今池「金城」に久しぶりに行った。今日は客が少なかったせいもあって主人がテーブルまで出てきてくれて、お勧めを教えてくれた。タンの根元にあたる「タンモト」とか、生の内臓の塩ミノとかスジなど。輸入物ではない味を教えてくれた。
今夜は、「金城」にしばらく行っていなかったので、行くということを聞きつけて若い同僚たちの飲み会に割り込んだ。お邪魔しました!
かぶらとこんにゃくの肉味噌(かぶらを四分の一に割り、皮をむきだしこぶで煮る。こんにゃくも一緒。ごま油でとりもも肉ミンチをいため、日本酒、八丁味噌、白味噌、醤油、赤唐辛子粉、キビ砂糖をいれ煮詰める)
とり手羽元の焼き鳥(塩コショウをしてグリルで焼く)
新たまねぎとわかめのサラダ(新たまねぎを荒く薄切り、わかめも食べやすい大きさに切る。鰹節をかける。作り置きのゆずポンをかける)
金時草と豆腐の味噌汁
スタニスラウ・アンジェイエフスキー、2004、『軍事組織と社会』、新曜社
アンジェイエフスキーは、ポーランドに生まれ、南アフリカのローズ大学で社会学の教鞭をとり本書をあらわしたが、その生涯は不明であるという。
私は本書の全貌を紹介する能力を持たないが、興味を持った点を指摘しておくことにする。まずは、本書が軍事に関する歴史的地理的に広範な社会の比較研究である点である。ギリシャ・ローマのヨーロッパ戦史を引くにとどまらず、ヨーロッパ以外の国々の戦史やさまざまな地域の民族例にいたるまで広範に資料を渉猟し、軍事組織の比較研究を試みたのである。そして、その上で類型化を試みる。
彼の注目したのは、軍事参与率(高いものをM、低いものをm)、社会への服従性(高いものをS、低いものをs)、社会の凝集性(高いものをC、低いものをc)である。その上で、6個の軍事組織の類型を得る。「一般徴兵型」(MSC)、「職業戦士型」(mSC)、「スパルタ型」(msC)、「騎士型」(msc)、「マサイ型」(MsC)、「タレンシ型」(Msc)である。もちろん、これらは純粋型であるので、特定社会では歴史的な変容や中間系が存在することになる。
本書が書かれたのは1950年、出版は1952年であったという。冷戦体制を背景にした著作ということになるが、軍事組織の類型を背景に社会を分類し、その政治・軍事の手法について分析を試みるという手法は、現在も決して古びてはいないとおもわれる。彼の研究の後に起きた産軍複合体の誕生、高度の技術的背景を持つ軍事、また、軍事のアウトソーシング(新たな傭兵制)などの要素を加えて、軍事組織に関する分析を精緻化するの必要があるではないだろうか。
本書の冒頭、著者は言う。「ひとがこの問題(軍事の問題=評者による補足)を等閑に付してきたのは、社会学者の心に潜在している理想主義の結果である。軍事組織は、主として裸の権力、言い換えれば暴力執行の権限の配分を通じて社会構造に影響を与える。今日学者の多くは平和主義者であり、むき出しの暴力は永遠に追放されたと考えがちである。・・・(中略)・・・さらに、疑いもなく最近まで人々を支配してきた進歩の観念には、人間性は次第に平和的になりつつあるという確信が含まれていた。したがって、幸いにして消滅しつつある野蛮な過去の遺物である組織的暴力などは、もはや問題にするに足らないと考えられてきたのであった。・・・(中略)・・・社会科学は人間の悪意を排除することはできないが、・・・(中略)・・・戦争という社会生活のおそらくは最も悲劇的な一側面を、客観的に、不愉快な事実であってもそれから目をそらすことなく、また何ら為にすることなく研究することによって、この怪物を押さえ込む手助けをすること」が社会学研究の目的などだという。
2006-02-26 22:25:10 |
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野口武彦、2006、『大江戸曲者列伝:幕末の巻』、新潮新書
「太平の巻」の続編とのことだが、そちらは読んでいない。
本書をよむ読者は、歴史がほんのちょっとしたすれ違いで動いていくこと、その中でうごめく一人ひとりの動きは時に今から見るとこっけいに見え、結果的には流れに乗れた(途中がどうであれ)者だけが、生き延びるということがよくわかるだろう。
