「原生花園」…、手つかずの自然が残る花園。いかにもオホーツク海沿岸に相応しい光景である。オホーツク海沿岸には海沿いに発達した砂州がいくつか存在するが、その中で代表的な花園として二つの原生花園が北海道遺産に登録された。この二つの原生花園も私にとっては再訪であった。
ワッカ原生花園
ワッカ原生花園は汽水湖のサロマ湖とオホーツク海に挟まれた細い砂州の東側の付け根に広がる原生花園である。
※ 「サロマ湖ワッカネイチャーセンター」の建物です。
※ そのネイチャーセンターに展示されていたワッカ原生花園の全体図を表した図です。
今回私が訪れたのは8月14日の早朝9時前だった。北見市常呂の栄浦地区からサロマ湖を跨ぐ「栄浦大橋」を渡ると直ぐに「サロマ湖ワッカネイチャーセンター」がある。車はそこまでで、ネイチャーセンターから原生花園を楽しむにはトレッキングかレンタサイクルで花園を巡ることになる。ネイチャーセンターは早朝だったために、まだ観光客の姿は見えず花園は静かに佇んでいた。
私は以前にトレッキングでサロマ湖とオホーツク海が繋がる第二湖口を越え、「花の聖水」といわれる真水が湧くところまで行った経験があったので、今回はパスし、写真だけ数枚撮っただけで花園を後にした。
※ 左側に見えるのはサロマ湖です。遠くに第2湖口の橋(?)が見えます。手前は散策路の柵です。
※ 反対側を写したのですが、こちらに見えるのもサロマ湖の水面です。
なお、「ワッカ」という名は、アイヌ語の「ワッカ・オ・イ」すなわち「水のあるところ」と呼んでいたことから名付けられたということだ。
※ 盛期を過ぎたハマナスの花が咲き残っていました。
小清水原生花園
※ 小清水原生花園の中の唯一小高い所にある展望台です。遠くの水面は濤沸湖の水面です。
原生花園というと、私はこの「小清水原生花園」をイメージすることが多い。というのも「小清水原生花園」はワッカ原生花園と同様に濤沸湖とオホーツク海に挟まれた砂州上に広がっているのだが、こちらはその砂州上に国道とJRの線路が走っている。そのため私は車で走る時も、列車に乗った時も、原生花園を横目に通り過ぎることが多かったからだ。
私は小清水町に8年間在住したことがあるが、網走へ仕事で走ることが多かったために、小清水原生花園は日常の風景だった。
※ 同じ展望台からオホーツク海側を眺めたところです。看板に「北海道遺産」の文字が見えます。
※ 原生花園は花の時期を終え、緑一色でした。
今回はワッカ原生花園と同じ8月14日午後、JR「原生花園駅」の傍の国道横にある「インフォメーションセンターHANA」に停車して、原生花園巡りを楽しんだ。花園巡りといってもそれほど長い距離ではなく、誰もが楽しめる程度の周回路が用意されている。周回路を歩くと、花の最盛期は過ぎた感はあったが、それでも幾種かの花を楽しむことができた。
※ それでも足元を仔細に見れば、数種の花を見ることができました。(名前か自信がないので省略します)
※ わずかに咲き残っていたハマナスの花です。
※ 多くはすでに実を付けていました。
インフォメーションセンターでは、原生花園を紹介するフィルムが上映されていたが、花園では花園全体を4分割して、毎年春に野焼きをしているそうだ。4分割しているため4年一度は野焼きが入り、雑草の繁茂を防いでいるそうだ。
※ 濤沸湖畔では道産子が黙々と草を食んでいました。
オホーツク海沿岸には、二つの原生花園の他に、猿払村の「エサヌカ原生花園」、斜里町の「以久科原生花園」、紋別市の「オムサロ原生花園」などがあるようだ。二つの原生花園はそれらを代表する原生花園として選定されたようだ。