遅読の私だが、原作の面白さに惹きこまれ、珍しく短時間でこのほど上下巻を読み終えることができた。県警内部の暗闘…、さもありなんと思えるほどリアル感に満ちたストーリーは私を弾き付けて止まなかった。
映画「64 ロクヨン」の前編を観て、魅力いっぱいのエンターテイメント映画に感動した私は、その帰途に書店に立ち寄り、文庫本の「64 ロクヨン」を購入したことを拙ブログに書いた。
未解決の誘拐殺人事件を縦糸に、それを追う県警内部の暗闘を横糸に、複雑に絡み合う展開は一つの緩みもなく緊張感を保ったまま最後まで読む者を惹きつけてくれた。
具体的なストーリーを紹介するには、複雑すぎて手際よくまとめる力は私にはない。
ウェブ上で、この「64 ロクヨン」の魅力をコンパクトにまとめた文があったので、それを拝借することにする。
警察職員二十六万人。うち刑事など一握り、大半は縁の下の仕事を遂行する日々だ。その一人、D県警で刑事畑を歩んでいた三上は、警務部への異動を言い渡される。刑事としての自負を捨て切れずにいる彼は愛娘の失踪、未解決の誘拐事件をめぐる刑事部と警務部、本庁の権力闘争、さらにマスコミとの攻防の狭間に立たされる――。横山秀夫さんの7年ぶりの長編『64 ロクヨン』が大きな話題を集めています。D県警シリーズ3作目となる本作では、D県警が最大の危機に直面。それを取り巻く人間たちの熱き戦い、生き様を描いた1冊。
小説ゆえにデフォルメされて描写されているところもあると思うが、県警内部における刑事部と警務部の対立には外からは窺い知れないところであるが、さもありなんと思われた。また、県警と記者クラブとの対立の狭間に立つ県警広報室(官)の苦労もありがちなことなのだろうと思わせられた。さらに未解決の誘拐殺人事件、そして主人公三上広報官自身の娘の失踪等々、事件の収束はどこへ向かうのかとドキドキワクワクさせてくれる。
実は「64 ロクヨン」の後編のロードショーが6月11日から始まるが、それを前にしての試写会に応募していたところ、幸運にも招待券をゲットすることができた。明後日の6月3日の試写会でいち早く後編を観ることができるのを楽しみにしている。
原作をどのように映画化しているのか、期待いっぱいである。
映画「64 ロクヨン」の後編を観終えた後、またレポすることができたらと思っている。