一年ほど前、ひっかり観音での伐採中に故障したチェーンソーを一年ぶりに修理しました。故障原因のCDIは入手済でしたが、代わりに購入していたチェーンソーが意外にもよく動くので、そのままにしていました。今回、時間が空いたため修理しました。修理すると言っても、CDIを交換するだけなのですが。
修理したチェーンソー CDIがある蓋部を外す 故障したCDIが見える
農機具は車と違って雨が降るような野外で乱暴に扱うことがあります。このため、CDIやキャブレターがよく故障します。これまで私が直した農機具のうち、CDIが故障したものは耕耘機TMA31,耕耘機TMA25,バインダー(稲刈機)です。発動機のようにCDIではない火花発火装置ではポイント間隔などを微妙に修理することで直すことができました。ところが、CDIが出回り始めると修理ではなく交換になってしまいました。私が20代の頃に乗っていたバイクCB50はポイント式でした。エンジンを分解しては修理していた頃が、今では懐かしく思い出されます。
故障したCDIと、交換する新しいCDI
故障したCDIのアース線などの電線を外し、エンジンに固定しているネジを外しました。そして、故障CDIを取り外しました。なお、プラグ類は古いものをそのまま使うため、これも外しました。入れ違いに、交換するCDIを取り付けます。
故障したCDIを外す 交換するCDIを取り付け ネジでエンジンに固定
標準的なガソリンエンジンは、永久磁石を使って火花を作り出しています。このエンジンもそうです。強力な磁石のため、緩くネジを締めると、磁石がCDIの鉄片にくっついてしまいました。0.2mm程度の隙間が空くようにCDIを固定します。なお、隙間が空きすぎると火花が弱くなりエンジンがかかりにくい症状が出ます。
磁石とCDIの鉄片の隙間が0.2mm程度になるようにCDIを固定
CDIを取り付け終わると、電線を元のように取り付けます。今回一番の難点はプラグです。交換したCDIにプラグを取り付けることがなかなかできませんでした。プラグのゴムが硬化していたためです。それでも、ベンチなどを使ってなんとかプラグを取り付けました。続いて、プラグから火花が出る事を確認しました。
最後に、混合ガソリンを入れて始動ロープを引きました。すると、何度か引いているうちにエンジンが元気よくかかりました。これで修理完了です。新たに購入したものと合わせて、2台のチェーンソーがあることになります。1台が故障しても代わりのチェーンソーがあるため、慌てなくてもよくなりました。
交換したCDIにプラグを取り付け プラグから火花が出る事を確認
去年の6月に呉麓山麓のひかり観音に鏡を取り付ける時、近くに茂る樹木を伐採しました。その時、私が持参したチェーンソーが故障してしまいました。原因は点火プラグに火花が飛ばないことでした。どうも火花を発生させるCDIの故障のようです。その後、安価なチェーンソーを1台購入しましたが、故障したチェーンソーを捨てるのが惜しくなりました。このため、故障を修理することにしました。
CDIが故障したチェーンソー 始動ロープカバーを取り外す
耕耘機のCDI交換作業は何度も経験しましたが、チェーンソーのCDI交換は初めてです。まず、チェーンソーを分解してCDIを交換することにしました。そのため、交換用CDIをDIY店で注文しました。数千円すると思います。「最近モデルチェンジしたチェーンソーなので交換用CDIは容易に手に入るでしょう。」とのことでした。愛用していたチェーンソーは蘇るでしょうか。
下画像のCDI装置をDIY店に注文
これまで、小麦などの製粉は石臼や手回し式の製粉機を使っていました。石臼や手回し式製粉機は、イベントなどで子供達にもよく使わせていました。イベントならば面白くて良いのですが、日常的に必要量の小麦粉を得ようとすると腕や手がとても疲れます。食べる量の粉をすぐに挽こうとすると、効率良く製粉できないのです。このような道具を使って毎日製粉していたのかと思うと、昔の人には頭が下がります。
かつて使っていた石臼 よく使った手回し式製粉機
田布施町周辺に製粉所がないかどうか調べましたが無いようでした。そもそも、精米機も含めて製粉機を他者に使わせることを嫌うことが分かりました。その理由は、別の種類の粉が混じるからです。そのたびに製粉機を分解して粉を取り除かなければなりません。また、ある程度以上(20kg以上)の量がないとダメなことも分かりました。私が作っている小麦はパン用です。うどん用やまんじゅう用の製粉、あるいは米粉を作っている方の気持ちからすれば使って欲しくない理由がよく分かります。そこで、4ヶ月分のお給料を溜めて購入しました。決して安くはありませんでした(10万円未満)。
届いた、モーター駆動の製粉機
手回し式の製粉機は、軽いので片手で持ち運びできます。しかし、このモーター駆動の製粉機はとても重く、両手でやっと持つことができます。箱の中を見ると、味噌作り用と餅つき用の部品が付属品として入っていました。今のところ製粉しか使う予定がないため、製粉用の部品を取り付けることにしました。手回し式を大きくしたような臼部品でした。