幕末の大者小者の右往左往は今になってみれば、いろいろだろうが、苦笑いということになろうか。たとえば、吉田松陰が小船に乗って黒船にたどり着き、幕禁を押してアメリカに連れて行くよう頼むが、黒船の軍医は、疥癬が乗組員に感染するのを恐れて乗船を拒否(という別の説)。結果として、軟禁中の松下村塾において倒幕に関与する一味を養成することができたことなど、まさにその際たるものであろう。
本書に触れられる登場人物、たとえば、徳川慶喜や河井継之助の評価など、別の見方もあることを知るだろう。その意味でも本書がもう一つの幕末史と読めて、楽しめた。
2006-02-26 21:59:16 |
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きのこソースの自家製パスタ(デュラムセモリナ粉250g、全卵二個、オリーブオイル大匙1、塩小匙1をよく練って、一時間以上寝かしたあとパスタマシンでパスタを作った。舞茸とシメジをほぐし、オリーブオイル、ガーリック、赤唐辛子で炒め、パスタゆで汁を加え、醤油、みりん、胡椒で味を調える。生パスタのアルデンテはないのかもしれないが、4-5分もゆでればいいだろう)
トマトサラダ(トマトスライス。たまねぎの細みじん、オリーブオイル、バルサミコ酢、塩コショウ、ミックスハーブ)
真鯛のソテー(真鯛の切り身に塩コショウとミックスハーブ。ガーリックと赤唐辛子をオリーブオイルで香りだし。真鯛の皮身から焼く。とろ火でよい十分皮身がこげたところで返す。焼き白葱を添える)
先週18日の土曜日は、京都だったのだが、昼食後、四条河原町の交差点で信号待ちをしていたとき、怪しげなおじさん(ホームレスの様子だったが、短絡的反応でごめんなさい)が、キャメロン・ディアスだかマライヤ・キャリーだかの表紙の雑誌を売っていて、不審に思った。
そのままにしていたのだが、今日届いた雑誌「Link Club Newsletter」3月号(http://info.linkclub.or.jp/nl/index.html)(Link ClubというMacに関するユーザーズクラブ:http://info.linkclub.or.jp/index.html)にたまたま記事が載っていて、なぞが解けた。
これは、「ビッグイシュー」という雑誌で、ホームレスの生活支援・自立支援のための雑誌なのだそうだ。書店などでは売られておらず、街頭でホームレスだけが販売するという。買ってみればよかった。名古屋ではまだ見ておらず、販売員は、京阪神で60人、関東で50人、仙台で10人だそうだ。200円の定価で、販売員のおっちゃんの取り分が110円、90円が仕入れ価となるのだという。NPOのスタイルをとらず、有限会社であるという。
Link Club Newsletter3月号のこの記事のタイトルは「ホームレスの自立を支援するビッグイシューの挑戦」で、有限会社「ビッグイシュー日本」代表の佐野章二さんが取り上げられている。
ビッグイシュー日本版:http://www.bigissuejapan.com/
世界的なネットワークもあるようである。
INSP(International Network of Streetpapers):http://www.street-papers.org
2006-02-25 17:40:04 |
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中華風ピクルス(前夜のチーナ・ヒロのつきだしで出されたピクルスを再現してみた。まずは、紹興酒を火にかけてアルコールを飛ばす。米酢に花山椒、コリアンダー、白胡椒の粒をいれ、砂糖と塩を少々を加え、加熱してなじませ、しばらく置いて荒熱を取る。にんじん、セロリ、ピーマンを小さめの拍子木に切り、塩もみし、しんなりさせ、水分をしぼっておく。自家製の切り干し大根を水で戻し、よく絞り、包丁を入れてサイズを整えておく。用意のピクルス液とごま油とともに野菜ををあえてしばらく置いておいて食する)
菜の花の胡麻和え(菜の花を塩茹でする。水でさっとさらして水分を搾り取る。いりゴマをすり、和がらし、出汁しょうゆ、水を加える。これで菜の花をあえる)
一口カツ(ロース肉を好みの厚さに切る。塩コショウ、ミックスパウダーをかけ、しばらく置く。溶き卵を通し、生パン粉をつけて、からりと揚げる。ウスターソースで)
トマトスライス(トマトを薄切り。さらに広げる。ドレッシングとして、たまねぎのみじん切りを水にさらしたものに、オリーブオイル塩コショウ、ミックスハーブ、バルサミコ酢。このドレッシングを一口カツに載せて食べてもよし)(書き漏らし)
