私のような老人がドイツ語を学びはじめたころには独和辞典のvielleicht(フィライフィト)の訳語は「多分」とか、「おそらく」であった。これはあまり正しくないということだったのだろう。
その後、何十年か学んだNHKのテレビとかラジオのドイツ語の講座ではvielleichを「ひょっとしたら」という意味だと繰り返して聞いて来た。
最近ではvielleichtを「多分」とか「おそらく」とか訳をつけている独和辞典はないと思う。それだけドイツ語の研究も進んできたのだ。私などが学生のころに一番よいと言われていた、木村・相良の独和辞典でもvielleichtの訳語は「多分」とか、「おそらく」となっていた。
私自身の経験でも、私が1976年にドイツの大学に留学して間がないころに、新しいPhysics Lettersの号が図書室から一時的に行方不明となったというので、同僚の研究者にHaben Sie vielleicht die neueste Physics Letters ?と聞かれたことがあった。
可能性は低いのだが、ひょっとして最新のPhysics Lettersを借り出していないかというのであったろう。もちろん、私がその雑誌を借り出していたわけではなかった。
一方、wahrscheinlich(ヴァ―ルシャインリッヒ)だが、こちらはそれこそ「おそらく」とか「多分」とかいう意味であろう。大分こちらの方は確率がたかくなる。このwahrscheinlichから派生した名詞にdie Wahrscheinlichkeitという語があるが、これは数学用語として「確率」という専門語でもある。
あまり量的に考えたことはないのだが、vielleichtならありそうなのが、10%か多くても20%くらいな感じがするが、wahrscheinlichなら70%か80%で確かの感じがする。これは私の感じであるから正しくはないかもしれない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます