すぷりんぐぶろぐ

桜と絵本と豆乳と

どこまでお膳立てするか

2007年02月07日 | 教育ノート
 大人は1回に五じょう、子どもは大人より少なめを、食後三十分ぐらいに、かまずに水などで飲んでください。

  ある教材社からでている「思考力トレーニングシート」にあった例文である。
 薬の飲み方についての説明という設定で、この文章のわからないところを指摘する問題である。
 
 授業補充で、このシートを使用してやるように頼まれた。
 授業として扱うとすれば「シート→練習→まとめ」か「例題→シート→まとめ」のどちらかだろう。
 飛び込みでもあるし、ここは無難に?後者でいくこととする。
 全体で例題を解いてから、シートで個別に作業させようと考えた。

 考えた例題は、次の通り。遊園地にできた新しい乗り物の注意書きという設定であることを説明してから、黒板に書いた。

 この乗り物は、お年寄りや身長の小さい人はのれません。
 ほかの乗り物の二倍ほどお金がかかります。
 また、何回も乗るのはやめてください。

 板書しただけでは、あまり表情は動かない。
 「なんか、この文章、変じゃない」と誘ってみると、目を見開いた子が数人。
 「この表し方では、はっきりしないなあと思うところがあります。見つけた人はいませんか?」
と問うて、18人中7人の手が上がった。

 表現が不明確であったり曖昧であったりする箇所を指摘し、限定する必要を感じさせることがねらいであるが、例示文章だけではなかなか難しく、「状況」「目的」「対象」などをイメージしながら考えていくことになる。
 そのために状況説明を加えてから始めたが、やってみた後に「言葉への反応力」を鍛えていくためにはお膳立てしすぎのようにも感じた。
 
 例題の文章を決め切り出し方を考えたときに、文章だけ投げ出し「何だと思う?」から始めようとも思ったのだが、散漫になる危険が高いと捨てたのだった。

 腰がひけたな、と正直に思う。

 次のシートではどうするか。