電磁気学で遠隔作用から近接作用へと考え方が変わったことを先週から講義で話している。しかし、これはなかなか理解されにくい。たとえば、クーロン力だがこれを遠隔作用のときと同じ大きさだが、場が電荷のまわりにできて、その空間にまた別の電荷をもってくれば力を受けるというのはまったく持って回った感じを受けるようだ。なぜ遠隔作用のままでいけないかと。
私にしても数十年の昔アインシュタインとインフェルトの『物理学はいかに創られたか』を読んでその考えの大きな転換にショックを受けた記憶がある。普通の物理の本では場の考えをあまり強調していないような気がする。場の考えを理解するにはやはり『物理学はいかに創られたか』がいいと思う。そういうショックをいくつか乗り越えて行かないといけないのではないだろうか。
携帯電話でもって人と無線で話せるというご利益を得ているのにそれがどこに依拠したものかはご存知がないという状況であろう。