田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

中田美知子が語るラジオの時代

2017-07-29 21:02:06 | 大学公開講座
 中田美知子氏は北海道のラジオ界においてパーソナリティとして一世を風靡したらしい。(私は同年代でありながら彼女のことは詳しくない)彼女は自ら「私はかつてカリスマと呼ばれていた」と冗談交じりに学生に語ったが、学生はどう受け止めただろうか…。 

 札幌大学公開講座「地域創生入門」の第15講が7月26日(水)午後開講された。長かった一連の講座の最終講義である。
 最終講義の講師は、FM北海道の常務取締役を務めた後、札幌大学の客員教授を務める中田美知子氏「昭和に輝いた地域メディア ラジオの可能性を探る」と題して講義された。

                    

 話は彼女の履歴から始まった。
 1974年、大学を卒業してHBC(当時はラジオ放送しかなかった)にアナウンサーとして入社した。しかし、2年後には退社してフリーのアナウンサーとして活動していたが、1982年に開局したFM北海道のパーソナリティとなる。そして1988年にはFM北海道に正式入社したという。
 彼女が自らをカリスマといったのは、1995年にギャラクシー賞のラジオ部門でDJパーソナリティ賞を受賞したことによるようだ。

 以降、彼女はFM北海道において、アナウンサーから制作側にポジションを移し、さらに経営の立場にも立って、同社の常務取締役まで務め2015年に退社している。
 つまり彼女はラジオの世界に45年在籍したことになると自ら述べていた。

 45年も在籍したという思い入れがあるからだろうか?彼女の話はラジオの良き時代を懐かしみ、ラジオを礼賛する話となっていった。
 曰く、「ラジオは自己表現手段として最高のメディアだ」、「カメラがないので緊張することがない」、「声の大きい者が勝ち」、「テレビに比べて、自社制作番組比率が高い」等々…。

 そして当時の代表的なラジオ番組であるエフエム東京の「ジェットストリーム」を流し始めたのである。私たち世代であれば、パーソナリティの城達也の素晴らしいナレーションとイージーリスニングが流れる番組は、航空機で旅する自分を夢見ることができる人気番組だった。
 しかし、それを今の若者に聞かせたところで、彼らは何を感ずるだろうか?大人のノスタルジーに付き合ってくれるだろうか?

 さらに、ラジオのドラマは聞く側がイメージを膨らませることができると強調し、一つのラジオドラマを流した。確かに中田氏が言うことも一理あると思うが、はたして若者は素直に受け取ってくれただろうか?

 中田氏はラジオの利点を並べ立てた。ラジオが他のメディアと違い、それなりの存在意義があることは私も認めたい。しかし、これからラジオがメディアの主流に復活することなどあり得ないだろう。
 中田氏には、そうした締め括り方をしてほしかったと思ったのだが…。