製粉用臼(メス型)を取り付け
市場に出ているモーター駆動製粉機のほとんどは、蓋に粉の荒さを調整するネジがあります。今回購入したものは、いったん蓋を外さないとそのネジが出てきません。少しばかり面倒のようですが、手回し式の苦労に比べたらたいしたことはありません。近いうちに、今年収穫した小麦を製粉してみようと思います。三回程度通せば粉になると思います。プロ用の製粉機ではないため微粉にはならないと思います。なんとかパンやうどんを作ることができる程度で良いと思っています。
製粉用臼(オス型)を取り付け 小麦の流入調節部を取り付け
ところで昔、山梨県の山間地域に住む古老に石臼の目砥ぎ方法を習ったことがあります。そして、古い鍛冶屋さんに一つだけ残っていた石臼の目砥ぎ専用の金具を購入しました。石臼を使っていると、だんだん製粉の効率が悪くなります。このため時々、目砥き屋さんに調整してもらいます。今時、石臼の目を調整できる人は皆無だと思います。そもそも石臼に目砥ぎ調整が必要であることすら知らない世代ばかりになってしまいました。そこで私は、石臼の隙間調整方法や目砥ぎ方法などを資料にして残そうかとも思っています。
左側のカバー下に、製粉された小麦が落下
畑を耕耘しようと、いつものように耕運機を動かすために始動ローブを引っ張りました。すると、スポンと始動ロープが紐ごと抜けてしまいました。やれやれ、2年ぶりに耕耘機の始動装置を修理しなければなりません。2年前の修理時に交換したロープがやや細かったようです。
切れてしまった始動ロープ 始動装置を取り外す
切れたロープを交換するため、耕運機の始動装置を取り外しました。4か所のネジを取ると、その装置を外すことができます。最初、切れたロープを外しました。そして、新しいロープの端を取り付けます。そして、バネの力で自然に巻き取られるように、ロープをプーリーに巻き付けました。
始動装置を裏返し、切れたローブを外す 新しいロープを巻き込む
バネの力でロープを巻き込むようにすると、手で引っ張るレバーをロープの片端に取り付けます。あとは、始動装置を耕運機に取り付けるだけです。慣れないと難しい作業ですが、何年も経験すると簡単です。始動装置を取り付け終わると、エンジンをかけてみました。一発でエンジンがかかりました。直した耕耘機を使って、ポピーやビオラなどの花の種をまく畝を耕しました。
バネの力でロープが巻き込まれるようにロープを取り付け
エンジンが動くことを確認すると、これまで外した各種カバーや部品を取り付けました。ラジオのような細かな部品は詳細図を残すのですが、耕運機はだいたい部品の位置や構造を知っています。このため、すらすら元に戻すことができます。たまに、ネジを間違えることがありますが、今回は間違えることがありませんでした。
燃料フィルターの取り付け 燃料フィルターカバーの取り付け
ラジオの修理でも同じなのですが、耕運機でもその日のうちに修理を切り上げる時は、元のように組み上げておきます。バラしたままにしておきません。その理由は、一日空けると部品などの位置を忘れてしまうことがあるためです。どうしても、バラしたままにして置かざるを得ない場合は、図面に残こしておくか写真を撮影しておきます。また、その様子をブログに記録しておくと次の修理に役立ちます。
冷却ファンカバーを取り付け終わり、これから上部カバー取り付け
そもそもこのブログの始まりは、農作業もろもろの日誌化や記録が目的でした。農作業をに関わる記録をしておくと、次年の参考になります。今回の記録も、次回同じような故障が発生した時の参考になるはずです。実際この耕運機のCDI故障修理は、去年のCDI故障修理の記録がずいぶん参考になりました。
上部カバーの取り付け 最後に前部カバー取り付け
上部カバー、前部カバーを取り付けて、この耕運機の修理が終わりました。すぐに使いたいところです。しかし、梅雨のため雨続きです。天候が回復したらすぐにでも使おうと思います。
ところで、この耕運機のロータリー刃がだいぶ摩耗してきました。刃は1.5cm位しかありません。もう一年使えるとどうかです。山口クボタ田布施支店の方に聞いた話ですが、一本の刃は1,500円位だそうです。そして、刃の交換賃が3,000円位だそうです。刃は全部で16本ありますので、トータルで30,000円位になります。来年、自分で刃を交換するか頼むか考えなければなりません。
無事修理(CDIの交換)が終わった耕運機、〇は故障したCDI
故障したCDIのアース線などを外して、CDI本体を耕運機から取り外しました。そして、耕運機に貼られた銘板の型名や番号を控えて、耕耘機などの部品をいつも購入する山口クボタ田布施支店に行きました。そして、CDIを注文しました。ところが、しばらくして山口クボタ田布施支店から電話がありました。この耕運機は製造した年式などによって、CDIの型が違うとのこと。このため、今度はCDIそのものを携えて山口クボタ田布施支店に行きました。そして、改めて注文し直しました。