納豆
豆腐の味噌汁(八丁味噌と白身そのあわせ味噌)
「◆Museum Topics No.394-Weekly 2006/2/23」で知ったのだが、ヴィクトリア&アルバート美術館(V&A)で開催中の「Black British Style」という展覧会は、大変興味深い。移民への排斥運動や風刺漫画問題で揺れているヨーロッパで、たまたまであろうが、こうした展覧会が開催されていることは大変重要であろうと思われる。日本に置き換えてみれば、日本社会における中国や朝鮮半島の現在に生きる美術(ファッション)を展示するというところであろうか。あるいは逆に日本社会の現在を表す展覧会を世界的に巡回させると言ったことであろうか。こうして展示を通じて相互理解を深めていくことと同時に、現実を見る視点をも養成するということが重要なのであろう。博物館や美術館の役割は作品展示を含めて、そうしたことを人々に伝えることにあると思われる。
さて、「ミュージアム・トピックス」では、博物館教育の重要性について焦点が当てられたシンポジウムが2月4日に東京国立博物館で「国際シンポジウム 世界の現場から『今、博物館教育を問う:家族・学校・地域に向けての取組み』」という企画があると伝えていたのである。このシンポジウムで講演をした同館の教育部長のデヴィッド・アンダーソン氏が講演し、その関連でV&Aの「Black British Style」のリンクが張られていたものである。
それで、東京国立博物館のサイト(http://www.tnm.jp)をのぞきにいって、追加情報を探してみた。しかし、このサイトでは、現在開催中もしくはこれから開催される展示および企画のニュースが掲載されていて、過去に実施した情報については、見当たらない。博物館なんだから、ちゃんと情報を整理しておこうよ!展示品だけがセールスポイントではないと思うのだ。過去に行なわれた展示や企画の情報をインターネット・アーカイブとして公開することも重要な業務のひとつと思うが、いかがか。
例えば、V&Aでは、過去の展覧会に関する情報が示されているが、東京国立博物館では、どこかにあるかもしれないが、とりあえずは見当たらない。V&Aではトップページから「Exhibitions」->「Past Exhibitions」で2クリックで到着する。ニュースについては、過去にさかのぼることはできないようであるが、例えば、レクチャーシリーズについてはRSSフィード(一覧表の形で表示される)見ることができる。ここに到着するためには、トップページから「Activities & Events」->「Courses & Lectures」->「Conferences and Symposia」、このページに「RSS」のボタンが配置されている。V&Aのサイトには初めて来てみたのだが、別に難なくこうした情報にアクセスできるのである。
東京博物館のウェッブページの名誉のために追加しておくが、結構過去にさかのぼって細かな情報を取得することができる。例えば、トップページから「今日の博物館」にはいり、その中のカレンダーの日付けをクリックするとその日の情報を呼び出すことができる。しかし、非常に煩雑である。具体的に何日になにがあったかというのは、収集できればそれにこしたことはないが、もう少し、集約してもいいのだろう。先ほどのシンポジウムの日付は2月4日だが、そこには、残念ながら、シンポジウムが行なわれているとの情報はない。
インターネットミュージアムは重宝しているけれど、それは、ポータルサイトとしてのそれであって、やはり、コンテンツはそれぞれの館の問題であろう。ほとんどは(網羅的に見た訳ではないので、よくできているところもあるだろうが)、現在の企画・展示を掲載するウェッブページは整っているだろうが、展示情報のアーカーブはどうだろう。博物館美術館のウェッブページとしては、もっとアーカイブ・ページを充実させたらどうだろう。人がない技術がないと言うのは、あまりいい弁解ではないと思う。デジタルミュージアムということばが出て久しいと思うが、「くるくるぱっぱ」と動きのあるFlashを用いたそれよりも、もっと地道な文字と画像によるアーカイブこそが大事なのではないかと思う。あ、これは、別に博物館情報に限らない訳だけれど・・・。
