「古本を売った」と言うよりは、「古本を買ってもらった」と言った方が今回の場合はしっくりくるような気がする。溜まっていた文庫本を処理しようと古本屋さん(BOOK-OFF)に持っていき買ってもらった。
「初めて」とタイトルを付けたが、実は地方にいたときに一度だけ手持ちの本を古本屋(BOOK-OFF)に持ち込んだことがあった。
札幌に転居してマンションに入居する際、持っていた本を大量に処分する必要に迫られた。私は自分の好きな作家の本や、大切にしている本を除いてかなりの量(乗用車のトランクいっぱい、キャスター2台分だった)を持ち込んだのだ。
しかし、買い取られたのはわずか3冊だけだったと記憶している。古い文芸書や教育書などは人気がないということなのだろうが、それにしてもショックだった。
それ以来、私の中では「本を売る」という考えは起こらなかった。
ところが札幌に転居してからもどうしても本は増え続けた。
そこで今回思い切ることにした。部屋が片付かないという背に腹は代えられぬ事情があったからだ。とりあえず文庫本10冊を試みに持ち込んでみることにした。
ウォーキングを兼ねて琴似の「BOOK-OFF」まで足を伸ばした。
相場も何も分からない私だったが、10冊の文庫本の中に昨年10月発刊ばかりの中田宏前横浜市長が著した「政治家の殺し方」(1,000円)を入れておいた。新刊はどう評価されるのかと思って…。
「BOOK-OFF」は古本業界の大手とあってスタッフの応対マニュアルがしっかりと出来上がっているようだった。とても丁寧な対応である。例えば「今回はお客さまの大切な本をお売りいただいてありがとうございます」といった具合である。
本をカウンターに預けてから5分くらい経った頃に「計算ができた」と呼ばれた。
スタッフは「このように見積もらせていただきましたが、よろしいでしょうか?」と言いながら10冊で380円との見積書を提示した。よろしいも何も、相場をしらない私は頷く以外になかった。
見積書を詳しく見てみると、 ¥40×2, ¥20×4, ¥70×2, ¥40×2 計380円と記されていた。どの文庫本がどう評価されたのかについて確認はしなかったが、先に書いた新刊の「政治家の殺し方」が他の文庫本と同じ値を付けられたということにはちょっと疑問だった。
わずか5分間くらいで評価するのだから、発行日などをいちいち確認していないのかもしれない。店独自の評価方法でもあるのだろうか?
いずれにしても、私が当初予想していたほど酷い評価額ではなかったことは確かだった。
まだまだ処分したい文庫本がたくさんある。
今度はいつ店に持ち込もうか? 違う店も確かめてみようか?