CDIからアース線などを取り外す 故障CDIに書かれた情報
数日後山口クボタ田布施支店から電話があり、注文したCDIが届いたとのこと。高いだろうと思っていましたが、そのとおり14,000円でした。しかし、新しい耕運機を購入することを考えればこの出費はいたしかたありません。
山口クボタ田布施支店のお話では、この耕耘機はとても古いため在庫品CDIでおしまいとのことでした。つまり、在庫品が無くなった時点でCDIを取り寄せることができなくなります。20年後頃に再びCDIが故障することに備えて、もう1つCDIを購入しようか迷っています。
耕耘機から取り出した故障CDI 注文した後、届いたCDI
例えば、CDIが故障している古い稲刈機が一台あるのですが、CDIの在庫がありませんでした。つまり、修理できず鉄くずになってしまいました。耕運機などを何度か修理した私の経験から、CDIとニードルバルブの故障は致命的です。私が知っている農家のある方は、耕耘機を新たに購入する時、必ず一緒にCDIを購入していました。7年前に耕運機をいただいた時、そのCDIも一緒にもらいました。農機具を末永く使うためには、これくらいの備えがあった方が良いのです。
故障CDIからプラグキャップ類を外す 新しいCDIに電極を取り付け
故障CDIに付いていたプラグキャップと電極を外して、新しいCDIに付け替えました。そして、新しいCDIを耕耘機に取り付けてアース線などを繋ぎました。
そして、ガソリンを入れて始動ロープを引っ張ると、うれしいことにエンジンが動きました。CDIの交換は成功でした。エンジンがかかることを確認すると、いったんエンジンを止めました。そして、これまで外したカバー類をすべて元のように取り付けることにしました。どのネジをどの穴に入れるなどは、頭の中に覚えておきました。その覚えた順に取り付けました。
新しいCDIを、耕運機を取り付け
父親が使っていた耕運機が突然壊れてしまいました。耕耘している時に、パタリとエンジンが止まってしまったのです。エンジン始動時に動かないことは少なくありませんでが、耕運機を動かしている時に止まるのはそう多くありません。動いている時に止まる現象は、去年小麦を刈り取り中の稲刈機故障と同じです。またかと思いながら、耕運機のプラグを抜いて確かめると、やはり火花が飛びません。つまり、CDIの故障です。
パタリと止まった耕運機 プラグを抜いて火花確認
この故障を直すには、CDIを交換するしかありません。そこで、日が照る中で耕運機を分解することにしました。以前CDIを交換した耕耘機は小型でしたので分解は比較的簡単でした。しかし、この耕運機はCDIを露出するにはいろいろな部品を外さなければならず分解が大変でした。
最初に耕耘機の上部カバーを取り外しました。この耕運機は、今から28年前の昭和61年に父親が購入したものです。その後一度も手入れしてこなかったため、ネジが固く締まっていました。普通の手回しドライバーで回りませんでした。そのため、インパクトドライバーを使ってネジを緩めました。
インパクトドライバーを使って取り付けネジを緩めた上部カバー
続いて、耕耘機の前部カバーを取り外し、燃料コックを守るカバーを取り外しました。そして、燃料コックも取り外しました。燃料コック付近は込み入っているため、手や指が入らず困りました。それでもなんとか燃料コックを固定しているネジを外しました。
燃料コックを守るカバーの取り外し 燃料コックを止めるネジを外す
さらに、風をフィンに送る冷却ファンカバーを取り外しました。このカバーを取り外して初めて、CDIを露出させることができます。上部カバー固定板を外して、冷却カバーを直接止めているネジを数個取り外しました。それぞれ細かな取り外し作業で、しかも炎天下の作業なので、さらに中腰の姿勢での作業です。何度か休憩を取りながら作業を続けました。
上部カバー固定板の取り外し 冷却ファンカバー固定ネジを取り外し
最後に冷却ファンカバーを取り外すと、CDIがやっと見えてきました。これで、この壊れたCDIを取り外すことができます。このCDIに到達するまでに、上部カバー、燃料コック保護カバー、冷却ファンカバーなどの部品を次々に取り外しました。外したネジ類は20個位はあったでしょうか。指の先がだいぶ汚れました。次に故障したCDIを取り外して、新しいCDIと交換しなければなりません。
冷却ファンカバーを外すと、故障したCDIが顔を出す
一昨年、草刈機のナイロンひも式刈刃の説明に続いて、メンテナンス方法を記載しようと思って忘れていたことに気が付きました。当時は、父親が入院したり、勤務していた病院の退職手続きなどで忙しく、そのままになっていたのです。
もともとは、東京八王子市で活動していたユギファーム(現ユギ里山保全チーム)の仲間達に、使う機会が多い耕耘機の使い方や草刈機のメンテナンス方法を教えようと記載したものでした。耕耘機の講習会は実施したのですが、草刈機は中途半端になってしまいました。だいぶ遅くなりましたが、今回は草刈機のメンテナンス方法2回目として、ナイロン製のひも式刈刃の交換方法を追記しました。
