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縄文小説家・森裕行のブログです。身近な縄文を楽しみ生き甲斐としています。「生き甲斐の心理学」の講師もしています!

怒りの感情を大切にして友好的関係を築く・・今も縄文時代も(3/10 宝のストレス曲線)

2021-08-28 | 第四章「愛とゆるし」

怒りの感情の扱い方で人生に悲劇が訪れたり逆に幸運が舞い降りたりする。また、今のコロナ禍では怒りの感情をどうするかで身体の健康にも影響を与えてしまう。

そんな怒りの感情だが、8歳のころに祖母の言葉に激しく怒ってとても後悔したことを覚えている。祖母は当時大病の初期で体調が悪かったのだろう、その不機嫌さから私の怒りに火をつけた。今考えるととんでもない罵詈雑言をその時叫んでしまった。祖母はその出来事の後に入院し、暫くして帰らぬ人となってしまった。母の話によると祖母は私を気遣ってくれていたが悪態を悲しがっていたそうだ。まあ少年少女期にありがちなことで、天国の祖母はすでにゆるしてくれていると思うのだが、あの世に行ったら祖母に謝りたい。

怒りの感情は自分の中の理想(こうあるべき)と現実のギャップから生まれるが、堪忍袋の緒が切れたというように、いくつかの怒りの原因が積もり積もって・・・といった話の前段があることが多い。しかも悪くすると本来怒りとは関係ないモノや他人に八つ当たりしたりもする。複雑なので、今回は私と貴方の関係での怒りとしよう。そうすると前段としては、堪忍袋に何があるかだが、過去の出来事の蓄積と将来への不安が横たわっていたりする。それに現在の怒りの原因が加わる。多分人間だけで無く生命体にとっての脅威なのだろう。その怒りのエネルギーは凄い。

こうしたとき、怒りにまかせて行動すると8歳の時の私ではないが後悔するような事態を招く。こうしたとき、ビジネスパースンであれば傾聴とかコーチングのモードを知っていると思うが基本は同じ、怒る自分を肯定的に認めることで、余裕を持たせ、怒りを生む理想と現実を分析可能にするのだ。人は結構錯覚するものだ。本来企業だけで通じる論理を家庭に適応し、変な理想にしたてあげていたり、殆ど関係ない過去の出来事と今を強引に結びつけていたりする。現実の把握も柔軟に対応すれば問題にならないことも結構多い。こうして理想と現実を再吟味することでギャップは縮まり怒りは消える。

それから、怒りの感情は友好的な感情と関係深いことがある。怒りが収まると友好的感情が一転して湧くのは不思議。夫婦げんかは犬をも食わぬではないが、夫婦喧嘩で深刻な事態に陥るのではなく、何かの拍子で仲直りし仲裁に入るバカバカさを言ったものだろう。私は縄文時代に大変興味があるが、この事例が釣手土器(縄文中期の中部高地や関東)ではないかと密かに妄想している。

表から見ると可愛い女神、裏から見るとお化け。そして、中には一つの灯火が象徴的にともっている。身体の中には愛そのものの魂=灯火があるのに、身体はお化けに見えたり、女神になったりする。これはイザナミの姿ではないだろうか。釣手土器をイザナミ・イザナキの神話と関連付けたり、カグツチの神話と結びつけたりいろいろできるが、私は灯火(魂)をコアにした裏切りと和解の話ではないかと想像している。

私達は他者に対し怒るが、その相手にも愛そのものの魂があるという思想。これは現代福祉の思想にも繋がり、さらに日常の中で怒りを和らげる働きもしてくれる。

蛇足で祖母に捧げる歌を一首

不機嫌を
包んだ言葉
受け止める
知恵なき怒り
刃物の煌めき
廊下を抜けよ
八歳の
夏風

3/10 宝のストレス曲線 

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