South Is. Alps
South Is. Alps
Coromandel
Coromandel, NZ
Square Kauri
Square Kauri, NZ
Lake Griffin
Lake Griffin


池下・浅野屋

若い友人二人と池下・浅野屋で会食。夕方会議があったので、遅くなったが、7時過ぎから、9時半頃まで、話が尽きなかった。
それぞれのメインは、おろしトンカツ、ミンチボール×2、鯛のフリッター。それ以外に、チーズとナッツのサラダ、トマトサラダ、小アジのマリネ。
ニュージーランド産ワインのKUSUDAというニュージーランドのワインを飲んだ。日本人のオーナーのワイナリーの産とか。
http://www.kusudawines.com/japanese/index.htm

2005-09-30 22:58:31 | 夕食・パーティなど | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


若い友人の事務所開き

若い友人の事務所開きが大須観音近くであったので出かけてきた。地下鉄大須観音の駅近くで、なかなかよさそうな事務所。友人夫妻や彼の友人や連携業者の方などがあつまり、19時ごろに始まり、22時ごろまで事務所でもりあがり、そのあと、別の韓国居酒屋の店で12時近くまで。彼の事務所開きをお祝いした。エイの刺身というのを食べた。からし味噌で食べるのだが、こりこりとして、好きな食感、好きな味。発酵させたものではなく、生のもの。アンモニア臭も何もない。
名古屋の常で、10時過ぎに商店街を通ると、ごく少数の飲食店をのぞき、真っ暗で、人通りもない。もう少し夜遅くまで、お店があって人通りがあってもいいのではないかと思う。地下鉄の終電は、付近の上前津駅で12時10分ごろ。後30分ずれてもいいのではないかと思う。まあ、名古屋の文化であるといえばそれまでなのだが。

2005-09-29 23:59:15 | 夕食・パーティなど | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


アジの塩焼き

アジの塩焼き
オクラの胡麻よごし(今日使ったオクラは、沖縄産とかであったが、何となく、普段使いのものと違うようであるので、ネットで見てみると、丸オクラというのもあるそうだ。加えて、表面のイガイガが少なかったし、色も薄緑、長さも長いような気がする。たとえば、次のURLのオクラを見ると、今日のそれとよく似ているhttp://cooking.goyah.net/ct/64/
山芋短冊とめかぶの酢の物(既製品とあえたもの)
胡麻豆腐と枝豆豆腐(既製品)

2005-09-28 21:26:10 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


チキンのトマト煮込み

チキンのトマトシチュー(ニンニク、赤唐辛子をオリーブオイルでいためる。チキン手羽元に焦げ目をつける。玉葱、セロリ、ニンジンを好みのサイズに切って入れ、炒める。トマトホール缶を入れ、半量の赤ワインを加える。ローリエ、クミン、ローズマリー、ディル、胡椒、塩を入れ味を調える。十分煮込んだ後、仕上げ近くに、皮を剥いた茄子、ズッキーニ、マッシュルームを入れる)
ロケットサラダ+パルメジャーノ

2005-09-27 20:42:27 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


ヨーグルトサラダ(三種)

ヨーグルトサラダ(三種)(茄子とズッキーニは、好みのサイズに切って塩水で湯がいたあと水にとって、水分を絞っておく。キュウリは千切りにして塩をふり水気を出して絞っておく。いずれも、プレーンヨーグルトと塩胡椒、ガラムマサラであじをつける)
挽肉のカレー(玉葱・ニンニクをみじんにして、オリーブオイルで炒める。合挽ミンチを入れて、火をとおす。赤ワインを入れ、カレー粉、ジンジャーパウダー、ナツメグ、オールスパイス、チリパウダ、ガラムマサラ、塩胡椒などで味を調える)
ヨーグルトサラダは、調味料などは全く同じだが、素材の違いで味や食感が違うもの。他にも、ニンジンやもやしでもいいと思う。極端な話、インドのナムルを作ると思えば、いいのか。

2005-09-26 22:13:29 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『チャングム』(宮廷篇、追放篇、医女篇)

