きょう正午の観天望気です。 天気:晴れ、雲量:2〜3割、気温:14.2度、湿度:57%、風速:4m/s、不快指数:56 となっています。
14日の朝日新聞オピニオン&フォーラムに前北海道大学スラブ・ユーラシア研究センター長の岩下明裕さんのインタビュー記事が載っていました。なんとも明白というか一刀両断という言葉が相応しい切り込み方で、迫力がありました。今どきなかなか自分の考えを明快に断定的に述べる人は少ないですから余計に際立つのかも。
※引用開始 ⇒ あの国にはミッションがあるんですね。自分たちは偉大である、偉大な民族である、責任があると。周りに対しても自分たちが導かなければいけない、みたいな思い込みがある。帝政ロシア時代も、共産党時代のソ連の時も、ロシア連邦になってからも、基本的に同じです。
そうした思い込みをプーチン氏とその支持者が代表している。この責任と使命のもとで、お前たちウクライナを解放してやるんだと。・・・。解放するためには武力も辞さない。・・・。偉大なるロシアが大義を掲げてやることに、お前らから口出しされる筋合いはないはずだ、と。
日本が連合国に降伏する過程で、ソ連は一方的に攻め込み(千島列島のこと)、力で境界を変えた。彼らの理屈では日本の軍国主義からの『解放』です。ミッションだから。・・・。日本人を軍国主義から解放したなら、島は日本人のものになるべきでしょう。解放とはどの口が言うか、です。解放後に、日本人を放逐し、ロシア人を移住させる。これは『解放』という名の侵略です。
私たちは『ソ連は負けた』と思うけれど、彼らは『ソ連は解体したが、我々ロシアは負けてはいない』と思っている。一緒に冷戦を終わらせたはずなのに、なぜロシアだけ西側のいじめられるのかと考えている。西側の圧力にめげず、国力をだいぶもどすことができた。だがウクライナは西側に行こうとしている。今、力を使ってでも引き止めなければ手遅れになるということでしょう。
10年くらいの期間で、そしてプーチン氏が当面、大統領に居続けることを前提にすると、ウクライナに東側の『人民共和国』と西側の『民主共和国』ができて境界が確定する。・・・。冷戦期の東西ドイツと同じような形です。
もともとロシアには、隣国との境界はとても危険なところだと発想がある。放っておくと敵が攻めてくるかもしれない。だからとりでとして固めるし、国境は遠ければ遠いほどいい。
中露は蜜月と言われて、私もそう思うし、現在はほとんど準同盟といえる関係だけど、それでも根っこの部分に信頼関係はないと思いますね。
(北方領土問題は)安倍晋三政権の時代に終わっています。残念ですが、淡い期待は捨ててください。プーチン氏にすり寄って翻弄された、安倍外交の失敗を真剣に反省することです。
色丹島にはロシア人3千人が住んでいて、そのまま日本に戻っていたらどうなるか、想像して下さい。もしプーチン氏が『日本の統治が悪くてロシア人が迫害されている、彼らを守るために軍事行動をする』と言い出したら?今回のウクライナがそうでしょう。恐ろしいシナリオです。⇇ 引用終わり
こういう物事の本質をついている論評、インタビューを読むと、朝のモーニングショーとかで語られるコメンテーターの発言はいかに軽いもので表面的なものであるか感じませんか。
ミサイル巡洋艦 モスクワ 乗員・510人、全長・186.4メートル、最高速度・32ノット(時速59キロ)、満載排水量・1万1490トン、