東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

畑の隅に、寄生植物ネナシカズラ

2014年07月04日 | 花,野草

 一昨年見かけた寄生植物ネナシカズラが、畑の隅に少し発生していました。ネナシカズラは、とても植物らしからぬ形をしています。まず、葉が全くありません。このため、全体が黄色です。葉が無いので茎や枝がひものようです。また、根がありません。植物界で一番の変わり物です。
 ネナシカズラは発芽する時は根があります。しかし、宿主である植物に取りつくと、その茎に根を差し込んで栄養を盗み始めます。すると、発芽時にあった地中の根は枯れて無くなります。ネナシカズラの先端(枝)は、獲物を探すように動きまわります。動きが千倍早ければ、まるでミミズかヘビのような動きをします。

               葉や根が無く、ラーメンの麺のような植物ネナシカズラ


 ところでネナシカズラをよく観察すると、寄生する植物に好き嫌いがあるようです。稲や茅のような葉がまっすぐな草には取りつかず、葉が大きく茎がある植物が好きなようです。たまたま葉がまっすぐな草にとりつこうとしているネナシカズラを見かけました。すると、ネナシカズラの根がうまく刺さらないようでした。ある程度硬太い茎でないと根が入り込めないようです。

           ゆっくり動いて宿主(獲物)の植物を探すネナシカズラの枝
 

 ツル性の植物は他の植物に絡みついて上に登っていきます。例えば、ツタは根が吸盤のようになっています。この吸盤が茎に食い込んで栄養を盗むように進化したのが、ネナシカズラではないでしょうか。こんな不思議な植物、いったい何万年かかってこんな姿に進化したのでしょうか。また、受粉はどうやっているのでしょうか。不思議だらけの植物です。
 寄生する生き方は楽に思えます。しかし、ネナシカズラは発芽後2,3日中に獲物である植物に取りつかないと枯れてしまうそうです。ネナシカズラの生き方もなかなか過酷です。千粒の種子ができても、発芽後生き残るのことができるのは1粒位ではないでしょうか。

               ネナシカズラの、赤〇は種子,赤△は花

コメント (2)
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