キム・サンホン、2004、『チャングム1 宮廷篇』、ハヤカワ文庫
キム・サンホン、2005、『チャングム2 追放篇』、ハヤカワ文庫
キム・サンホン、2005、『チャングム3 医女篇』、ハヤカワ文庫

NHK-BS2で放映中の「チャングムの誓い」の原作にあたるもの。原作と、テレビドラマとは主人公やラフストーリーは共通であるが、別物と考えてもよかろう。たとえば、テレビ原作は「大長今(大チャングム)」となっているのだが、原作をみると「大」は姓のようである。登場人物の名前やバイキャラクタの性格付も異なっている。
また、テレビは日本ドラマの大奥のように宮廷における女性の権力争いが中心に描かれるが、原作の方は、力点は、李氏朝鮮王朝の王宮政治や宦官、身分制度、女性の位置づけに置かれている。もちろん、医食同源の食事や医薬に関する詳細な記述が、テレビドラマと原作に共通する部分である。
韓国の歴史について知るところが少なかったので、テレビドラマの方も原作もとても興味深い。両岸両国の交流がさらに深まり、歴史意識についても相互にもっと知り合うことができればよいのだが。

NHKのもくろみは、韓流ブームの継続で、冬ソナであてたこのゴールデンアワーを韓国ドラマでおしている。テレビドラマのポイントは、チャングムが苦難に耐えて大医女として成長するだけではなく、スピリチュアル・ラブ路線が当然含まれている。

韓国ではチャングム・ブームが起こっているそうで、それに伴い、撮影場所がテーマパーク化されているそうである。
http://www.imbc.com/entertain/mbcticket/mbcplay/2004/daejanggumtheme_jp/
http://www.seoulnavi.com/miru/miru.php?id=374

<9月26日:追加>
原作と書いたが、それが正しいのかどうか、チェックしていない。「大長今」は文書では実在の人物のようであるが情報が少なく、本書もともにフィクション部分を加えて創作しているようである。先に書いたように、視点が違っていてそれぞれ楽しめればよいかと。

チャングム1 宮廷篇

早川書房

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チャングム2 追放篇

早川書房

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チャングム3 医女篇

早川書房

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2005-09-25 20:12:43 | 読書 | コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )


魚介類のパエリア

魚介類のパエリア(サフランを水につけておく。ニンニクとセロリを細かく切っておく。玉葱、茄子、赤ピーマンを好みに切っておく。殻付き蝦はカラに背中から包丁を入れておく。げそは、一口大に切っておく。フライパンにオリーブオイルを入れて、ニンニクとセロリを唐辛子とともに炒める。玉葱、茄子、赤ピーマンを入れ、炒める。米二カップ<25センチのフライパンの場合>を入れ、野菜に絡ませる。蝦とげそを入れてかき混ぜる。塩をひとつかみいれ、サフランを水でもどしたもの、水<米と同量>を加える。よく混ぜ合わせ、蓋をする。一煮立ちしたところで、トマトざく切りを上にのせる。蓋をする。水がとんできたところで、アサリ殻付きを上にのせ、蓋をする。あとは、フライパンに焦げ付くところまで強火で)今夜のミスは、胡椒を入れ忘れたこと。途中、火をゆるめたので、リゾットのような食感になった。強火で、フライパンを焦げ付かせるぐらいの強気で焼けばよかった。
ミックスベジのサラダ(スーパーで売っていたミックスベジを使ったけれど、今ひとつだった)

2005-09-25 20:09:49 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


映画『地球最後の男(the Last Man on Planet Earth)』

映画『地球最後の男(the Last Man on Planet Earth)』

友人から借りたビデオ。とはいえ、B級映画としてもあまり面白くなかった。
筋としては、以下のようなものである。
第三次世界大戦のさなか、Y遺伝子に感染する生物兵器が開発され、地球上の男性はほとんど全滅。女性だけの社会が生まれた。生殖はクローン技術によってなされている。しかし、カップル社会は継続する。バイオテックの大学院生(彼女はヘテロ)がクローン技術を利用して男性を作り出す。特別に開発された技術を使って、一ヶ月で成人に仕立て上げる。
この男の子に社会的背景(つまりは、第三次世界大戦後、女性だけの世界になっていること)を説明しなかったので、町を見に出かけて大騒ぎになってしまう。
最後のシーンは、ターミネーターのような・・・。ま、言うまい。

