田舎おじさん 札幌を見る!観る!視る!

私の札幌生活も17年目を迎えました。これまでのスタイルを維持しつつ原点回帰も試み、さらなるバージョンアップを目ざします。

北海道低山紀行 83 横津岳

2019-05-07 15:12:34 | 北海道低山紀行 & Other

 横津岳は、標高は高いのだが、登山口の標高がすでに920mということで、登山口からの標高差は約250mで、難しさからいうと写万部山より易しく、その上登山道全体が舗装されているというなんとも登山らしからぬ登山となった…。

          

          ※ 「横津岳」山頂に建てられている「航空監視レーダー」施設です。


 ライブレポでも触れたが、この日予定より早く「写万部山」を終えて、まだ体力に余裕があり、翌1日が雨予報だったことから、第4日目に予定していた「横津岳」にも登ろうと考えて、横津岳の登山口を目ざした。

 ところがこの登山口に至るまでが大変だった。ガイドブックによると登山口はかなり標高が高いところにあると想定していたのだが、ずーっと下のところで通行止め標識に遮られてしまった。「これでは、あまりにも遠くてとても山頂まで行くことはできない」と諦めて戻ろうとしていたところ、後から来た車が通行止めのところをスラロームのようにすり抜けて通って行った。それを見て「あゝ、通ることができるんだ」と思い直し、私も通行止めをスラロームのようにすり抜けて上を目指した。(後で分かったことだが、この通行止めの上には横津岳国際スキー場があった)

          

          ※ 道路の先に見える通行止めは、車がすり抜けられるようになっていました。

             駐車している車は登山客ではなく、山菜取りの車のようです。

この道が凄かった。一応舗装はしてあるのだが、いたるところボコボコでとても普通には走れないのだ。(ふつうのボコボコではない。舗装が完全に剥がれたり、道路そのものが破壊寸前だったりと酷い状態だった)パンクでもしたら大変だ。恐る恐るの運転となった。その距離を計測したら約9Kmあったが、時間にすると相当かかったのではないか?

          

          ※ 写真のような穴ポコが連続する道路には閉口しました。

          

 そして本当の通行止めの標識(ここはゲート状になっていて、関係者以外はけっして通ることのできない構造になっていた)は、国際スキー場を過ぎた地点にあった。車が5~6台駐車できるスペースがあった。駐車帯は全て埋め尽くされていたもののなんとか隙間を見つけて駐車することができた。

          

          ※ こちらの通行止めはしっかり閉じられ、関係車両以外は通れないようになっていました。

          

          ※ その通行止めの少し手前に5~6台が駐車できる広場がありました。

 時刻は12時近かったので、早速準備をして登ることにした。

 登山路は舗装道路である。というのは、横津岳山頂には航空監視レーダーが設置されているために管理道路となっていたのだ。

 車が通行できるように急な傾斜のところはなく、徐々に、徐々に高度を上げていく登山路だった。道路脇にはまだ雪が残っていて、見ることができた植物はフキノトウくらいだった。登っているところは1,000m近くの高原なので、本格的な春はまだまだ先といった様相だった。皮肉にも車を降りた後の道路(登山路)はきれいに整備された舗装道路だった。

          

          ※ 1,000m台地はまだ雪が完全に溶けてはいませんでした。

          

          ※ そうした道路わきで見られるのはフキノトウだけでした。

 さすがに1,000m台地ともなると風も相当に強いのだろう。周りに立っているダケカンバの木が風のために枝が相当にねじ曲がっていた。

          

          ※ 1,000m台地の激しい風のためダケカンバの枝は激しくねじ曲がっています。

 30分近く黙々と舗装道路を登っていると、遠くにレーダー基地らしい建造物が視界に入ってきた。それからも登り続けると、分岐点を示す標識があった。その標識は「横津岳」方面と「烏帽子岳」・「袴腰岳」方面に分かれる分岐点だった。

          

          ※ 遠くに航空監視レーダーの建物が視界に入ってきました。

          

          ※ 横津岳山頂近くで、烏帽子岳・袴腰岳への分岐点の案内標識が立っていました。

 私は当然「横津岳」山頂を目指して直進した。するとレーダー基地が近づいたところに白い色をした鳥居があり、その向こうに小さな社が目に入った。雪のために近づくことはできなかったが、おそらく航空監視レーダー施設の安全を祈願するための社ではないかと思われた。

          

          ※ 横津岳山頂直下に、写真のような白い鳥居とその奥に小さな社が見えました。

 やがて航空監視レーダー施設が建つ最も高い地点に至った。ところが山頂を示す印が何も見当たらなかった。周りを少し探してみたが見つからなかった。ガイドブックにも記されていたが、「舗装道路が完成したことにより登山の対象とならなくなった」とあったので、山頂標識も特に設けていないのかもしれない。

          

          ※ 横津岳山頂からは特徴のある駒ヶ岳がはっきりと望めました。

          

          ※ こちらも山頂(近く?)から函館市内を望んだところです。

 山頂は強い風が吹いていた。私はレーダー施設の陰で風を避け、一休みしてから下山を始めたのだった。下山も舗装路を淡々と下るというなんとも味気ないものだった。

 なお、登山口付近に昭和46年に墜落事故を起こした飛行機「ばんだい号」の遭難者慰霊碑が建っているということだったので辺りを探してみたが、案内板などが見つからなかった。おそらく雪の中に隠れてしまっていたのだろうと思われる。


【横津岳 登山データ】
標 高  1167m (標高差 約250m)
駐車場  登山口に5~6台の車が駐車できる場所がある。    
行 程  《グランドシニアの足とお考えください》
     登山口→(50分)→横津岳山頂→(45分)→登山口
時 間  上り(50分)  下り(40分) 
天 候  雲り、強い風
登山日  ‘19/04/30