私は数学エッセイと自分で言っているものに勢力を使ってあまり体系的なものを目指してこなかった。
しかし、どうも体系的なものでないと評価が低いようである。全く体系的なものを目指したことがないかと言われれば、少しは体系的なものを目指したことはある。
物理の分野ではあまり目指したことはないだのが、数学の分野でのいわゆる「数学ミニマム」とでもいうべき小冊子を定年近くになってまとめて学科の学生用につくったこともある。もちろん先生方にも無料で配布していた。
量子力学の講義のテクストは2,000円かで売っていたのだが、こちらは私の研究費で印刷して学生に無料配布していた。
量子力学の講義のテクストは購入してもらっていたので、私の講義を聞いたある学生は、この「電気電子工学科ミニマム」と称する冊子を高い金を払って購入されたとまちがえて不平をもらしたサイトを見たことがある。
しかし、これは無料配布で金など取った覚えはない。私のつくった「電気電子工学科ミニマム」は高学年の4回生とか大学院生には好評だったと聞いている。卒業研究とか自分で研究を始めると役立つのだが、低学年ではあまりその有用性に気づかないようだった。
ある数学の先生はこういう簡便なものが出てくると自分の数学の講義を聞いてくれなくなるのではないかという恐れを持った方もおられたとも聞く。そういう心配をされるのもしかたがないかもしれない。
だが、もちろんそういう数学の講義を聞かないために作った小冊子ではない。私などは学校教育を受けるのは一時で人生の大部分は自学自習であると思っている。そして、そういうときはどの大学生にも必ずやってくる。そういう視点がほしいのだ。
「電気電子工学科ミニマム」の目次だけでもあげておこう。
1.はじめに
2.三角関数
3.指数関数と対数関数
4.微分と積分
5.Taylor展開
6.ベクトル解析
7.フーリエ解析
8.微分方程式
9.複素数
10.線形代数の有用な定理と公式
11.偏微分
12.双曲線関数
13.デルタ関数
A1.定数表
A2. ギリシャ文字
A3. 逆双曲線関数
編集後記
である。国会図書館にも1冊だが、この書の第3版を献本してある。はじめの10章まではwordで書いてあるが、11章以降はlatexの原稿となっている。
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