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桜と絵本と豆乳と

導入問題のリベンジ

2007年02月08日 | 教育ノート
 次のシートは「かん板を作り直そう」というタイトルである。
 パターンは同じだか、導入の例題は状況を引き出すところから始めてみる。

 ポスターの形にして、「パンダがブランコにのっている絵」の下に次のような文を書いた。

 ペンキ塗り立てなので、このブランコの使用を禁止します

 「これって何?」と問うと
 最初の子は「注意」とだけ答える。認めて、さらに詳しく言ってみなさいというと
「公園で、プランコについて 注意している」という声がでる。
 これで、表面的な状況はわかった。

 次に、「このポスターは、いいポスターかあまり良くないか」を○×で問う。
 18人中に8名が○と真っ二つに分かれる。
 ○の理由を聞いてみると「理由が書いてある」「短く書いてある」が挙げられる。書かれた表現のみを対象とした見方である。
 一方×は、「いつまで(禁止)かが書かれていない」「どこに塗っているかはっきりしない」と理由がでた。しかしこれらはポスターの役割についての認識不足や、かなり部分的な問題であるので少しずれている。
 一人の男の子が「乗られないのに、乗っている絵が描かれてある」と指摘した。文と絵の整合性である。なるほどという顔が見られた。


「先生は、実はこのポスターはあまり良くないと思うんだけれども、そういう考えでもっと良くない理由を見つけられる人はいないか」と続けると、

「漢字が読めないよ」
「公園にくる小さい子には、使用とか禁止はわからない」という意見が出された。
他の子もあっそうかという表情である。

 ここにきて「相手」や「目的」が明らかになってきて、文章の検討の軸ができるのである。
「そうすると、塗り立て、という言葉も難しいよね」
 確かに短く端的に書かれているが、絵があわなかったり、漢字がむずかしかったりすると伝わらない場合があることを押さえて、類似したシートの問題に入っていった。

 飛び込みのわずかなやりとりから結論づけるのは難しいが、「言葉への反応力」を高めていくための一つの方法として、担任ならばやはり学習パターンを決めておくことが有効ではないかと思う。
 例えば、文章提示のあとに「わかること」「はっきりしないこと」「疑問」など、子どもたちが次々に話す(書く)といった活動を習慣づけ、ある程度の所で限定し検討させていくことを重ねれば、見方は育っていくだろう。

 授業の流し方に、もっと意識的にならないと「反応力」は鍛えられない。