一般の人には速度は分かっても加速度は言葉としては知っていても分かってはいないとか家庭で電灯線や冷蔵庫や洗濯機で使っている電気は交流だということを知らない。
いくらなんでも中学校で理科を習えば、それくらいは知っているだろうと思っていたが、それも知っていないという現実を知ると大学の物理の先生はどうしたらいいんだろうと考え込んでしまう。
理系の学部でそうだということになれば、後は推して知るべし。理系の学部では学生はそれを知っている必要はないのだろうか。アメリカでは高校生のレベルが低いといわれるが、大学に入れば必死に勉強して大学を出るころには日本の平均の学生よりはとても実力がついているという。
演習をする時間があればいいのだが、その時間はあまりない。それに時間を取って演習をしてもそのときには真剣に考えている学生は少数である。何をすべきかも分かっていない学生が大半である。また質問をほとんど口頭では受けたことがない。
質問できることはそれだけ考えている証拠なのだ。感想を書いてもらうとわからないといろいろ不平不満が出るが、ではここがわからないといって授業中とか授業の後で質問したら良いではないかというのに質問攻めにはあったことがない。
それに何回も記号等で同じ質問がでる。1学期中に3回か4回同じ質問が出るというのはどういうことだろう。人がした質問については関心がないということなのだろうか。不可解である。
未修教育としての物理学は大学では単位としては認定されないのが本来の姿である。しかし、そうすると未修教育は学生には評判が悪くて学生はその授業をとりたがらない。それに代わるべきe-Learningのシステムがあればいいのだが、それもつくられていない。