以前に、セガの開発技術部の『(基礎)線形代数講座』が優れたテクストであるとのブログを書いたが、またまた書く。
前の感心したところは主として、私もある程度は得意としているLevi-Civitaの記号に関してであった。
その後、このテクストから離れていたが、いろいろな仕事がだいぶんでき上りかけているので、久しぶりに回転のところを読んでみた。まだ全部を読んでいるわけではないが、主として、四元数による回転とベクトルの回転(いわゆるロドリーグの回転)の記述を読んだ。
いわゆるテンソル記法というのだろうか、そういう記法を用いているために議論がすっきりしていて、ロドリーグの回転を行列に表すところなどがほぼ暗算でできる。これは優れたテクストである(注)。
あまりに感心したので、セガに手紙を書いてみようかと思い始めた。実際に手紙まで書くことに踏み切れるかどうかはわからないが、宛先がわからないのが難点である。
もっともこのテクストが載ったインターネットのサイトがあるので、そこになんらかのメールか何かを送ることができるかもしれない。
(注)泥臭い方法でこれらの空間回転を取り扱っているのが、小著『四元数の発見』(海鳴社)である。もちろん私の本はテンソル記法に詳しくない人のためには読みやすい本であろう。
しかし、ちょっとテンソル記法になじんでいる人にはこのロドリーグの回転の取り扱いと四元数による空間回転の取り扱いが簡明にできる、このテクストはとてもお勧めである。私の本だけではなく、他の人の本もこのテンソル記法で書き直すことが盛んになるのかもしれない。
さしづめ、金谷健一先生の書『幾何学と代数系』(森北出版)とか私の本が対象となろうか。もっとも金谷先生の書にはすでにテンソル記法も十分紹介されてはいるのだが。
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