刈刃であるナイロン製のひもを1.5m程度の長さにハサミで切る
まず初めに、刈刃であるナイロン製のひもを1.5m程度にハサミで切ります。ひも刃を長持ちさせるためには、ひもを長くするとよいです。しかし、長すぎると、ある拍子に刈刃を納めている回転器具内でからまることがたまにあります。このため、1.5m位にした方が無難でしょう。次に、ひもの片側を15cm位伸ばすようにして折り曲げ揃えます。さらに、揃えたひもの両端とは反対側の中心部をU字型に曲げます。
片側を15cm位伸ばして揃える ひも中心部をU字型に曲げる
U字型を、ひも巻き部の中央の窪みにひっかけます。この時、しっかりとひもを指で押さえておく必要があります。ひもを押さえるようにしながら、ひも巻き部にしっかりと巻き付けます。
草刈りするとひもが消耗して短くなります。このとき、ひも巻き部に巻きつけたひもを巻き戻すようにすることでひもを繰り出します。ひもを繰り出すことによって、新しいひも刈刃が出続けることになります。このように、繰り出すひもが無くなるまで草刈りすることができます。
ひも巻き部の中央の窪みに、ひも中心部のU字部をひっかける
ナイロンひもを、ひも巻き部に巻きつける時が一番注意を要します。ひもは硬く弾力性がありますので、少しでも力を緩めるとはじけてしまいます。力を加えながら、U字部にひっかけたひもを強く巻きつけます。巻き付け終わると、回転元部にひもの両端を出すようにしながら、ひも巻き部を収納します。
15cm位の長さの違いがあるひもの両端 ひも巻き部を回転部に収納
回転元部にひもを出す穴が2ヶ所あるのですが、よく押さえながら収納しないとひもが一気に緩んでしまいます。この作業は、何度か経験を積まないと要領が分かりません。なお、収納する前に回転基部が草刈機の回転軸にしっかり固定していることを確認するとよいでしょう。回転基部を固定するネジは、普通のネジと異なり左回しで固定します。固定していることを確認すると、ひも巻き部を固定するストッパーをはめ込みます。このストッパーをはめ込んで初めて、手を緩めることができます。蓋を取り付けてひも式刈刃の交換が完了です。
ひもの両端を穴から出す 回転元部の締め付け具合を確認
これまでの一連の作業は、慣れれば5分もかかりません。私は草刈りする場合は交換のためのナイロンひもや工具をいつも一緒に持ち歩きます。そして、ひも式刈刃が無くなれば、その場で交換します。
ところで、最近はナイロンひもを容易に交換できるひも式刈刃が販売されています。ナイロンひもを穴に差し込んでくるくると回すと、ひもを巻き取ってくれる回転刃です。今後さらに交換が容易な回転刃が出てくると思います。
回転止めストッパーを取り付けると、手を離せる
なお、回転元部や草刈機本体そのものが壊れることもあります。例えば、キャブレターの故障や側金が飛んでしまうことです。それらの修理方法を知っておくと良いでしょう。草刈機のちょっとした部品は売っていますので。
ナイロンひも式刈刃の交換が終わった草刈機
先日から草刈機の調子が良くありません。数日前から始動する時の音がいつもより変だなと思っていましか。それでも、エンジンがかかりましたので草刈りを続けていました。ところが、今回は始動すらできなくなってしまいました。始動ローブを引っ張ってもピクリともしないのです。無理に引っ張り過ぎるとロープが切れそうです。
始動ロープを引っ張っても、ピクリとも動かない草刈機
始動ロープが固く、ピクリとも動かない故障の一つに、ピストンとシリンダの固着があります。エンジンオイルが無くなった場合、オーバーヒートして起きる故障です。そこで、エンジンオイルを確認しましたが、規定量入っています。このため、オーバーヒートではありません。さっぱり原因が分からないため、草刈機を分解してみることにしました。最初にエンジンカバーを外して、次に始動ロープ部を取り外しました。
エンジンカバーの取り外し 始動ロープ部の取り外し
続いて草刈り刃の延長筒部を取り外してみました。円筒部に小石が入ったり焼き付いたりしていないか確認しましたが正常でした。続いてエンジンのヘッドカバーを取り外しました。この草刈機は4サイクルエンジンのため、吸気バルブと排気バルブがあります。この周辺が一番故障している可能性が高いのです。以前4サイクルエンジンが故障して分解した時も、吸気バルブと排気バルブを動かすカムとタペットが故障してしました。
注意深くエンジンヘッドカバーを取り外し
エンジンヘッドカバーを取り外して調査すると、始動ロープが動かない原因が分かりました。それは、エンジンの回転ギヤ軸に異物が挟まっていたのです。その異物は金属製で、外から入ったものではありません。何かの部品が外れて挟まったようです。そこで、何の部品が外れたのか狭いエンジン内部を調査しました。
エンジン回転部に挟まった部品 調速部が破損している?
