ナショナル・ストーリー・プロジェクト(I)(II)
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ポール・オースター(編)、2005、『ナショナル・ストーリー・プロジェクト(I)(II)(新潮文庫)』、新潮社
ラジオ番組で全米に公募して集めたショートショートをオースターが朗読するというシリーズのノベライズ。どの作品もオースターの作品と一脈が通じて面白い。もちろん、素人の作品なので、内容の運び方がどうこうというわけではないだろう。しかし、「ナショナル・ストーリー(国民の語り)」のタイトルに恥じず、アメリカの人びとの心性が映しだされていて、とても面白い。歴史の新しい移民国家だから、地霊や魂がないわけではなく、人びとはそれを感じてしまうのだということが伝わってくる。また、誰もが、そうした経験を語りうるのだということ、これまた、重要な事なのだ。
あとがきにも書かれているが、奇しくも2000.11の事件がこのプロジェクトに重なっていた。世俗の政治ではなく、心の政治がこのアンソロジーに込められているように思う。
ラジオ番組で全米に公募して集めたショートショートをオースターが朗読するというシリーズのノベライズ。どの作品もオースターの作品と一脈が通じて面白い。もちろん、素人の作品なので、内容の運び方がどうこうというわけではないだろう。しかし、「ナショナル・ストーリー(国民の語り)」のタイトルに恥じず、アメリカの人びとの心性が映しだされていて、とても面白い。歴史の新しい移民国家だから、地霊や魂がないわけではなく、人びとはそれを感じてしまうのだということが伝わってくる。また、誰もが、そうした経験を語りうるのだということ、これまた、重要な事なのだ。
あとがきにも書かれているが、奇しくも2000.11の事件がこのプロジェクトに重なっていた。世俗の政治ではなく、心の政治がこのアンソロジーに込められているように思う。
![]() | ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈1〉 (新潮文庫) |
ポール・オースター(編) | |
新潮社 | |
![]() | ナショナル・ストーリー・プロジェクト〈2〉 (新潮文庫) |
ポール・オースター(編) | |
新潮社 |
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