久しぶりに「バルミゼット楽団 ラ・ゾーヌ」の音色を堪能した! 平岸ミュージックフェスティバルはバルミゼット楽団だけではなく、新しい楽しみも提供してくれた素晴らしいフェスティバルだった。
10月19日(土)午後から豊平区の平岸小学校体育館において「平岸ミュージックフェスティバル」が開催されると知って駆け付けた。「わざわざ平岸まで?」と訝る向きもあるかもしれないが、フェスティバルに「バルミゼット楽団 ラ・ゾーヌ」が出演すると知ったからだ。ラ・ゾーヌは数年前に赤れんがコンサートでその存在を知って、その音にたちまち惚れ込み、楽団が経営する店まで駆け付けることもしたのだが、このところ遠ざかっていただけに、久しぶりにラ・ゾーヌの音を堪能したいと思ったのだ。
主催は実行委員会形式をとっていたが、障害者などを支援する団体が協力して開催したものだった。フェスティバルのプログラムは次のようになっていた。
◇平岸小学校マーチングバンド
◇ノーボスパシアス&アルコイーリス(サンバダンス)
◇Nawate Harutaka
◇ドラムサークル ハートビート
◇バルミゼット楽団 ラ・ゾーヌ
全国大会出場が決まっている平岸小学校マーチングバンドの演奏も、華やかに賑々しく会場を踊りまくり障害者たちも喜んで踊りの輪に加わったアルコイーリスのサンバも良かった。しかし、私が何より新鮮に感じたのは「ドラムサークル ハートビート」のステージだった。プログラムには「みんなで輪になり、打楽器をたたいて楽しむ参加型の演奏」とあったが、たくさんのコンガのような打楽器を持ち込み、さらには百均ショップで購入したゴミ箱の底を手作りのマレットのようなものでたたくものが参加者全員に配られた。参加者はそれを面白がって勝手にたたいていたが、やがて円の中心にいるリーダーの動作によって、徐々に会場内の音が一つになっていった。その間、説明は一切なしで会場が一つになっていくのだ。参加者は“たたく”というある種の発散行為と音が一つになっていく心地良さを感じていたのだろう。もちろん私も同じように感じながら、ゴミ箱の底をたたき続けた。これは楽しい発見であり、新しい形の演奏会の形式となっていきそうに思われた。
フェスティバルの最後に登場したのが「バルミゼット楽団 ラ・ゾーヌ」である。メンバーは変わらず馴染みの顔ばかりだった。フランスの大衆ダンス音楽「ミュゼット」はどこか懐かしく、心地良い音楽である。リーダーの長嶺久美子のボタンアコーディオンを中心とした5人組の音楽は私の感性を大いにくすぐってくれる。彼女らが演奏する5曲を心地良く聴いた。ラ・ゾーヌは長嶺のボタンアコーディオンを中心にピアノ、クラリネット、バンジョー、パーカッションの5人組である。最近は長嶺がボタンアコーディオンをバグパイプに乗り換えて演奏することも多い。でも私は長嶺のボタンアコーディオンが奏でるミュゼットの懐かしい音の方が好きである。
平岸ミュージックフェスティバル…、なかなか素晴らしい取り組みである。これからも継続があるのか?その点は不明であるが、関係者に努力していただいて続けてほしい催しである。