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「縦」を重んずる心

2006年07月29日 | 雑記帳
 モラロジーの研究会で野口芳宏先生のお話を聞いた。

 今回のテーマは「縦の道徳、横の道徳」。
「縦」と「横」の比較を、自然界のもの、熟語によるイメージの違いなどで押さえながら

 人間の生き方においては、基本的に「縦」が大事であり、「横」は附属であることを説かれた。

 これは教育も同様であり、縦の教育こそ中心であり、横は従であると強調された。歴史的な経緯と照らし合わせて「教育勅語」と「教育基本法」の精神を比べてみたとき、私たちが育ってきた戦後社会で縦と横のどちらが強調されてきたかは明確であり、その結果どうなっているかもまた明白であることは、言うまでもないことだった。

 そうした流れの中で、具体的な提言として「親孝行の復活」を掲げたことには納得がいった。そしてそれは、教育の「戦略」としても有効であるとともに、教育者としての立場の私たちの精神のあり方も同時に問うことになる、きわめて現実的で当事者性の強い提言、課題であったように思う。
 
 先生は自らの財布を開けて、ご両親の写真を入れてあることを示した。
 今までの先生のご著書の中に幾度も書かれている父母への恩は、そのような形でも日常化されている。
 
 わが師の深い懐に湛えられている水は、汲めども汲めども尽きないことを感じた。