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「漂い紀行 振り返り版」…私の過去の踏査ノートから… 言い伝えに秘められた歴史を訪ねて

勝川城

2007-05-21 00:00:18 | 城郭・城下町
(豊川市東上町)
 勝川稲荷神社の裏手の丘陵を地元では城山と呼ぶ。
現在は本宮パークゴルフ場となっており、城山も神社裏の一部を除き削平されてしまったが、城に関連すると思われる宝篋印塔が神社北側に残されている。
城が築かれる以前、弘法大師の頃から明治初年までこの地には勝川寺という寺院が存在した。故に城山には鎌倉時代の数十基からなる古墓群があり、昭和52年に寺院再建に伴う発掘調査が行われた。
それによって人骨の他、鎌倉時代から南北朝時代の古瀬戸や常滑の壺、皿、経筒、山茶碗が出土した。
昭和49年頃から城山の開削が始まり、石仏や宝筐印塔、五輪塔といった石造物は傍らに追いやられていたという。
私が初めて訪れたのは発掘調査の直後であり、半分程になった丘陵に一部の古墓の石組が残されていた。
そして次第に山は小さくなり、平成に入って、削平された城山には寺院は建たず、神社下方に堂宇のみ再建。一転山はゴルフ場となった。
 勝川城に関することは殆ど伝わっていない。然しながら、南北朝の頃この寺院境内を利用した、同じ台地上にある鎗殿城の砦の役割をしたものが築かれたのではないかと想定している。
    (古墓石組1983年撮影)
(関連記事:東上勝川 旧一宮町域における詳細不明城跡について
コメント (2)
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