地方自治について、その理論、経歴、実績からいって、今やこの人の右に出る人はいないのではないかと思われる片山善博氏が来札し、その持論を披瀝した。明快に地方創生について語る片山氏の論には頷けるところが多かった。

5月26日(土)午後、全労済協会が主催する「ほっかいどうの地方創生」と題するフォーラムが道新ホールを会場に開催されたので参加した。
フォーラムの基調講演は早稲田大学大学院教授の片山善博氏が「地方創生のいま ~地方自治と地域の発展に向けて~」と題して講演された。
片山氏は、東大卒業後、旧自治省(現総務省)に入省し地方税務署長、鳥取県総務部長鳥取などを歴任した後、鳥取県知事を2期務めた。その後、慶大教授に転身したが、菅民主党政権時に総務大臣に就任した。総務大臣退任後は再び慶大教授に復帰したが、2017年4月からは早大大学院教授を務めている。大学では慶大でも、早大でも地方自治論を講じているという。

片山氏の論旨は明快だった。
地方創生の目的とは、「出生率の上昇を図ること」と「人口流出の歯止め」だという。それに対する国の政策は「プレミアム商品券」とか、「ふるさと納税」の奨励策だという。
片山氏は指摘する、はたして「プレミアム商品券」とか、「ふるさと納税」を奨励することで、出生率が上がったり、人口流出に歯止めがかかったりするだろうか?と疑問を呈するというよりは、明らかに失敗であったと断じた。
特に「ふるさと納税」は地方自治体の税金の奪い合いになっているとした。
片山氏が問題にするのは、地域の課題について、地域が主体的に課題解決に発揮できる仕組みとはなっておらず、中央官庁が取り仕切っているところに大きな問題点があると指摘する。
その中央官庁の役人は、都市育ちの人が多く、地方の実状をよく理解しておらず、彼らの考える政策はピント外れだとも指摘した。
地域が主体的に課題を解決できる仕組みに補助金交付のモデルを変える必要があるのだが、中央官庁はそれをなかなか手放そうとしないという構図となっているとした。
そうした状況の中で、はたして突破口はあるのか?
片山氏は鼓舞する。北海道こそ、その先兵にと…。
今でこそあまり注目されていないが、第一次安倍政権において「道州制特区」のことが喧伝された。その際、まず「北海道」が先行実施されることが提起された。片山氏は言う。そのことに北海道はあまり熱心でなかったように見受けたが、北海道はもっと国に要求すべきだと…。

道州制は、国の形を根本から変える究極の地方分権改革だともいう。しかし、中央官庁の姿勢を見れば、容易なことでは改革は進展しないのではと思われる。
道州制について、国あるいは地方自治体が現在どの程度真剣に取り組まれているのか私は承知していないが、片山氏が指摘しているように先行実施を提起された北海道がより積極的に(あるいは可能なところから)国に対して地方分権を要求していくことが望まれているような気がしたのだが…。
片山氏の基調講演の後、秋元札幌市長などが登壇したパネルディスカッションがあったが、所用のため私は中座したため聴くことができなかった。

5月26日(土)午後、全労済協会が主催する「ほっかいどうの地方創生」と題するフォーラムが道新ホールを会場に開催されたので参加した。
フォーラムの基調講演は早稲田大学大学院教授の片山善博氏が「地方創生のいま ~地方自治と地域の発展に向けて~」と題して講演された。
片山氏は、東大卒業後、旧自治省(現総務省)に入省し地方税務署長、鳥取県総務部長鳥取などを歴任した後、鳥取県知事を2期務めた。その後、慶大教授に転身したが、菅民主党政権時に総務大臣に就任した。総務大臣退任後は再び慶大教授に復帰したが、2017年4月からは早大大学院教授を務めている。大学では慶大でも、早大でも地方自治論を講じているという。

片山氏の論旨は明快だった。
地方創生の目的とは、「出生率の上昇を図ること」と「人口流出の歯止め」だという。それに対する国の政策は「プレミアム商品券」とか、「ふるさと納税」の奨励策だという。
片山氏は指摘する、はたして「プレミアム商品券」とか、「ふるさと納税」を奨励することで、出生率が上がったり、人口流出に歯止めがかかったりするだろうか?と疑問を呈するというよりは、明らかに失敗であったと断じた。
特に「ふるさと納税」は地方自治体の税金の奪い合いになっているとした。
片山氏が問題にするのは、地域の課題について、地域が主体的に課題解決に発揮できる仕組みとはなっておらず、中央官庁が取り仕切っているところに大きな問題点があると指摘する。
その中央官庁の役人は、都市育ちの人が多く、地方の実状をよく理解しておらず、彼らの考える政策はピント外れだとも指摘した。
地域が主体的に課題を解決できる仕組みに補助金交付のモデルを変える必要があるのだが、中央官庁はそれをなかなか手放そうとしないという構図となっているとした。
そうした状況の中で、はたして突破口はあるのか?
片山氏は鼓舞する。北海道こそ、その先兵にと…。
今でこそあまり注目されていないが、第一次安倍政権において「道州制特区」のことが喧伝された。その際、まず「北海道」が先行実施されることが提起された。片山氏は言う。そのことに北海道はあまり熱心でなかったように見受けたが、北海道はもっと国に要求すべきだと…。

道州制は、国の形を根本から変える究極の地方分権改革だともいう。しかし、中央官庁の姿勢を見れば、容易なことでは改革は進展しないのではと思われる。
道州制について、国あるいは地方自治体が現在どの程度真剣に取り組まれているのか私は承知していないが、片山氏が指摘しているように先行実施を提起された北海道がより積極的に(あるいは可能なところから)国に対して地方分権を要求していくことが望まれているような気がしたのだが…。
片山氏の基調講演の後、秋元札幌市長などが登壇したパネルディスカッションがあったが、所用のため私は中座したため聴くことができなかった。