すると、エンジンの回転をコントロールする調速部品が脱落して、エンジン回転部のギヤに挟まっていたのです。エンジンがより高速に回転するように調整する部品です。そこで、外れた部品を正常な位置に収めてエンジンを再度組み立てました。すると、始動ローブを引っ張ると、ちゃんとエンジンがかかりました。これで治ったと思って、再度エンジンをかけると再び動かなくなりました。その調速部品が再び外れたようです。よく見ると、この部品を押さえる部品にガタがきていました。
結局、外れた調速部品を取り除いて使うことにしました。高速回転は出来ませんが、今まで通り草刈機として使えます。切れ味は少々悪くなりますが、草は刈ることができます。4サイクルエンジンは2サイクルエンジンに比べて構造が複雑ですので、このような故障発生が時々発生します。回転数を落として今まで通り草刈りしようと思います。
押さえる部品にガタがきたため、脱落してしまう調速部品
東京に行っている間に、小麦畑がすっかり茶色になっていました。早く麦刈りを済ませないと、スズメや鳩などに食べられたり、麦穂が雨に湿って穂発芽してしまいます。
そこで、去年と同じように稲刈機を使って小麦刈りをしようと思いました。倉庫から稲刈機を引っ張り出して、ガソリンを入れエンジンをかけてみました。すると、キャブレターからガソリンが漏れるではありませんか。これでは、麦刈りどころではありません。いつもの耕耘機のキャブレター分解と同じように、稲刈機のキャブレターを修理するはめになりました。
キャブレターからガソリンが漏れる稲刈機
キャブレターからガソリンが漏れる原因のほとんどが、ニードルバルブの故障です。以前耕運機が同様な故障を起こした時は、ニードルバルブをそのものを交換したことがあります。しかし、先端を磨いたり固着箇所を緩めることでほとんどが直ってしまいます。まずは、そのニードルバルブを調べるために、キャブレターを分解しました。
キャブレターの吸入口を外す 底蓋を固定するナットを外す
キャブレターを分解する手順は、最初にキャブレターの吸入口の空気清浄器を外します。そして、ガソリンが通る燃料ホースを外した後、底蓋を固定するナットを外します。底蓋を外すとガソリンを一定の深さにするフロートとニードルバルブが見えてきます。フロートとニードルバルブは一体になっていることが多いため、ビンを抜いて一緒に外します。そして、ニードルバルブ周辺に異変がないかどうか調査します。
底蓋を外すとフロートが見える ピンを外し、フロートとニードルバルブを外す
〇は極小ピンの位置
一番怪しいニードルバルブを調査しました。先端の段付きはそれほどでもありまんでした。ところが、ニードルバルブ内の極小ピンが固着していることが分かりました。このピンはバネで自由に出入りしなければなりません。ガソリン内の不純物が固まって固着したのに違いありません。キャブクリーナを吹きかけて、細いペンチをこじるように動かしていると、ピンが動くようになりました。これで、ガソリンが漏れる故障が治るめどが立ちました。
ニードルバルブのピンが固着して作動不良
キャブレターのニードルバルブ故障を直すと、分解したキャブレターを元のように組み立てました。フロートとニードルバルブをピンで固定し、底蓋をナットで固定し、燃料ホースを繋ぎ、入口の空気清浄器を取り付けました。そして、ガソリンコックを回してしばらく待ち、ガソリンが漏れないことを確認しました。
そこで、チョークを入れて始動ローブを引っ張ると、嬉しいことにエンジンがかかりました。修理に約半日取られてしまいましたが、これで麦を刈り取ることができます。直って良かった!
