田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

大都会の奇跡!北大植物園

2016-06-29 21:09:44 | 「めだかの学校」関連

 「大都会の奇跡!」と称することを聞いたことはないけれど、私はそう称する価値が十分あるように思う。大喧騒の札幌駅から徒歩10数分のところに、大木が生い茂り静かな雰囲気の別世界へと誘われる。それだけではない魅力に満ちた北大植物園を訪れてみた。 

          
          ※ 針葉樹林の大木が林立する光景は都心にいることを忘れさせてくれます。

 6月28日(火)午後、私は数年ぶりに「北海道大学植物園」を訪れる機会を得た。
 この日は、6月の「めだかの学校」の野外学習として、北大植物園が今回のフィールドとなったのだ。
 天候は晴れ、参加者は43名だった。私はこの日、参加者を2グループに分けた一方を引率する役割を担った。旗をもって、ガイドの後ろを付いていく、まるで旅行会社の添乗員のような役割だった。

          
          ※ ボランティアガイドの説明を聞く参加者たちです。

 最初に案内されたのは北方系の大木が林立する針葉樹林の林だった。きれいに整えられた芝生の間に大木が屹立している様は、もうそこが札幌の都心にいることを忘れさせてくれる。

 植物園は観光目的ではなく、あくまで研究目的であるため、北方民族植物標本園、草本文科園、バラ園、高山植物園、カナディアンロックガーデン、温室などに分かれて展示されている。栽培されている花や木の種は約4,000種だそうだ。
 さらに園内には、博物館、宮部金吾記念館、北方民族資料室などが配され、博物館的機能も備わっている。

          
          ※ 南極観測で活躍した樺太犬タロの剥製も展示されている植物園の博物館です。

          
          ※ 植物園内の建物にも歴史的価値を感じます。写真は宮部金吾記念館です。

 私が興味を抱いたのは「北方民族植物標本園」だった。資料によると「東アジアの北方民族、ことにアイヌ、ウィルタ、ニブフの3民族が利用した約200種の植物を、衣(染織を含む)、食、住(用材、器具材、生活用品)、薬、祭礼・祈祷、狩猟などの利用内容とともに展示しています」とあったが、北海道に普通に自生し、私も見慣れている草花がありとあらゆる形で先住民族たちの命を支えていたことが分かり、興味深かった。

          
          ※ 札幌の花でもあるライラックがアメリカから渡ってきた時の最古の株ということです。

 面積13.3haという広さはけっして大きくはないと思うが、たっぷり2時間の見学でも全てを見尽くしたという感じにはなれなかったほど、魅力がいっぱい詰まった植物園だった。
 さすがに植物園の周縁部に近づくと、園外を行き交うたくさんの車の音が耳に入るが、内部は木々が鬱蒼と茂り、都心にいることをすっかり忘れさせてくれるくらいの森の中だった。

          
          ※ 園内の花はほとんど咲き終わっていましたが、バラ園は花盛りでした。

 公の公園とは違いけっして安くはない入園料(420円)が徴収されるが、それがまた都心にあっても素晴らしい環境が保たれる一因なのかもしれない、と思った。
 頻繁に、というわけにはいかないが、「大都会の奇跡!」とも思える北大植物園に時おり訪れてみたいものである。