この古いクラウン製トランジスタラジオ HT-70の修理履歴です。それぞれをクリックしてください。
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これから梅雨に入り、農作業ができない日が続くことがあります。そんな時は、古いラジオなどを修理するに限ります。農作業は体力勝負ですが、ラジオ修理は知力勝負です。故障した場所を推理するなど、一種知的なゲームです。今回修理しようと思うのは、CROWN製のトランジスタラジオです。真空管ラジオを思わせるレトロなデザインです。
真空管ラジオを思わせるレトロなトランジスタラジオ CROWN HT-70
この落ち着いたデザインのラジオを聴こうと思い、電池を入れてスイッチを入れました。しかし、さっぱりラジオ放送が聞こえてきません。スイッチを入れるとかすかにブスッと言う音が聞こえるため、電源は通じていることは確かなのです。電源は単1電池3本を直列したものを2組並列にした、珍しい電源構造です。電圧は4.5Vです。
ラジオの銘板 裏蓋を止める金具 電池3本を直列、を2組並列
音がさっぱり出ないので、修理することにしました。この梅雨を過ごすのにちょうどよい仕事ができました。のんびりと修理しようと思います。知的なゲームの始まりです。まずは、裏蓋を取り外して、シャーシを取り外すことにしました。そもそもシャーシ構造そのものが、真空管時代を引きずっています。このラジオは、真空管ラジオがまだまだ製造されていた昭和30年代後半に製造されたのではないでしょうか。
底板のネジを外す 音量つまみなどを外す 電源コード留め金具を外す
シャーシなどを固定するネジを外し、音量,トーンコントロール,そしてチューニングつまみを外します。最後にアンテナコードと電源コード留め金具を外しました。すると、シャーシを筐体から取り外すことができました。シャーシを見ると、高周波回路と低周波回路が分離されていました。バリコンは親子バリコンです。低周波出力回路はOTLではありません。各回路はハトメで固定されており、使われているトランジスタなどの規格が読めません。わずかに混合発信に2SA152が使われていることが分かりました。2SA152は日立製で、Ftが10MHzの中波ラジオの混合発信用ゲルマニウムトランジスタです。
シャーシにとりつけられた各種ラジオ部品や回路
A:バーアンテナ,B:バリコン,C:高周波回路,D:低周波電圧増幅器,
E:低周波電力増幅器,F:チューニングつまみ,G:トーンコントロールつまみ,
H:電源スイッチ兼音量つまみ,I:出力トランス,J:スピーカートランス
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