キャブレターを元のように取り付け 最後に空気清浄器を取り付け
田布施町郷土館の裏にとても古い2連ピストン形状の農機具があります。一目見ただけで、精米機関連の機械と分かりますが、正確に何なのか分かりませんでした。調べると、旧関戸橋袂にあった精米所より寄贈された物と分かりました。しかし、その機械を駆動する装置は何(水車?モーター?)なのか、いつ頃使っていたものか、何に使っていたのか誰も知りません。寄贈していただいた精米所は、中学高校同級生Tyさんの実家でした。さらに、Tyさんのお父さんは、同じように町会議員をしていた私の父親の知人でした。
そこで、同じく私の中学高校同級生であるYさんを通じて、Tyさんにその機械のことを知っていたら教えてもらうよう頼みました。すると、Tyさんはその機械についてあまり知らないとのことで、代わりに弟さんであるTsさんに郷土館に来ていただく手筈を整えていただきました。Tyさんありがとうございました。
15日、郷土館にTsさんが来館されました。Tsさんにお聞きした話によると、昭和30頃に家を作った時に水車小屋から移設したらしいとのこと。動いているのを2,3度見たことがあるそうです。精米部屋は当時ベルトがたくさん動いており危険だったため、子供にはあまり見せてもらえなかったそうです。
寄贈していただいた機械で麦を突いていたのではないかとのことでした。麦だとすると、大麦です。殻を取るために使っていた思われます。殻を取った大麦を押し麦に圧扁加工する機械や衝突式精米機も同時に郷土館に寄贈したとのことです。ところが、寄贈したはずのその二つの機械は郷土館に届いていないことが分かりました。どこかで行き違いになったようです。
Tsさんに、近くに住むTkさんを紹介していただくことになりました。Tkさんは、この機械のことを自分より知っているだろうとのことです。来週、Tkさんを訪問しようと思います。
Tsさん、わざわざ郷土館に来館していただきありがとうございました。今後ともよろしくお願い致します。
寄贈していただいた機械の前で、右から私,Tsさん,そして郷土館長Nさん
続けて古いトラクタを修理しています。なんとかエンジンがかかるようになったため、いったん外に出して各部を調査しました。今のところ大きく損傷しているのは排気口です。永い間に錆びてしまい穴が空いており、グラグラし針金で固定してあります。しかし、どこかに隙間があるようで煙が漏れます。次にタイヤを調査しました。
外に出して各部を調査点検中の、とても古いトラクター
タイヤは4輪共に空気がすっかり抜けていました。40年近く全く使わなかったため、タイヤの空気も抜けてしまったようです。そこで、空気を入れました。前輪はすんなり空気が入りました。そして、右後輪もすんなりと空気が入りました。タイヤに耳をあててもも、漏れている様子はありません。
バルブを取り外す バルブ内のコア 左:壊れたもの 右:新品
しかし、左後輪は空気がスースー漏れて全く空気が入りません。空気を入れるバルブ内のコアが壊れているようです。そこで、新しいコアと取り替えました。すると、今度は空気が漏れませんでした。
ところが、空気を入れて1時間位経った頃でしょうか、突然バーンと言う音が響き渡りました。何事かと思ってトラクターの周りを調べると、空気を入れた左後輪の側面が長さ10cmにわたって裂けていました。これは、もうタイヤ交換しかありません。がっかりです。とても古いトラクターですので、交換するタイヤが在庫しているかどうか分かりません。山口クボタ田布施支店に在庫確認をお願いし、在庫があれば注文することにしておきました。
空気が正常に入った右後輪タイヤ 裂けてしまった左後輪タイヤ
このトラクターの各部を調査していた新たに分かったことがあります。それは、このトラクターは手動でも始動できることです。手で回すためのクランク棒が見つかったため分かりました。それと共に、デコンプレバー位置の理由が分かりました。
手動でエンジンをかける場合、一人がデコンプレバーを圧を抜いて、もう一人がクランク棒を勢いよく回します。エンジンが勢いよく回った頃をみはからってデコンプレバーに圧をかけるのです。手で回して始動すると、バッテリーがあがったような場合、セルを使わなくてすみます。今、クランク棒を使って始動するトラクターはありません。ある意味、歴史的なトラクターではないかと思われます。
一人がクランク棒を回し、もう一人がデコンプレバーを操作
続いて、畑を耕耘するためのロータリーを調査しました。とても面白いのは、ロータリーが左右2軸構成になっていることです。今、このようなロータリー方式は無いと思います。今は、中央一軸方式か側軸方式です。
続いて油圧を調べてみました。ロータリーの上げ下げが出来ますので正常のようです。なお、ロータリーを鎖で上げ下げしています。また、ロータリーも回転させることができます。タイヤさえ直すことができれば、実際に耕耘に使えそうです。
ロータリーの上げ下げは正常 ロータリーは左右2軸方式
