主格変換というとなんだか英語の文法の話題のようだが、そうではない。
中学の数学で出てくるのだが、ある公式をそのままの式ではなくてその中にある別の文字で解きなおすことを「主格変換」という。
これは中学生だけでなく、高校生でも、もしかしたら大学生や一般の人にも難しいことかもしれない。
公式は普通は恒等式なのだが、それでもある別の文字で解きなおすときには方程式の式変形と同じ法則が用いられる。こういう融通無碍のところが数学の出来ない人(もちろん私も含めて)の弱点になっている。
もっともこの主格変換は公式の別の文字での解きなおしだけに出てくるのではなく、陰関数表示を陽関数表示に変えたり、逆関数を求めたり、はたまた方程式を解いたりするときに使われる。
その主格変換をどこで取り扱うかというのが一つの教育的配慮として問題になるが、一応1次方程式を求める前に私たちのe-Learningのコンテンツでは置こうとしている。
このことと関連しているが、フレーズ型式変形とセンテンス型式変形(注)を説明しなければならない。
大雑把に言うとフレーズ型式変形は恒等式の式変形のルールであり、センテンス型の式変形は方程式の式変形のルールである。こちらの方が本当は主格変換よりも大切なのだが、こういうことをどれだけ意識して説明がされているのだろうか。
(注) 数学教育協議会で普及している用語としてはセンテンス型式変形のことをクローズ型式変形と言っている。私は故矢野 寛(ゆたか)さんの命名した用語である、センテンス型式変形という語を用いている。