田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

滝野の冬山をスノーシューで歩く

2012-01-22 23:08:28 | スノーシュートレック & スノーハイク
 昨年に続いて自然体験の講座に参加し滝野の山でスノーシューハイキングを楽しみました。定められたコースを歩く講座はスノーシューの醍醐味は損なわれますが、アウトドアのベテランから冬山のあれこれを伺うのもまた楽しいものです。 

          
          ※ 滝野の山の中を往くスノーシューハイキングです。

 昨日21日、札幌市が行う「自然体験活動セミナー」に参加しました。
 セミナーの目的は自然体験活動のリーダーを養成する講座ということで1泊2日の日程でしたが、私はスノーシューの体験だけが目的だったので1日日程で参加しました。
 会場は「札幌市青少年山の家」(滝野241番地)とその周辺で行われました。
 
 午前中は座学で「野鳥観察について」と題して、日本野鳥の会札幌支部の方の講義がありました。講師が野鳥観察の大ベテランで野鳥観察入門的なお話を興味深く話されました。
 話の中で興味深かったのは、野鳥の世界においても人間の介入によって自然界のバランスが崩れることで森林が破壊された例を話されました。(樹木に穴を開けるキツツキを排除したところ、害虫が大発生して森林が壊滅したという例)自然のいろいろな分野において人間が介入することによって生態系のバランスを崩す例を聞くことがありますが、野鳥の世界でもそうしたことがあったとは…。人間は自然にとって罪深き存在なのか…。

          
          ※ 中央の木に丸い穴が二つ開いています。クマゲラが作った巣穴だということです。
          
 午後は待望のスノーシューハイキングでした。
 この札幌市の「青少年山の家」は、その経緯は詳しくは承知していないが、施設は札幌市の運営するものでありながら場所は国立滝野すずらん丘陵公園内にあります。
 したがってハイキングコースも滝野すずらん丘陵公園内に造られています。公園内とはいえ、自然がそのまま残ったようなロケーションです。

 講師は午前中の野鳥の会のベテラン氏と野外教育研究会の方がコース案内を務めました。
 コースは青少年山の家で造られたコースで、コースの大部分は踏み固められているものでした。スノーシューの醍醐味は誰も踏み入れたことのない新雪に踏み入る楽しさがあるのですが、今回の講座ではそうしたことは望めませんでした。無理もありません。老若男女が参加する講座にそのような冒険的要素を入れることなどできないことですから…。

          
          ※ 一見深山を往くようですが、しっかり足跡が残り踏み固められていました。

 しかし、別の楽しさがありました。
 コースのところどころで立ち止まり二人の講師がいろいろと説明してくれます。冬でも一見花のように見えるノリウツギ。来るべき春を待ちながら固い蕾を付けるホウノキやツルアジサイ。雪の上に点々と足跡を残すキタキツネやエゾリス等々…。
 説明を受けることで無味乾燥に見えた雪山に生命が豊かに息づいていることを教えてくれます。

          
          ※ ドライフラワーが咲いているようにも見えますが、ノリウツギという野草です。

 ところが肝心の野鳥が全く姿を現しません。
 野鳥の会のベテラン氏によると野鳥が活発に動き回るのは午前中なのだそうだ。そんなこともあり飛んでいる姿はおろか、鳴き声さえ聞こえぬままトレッキングを終えようとしていたとき、誰かが谷底に動き回るものを発見しました。ベテラン氏によると「ツグミ」ということだった。一か所で動き回っていたので、ベテラン氏が持参した望遠鏡を設置して大写ししたツグミを見せてくれました。カメラにはもちろん収めることはできませんでしたが、望遠鏡内に大きく映ったツグミを見て、参加者一同大感激でした。

          
          ※ この足跡はキタキツネの足跡だということでした。

 最後にベテラン氏が「森のレストランに案内しましょう」と言ったのですが、私は「何のこっちゃい?」と思いました。するとそれは山ブドウが干しブドウ状態になって残っているところに案内してくれたのでした。皆それぞれ試食(?)してみたのですが、それは干しブドウというより、味のほとんど消えた梅干しといった感じのものでした。
 ベテラン氏によると食料の乏しい今の季節にはこうしたブドウにも野鳥がやってくるということでした。

          
          ※ 「森のレストラン」で供された干しブドウ(?)です。

 一人で黙々と新雪を往くスノーハイク、講師に従いグループで歩くスノーハイク、楽しさはまったく違うものの、どちらも魅力あるスノーシューハイキングです。