ちなみに、同名(邦題で)の映画としてカルト映画として知られるものがあるそうで、そっちの方が面白そう。ただ、邦題の「地球最後の男」というのは、ほかにもいろいろあるようで、どうも、ジャンクタイトルのきらいがあるようである。原題そのままのカタカナタイトルというのもどうかと思うが・・・。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~madison/worst/vamp/lastman.html
http://homepage3.nifty.com/housei/TheLastManOnEarth.htm


地球最後の男【字幕版】

CICビクター・ビデオ

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作品データは、以下のURL。
http://www.generalworks.com/databank/movie/title3/lmope.html

2005-09-25 10:32:49 | 映画/TV/DVD | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


ナムル二種

水キムチ(9月24日付日経新聞土曜版にでていたものを参考にした。大根200g、キュウリ1本を5センチの長さに切り、5ミリ角を目安に切っておき、大さじ一杯の塩でもんでおく。なし半分を銀杏切りに3-4ミリほどの厚さに切っておく。生姜一かけは千切りに、ニンニク一かけは薄切りに。赤唐辛子は好みで縦半分に切り種を取り除いておく。これらを、カップ二杯の水と大さじ一杯の日本史に入れしばらく例倉庫に入れておく)
ナムル二種(ほうれん草と根切りもやし、別々に、塩ゆでし、水にとってさましよく水を絞り、好みのサイズに切っておく。コチジャン、ごま油小さじ一杯ずつと塩胡椒好みの量に野菜を入れ、しっかり揉み込む。水がでたら、捨てるとよい。ほうれん草、もやしそれぞれ別に盛る)
焼肉(ヤンニン醤とごま油、塩胡椒に玉葱薄切りを入れよくあえる。生姜焼き用豚ロース肉を適当な大きさに切って、たれに加えてよくもんでおく。フライパンでよく火をとおす)

2005-09-24 20:12:37 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


キンキの塩焼き

キンキの塩焼き
金時草のみそ汁
とろろととんぶり
京漬け物
がんもどきの煮物

2005-09-23 23:05:51 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


池下・浅野屋

いつもの浅野屋。
メインにトンカツとエビフライ、前菜にトマトサラダと小アジのマリネ。今夜はデザートまでのフルセットで。

2005-09-22 21:28:26 | 夕食・外食 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


