物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

Allen Nelsonと憲法九条

2007-02-25 20:11:13 | 国際・政治

Allen Nelsonさんの講演を昨日聴いた。彼はアメリカの元海兵隊員である。18歳のときに高校を中退して海兵隊に入隊したという。彼のお母さんは4人の子どもを持ったsingle motherで、家は貧乏だった。その貧乏に嫌気がさして、海兵隊入りをしたのであった。そしてアメリカ国内および沖縄で海兵隊の訓練を受けた後、当時戦争の行われていたベトナムに送られた。そこで彼はベトナム人を殺し、自分の仲間が殺されたりした。

しかし、彼はなんとか生き延びてアメリカに帰った来たが、ベトナムでの殺戮で精神的に異常をきたしていたので、帰った家でしばらくしてお母さんから家から出て行くようにといわれる。それでホームレスになり、その後ベトナム戦争で病んだ心のPSTDをいいカウンセラーに出会うことから克服して18年のときを経て反戦運動家になった。現在はFriend(Quaker教徒)として世界中を駆け巡って講演している。

いかに軍隊というところが人殺しの訓練しかしないところかということを彼は繰り返していった。軍隊ではkillとしか教えない。いかにイラクに民主主義を根付かせるとブッシュ大統領が言ってもそれは空文で軍隊は人殺ししか訓練しないところだから平和は来ないという。

沖縄で若い兵隊が沖縄の若い女性をrapeしてもこれは戦闘訓練でよく身に付いた暴力性の現れにしか過ぎない。また、軍の司令官はそういう事件が起こったときにいち早く謝罪の声明を出すが、心の中ではその暴力性の故に「私の部下たちはやっと戦争で使いものになってきたわい」としか考えていないだろうという。それは誇張ではないだろう。

Allen Nelsonさんは日本における憲法九条はこれこそ世界の宝だという。こんな憲法こそ本当はアメリカに欲しいという。これは単に理想論ではないのだ。そういえば、昨年だったか一昨年だったかに講演にこられた品川正治さんもいっておられたが、実際に戦争に行って戦争の悲惨さを知っている人だけが本当の反戦論者になる。彼も中国戦線に一兵卒として参加した。大企業は軍事費からでもなんでも利潤が上がりさえすればよい。しかし、戦争は一番大きな公害であるし、その人類に及ぼす身体的、精神的悲惨さは言うに及ばずである。

AllenさんはMediaが反戦のニュースをとり上げないのをこれからはインターネットのような手段によって世界がお互いに知るようになればとの希望を述べた。しかし、これだってそんなに楽なわけではない。というのは戦争から利潤を得たがっている企業や政府はまたそれに加担する人たちはこれらのインターネットのサイトを攻撃するということを平気でやるらしいからである。正しいと思うことを主張するにもなかなか勇気がいる。