私が使っている小型耕運機は2台あります。耕耘幅が違う2台です。幅の広い一台は、畑を耕耘するために使います。幅の狭いもう一台は、もっぱら除草に使っています。コストをかけないため、故障しても私が修理して使い続けています。実は、もらった小型耕運機がもう1台あるのですが、東京のユギ・ファームの仲間に譲りました。
耕耘機のキャブレター部分 エアフィルター関連を取り外す
さて、耕耘用の小型耕運機1台の調子が良くありません。先日キャブレターのフロート付近を洗浄したのですが、エンジン出力を上げるといまいち不安定です。その後、吸気口のエアフィルターを交換しましたが、それだけでは根本的な解決とはならなかったようです。このため今回、不調原因と思われるキャブレターをすべて分解/洗浄することにしました。
アクセル関連を取り外し ガソリンのホースも外す
キャブレターを取り外すため、エアフィルター関連,アクセル関連,そしてガソリンを供給するゴムホースなどを取り外しました。そして、キャブレターだけを耕運機から取り外しました。取り外したキャブレターを順番に分解しました。そして、キャブクリーナーで洗浄しました。
キャブレターを耕運機から取り外し 〇はパイロットスクリュー
最初にガソリンフィルターを掃除しました。底には錆と思われる茶色の泥が溜まっていました。それを取り除いてキャブレタークリーナーで綺麗に洗浄しておきました。次に、フロート室を分解しました。いつもはフロートのニードルバルブの洗浄で終わるのですが、今回はさらにメインジェットのメインノズルも取り外して綺麗に洗浄することにしました。
ガソリンフィルターの洗浄 フロート室を分解
左:フロートピン 右:メインジェット
めったに外さないメインノズルを取り外すと、ガソリン内の不純物が固化したものがびっしりと付着していました。やはりキャブレタークリーナーで洗浄しておきました。次に、低速回転時にガソリンが噴出するパイロットジェットを分解しました。パイロットスクリューを取り外して、メインノズルと同じようにキャブレタークリーナーで洗浄しておきました。
取り外して洗浄したメインノズル 取り外して洗浄したパイロットスクリュー
綺麗に洗浄したキャブレターを、再び耕耘機に取り付けました。そして、エンジンをかけてみました。すると、以前のようなもったりした動作がきびきび動作するようになりました。アイドリング時の動作が不安定ですが、パイロットスクリューの調整が不十分だからだと思います。この機種は10年以上使っていますので、これからも修理しながら使い続けようと思います。
分解洗浄したキャブレターを、元通り耕運機を取り付け
小屋にある古いクボタ製トラクターを引き続き修理しています。今のところ修理と言うよりは、再稼働のための調査,確認と言ったところです。前回エンジンが全くかからなかったため、より精密に調査することにしました。最初、燃料である軽油が噴射管までちゃんと流れているか確認しました。燃料コック,燃料ろ過器,燃料噴射ポンプです。それぞれ燃料管を外して確認しました。その結果、燃料管周りはOKでした。
右上:燃料コック,右下:燃料ろ過器,左下:燃料噴射ポンプ
続いて燃料噴射ポンプを調査しました。すると、燃料噴射アクセルレバーが固着していて動きませんでした。このため、ガスバーナーで温めたり、CRC556を吹き付けたりして少しずつ動かしました。何分か左右に動かしていると、アクセルレバーが動くようになりました。固着していた位置はアクセルが入らない位置でした。これでは燃料が噴射管に流れずエンジンが動かないわけです。次に、燃料噴射管を調査しました。噴射管のナットを外して調べるとちゃんと燃料が出ました。噴射管の上にある電線が何のためにあるのか分かりませんが、おそらく寒い時の熱ヒーターではないかと思われます。
固着していたアクセルレバー 下丸:燃料噴射管,上丸:熱ヒーター
普通の車でもトラクターでも、エンジン始動はバッテリーで行います。このバッテリーは使っているうちに電気が無くなります。そのバッテリーに蓄電するための発電機があります。このトラクターの発電機は、古い形式の直流発電機ダイナモでした。今は交流式のオルタネータが主流です。この発電機がちゃんと発電するか、エンジンがかかったら確認する必要があります。
古い形式の直流発電機ダイナモ、ちゃんと発電するかは不明
燃料系の確認が終わったのでエンジンをかけてみることにしました。最初、アクセルレバーをいっぱいに引きます。つまり燃料が最大に噴射する位置にします。次にデコンプレバーを圧がかかるようにセットしました。
ところで、なぜエンジン頭頂部にデコンプレバーがあるのか分かりません。今のトラクターは前面操作パネルにあります。しかも、エンジンカバーを被せると、このレバーを操作できません。エンジンの回転を外に取り出せるようになっているからでしょうか。外に取り出すのであれば、トラクターに座っていなくてもエンジンを止めるためにこの位置にデコンプレバーが必要だからです。まったくの謎です。
左丸:アクセルレバー,右丸:スターター デコンプレバーを圧の位置に