『サバがトロより高くなる日:危機に立つ世界の漁業資源』

井田徹治、2005、『サバがトロより高くなる日:危機に立つ世界の漁業資源』、講談社現代新書

先日、オーストラリアでさばいたRed Snapper、最初の思いこみでは、鯛だったのだが、それは、鯛は日本にしかないから、その代わりになるものということだった。そこでの誤りのひとつは、翻訳の問題と思ったことだ。恥ずかしながら、誤りもいいところで、和名はあくまでも日本の環境に生息する魚種(だけではなく、あらゆる生物種は、同じなのだが)を表しているのであって、名前を当てるというのは、明らかに誤解なのだ。
だから、和名や英語名はあてにならない。だから、生物種名に頼るしかないということである。ところが、我々は通常、名前に頼っていて、漢字やひらがなで書かれたものと、なじみのないカタカナで書かれたものとは違うことは、理解できるらしい。だからといって、たとえば、銀ムツがムツの仲間(あるいは同一種、あるいは、同一属)であるかどうかは判別することは困難である。
ここに、コマーシャリズムの介入を許すことになる。紛らわしい名前にたいして、知っている名前が含まれていると、判断停止になる。それだけではなく、何かの形容詞がつけられていることはむしろ良心的で(わからなければ、消費者が判断できなかった)あって、エビにしても、マグロにしても、タコにしても、イカにしても我々が口にしているのは、日本近海でとられたものではなく、世界各地から、それに類したものが、日本の魚名を冠して市場に並ぶ。魚介類に関する日本市場は巨大で(日本は世界一の魚食民であるが)、世界中の魚介類は日本の市場に向けて出荷されるのである。
さて、本書が指摘するのは、魚食民たる日本人の魚食生活がはたしてこれでいいのかという一大問題を指摘するのである。それだけではなく、漁業が農業と違い、人類の伝統的生業形態である狩猟採集にもっとも近く、もちろん、最近では、養殖の位置づけが拡大しているが、陸上における狩猟採集とは格段に違って、自然のあるいは生態系の様態に依存しているのが漁業なのである。実は、それが大問題なのだ。
地球上の海洋面積は陸上よりもはるかに大きく、農牧業適地は限られているにもかかわらず海洋資源は、相対的にはるかに豊かである。地球人口がますます増加する中で地球上の食糧資源よりも海洋の食糧資源への依存率を上げる事は、かなり、食糧問題としても、焦眉の急であるとおもわれる。しかし、そう簡単ではないのである。海洋資源にかんする生態系理解は未だに乏しく、同時に漁獲統計も貧困である。容易に単一資源を枯渇させてしまうのである。しかも、単一資源の枯渇は、同時に生態系全体への影響を及ぼす可能性を全く否定できない。
人類は地球上の資源を枯渇させる(とくには、根元的な水資源を枯渇させるという意味で)のは時間の問題で、そうなるとは食糧供給が危ぶまれ、当然の事ながら海洋資源への依存度が上がることは必至である。
魚食民たる我々は、今のところ、無意識のうちに世界の海洋資源をむさぼっているのだが(現実には、様々な問題を引き起こしていることを知るべきである)、無知のままでいいのだろうか。回転寿司が安いからといってマグロだトロだと言っているが、それでいいのだろうか。我々は、日々何を食べているのかをもっと知るべきなのである。ダイエットのためにではなく、我々のすぐ近未来の世界の食生活のために。
本書は、その意味で、重大な警鐘を投げかけていると思う。是非、一読を。

サバがトロより高くなる日 危機に立つ世界の漁業資源

講談社

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2005-09-21 22:40:05 | 読書 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


湯豆腐

ウェッブを見ると、たいがいは料理店のメニューだが、たぶん、湯豆腐の名前で作られるものは、地方によって違うのではないかと思う。名古屋に赴任した頃、湯豆腐だかなんだかよくわからなくなったことがある。さすがに、鶏や魚が入るわけではないのだが、豆腐以外の野菜が特徴があった。皆さんのおうちでは、あるいは、自分のイメージする湯豆腐は何だろうか。

というわけで、今夜の湯豆腐は。
まずは、昆布だし。具は、豆腐、春菊、白ネギ、椎茸。ポン酢(といって、今夜はスダチがあったので、スダチを搾って濃口醤油と七味にダシを少々)。
さらには、枝豆とがんもどきの煮物。

2005-09-21 22:13:36 | 夕食・自宅 | コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )


八事日赤・トラットリア・ファヴォリータ

八事日赤の駅近くで夕方会合があり、そこででたのが幕の内弁当。ありがたくちょうだいして。9時近くになってこれでは我慢できず、ビールを飲みに行こうと、同僚とともに「シンシア山手」に行く。寂れた感じだが、なんとかみつけたのが「トラットリア・ファヴォリータ」。腹は一杯だったので、チーズ盛り合わせと生ハムとトマトのアンチョビクリームソースというのとをって、ビールとワイン。それが決して悪くなかった。場所的にそれほどくるとは思えないが、メモしておこう。

2005-09-20 23:09:08 | 夕食・パーティなど | コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )


