東京里山農業日誌

東京郊外で仕事のかたわら稲作畑作などをしていましたが、2012年4月に故郷の山口県に拠点を移して同活動をしています。

懐かしい故郷の民具(ほぼろ:わら籠/わら細工)の制作 (7/9)

2021年01月11日 | 綿栽培,糸つむぎ,織り,染色

 ほぼろの製作も終盤です。コロナが収まったら、ほぼろ製作の講習会を開けたらと思っています。農家であれば、昔は俵やほぼろを作るための馬や曲がり針が普通にあったものです。今は誰に聞いても持っている人はまずいません。そのため、ほぼろ製作と並行して、ほぼろを作るための工具を自作しています。今回は、ほぼろの底を縫うために必要な曲がり針を四人分作りました。

          ほぼろを編むために必要な曲がり針


 曲がり針は畳針をU字型に曲げたような形をしています。オークションかどこかで売っていないか探しましたがありません。そのため、大きめの釘を鍛造加工して自作することにしました。釘の端をバーナーで赤熱してハンマーで強く打ち付けます。それを何度か繰り返して、釘の端を平らに延ばします。延ばした中心にドリルで穴を開けます。そして、ヤスリで綺麗に穴やその周辺を丸く磨きます。最後に、釘全体をハンマーで打ち付けてU字型に加工しました。久しぶりの鍛造や鉄工加工です。時間がかかりましたが、使えそうな曲がり針が完成しました。

 釘を赤熱し鍛造加工     鍛造加工後穴あけ    釘を叩いて曲げる
  

 曲がり針が使えるか、底を編み終わったほぼろを使って試してみました。すると、とても使い勝手が良いことが分かりました。昔は、農家なら誰でも俵やほぼろを作っていました。当然、その工具を作る大工や鍛冶屋がいたはずです。しかし、今は自分で作るしかありません。曲がり針ができたので、次はほぼろの製作に一番欠かせない馬を複数作ります。

 曲がり針の先端をハンマーで曲げる     曲がり針の使い勝手を確認   
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする