでは軽んじられるという現状を見ますと、やはり日本は防衛に力を入れなければ現状の日本の制度の方がまだましなのです。

 モスクワ市当局はモスクワ市内の建設企業へ建設業労働者へのロシア軍志願兵数ノルマを課している、イギリス国防省11日付戦況報告にて明らかにしました。そのうえで志願兵ノルマを達成できなかった企業に対してはモスクワ市内公共工事入札への参加禁止や公共工事契約の撤回を示唆し、強制的に志願兵を出させている状況となっています。

 モスクワの建設労働者はロシア国内でも比較的裕福なモスクワ市民は少なく、ロシア国内の貧困地域やCIS構成国で旧ソ連の中央アジア諸国からの外国人労働者となっており、この施策は、モスクワ市民のロシアウクライナ戦争への協力が低いと指摘される現状を、モスクワ市内の志願兵というかたちで相殺しようとする市当局の思惑なのでしょう。
■戦車修理工場誘致
 ポーランドは独自の戦車産業を確立させ防衛力を強化させようとしているのは危機感からなのでしょう。

 ポーランドが要望するレオパルド2A5及びA6の修理工場建設が交渉中断となりました。ポーランド国内に新工場を建設し包括して整備を行うことをポーランドは要望していましたが、ドイツ側の主張としてポーランドによる整備費用はドイツで行う場合の十倍近い金額を要するため、部隊維持費などの面から戦車稼働率が低下するとしています。

 ドイツ側がポーランドの提示価格の大きさに驚き、ドイツで行う程度まで費用を引き下げられない事から交渉を打ち切った構図ですが、ドイツのラインメタル社はドイツのほか、リトアニアに修理工場を建設しており、今後はドイツに加えリトアニアでの修理や定期整備を行うという。ポーランド側は反発しており、今後の摩擦が懸念されます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】貴船神社,白馬か黒馬か-七夕の短冊に願い溢れる水と絵馬の神社は二十二社下八社の一社

2023-07-19 20:22:10 | 写真
■鞍馬は大河の源流
 京都市内の猛暑と比べれば確かに暑いのだけれども熱いというほどではないという京都の奥座敷を巡りました。

 貴船神社、京都市左京区鞍馬貴船町という鴨川の源流をたどりますと最初の一滴が湧き出てくる立地でして、湧き出てくるというよりも神域の洞窟の奥で岩からしみ出て滴り零れるものが、とくとくと流れを生み、数多湧き水と下流で合流し、川となる。

 貴布禰と神話の時代から崇敬を集める社殿、当地には出町柳から叡山電車に乗り、鞍馬線を終点のすぐ手前の貴船口駅で降り、そこから鞍馬山山麓を貴船山に向かい、そう30分ほど歩く。歩くのは大変という方は貴船口駅から小さな路線バスも運行します。

 本宮参道のこの石階段は、京都を代表する風景の一つとなっていまして、いまはこう人の通りが途切れることも時折あるのですが、それまでゆったりと石段下にて過ごすものの、これも秋の紅葉となれば、そうも簡単にはいかなくなるのだろう、ともおもう。

 雪が降るとどうなるか。東京では山手線が遅れ京浜東北線が停まり常磐線が視界不良となり群馬県だけが平常運転、と聞くのですが、京都では雪が降るとどうなるか、その答えは、金閣寺と貴船神社が混む、といわれる。それほどにこの石階段の風情は独特です。

 きふねじんじゃ、と読みますので鞍馬貴船町という地名の方も実は長いこと、きふねちょう、と読んでいまして、いや叡電の駅名は濁点がつくのだけれども伝統地名なのかと思っていたら、貴船神社は神域であり濁らないが地名は濁点が入る、ということで。

 反正天皇の時代、創建は遥か昔の時代までさかのぼります。そして祀られていますのは水神である高龗神、こうした信仰の関係もありまして、例えば洪水が続く大雨の時節には、はたまた田畑が干上がる干ばつの時節には、祈願祭を開くという歴史が続きます。

 二十二社は下八社の一社、天変地異の際に祈りが集まるという事で二十二社の一翼を担う社殿でもあり、参拝には、確かに散策という気分転換の一環であり生死にかかわる祈りをささげるようなものではないのだけれども、社に向かう際には気持ちは切替わる。

 短冊が、境内には溢れています。いや実はこの短冊はまだ始まりでして、八月十五日の終戦記念日までは夜のライトアップなども行われます。もっとも、少々交通が不便な神域ですのでライトアップの境内を参拝するには散策ではなく心意気も必要なのですが。

 七夕の季節、ちょうどこの参拝の日は七夕の季節という事もありまして、その境内には短冊があふれていました。それで混雑している訳だ、とは考えすぎかもしれませんが、市内では祇園祭が始まった季節、こんな時代ですから短冊も人も願いとともに集う。

 絵馬発祥の神社である。短冊が数多集う様子は七夕神事こと貴船の水祭がちょうど七月七日に執り行われる故なのですが、そもそもこの貴船神社はわが国のおける絵馬、願掛けなどに用いられます絵馬の発祥の地であったりもするのです。これには水が関わる。

 黒馬を、かつて干ばつの際の雨ごい神事に際して朝廷は黒馬を貴船に献上していました。そして長雨の鎮定祈願の神事には白馬を献上していたという。隣が鞍馬山なので馬という訳ではありませんが、これがいつしか木札に描いた馬で代用されるようになった。

 白馬か黒馬か、これも日本が江戸時代に入り安定しますと、雨ごいや長雨鎮定という切迫よりも、個人の願いを絵馬に描いて奉納するよう文化は移ろいまして、しかし人々の願いというものの寄る辺に絵馬は今も残る、貴船神社とはそうした社殿が迎えるのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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