次にファンベルトのたわみ状態を調べました。50年位経っているにも関わらず、ベルトは正常な張力を保っていました。この状態でエンジンをかけてみました。
スタータースイッチを入れると、デコンプレバーが圧になっているため苦しそうにファンが回りました。しかしながら、何度も回転させているうちに排気管から白い煙が出てきました。この煙からすると、エンジンがかかる寸前であることが分かります。何度かバッテリーを休めながら回転させていると、まばらに爆発するようになりました。それでも回転させていると、白い煙を大量に吐きながらついにエンジンがかかりました。
このエンジンの音を聞いたのは50年ぶり位でしょうか。重い力強い音です。アクセルレバーを少し戻して回転をスローにして数分間暖気運転しました。今回は、エンジンがかかっただけでも成功です。エンジンを止めて、冷却水の温度を測ると5℃ばかり上昇していました。冷却系も正常のようです。
ファンベルトのたわみを確認 エンジン停止後、冷却水の温度上昇確認
エンジンがかかれば、次にトラクタを動かしてみたいところです。しかし、どれがどの操作レバーか分かりません。少なくとも、クラッチ,変速レバー,ブレーキペダルは知っておかなければなりません。次回は実際にエンジンを動かして、各種操作レバーを確認してみようと思います。
操作レバー A:変速レバー,B:クラッチ,C:ブレーキペダル,DEは不明
私が小学生だった頃(1960年代初め)、父親がトラクターを購入しました。それまでは、歩行型トラクタ(通称:耕耘機)を使っていました。そのころ、父親は酪農を本格的に経営しようと、山を崩すなどして農地を広げて広大な牧場を作っていました。それまでの耕運機ではとても耕しきれないため、当時高価で珍しかったトラクターを購入しました。その時購入した古いトラクタが、使われないまま40年近く我家に眠っています。このトラクターを直してみようと思います。また実際に農作業に使ってみようと思います。トラクターの修理は去年、前輪の故障を分解修理して以来のことです。
古いクボタ製トラクターL15の全体、前輪も後輪も空気が無くペシャンコ
このトラクターの銘板を見ると、型名がL15となっています。L15に「R」が付いた水田用トラクターに、L15R形(1962=昭和37年)と言うのがあります。このため、L15Rの原型ではないかと思われます。これから推測すると、我が屋にあるL15型は、クボタで製造された国産初トラクターT15型の後継として1960年頃に製造されたものではないかと思われます。なにしろ私が小学生の頃ですので分かりません。父親が乗っているのを見たことはありますが、私自身は乗ったことも触ったこともありません。今私が使っているトラクターとはスイッチ,メーター,レバーが全く違います。
古いトラクターに付いている銘板 エンジンカバーを上げて調査
まずは、エンジンカバーを上げてエンジン部を見ました。水冷2気筒ディーゼルエンジンで、発電機が直流ダイナモ式であることぐらいしか分かりません。ハンドルがある操作パネルを見ると、さっぱり分かりません。一番驚いしたのはアワーメーター(累積使用時間)が無いことです。最初アワーメーターかと思っていたものはオイルメーターでした。バッテリーをつないでいろいろ操作してみると、電源スイッチ,方向指示スイッチ,そしてスタータースイッチだけは分かりました。アクセルレバーや前照灯スイッチなどがあるはずですが、今のところどれか分かりません。
ハンドルと全面操作パネル、使用方法が分からないスイッチがいくつか
この古いトラクターを観察していると、足元に吸入口の部品が落ちていました。何故落ちていたのかは分かりません。しばらくトラクター本体のあちこちを観察した結果、取り付けられていた位置が分かったため取り付けておきました。
足元に落ちていた吸入口部品 吸入口部品を取り付ける
トラクター本体をいろいろ調査した結果、特に大きな紛失部品や破損している場所はなさそうです。エンジンをかけてみる前にラジエターとエンジンオイルを調べました。この二つはエンジンをかける前に点検する必須項目です。
ラジエター内に水があるかどうか調べると、ほとんど水は抜けて無いようです。そこで、ジョロに水を入れてラジエターに補水しました。次にエンジンオイルを調べると、ほぼ規定量あるのでOKです。
ラジエター内に水を入れる エンジンオイルはOK
バッテリーをこのトラクターに積んで電線をつなぎました。そして、軽油をたっぷりと入れました。スタータースイッチを押してみました。すると、嬉しいことにスターターモーターが回ります。しかし、エンジンはさっぱりかかりません。ディーゼルエンジンのため、軽油が噴射管まで届かないのかも知れません。そこでしばらくエア抜きを兼ねて回し続けましたが、からきしエンジンがかかりません。から回りしている感じです。そこで、もう一度エンジン内部を調査しました。どうもデコンプレバーとアクセルに問題があるか適正位置でないのかも知れません。
問題があると考えられるデコンプレバー(上)とアクセル(下)