ついでに、インターネットミュージアムでは「ミュージアム・トピックス」のバックナンバーを見ることができるのだが、実は、ここで取り上げている号(これは、メーリングリストで送られてきた)の二つ前の号がウェッブ版に記録されていて、掲載時間にギャップがある。なぜだろう。
ヴィクトリア&アルバート美術館:Black British Style:http://www.vam.ac.uk/vastatic/microsites/1341_black_british_style/index.php
インターネットミュージアム:http://www.museum.or.jp/
ミュージアム・トピックス:http://www.museum.or.jp/IM/html/im_topics.html
栄サンシャイン・チーナ・ヒロにて。
フルートトマトの冷製カッペリーニ、とり胸肉の青葱生姜ソース、フォアグラステーキ(フロフキ大根の上に載り、青葱がかけられている)、京白菜のヴァポーレ(白菜を蒸して、しょうゆベースのソースをかけて太白ごま油を加熱したものをかけた)、ベーコンそば(細麺のラーメンに塩胡椒したベーコン薄切りと白葱が載せられている)、レタスチャーハンXO醤風味、杏仁豆腐、マンゴープリン
この店には、今年1月6日に行っている。
Chescoの「超極薄ピザクラスト」を見つけたので(といって、どこのスーパーでも売っていそうだけれど、また、極薄のクラストが好みなので、ということで、Chescoについては、他意はない)、ピザソースを二種(トマトのみと、トマトとオリーブ)をハーフ&ハーフに塗り、ブリーチーズ、モッツァレーラチーズ、ペコリーノチーズ、たまねぎスライス、ピーマン薄切り、ルッコラをのせて、オーブンレンジの「ピザ」モードで約10分。自家製のチリソース(赤唐辛子をジンにつけたもの)をかけてたべた。
ほかに、冷蔵庫取り置きのごぼうのマリネ。プロシュートなど。
コウ、ドロシー、2005、『纏足の靴:小さな足の文化史』、平凡社
纏足にかんする現代の既成概念は、中国における女性抑圧の象徴としてのそれであろう。足を変形するほどに縛り付け、小さな靴に押し込める。そして、纏足が性的な意味を持ち、女性を男性に対する従属的な立場におとしめるというヨーロッパ近代主義や中国共産党による排除の歴史は、纏足に対し一面的な見方をしいてきたのであろう。しかし、本書ではそういった直裁的な見方を覆してくれる。
纏足の習慣は少なくとも12世紀南宋の時代にまでさかのぼり、漢族の居住地でも特定地域にそれぞれ特徴ある形態をもつ纏足が存在したという。清王朝は女真族による帝国であったので漢族による纏足の習慣を排斥しようとしたが、そのことは、かえって上流階級女性の纏足の習慣を上層庶民にも広げることになったという。
本書において美しい刺繍にあふれた纏足の数々が地域や時代の違いが分かりやすく整理されて、それらの写真とともに掲載されているので、一目で纏足が中国女性にとってのあこがれであり、美的関心の対象であったことがわかる。本書は纏足に焦点を当てているのだが、男性に従属的な儒教社会における女性による女性同士の紐帯が文芸を通しての交流や手仕事としての纏足の靴作りなどを育んできた歴史を読み取ることができる。
グローバリズムが女性を纏足の習慣から解放するとともに、同時に手仕事で作られる繊細な刺繍や社会におけるシンボリズムあるいは民族的な美意識を追放してしまったということも知ることができる。本書で触れられる挿話としての中国のシンデレラ「葉限」の物語や「馬頭娘」の物語もとてもよい。現代のグローバリズム以前の人間文化の共通項とそのバリエーションが語られており、本書の視点が持つ広がりを強く示唆しているものと思われる。
また、纏足を非難した側の西洋社会では、先の尖ったパンプスによって外反母趾を生みだす固い革製の靴文化をもっており、シンボルとしての足の変形に基づく女性の抑圧が「普遍的」であることに気づかされるのである。
2006-02-22 13:52:38 |
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冷蔵庫に残した、前々日の残り物を・・・。
新ごぼうのマリネ(辛味が足りなかったので、赤唐辛子のジン付けとオリーブを振りかけて)
イカ墨パスタとイカのトマトソースと茹で野菜(イカ墨パスタに再加熱のトマトソースをそえた)
残り物だったけれど、悪くはなかった。