「札幌の奏響(ひびき)Ⅲ」は3年ぶりの開催ということだったが、さすがにプロの音楽家たちの集まりである。札幌音楽家協議会の面々が奏でるベートーヴェンの「英雄」は聴き応えのある演奏だった。
昨日3月11日(土)午後、札幌コンサートホールKitaraの小ホールにおいて標記コンサートが開催され、友人二人と共に鑑賞させてもらった。
札幌音楽協議会なる存在については不案内だったので、HPを拝見すると次のような一文が掲載されていた。「札幌音楽家協議会は札幌をはじめ道内に在住する音楽家たちが、開かれた民主的な音楽活動を目指して、音楽文化の発展と会員相互の連携と親睦をはかる目的で作られた、60年の歴史を有する公的な団体です」とあった。
“民主的な” という言葉に少々違和感を感ずるが、どなたか大御所に師事するのではなく、一人ひとりが自立した音楽家として活動しながらお互いの連携と親睦を図るという意味だろうと解釈した。
コンサートは大きく二つの部で構成されていた。第一部は声楽家を中心として合唱曲を聴かせるステージだった。そして第二部は管弦楽の演奏という構成だった。
演奏された曲目は、文字が小さくて読みづらいが下に掲載したプログラムのとおりである。
正直に吐露して第一部のJ.S.バッハの曲は教会音楽といった趣きのため、私にはその意味や良さを感得できなかったのが正直なところである。それでも三曲目の教会カンタータ 第12番「泣き、嘆き、憂い、おののき」 BWV12は、人が生きてゆくことの辛さの感情を歌い上げたものだったのだろうと理解した。
対して第二部の管弦楽ベートーヴェンの交響曲「英雄」はこれまでいろいろな団体の演奏を聴いていたこともあり、それらと比較しながら聴くことができた。そして実際に聴いた今回の演奏は、冒頭にも記したとおり「さすがにプロの演奏」というものだった。普段はそれぞれ単独、あるいはグループで活動していて、多人数での演奏の経験は少ないものと考えられるが、そうしたハンディを乗り越えてプロの技を聴かせてもらった思いである。
気になった点が一つある。それは総勢38名の管弦楽団として演奏だったのだが、その中で12名の方が賛助出演という形だったことだ。内情は良く分からないが、いろいろと複雑な事情があるのかもしれない。
今回のコンサートは音楽家協議会とKitaraの連携プロジェクトとも明記されていた。「札幌の奏響」がⅣ、Ⅴ、Ⅵと継続されることを期待したい。
WBC寸評 Vol.4
昨夜のWBC第一次予選ラウンド Bプールの侍ジャパン第三戦対チェコ戦は、結果として10対2と大差で順当に勝利した。しかし、この日も贅沢をいえば万全だったわけではない。先発の佐々木がエラー絡みで1点の先制を許し、打撃陣はチェコの軟投派の先発に苦しめられ初回、2回と零封されるというイヤーな出だしだった。幸い3回に吉田、山田の連打で3点を得点したことでホッとしたが…。それからはワンサイド的な展開となり大勝の結果となった。
個々の選手について振り返ってみると、投手では佐々木は期待どおり日本の柱として機能してくれそうだ。第2先発の役を担った宮城が残り5インニングを投げ切ったが、いきなり2安打を浴び1点を献上したが、その後は安定していた。分からなかったのはベンチが宮城を使い続けたことだ。まだ一度も登板していない大勢、栗林、高橋奎二といったリリーフ陣を一度投げさせた方が、と思ったのだがベンチには違った思惑があるのだろうか?
※ 期待どおりの投球を見せた佐々木朗希投手です。
一方、打撃陣は近藤、大谷、吉田が好調である。村上、山田にもヒットが生まれた。
さあ、今夜は好調を伝えられている対オーストラリア戦である。大黒柱の山本が豪打線をきつちりと抑え、打線が爆発してくれることを願いながら対戦を見守りたい。
※ 対オーストラリア戦での好投が期待される山本由伸投手です。