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「つながりそうだ」という感覚で評価する

2007年06月05日 | 教育ノート
 日常化している活動であればあるほど、何のためにということを振り返る必要があると思う。
 活動を続けていく意味づけを持っているかどうかは、活動の質を規定していくはずである。具体的なこととして、子どもにどんな言葉をかけられるかに表れているだろう…そんなことを考えながら、書いてみた。

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「縷述 つながる授業16」
 
 各学級で音読や暗唱に熱が入っているようです。音読集会での発表や、学級ごとの指導の工夫が生きているような気がします。7年部などの校内人材もどんどん活用して、今後も子どもたちの意欲が高まるようにしたいものです。

 必修の音読詩文集配布から本格的になった活動ですが、ここでもう一度そのねらいをおさらいしてみたいと思いました。
 いったい何のための音読か、暗唱にはどんな意義があるのか、時々振り返っておかないと形だけが先行して、育っていく力に無頓着になりがちです。
 ねらいや効果と実際の様子と重ねあわせて見ていくべきことですし、学級の実態によって一部を強調したりする必要なども出てくるかもしれません。随時確かめながら進んでいきたいものです。

 たまたま書店で見つけた『古文・漢文・文語詩の暗唱50選』(東洋館出版社)に編者の大越和孝氏が以下のような5つの効果を書いていました。よくまとまってあると思ったので紹介します。要約です。

 ◇自分の思いを声に出して音声化することで、こころの開放をもたらす
 ◇きちんとした発音・発声による暗唱は、しっかりした声で話すことにつながっていく
 ◇聞き手に伝わるかという姿勢で読みとるようになり、言語に対する感性が豊かになる
 ◇叙述の細部に気をつけるようになり、自分の表現にも生かそうとする
 ◇作品のものの見方、感じ方、考え方に接し続けることによって、人間的な成長をもたらす

 ずいぶん大きな目標ともいえますし、すぐ目に見えて効果がでる類とは言えないでしょう。ただ指導者が意識しつづけることは大事だなあと思います。

 子どもの些細な変化をとらえ、「つながっていくかもしれない」「つながりそうだ」という感覚で評価してやることが、何よりの指導ともいえるのではないでしょうか。
(6/4)
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