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私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

建築家・安藤忠雄が語る「自由と勇気」

2017-07-24 22:20:45 | 講演・講義・フォーラム等
 安藤忠雄氏の講演を聴きながら、今さらながらだが気付いたことが一つあった。それは、建築家とは思想家でもあるという事実だった。氏は言う。建築は世界で起きているさまざまな現象と大いに関わりがあると…。
 

               

 7月18日(火)夜、北大工学部の「鈴木章ホール」にて建築家として名高い安藤忠雄氏「自由と勇気」と題する講演会があり、受講する機会を得た。
 安藤氏の学生に対する人気は相当なもののようで、ステージ上や階段にまで学生がびっしりと詰まった中での講演会となった。

 ところが…。講演が始まって気付いたのだが、安藤氏の活舌がけっして良いとは言えないことが分かったのだ。音響のせいもあると思われるのだが、氏の話す半分くらいの言葉が私には判別することができなかった。
 したがって今回のレポは、私が判別することができた部分のみのレポとなることをお断りしておく。

 安藤氏は若い北大生へ伝えるメッセージを強く意識されたようだ。
 冒頭、安藤氏は若い人たちに対して、次のようなメッセージを発した。
 「君たちはまだ苗木だが、自力で大きくなってほしい。自分で考え、自分を鍛え、自分で大きくなってほしい」と…。

 そして安藤氏は、1997年に採択された「京都議定書」がないがしろにされている感があるが、地球の温暖化が進行していることは厳然たる事実だ。そうした状況の中で「建築」の立場から温暖化に対処したいし、若い人たちも果敢に挑戦してほしい。建築は世界で起きているさまざまな現象に関わっていかねばならない、と説いた。

 さらに安藤氏の言葉で、思想家的な発言をされたのは、学生たちに「地球儀を持っているか?」と問われた時だ。それは、世界で生きていくためには、地球儀を見ながら「地球を、世界を概観する」ことが大切だと諭されたときだった。「Think global, Act local」という言葉があるが、氏はそのことを学生たちに諭したのでは、と私は推測する。

 講演は、安藤氏の建築作品や地域を創造した作品を写し出しながら進んだ。
 その中から、私が判別できた安藤氏の言葉を紹介しておくことにする。
 ◇人の真似をするな
 ◇発想力と、それを持続する力が大切
 ◇自分が目標を持っている人には運が向いてくる。
 ◇死に物狂いで半年くらい働いてみたら
 ◇仕事をするときは、味方を作らねば。その土地に誇りを持たねば
 ◇二度と見られない風景をいくつ自分の中にもっているか
 ◇人間をキャッチすることが大切(人との出会い)

          
          ※ 安藤氏が内装設計を担当した北菓楼札幌本店の2階レストラン・カフェホールです。

 今回の講演会は、安藤氏が札幌・北菓楼札幌本店(旧北海道文書館)の内装をデザインした縁で、(株)北菓楼の支援によって実現したようだ。
 安藤氏は北菓楼以外にも、真駒内霊園の「頭大仏殿」を設計し、2016年にオープンしたという。

 安藤忠雄 1941年生まれの75歳。すい臓癌を克服し、まだまだ旺盛な制作欲である。今後どのような独創的な作品を私たちに提示してくれるのだろうか?まだまだ話題を提供してくれそうである。