『マクロ経営学から見た太平洋戦争』

森本忠夫、2005、『マクロ経営学から見た太平洋戦争』、PHP新書

この本を読んでいると吐き気がしてくる。なんと言う無能無策が、日本のみならず他国の多数の命を奪うことになったか。無謀きわまりない戦争企図、さらに、そのことに対する無反省無批判。われわれは、どういうプロセスが生起したかその事実を知るべきである。
遅れてきた近代国家日本が明治維新後わずか70年で破綻したそのプロセスは、貧困な自己イメージと他者に対する正確な情報収集とその分析の欠如、そうした欠陥を糊塗する精神主義への根拠なき飛躍と三点にまとめることにできよう。太平洋戦争の敗因分析にとどまらないところがこの国の構造的な欠陥と思えてくることがさらに悲しい。
覚醒剤常習者の国会議員を擁した政党や選挙区、後援会の責任だけではなく、こうした人物がそもそも国会議員になるというそのこと自体が、この国の欠陥であるとおもえるが、それはそれとして。
昨日のブログで書いたように、昨日JR線に乗って日帰りの小旅行をしたのだが、四日市駅での長い乗り継ぎ時間に本書を読みながら、目の前に停車する貨車を見ていたら、JRや郵便事業の民営化プロセスが本書とも関連することに気がついた。
まず、旧国鉄は、軍事ロジスティクスそのものである。東海道線が沿岸を走るのでそのバックアップとして中央線が建設されたり、港湾や大規模工場にはすべて引き込み線がある。明治以降、鉄道建設が急ピッチで行われたのは、何も人民の交通事情を改善しようと言うものではなく、明確に軍事目的であったはずである。よくも悪くも、ひとつの方向性を持った国家目標に基づき建設が行われたはずである。しかし、政治家たちがやったことは我田引水。選挙区に鉄道を敷設し、さもなければ新駅を建設する。政治家が明確な意志を持って、軍事的ロジスティクスよりも人民の福祉を優先させよと声高に叫んだ形跡もなく、ようするに公費を持って自己利益を追求したということである。
旧国鉄はたち行かなくなり、民営化され分割化された。その結果として何が起こったのかというと、経営指標の低い赤字路線は廃止、人件費削減のための無人化、経営効率の追求。その結果様々な事故が起きているのではなかったか。
私は、民営化自体に反対という訳ではない。経営効率化も大切であろう。国費が投じられることについて、偏りがあってはならないとも思う。しかし、問題は、その経緯である。少数者の切り捨て、弱者の切り捨てになっては、社会的キャピタルは結果的にはマイナスになるのではないか。
本書の中でしばしば「トレード・オフ」という言葉がでてくる。例えば、鉄鉱石を購入して様々な製品を製造しインフラ建設にあてようとする。ところが、その製品を国防のために使用しようとするととたんに、インフラ建設が進まなくなる。徴用と称して船舶を軍需輸送に使用すると人民の生活資源の輸送が立ち行かなくなる。徴兵を強化すれば、軍需工場での労働者の質的低下が起こる。以上の結果、生産規模が拡大する訳ではなく、結局のところ、元も子もなくなるはめになってしまうのである。仮想敵たる米国はそうではない、軍需産業への国家経済の投資は国民経済の向上に直結するのである。根本的な豊かさが異なっていると言える。
民営化の論理の奇妙なところは、この辺りのトレード・オフがどのようにバランスが取られているのか、全く見えない点である。郵政民営化についても、定額貯金制度が太平洋戦争中の戦費調達のためのシステムであって、それが、未だに巨額なキャッシュフローを生んでいることが、ほとんど冗談にも思えるが、それは置くとしても、民営化プロセスがどのような結果を生むのかしっかりとした検討がなされているのであろうか。
自己認識と客観分析の甘さ、それを小泉スローガンという以前とは内容はことなるとしても、精神主義のかけ声に動かされてしまう、我が国は、やはり宿痾の病からいやされていないように思える。

本書は、1985年に出版された『魔性の歴史』の復刻版であり、太平洋戦後60年の今年数多く出版された関連企画のひとつであろう。しかし、それを超えて、もっと長く読まれるべき書籍であろう。高校生には難しいかもしれないが、しかし、これはしっかりと読みこなすべき内容を持っている。本書の内容が理解できるような高校生が数多く生まれるならば、この国の未来も少しは光が射すと思うのだが。

マクロ経営学から見た太平洋戦争

PHP研究所

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2005-09-20 09:34:04 | 読書 | コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )


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